2003年5月

日時 2003/5/30
銘柄 ジゴンダス2000(サンタ・デュック)
産地 仏>コートデュローヌ>ジゴンダス
購入店 銀座屋酒店/稲葉
価格 2980円
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前回からまた1週間、間が空いてしまったが、やっと週末ということでセラーをゴソゴソとあさって、ジゴンダスを代表する作り手サンタ・デュックの2000年ものを開けてみた。紫がかった、健全な色調のガーネット。香りは閉じ気味だが、ジャム状のブラックチェリーやプラム、ハーブ、ミネラル、それに土っぽいニュアンス。味わいは甘く豊かな果実味が印象的。酸も豊かで、タンニンはよく熟してなめらかであり、クリーンで豊かな体躯は飲みごたえがある。ただ、アルコール度の高さとあいまって、今はまだちょっと飲み疲れする感じも。とはいえ、奇をてらわずに正攻法で丁寧に作られたローヌという感じで、2年ぐらい寝かせるとイイ感じになりそう。もちろん今でも美味しいですけどね。
【88】翌日:みずみずしさは失せたがどっしりと落ち着いた味わいになった。

日時 2003/5/23
銘柄 ヴォーヌロマネ・レ・スショ96(R・アルヌー)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 うきうきワインの玉手箱/サントリー
価格 8980円
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私の贔屓の作り手のひとり、ロベール・アルヌー。彼のラインアップにはエシェゾーやクロ・ヴージョもあるが、一般にこの「スショ」がロマネサンヴィヴァンに次ぐとされることが多い。
実はこのワイン、家に届いてまだ3日しか経っていないのだけど、状態を確かめる意味もあり早々に抜栓してみた。同じ銘柄を99年頃に小田島で飲んだことがあるが、当時はチェリーやラズベリーのみずみずしい果実味が印象的だった。4年を経た今、それがどうなっているのだろうかと。色調は濃厚なガーネットで、エッジにかすかにオレンジがかっている。香りは非常に還元的な、赤身肉や乾いたスパイス。芳香力自体はとても強いのだけど、正直、あまり心地よいとはいえない香りだ。口に含むとトロリと凝縮した果実味が伸びやかな酸に支えられて広がる。タンニンも豊かだが綺麗に溶け込んでいて酒質の豊かさはすぐにわかるのだが、リリース直後のような果実のみずみずしさはなく、かといって、スーボワ香はまだ出ておらず、極めて還元的な香りとあいまって、時期的に中途半端な時期だったのかという気もする。とりあえず最終評価は翌日に持ち越しということで。
【90?→92】
翌日:香り、味わいとも向上。香りはまとまりがよくなり、果実味が口中で爆発的に広がるようになった。これはやはり非凡なワイン。初日の香りに違和感があったのは、到着してすぐに開けたことも多分にあるのかも。ちなみに、同じモノをもう1本購入しようとショップのサイトを見たら、10800円に値上がりしてた。(^^;

日時 2003/5/20
銘柄 ヴォーヌ・ロマネ・レ・ジャシェ2000
(ジャン・イヴ・ビゾー)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 小山酒店/INA
コメント 引退後も(といいつつ、相変わらず細々とワイン作りを続けているようだが)、絶大な影響力をもちつづけるアンリ・ジャイエ。このジャン・イヴ・ビゾーもアンリ・ジャイエの薫陶を受けた生産者のひとりだとか。
紫がかったやや濃いルビーで透明感がある色調。。香りはラズベリーやイチゴ、シナモンその他のスパイス、それに土っぽいニュアンスも。
味わいはとても丁寧に作られたトラディショナルなブルゴーニュという印象。これでもかというほどの旨み成分があって、タンニンも穏やかで今飲んでも十分に美味しいのだが、酸がややジリジリしていて構造にやや頼りなさがあるあたりは、2000年というビンテージの限界か。いずれにせよ、素性のよさはバンバン伝わってくるし、2〜3年も置けばよりすばらしい香りと味わいを満喫できるだろうと思う。ちなみにこのボトルは、小山酒店の「6本1.5万円セット」で購入したものだが、 たいていのショップではは5千円前後のプライスがついている。個人的には4千円を切る価格ならまた買いたいと思う。
【88】
日時 2003/5/15
銘柄 バローロ98(コリーノ)
産地 イタリア>ピエモンテ
購入店 やまいち
価格 3980円
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アルボリーナ、ジャッキーニ、ロッケ・デラヌンツィアータ、ロンカーリエと、錚々たる単独畑銘柄をリリースするコリーノ。このボトルは畑名なしだが、その分プライスも他が7〜8千円台なのに対して、3千円台と割安感がある。濃厚ながら、エッジはやや複雑なニュアンスのあるガーネット。香りはブラックベリー、枯れ葉、土、丁子、そしてそれらを包み込む品の良いオーク。口に含むと力のある酸と豊富で乾いたタンニンが押し寄せるが、いずれも質感が高いので厳しさはなく、なによりそれらを受け止める果実がクリーンで充実しているのが素敵。各要素がまだこなれていないとはいえ、力強く充実感のありつつも折り目正しい味わいは印象的だ。
【89】翌日:特に向上したわけではないが、味わいはよりこなれて、香りも衰えずに2日に亘って楽しめた。

日時 2003/5/10
銘柄 Ch.ソシアンドマレ2000
産地 仏>ボルドー>オーメドック
購入店 東急/エノテカ
価格 4800円
コメント ブルジョワ級ながら、格付け上位の実力を持つといわれるソシアンド・マレ。2000年ボルドーの出来を計るよい指標になりそうだということで、飲んでみた。中心が真っ黒といってよいほど濃厚なルビーの色調。香りはカシス、ブラックベリーなどの果実、やや乾いたスパイス、木質など、かな〜り、タニックそうな香り。そう思って身構えていたせいか、口に含むと、思ったほどタンニンは攻撃的ではないのだが、量的には膨大でネットリと重たく、ガッシリした酸と、豊かで凝縮した果実味とがそれぞれせめぎあっているような、力強く濃厚な味わい。う〜ん、このワインは熟成させたいですね。先日飲んだド・フューザルは、今でもそれなりの美味しさがあったけど、こちらは(ポテンシャルの高さは実感できるにせよ)現時点での表情があまりにいかめしくて厳しいっす。【89→90】
…と書いたが、このボトル、なんと3日目になって俄然なめらかで甘美な味わいになった。さすがに香りは飛んでしまっていたけど。2000年ボルドーは今開けると数日に亘って楽しめて、それはそれでよいかも。
日時 2003/5/8
銘柄 トルブレック・ウッドカッターズ99
産地 豪>バロッサヴァレー
購入店 Wassy's/ミレジム
価格 1500円
コメント 共同購入で3本買ったボトルの2本目。濃厚なガーネットだが、エッジなどやや締まりがない色合い。ジャミーなカシスやブラックベリー、スパイス、土っぽさに加えて、やや生臭いニュアンスもある。味わいは厚みのある果実味が秀逸で、タンニンも穏やかだが、酸はややジリジリした印象で、ビンテージに対してやや熟成が進んいる印象を受けるのが難点。。それと、なんというか、飲み飽きるんですよね〜。一回飲むと、このあと1ヶ月は飲みたくないなあ、と。それが下のドラモットとの大きな違い。【86】
日時 2003/5/7
銘柄 ドゥラモット・ブリュット(demi)
産地 仏>シャンパーニュ
購入店 ウメムラ/ラック
価格 1530円
コメント ハーフサイズという手ごろさ、1500円程度の価格、そのわりに本格的な味わいと、もしこのHPをやっていなかったら、買いだめして毎週一本ずつぐらい飲んでもいいかな、と思わせる銘柄。もっとも、「毎週飲みたい」とまではいかず、「毎週飲んでもいいかな」という表現に留まる微妙なポジションだが。 カリンや白い花、クロワッサンなどの豊かな香り。口の中で爽やかな炭酸と豊潤な果実味とが溶け合い、十分なコクもあって、中庸を得た味わい。減点部分の少ない、無難な味わいは魅力だし、冒頭に述べたように、もっと気軽にこのようなシャンパーニュを飲みたいなとは思っているのだが、こうしたサイトをやっていると、なんとなく同じ銘柄を続けて飲むのを自粛してしまう。因果なものである。【87】
日時 2003/5/4
銘柄 Ch.ド・フューザル2000
産地 仏>ボルドー>グラーブ特級>AOCペサックレオニャン
感想 2000年ボルドーについては、いずれコラムなどで触れたいと思っているが、一級シャトーなど一部銘柄が法外なプライスをつけている以外は、とりあえずまだ穏当な範囲の価格に収まっているようだ。今回飲んだド・フューザルはグラーブ特級とはいえ、知る人も少ない(であろう)地味な銘柄。だが、実力は侮れないものがある。中心部が真っ黒と言ってよいような濃厚な色調。砂糖漬けにした黒い果実、墨、八角などのスパイスの奥から、ユーカリのニュアンス。味わいは充実した果実味があってトロリとしており、ややザクッとしたタンニンや素直な酸がこれを受け止めとめている。よく誉め言葉で「シルク」のようなテクスチャーと言われるが、この銘柄の場合はややザラザラしているが暖かみがあって、シルクというよりは、上質のウールのようなテクスチャー。パーカーさんなどはたぶんそれほどよい点をつけていないと思うけど(未確認)、なかなかどうして、長期間寝かせて置けそうだし、今でも十分すぎるほど美味しい。
【92】
日時 2003/5/2
  rouge-mayさんのお店「円座」に持ち込み。この日はいわゆるワイン仲間と一緒ではなかったので、「わかりやすい」銘柄を持参したつもり。
銘柄 コールドストリームヒルズ・PN・リザーブ2000
産地
感想 濃いルビーでエッジはピンク色。赤い果実のコンフィやシナモン、ローストなどの健康的な香り。味わいは甘く濃縮した果実味を中心にやわらかく溶け込んだタンニンと心地よい酸がバランスよく整い、素直に美味しいと言える味。抜栓当初はやや単調に感じられたが、時間と共に果実味が鮮やかさを増し、立体感が出てきて、表情も豊かになった。もっとも、この銘柄、何度か経験するうちに、初めて飲んだときのような感動が急激に薄れつつあるのもまた事実。なんでだろ?
 【90】
銘柄 Ch.プリューレリシーヌ99
産地 仏>ボルドー4級>マルゴー村
感想 2000年が続々とリリースされて、やや分が悪いというか、影が薄い99ビンテージだが、早くから飲めるし、何より価格が安いのが魅力。このプリューレリシーヌも、格付け4級でありながら私が購入した時は2980円と、「安ワイン道場」にも推薦できる価格だった。香りや味わいは典型的なメドック。コンフィ状の黒い果実や丁子などのスパイス、それにやや土や墨のニュアンス。口に含むと凝縮感はさほどないものの、エレガントな果実味と伸びやかな酸があって、タンニンはやや粉っぽいがやわらかく、今すでに美味しく飲むことができる。99年は特にマルゴー地区の出来が良いと言われていることもあり、この銘柄は実にお買い得だと思う。
【89】それはそうと携帯のデジカメでとった写真、何でソフトフォーカスになってるんだろう?カメラ部分に指紋でもついてたのだろうか?