2003年2月

日時 2003/2/28
銘柄 ポール・バラ・ブリュット・レゼルブ
産地 仏>シャンパーニュ
購入店 カーヴ・タイユヴァン/トーメン
価格 5000円
コメント ブージィ村のレコルタン・マニピュラン界筆頭のポール・バラ。輝きのあるイエローで全般にやや麦わらがかかった色調。気泡は細かく、勢いも持続する。カリン、焼きリンゴ、クロワッサン、黄色い花などの香りからは濃厚でコッテリした味わいを想像したが、飲んでみると意外に中庸を得た仕上がりだ。キレのある酸とともにほどよいふくらみもあってバランスが秀逸。食事にあわせて美味しく飲める。、ややアルコールがやや浮いたようなところがあるように感じたのは、病みあがり(風邪)の自分の体調のせいかもしれない。【87】
日時 2003/2/24
銘柄 ミュスカ・ド・リブザルト97(J・L・コロンボ)
産地 仏>ラングドック・ルーション地区
購入店 WASSY'S/アルカン
価格 1500円
コメント

「ミュスカ・ド・リヴザルト」と聞くと、ソムリエ協会の認定試験を思い出す。いわゆる「VDN(ヴァン・ドゥ・ナチュレール)」というヤツで、発酵の途中でオードヴィーを添加して甘味を残すもの。(ちなみにこの過程をミュタージュと呼ぶ。)私の場合、試験勉強でさんざん覚えたわりには、その後ほとんど口にすることのないカテゴリーでもある。この銘柄はコルナスの革命児(異端児か?)J・L・コロンボの手によるもので、ボトルは細長くオシャレなもの。ちょっと飲み足りないときや深夜帰宅で1本開けるまでもないときによいかなと思って購入してみたが、とにかく「甘い」のにへきへきした。秀逸な甘口ワインには共通して濃厚な甘味をバックで支える酸があるものだが、この銘柄にはそれが絶対的に不足していて、結果、アルコール入り極甘口ブドウジュースになってしまっている。鼻にツンとくるようなアルコールもマイナス。ミュスカらしいフルーティなアロマは良く残っているんだけど…。
【78】
そうはいったものの、1500円だし、日持ちするので、寝酒にはいいかも。

日時 2003/2/21
銘柄 トルブレック・ウッドカッターズ97
産地 豪>バロッサヴァレー
購入店 WASSY'S/ミレジム
価格 1500円(共同購入)
コメント

トルブレックといえば、「ラン・リグ」を始めとする上位銘柄のすばらしいさが印象に残っているが、普及価格帯のこの「ウッドカッターズ」も非常に評価の高い銘柄だ。共同購入で安く買えたので3本ほど購入。濃厚なガーネットの色調ながら、エッジはややオレンジが見え始めている。香りはジャミーなカシスやブラックベリー、スパイス、それに良い意味での土っぽさ。味わいは厚みのある暖かい果実味をしなやかな酸が支え、タンニンも穏やかで、エレガントとはいいずらいものの、親しみやすい美味しさ。99年というビンテージにしてはかなり熟成した雰囲気を感じるのは、熟成が早いのか、どこかで少しばかり熱を浴びたのか(「舌温度」が高く感じるあたり、たぶん後者だと思う)。とはいえ、洗練されたコート・デュ・ローヌ銘柄のような味わいは2000円前後の実売価格を思えば十分に魅力的だし、今回の1500円は、改めて安い買い物だったと思う。
【87】

日時 2003/2/18
銘柄 バローロ・チアーボ・メンティン・ジネストラ1994
(ドメニコ・クレリコ)
産地 伊>ピエモンテ
購入店 尾張一宮河野酒店/ジャパンインポートシステム
価格 5800円
コメント バローロは高価だ。最低3年の樽熟が義務付けられているなど、コストがかかることは理解できるけれど、一流の作り手の単一畑モノは大抵1万円前後かそれ以上だし、美味しく飲めるようになるためには相応の熟成が必要だしと、デイリー用途にはかなりキツイものがある。今回購入したのは、「バローロ・ボーイズ」の旗手、ドメニコ・クレリコのものだが、この価格で買えたのは、94年という恵まれないビンテージのものだからだろう。
色調はやや濃いガーネットで、エッジにはっきりとオレンジが見える。少しドライになったカシスやプラムなどの果実、ドライフラワー、中国系のスパイス、枯葉、それにスモーキーなニュアンスも。 味わいはかな〜りタニック。緻密だがベットリと重いタンニンが味覚を支配して、チーズか肉系の料理なしではキツいと思わせる味。しかし要となるべき果実味が十分に凝縮されているので、ゆっくり時間をかけて飲めば、バランスはぐっと良くなる。それでもやっぱり、開けるのは時期尚早だったかもとしれない。
【87→89】
…と書いたけど、翌日はさらにバランスがよくなって飲みやすくなっていた。お世辞にもよいとはいえないビンテージの、しかも10年経過したワインなのに、二日目の方がはるかに向上しているとは、さすが一流の作り手になるバローロ、というわけで評価を上方修正。
日時 2003/2/16
銘柄 Ch.グリュオラローズ93
産地 仏>ボルドー>メドック2級
購入店 やまや新宿店で購入後4年半寺田倉庫&セラー保存
価格 3980円(セールにて)
コメント グリュオラローズは、2級という格付けににふさわしい内容を持ちながらも価格は比較的リーズナブルに抑えられているという、実にありがたい銘柄だ。私も92、93、94あたりをずいぶんと飲んできたが、そろそろ家の在庫も底をついてきて、93年は(たぶん)これが最後の1本。色調は濃いめのガーネットで、エッジにオレンジが見え始めている。グラスを近づけると、かなり熟成が進んだ印象の、カシスやブラックベリーのリキュール状の果実、土、ゆでた小豆、朽ちた木、中国系のスパイスなど、ネットリとした独特の香り。味わいはミディアムボディで、やわらかい果実味をやや高めの酸が支え、タンニンはなめらかに溶け込んでいる。93のボルドーはポテンシャルが高いとは言いがたいビンテージだけど、今こうして美味しく飲めることに感謝。【88】

2003/2/15  ローヌナイト4 

日時 2003/2/12
銘柄

リュシュット・シャンベルタン・クロ・ド・ラ・リュシュット88
(アルマン・ルソー)

産地 仏>ブルゴーニュ>ジュブレイシャンベルタン村特級
購入店 ワインビッド
コメント ワインビッド落札品。キャップシールを開けると、噴いた跡があってびっしりと青カビが。グラスに注ぐと、案の定、香りのバランスが完全に崩れいていて、馬小屋臭が漂う。味わいはやや酸が強めに出るものの、とりあえず飲めるレベルではある。しかし、香りの出方が本来のものでないと、やっぱり飲んでいて楽しくないなあ、と改めて思う。もう何度も何度も書いてきて、我ながらウンザリなんだけど、この時一緒に落札したロットのボトルはほとんどすべてダメ。配送トラブルで半年近く送られてこなかったこともあり、きっとどこかで悲惨な目にあっていたんだと思う。実はセラーにはまだあと1本、同じロットのボトルが残っている。90ルーミエ。鬱だ…。
【ーー】
日時 2003/2/11
銘柄 ロバート・モンダヴィ・CS・リザーブ96
産地 仏>カリフォルニア>ナパヴァレー
購入店 エノテカ吉祥寺店/メルシャン(購入後2年セラーにて保存)
価格 失念。
コメント 祝日ということで、よいワインを開けてみた。色は中心が黒味がかった濃いガーネットで、エッジにかすかに見えるオレンジのニュアンスがかろうじて年代を物語る。香りは密度感のある、ユーカリ、ブラックチェリーのコンフィ、杉の木、甘草や丁子などのスパイスなど。味わいはまだまだ若く、マッチョで力強い印象。凝縮した黒い果実味を伸びやかな酸と緻密だが豊富なタンニンが支えるグラマラスな酒質は、熟成というものをまだほとんど感じさせず、フィニッシュは層をなすような厚みがある。ロバートモンダヴィは、このところ仏流のフィネスやバランス重視の作りに変わってきたと聞くが、このビンテージの頃はまだそういう指向ではなかったのだろうか。いかにもカリカベという感じの、濃厚で力強くグラマーなワインに仕上がっている。それを好む好まざるかは個々人の嗜好だろうけど。
【91】
日時 2003/2/10
銘柄 シャトー・ヌフ・デュ・パプ95demi(E・ギガル)
産地 仏>コートデュローヌ
購入店 ウメムラ/ラック
価格 980円
コメント 前から気になっていた95ヌフパプのハーフボトル。とりあえず3本買ったので、1本開けてみる事にした。色調は濃厚なガーネットで、エッジはややオレンジ。しかし、まだまだ力強い色調。香りはダークチェリーのジャム、腐葉土、肉、スパイス、ドライハーブなど熟成感を感じるもの。味わいの第一印象は濃縮感のあるジャミーな果実味。酸が豊かで構造は力強いが、タンニンはよく溶け込んでいて、かなり熟成感が出始めている。やはりハーフということで熟成が早めに進んでいるというのはあるんだろうか。フィニッシュにジャムっぽいフレーバーがややしつこくまとわりつくあたりは好き嫌いが分かれそうで、正直私の期待値を上回るほどではなかったけれども、この価格でほどよく熟成したヌフパプを味わいえるというのはいいと思いました。
【85】
日時 2003/2/8
銘柄 バルバレスコ・ブリッコ・アジリ・ファセット95
(チェレット)
産地 イタリア>ピエモンテ
購入店 いただきもの
コメント

チェレット社が保有する500haのバルバレスコの畑の中でも最上の畑から作られる特醸モノが「ブリッコ・アジリ」だが、借り上げ畑から産するものについては、「ファセット」の名がつく。
エッジにかなりオレンジが見える、濃いガーネット。香りはドライフルーツ状の黒い果実、ドライフラワー、枯葉、それにやや腐葉土臭など、かなり酸化熟成を感じるもの。味わいは比較的やさしくエレガント中にも、しっかりした酸が全体の骨格を支えている印象。タンニンは乾いていて味わいの後半、口中を引き締める。クラシックな作りのバルバレスコで、これ単独でというよりは、Tボーンステーキなどにあわせて飲みたいところだ。あいにく今夜の我が家はステーキではなくて「カツ丼」だったので、ちょっと厳しい組み合わせだったけど。
【88】

日時 2003/2/6
銘柄 カレラ・ミルズ96
産地 米>カリフォルニア
購入店 やまや赤坂店で購入後約3年半セラー保存
価格 6000円位
コメント ラベルが新しくなる前のカレラ。値段も今は1万円前後になってしまったが、当時セールで6000円位で買えたと記憶している。ふと思い立って開けてみたが、予想以上に美味しかったですよ、これは。濃いめのガーネットで、エッジはややオレンジが入ってニュアンスに富んだ色調。グラスを近づけると、赤と黒の中間位の果実やミネラルとともに、鼻腔の奥の方までスーッと入ってくるシナモンの香りが特徴的。味わいは果実味に厚みがあり、酸は豊かだが丸く、タンニンも十分に溶け込んでいて、堂々とした体躯はまさに飲みごろを迎えている印象。おそらく若い頃はオークのフレーバーがかなりキツかったのではないかと思われるが、今はそのようなこともなく、口中でのミルキーなニュアンスにその片鱗を感じる程度。さんざん騒がれてなんだか陳腐化してしまった感のあるカレラだが、美味しいものはやっぱり美味しい。一家に一台、ならぬ1セラーに1本寝かせておく価値は十分あると思う。【92】
ちなみに我が家にはあと1本97リードがあるのみ。買い足そうかな…
日時 2003/2/3
銘柄 Ch.ド・フラン99
産地 仏>ボルドー>コート・ド・フラン
購入店 小山酒店
価格 6本15000円のセール品
コメント 前シュヴァル・ブランのオーナー、ドミニク・エブラール 氏と、アンジェリスの共同経営者、ユベール・ド・ブアール氏の ジョイントにより運営されるコート・ド・フラン地区のシャトー。 カシスやブルーベリー、オーク、それにハーブや青物っぽい香り。口に含むと、なめらかなテクスチャーが印象的。酸は丸く角が取れていて、タンニンも攻撃性がなく、適度なオークのフレーバーが心地よくアクセントを添えている。しっかりした構造を持ちながらも、どこかまったりとした味わいが魅力的で、なかなかコストパフォーマンスの高い銘柄だ。現時点では香り味わいともにやや青っぽさが残るが、1〜2年のうちに美味しく飲めるようになりそうな期待もある。といっても2000円前後の価格のワインを2年寝かせるというのはなかなかできることじゃないかもしれないが…。【86】
日時 2003/2/1
銘柄 サヴィニー・レ・ボーヌ・オー・ベルジュレス2000
(シモン・ビーズ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 ?/ラック
価格 いただきもの
コメント

シモン・ビーズといえば、当主の奥さんが日本人ということでも有名。昨年西麻布のフレンチに行った際、たまたま隣席に女優のSさんやADVのお歴々と一緒にいらしてたのを思い出す。
この日開けたのはサヴィニー・レ・ボーヌの看板畑「オー・ベルジュレス」の2000年。
ルビーというよりはガーネットの色調だが、色自体は淡め。赤い果実、オレンジの皮、紅茶、スミレなどのクリーンな香り。口に含むと赤いフルーツのフレーバーが広がり、それをしっかりした酸が支えて、タンニンもおだやかで、心地よいバランスをみせる。以前某所で飲んだ99ビンテージはいわゆる厩臭が顕著だったが、このボトルはそのようなこともなく、クリーンで古典的な味わいだ。やや線が細くスケール感に欠ける面もあるが、市場価格3000円台のボトルにあまり多くを望むのも酷というものだろう。トラディショナルなブルゴーニュを好む向きには悪くないチョイスだと思う。【86】