「ミュスカ・ド・リヴザルト」と聞くと、ソムリエ協会の認定試験を思い出す。いわゆる「VDN(ヴァン・ドゥ・ナチュレール)」というヤツで、発酵の途中でオードヴィーを添加して甘味を残すもの。(ちなみにこの過程をミュタージュと呼ぶ。)私の場合、試験勉強でさんざん覚えたわりには、その後ほとんど口にすることのないカテゴリーでもある。この銘柄はコルナスの革命児(異端児か?)J・L・コロンボの手によるもので、ボトルは細長くオシャレなもの。ちょっと飲み足りないときや深夜帰宅で1本開けるまでもないときによいかなと思って購入してみたが、とにかく「甘い」のにへきへきした。秀逸な甘口ワインには共通して濃厚な甘味をバックで支える酸があるものだが、この銘柄にはそれが絶対的に不足していて、結果、アルコール入り極甘口ブドウジュースになってしまっている。鼻にツンとくるようなアルコールもマイナス。ミュスカらしいフルーティなアロマは良く残っているんだけど…。
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そうはいったものの、1500円だし、日持ちするので、寝酒にはいいかも。
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