2003年7月

日時 2003/7/31
銘柄 マコン・ピエール・クロ・ル・シャビーニュ2000
(ギュファン・エナン)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 優心美酒SHIMURA/AMZ
コメント 黄緑がかったイエローで、やや濃いめの色合い。黄桃、白い花、メロンなどの穏やかで甘い香りに遅れてバニラ香が満開になる。口に含むと、酸が丸く、全体に落ち着いた酒質。以前飲んだ印象からもっと固形物のような力強さとはじけるような酸を予想していたが、ちょっと意外なのは、すでにじんわりとトロミが出て、熟成しはじめの雰囲気があることだ。加えて特筆すべきは口中での含み香の豊かさと余韻の長さ。パーカーさんの95点(でしたっけ?)はややオーバーとはいえ、非凡なシャルドネであるのは確か。ただ、熟成のスピードは結構早いかもしれない。
【91】
日時 2003/7/26
銘柄 ニュイ・サンジュルジュ・オー・サンジュリアン2000
(ダニエル・ボックネ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 尾張一宮河野酒店
価格 \3590
コメント

う〜む、もう7月も終わりだというのに、今月の掲載本数はわずか6本。これってHPを始めてから最小本数ではなかろうか。公私とも忙しくてなかな時間がとれないのに加えて、最近減量に励んでいるものだから、平日はほとんどワインを飲んでないのである。あと1〜2ヶ月はこんなペースになると思うけれどもご了承いただければと思います。
さて、週末の今日は少し早いと知りつつ、セラーの中に他に適当なボトルがなかったこともあり、2000年のブルを抜栓。濃厚なルビーの色調。香りはすでにとても魅力的なブーケを放っている。ラズベリーやブラックチェリー、丁子などのスパイス、紅茶、土、毛皮などのクラシックな芳香。口に含むと、さすがにまだタンニンが堅いものの、素性のよさを感じさせるクリーンな果実味が口中に広がり、旨み感もたっぷりとある。そしてそれにごく控えめなオークがアクセントを添えて、実にオーソドックスなブルゴーニュに仕上がっている。若さゆえと思われる苦味と芯を残した果実のような堅さがとれれば、さらにすばらしい味わいが期待できるだろう。この作り手、地味だけれどもいい仕事してます。【89】

日時 2003/7/18
銘柄 シャサーニュモンラッシェ・レ・ブードリオット
(ドメーヌ・ラモネ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 ファインワインクラブ/AMZ
価格 3045円
コメント

1年半ほど前にファインワインクラブの半額セールで購入したもの。あえてこの銘柄を指名買いしたのは、ロオジェで飲んだ同じ作り手の96年に感銘を受けたから。しかし、この98年は96と同等というわけにはいかなかったようだ。かなり濃い目のイエローで、やや麦わら色がかっている。香りはグレープフルーツ、キンモクセイ、時間差でバニラやキノコ。少しばかり酸化したニュアンスがあるのが残念。口に含むと、黄色い豊かな果実のアタックこそあるが、いまだ酸が堅めで、全般になんともぎごちない表情。フィニッシュにはレモンの皮のような苦味がまざる。温度が上がってくるとかなりふくらみが出てくるのだが、柑橘系を思わせる酸が相変わらず厳しい。う〜ん、名手ラモネの1級にしてはなんかパッとしませんなあ。購入価格が購入価格なので、文句を言うべき筋合いではないのだけど、正価だったらちょっと怒ってるかも。【87】

日時 2003/7/13
銘柄 トルブレック・ウッドカッターズ・レッド99
産地 豪>バロッサヴァレー
購入店 Wassy's/ミレジム
価格 1500円
コメント

共同購入により1500円という安値で購入したウッドカッターズもこれが最後の1本。今まで飲んだ2本はどうもパッとしないものだったが、これはボトル差なのか状態の差なのか、はたまた私の体調のせいか、なかなか楽しめる1本だった。
濃いルビーでエッジはピンクの色調。火を通したブラックベリーやカシス、墨、八角や丁子などのスパイス、ビターチョコ。口に含むと、甘く濃縮した果実味のアタックがあり、タンニンはこなれてやわらかく、濃厚でありながら、ジューシーで近づきやすい酒質。それでいてトータルな印象は、優等生というよりはどこかアブナげな、デカダンな雰囲気も醸しだしている。ただし、このボトル、果物で言えばすでにジュクジュクになりかけたような味わいなので、長く寝かせるのは冒険かもしれない。【88】
3日目:意外なことに、抜栓初日と変わらないほどの香りと味わいをキープしていた。ということは、結構長持ちするのかなあ…?

日時 2003/7/10
銘柄 シャンボールミュジニー・レ・サンティエ98
(エルヴェ・シゴー)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 東急本店/オーデックス
感想

エルヴェ・シゴーは、あまり目立たないがシャンボールミュジニーらしい素直で清楚なピノをリリースしてる作り手という印象がある。しかし、この98年の出来はいただけない。エッジがかなりやわらかくなった濃いめのルビーの色調。カシスやダークベリー、紅茶などに加えて、心地よいなめし革香が期待を高める。しかし口に含むとやや神経質でピリピリした酸があり、酒質も1級にしては細身で、アルコールが浮いたような印象があって、フィニッシュには苦味も加わりイガイガした感じになる。このバランスの悪さは作り手のキャラクターというより、98年というビンテージのネガティブな影響を強く受けたのではないかと思う。このところ村名から中堅どころにかけて98年をよく開けているが、個人的には、98ブル赤はかなりキビシイものがあると感じている。
【86】

日時 2003/7/4
銘柄 ジュブレイシャンベルタン・クロ・サンジャック98
(ドメーヌ・フーリエ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 小田急ハルク
価格 3780円(3割引きセール)
コメント 決して濃いというほどでない、中程度のルビー。香りはかなり熟成感が出始めた、赤い果実のコンフィ、ジビエ、紅茶、ミネラル、それに鉄っぽいニュアンス。味わいはイチゴゼリーのような透明感のある果実味が印象的な反面、中盤以降突出気味の酸が気になる。酒質は色調から想像するよりもずっと厚みがあるのだけど、口中での広がり方がなんというか一様でなく、ギスギスした感じがある。これが出来のよいワインになると、口の中で球体のような広がりを見せてくれるのだが…。98のフーリエを飲んだのは2本目だが、すばらしかった99年に比べると、どうもイマイチ。ただ、このボトルも噴いた跡があったので、ビンテージの限界なのか、コンディションのせいなのか、いまひとつ定かでない部分もあるにはある。【87】
日時 2003/7/2
銘柄 ジュスト・ディ・ノートリ2000(トゥア・リータ)
産地 イタリア>トスカーナ
コメント スーパーメルロー「レディガッフィ」があまりにも有名になったためか、はたまたラベルの印象が似ていることもあってか、レディガッフィのセカンド的なイメージで見られてしまう銘柄だが、こちらはカベルネとメルロのブレンド。ちなみにPK100点のレディガッフィの陰に隠れがちだが、この銘柄もPK氏は95点つけている。
黒々とした濃厚なルビーで、エッジは赤紫色。香りはブラックチェリーや黒オリーブなどに混じって墨とか丁子、八角などのスパイス、それにオークなどがてんこもり。口に含むと鮮やかで伸びのある酸の第一印象。果実味は凝縮感があって力強く、タンニンは豊富だがよく熟してなめらかに溶け込んでいる。豊かなふくらみとがっちりした骨格を持ちつつも、どこにも尖ったところがなく、すべてのエッジが丸く仕上げられているところに非凡さを感じる。 カベルネ+メルロというと、2000年のボルドー右岸などを引き合いに出したくなるが、こちらはやや開放的な酒質とか、明るめの酸のニュアンスなどにイタリアらしさを感じます。【93】