2003年3月

日時 2003/3/26
銘柄 業務超多忙の間隙を縫って、市ヶ谷某所へ。ラベルの写真をせっかくデジカメ携帯で撮影したのに、その翌日に携帯を機種変更したおかげで、撮った写真を取り込めなくなってしまった。無念(^^;
感想

ジャックセロス・シュプスタンス・ブリュット
気品のある泡立ち。やや強めのトースト香。ボリューム感があってグラマラスな味わい。食前だけでなく、食中もこれ1本で通せそう。


リースリング・ピノグリ93(マルク・クライデンヴァイス)

ん?たしか畑名つきだったと思うんだけど、メモし忘れた。重油香が前面に出てきており、10年を経ていい感じに熟成している。時間と共に次々と違う表情を見せた。

コールドストリームヒルズPNリザーブ2000

いつ飲んでも美味しいですね、この銘柄は。凝縮した赤い果実、シナモン、カフェ。抜栓直後よりも、少し置いてからの方が味に深みが感じられた。

ソレンゴ96
毛皮や動物的なニュアンス。軽やかで密度感のある果実味に対して、かなり攻撃的なタンニンがややアンバランス。もう少し熟成させてからの方がよかったか。ちなみに私の持参品。

Ch.マラルティック・ラグラヴィエール63

63年は私の生まれ年。フランスは超不作年で、今や市場にはほとんど残っていないビンテージでもある。マラルティックラグラヴィエールはペサックレオニャン地区の特級で、赤よりむしろ白のほうが有名。なお、この頃まだAOCペサックレオニャンはなかったので、ラベル上のAOCはグラーブとなっている。(←M女史指摘)
レンガ色がかった、淡く儚げな色調。香り、味わいとも、老酒や醤油のようなフレーバーが優勢で、さすがにピークを超えてしまっているが、枯れ尽きる一歩手前の陽炎のような儚い果実感もまたよし。生まれ年のワインというのは、味わいを超えた感慨がありますね。

シャトー・ヌフ・デュ・パプ・キュベ・ユニーク91
(クロ・デュ・モン・オリヴェ)

こいつは不思議なワイン。12年を経ているのにもかかわらず、香りは樽香がバンバン。口に含むと、まるでボルドーのようなストラクチャー。91年のローヌは、北部は秀逸といわれる一方、南部は凡年と聞く。しかし、この銘柄はそんな気配をみじんも感じさせない出来だもっとも、生粋のローヌ通の方々は、こういう味わいは「邪道だ」と仰るかもしれませんが。(^^;

ご一緒したみなさま、どうもご馳走さまでした。

日時 2003/3/25
銘柄 シャルム・シャンベルタン2000
(ミシェル・マニヤン)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 いただきもの/テロワール
コメント 抜栓後一日経過したボトル。真ん中が黒味がかった濃厚なルビー。鼻腔からスーッと抜ける黒い果実、八角、丁子などのスパイス、ミネラル、オーク、それに土っぽい香り。口に含むと、濃厚な色合いから想像できないような軽い酒躯。といっても、けっして薄いわけでなく、しっかりした密度感がありながら、きめ細かくシルキーなタンニンのおかげで口中で重々しく感じないのだ。濃縮された果実味とともに豊かなミネラル感があって、それにオークがでしゃばりすぎずに適度にアクセントを添えている。一日経過していてこの味わいは見事。実に美味しい。しかし、(ショップで買おうとすると)それに見合って価格も高い…。
【91】
このボトル、状態大変良好。結局4日後まで美味しく飲めた。
日時 2003/3/22
銘柄 シャンボールミュジニー99(ユベール・リニエ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 小田急ハルク/ラック
価格 2940円(セール価格)
コメント

実家に泊まった折に、家のサイレントカーブの中から物色。 このユベールリニエは、小田急ハルクの閉店セールで購入したもの だが、同セールで購入したものの中には明らかに劣化したものが何本もあったので、このボトルを開けるのは、実はこわごわだった。しかし、結果的には全く問題ナシで美味しくいただけた。 黒い果実や紅茶、ミネラル、それにオークの薄化粧。口に含むとやわ らかな酒質で、強さや大きさはないが、果実味に旨味感もたっぷりあ って、しんみりと美味しい。正価だと誉めるのにやや躊躇してしまうが、 今回の購入価格は3000円以下とあって、文句はない。 さすがに3割引価格の威力は絶大。
【88】
翌日:バキュバンも窒素ガス封入もしなかったが、次の日もほとんど劣化をみること なく飲むことができた。

日時 2003/3/19
会社の同僚の送別会で、rouge-mayさんのお店「円座」へ。
銘柄 ジュブレイシャンベルタン・V.V2000
(シャルロパン・パリゾ)


最近注目している作り手の一人、シャルロパン・パリゾ。樽がガーンと効いていて、スパイシーだが、ラズベリーを思わせる果実味に透明感があって、単なる濃いブルゴーニュに終わってないところがイイ。ただ当日ブランブランと揺すって持ち込んだためか、やや各要素が暴れていたのが残念。もう少し落ち着かせてから飲みたかった。 【88】
銘柄 ランボルギーニ・カンポレオーネ2000
(フィオリータ)


実売価格5000円前後ながら、PP95点のいわゆる「パーカー高得点銘柄」。私自身も、某所でこの銘柄の99年を某所でテイスティングした際、イタく気に入って、2000年を数本買い込んである。まだ初期的なハーブや黒い果実のコンフィ、丁子などのスパイス。味わいは、ギュッと目の詰まった密度感とシルクのような軽いテクスチャーとを両立させているところがすばらしい。長熟の可能性を秘めながらも今すでにスルスルと美味しく飲めてしまう。PP95はともかく、オススメなのは間違いない。【93】
この日はたまたま隣で、「NZ友の会」が開催されていた。以下はおすそわけをいただいた各銘柄。
銘柄 アタランギ・ピノノワール

相変わらず美味しいですね。ハーブや赤い果実の香りとともに、以前飲んだときには感じなかった汗っぽいような独特のニュアンス。赤い果実とシナモンを思わせるフレーバーが強烈ながら、繊細で伸びやかな酸があって素敵。

ムーンダラ・コンセプション・ピノノワール

これは予備知識なしで飲んだけど、赤く健康的な果実味と、やや大人めの酸により、よい意味でのジューシーさがあって、若いながら素直に美味しい。NZにしては酸がやや緩いと思ったら、ヴィクトリア州のワイナリーと聞いて妙に納得した。(って、実際はそんなにわからないのだけど。) ちなみに、 ムンダーラはヴィクトリア州ギップスランドのブティックワイナリーで、生産量は100ケース程度。ファーストリリースは1998年。コンセプションとサンバサイドという2銘柄のピノノワールのみを生産していて、殆どはレストランに卸しているので、入手は非常に困難だそうな。珍しいものをありがとうございました。

すみません、もう1本おすそわけいただいたんだけど、写真をとり忘れて銘柄がわからない。たしかドライ・リヴァーだったと思うんだけど…。こちらも赤くクリーンな果実と繊細な酸があって、スマートですばらしいピノでした。

Takeくんからのブラインド。

柑橘類や草原やハーブを思わせる香り。それにしてはやや酸が太め。ボルドー型のビンだし、新世界のソーヴィニヨン・ブランかな?

→正解:韓国の(!)リースリング

「NZ友の会」のみなさま、どうもご馳走さまでした。

日時 2003/3/16
銘柄 ドラモット・ブリュット(demi)
産地 仏>シャンパーニュ
購入店 ウメムラ
価格 1530円
コメント 週末ではあるが、体調不良のため、アルコールは控えめにせざるをえない。この日は寿司にあわせてハーフのシャンパーニュなぞ開けてみた。ドラモットはサロンと同じローランペリエグループの傘下にあり、ヴィンテージによってはサロンに使われる葡萄を用いて生産される。そのため、サロンのセカンドラベルとも呼ばれているが、ブラン・ド・ブランのサロンと違い、こちらはシャルドネ50%、ピノ・ノワール30%、ピノ・ムニエ20%というセパージュである。
やや麦わら色が買った鮮やかな黄色。気泡は細かく勢いがある。香りはリンゴ、カリン、トースト、黄色い花。口に含むと、爽やかな炭酸とともに濃縮された蜜のような果実味が広がり、十分なコクもあって、フィニッシュがややシツコイ点を除けば全般にバランスがよく高水準な仕上がり。何度となく飲んできたドラモットだけど、あいかわらずソツがない。良く言えばいつ飲んでも期待を裏切られないし、悪く言うとややインパクトに乏しい。1500円という価格を思えば、文句の言いようもないところだが、翻ってビール半ダース分だと思うと、ちょっと悩ましい気分になる。まあビールと比べるのは反則だけれども、寿司とともに飲むとちょっとそんな気分にもなったりもする。
【87】
日時 2003/3/13
銘柄 パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー97
産地 仏>ボルドー>メドック
購入店 いただきもの/成城石井
コメント 二日続けていただきもの。97年のパヴィヨンルージュはリリース直後からよく飲んできたが、最近は自分で買うことはなかった。しかしこれは予想以上にイイ。森の中のカブト虫などを連想するようなややトーンの高い木の香り、茶色いスパイス、カシスやブルーベリーなどの果実が渾然一体となって、とても魅力的な香りを放っている。味わいに力強さや凝縮感こそないものの、伸びやかな酸を中心にやさしくなめらかにバランスがとれていて、スケールは小さめながら、今とてもよい表情を見せている。自分で5000円以上出して買おうとは思わないが、日ごろの夕食を飾るには十分すぎるクオリティだし、こういうワインをもらうと素直にうれしい。【88】
日時 2003/3/11
銘柄 シャンボール・ミュジニー・レ・フスロット2000
(ジョルジュ・ミュニュレ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 いただきもの/ラック
コメント リュシュット・シャンベルタンやエシュゾーが有名なジョルジュ・ミュニュレだが、この銘柄も高水準だ。濃いめのルビーで、ややエッジにピンクのニュアンス。香りはダークチェリーやカシス、ミネラル、紅茶、それに心地よいロースト香。口に含むと十分に濃縮されたピュアな果実味を中心に、クリーンな酸となめらかなタンニンとがバランスよく整い、ミネラリーでしなやかさが際立つ味わい。よく出来たクラシックなピノの典型と言いたくなるような味わいながら、オークのかけ具合などに現代的な洗練も感じる。ブルゴーニュ好きにはたまらない作り手だろう。ちなみに、「ミュニュレ・ジブール」は同一ドメーヌだが、「ジョルジュ・リニエ」「ジョルジュ・ルーミエ」「モンジャール・ミュニュレ」とは別ドメーヌなので混同なきよう。
【90】
日時 2003/3/7
銘柄 バローロ・ラ・セッラ94(ロベルト・ヴォエルツィオ)
産地 伊>ピエモンテ
購入店 ウメムラ/ラ・ラングドシェン
価格 8900円
コメント

ガンベロ・ロッソ誌トレビッキエーリ(3つ星)の常連にして、バローロ・ボーイズのトップランナーのひとり、ロベルト・ヴォエルツィオ。看板畑である「バローロ・チェレクイオ」の97年はワインスペクター誌で100点を獲得。他に「ブルナーテ」「カパロット」「ラ・セッラ」といったクリュも有名。このボトルは、94年という恵まれないビンテージだが、その分熟成も早かろうと思って買ってみた。色はしっかりした色調のガーネットでエッジにはオレンジが見える。香りは他の一流銘柄とさえ一線を画すような粒子の細かさがある。トップノーズに漆喰とか、新築の打ちっぱなしのコンクリートのオフィスの中のような独特のニュアンス、その後に赤黒いフルーツ、枯葉、ダージリン、スパイスなどが渾然一体となったクラシックですばらしい芳香が鼻腔をくすぐる。味わいは、果実の凝縮度と純度の高さ、酒質の密度感などがすばらしいが、タンニンのレベルも相当に高く、フィニッシュはネットリと重たい。おそらく良年ならば、高レベルのタンニンを押さえ込むような果実味が味わえるのだろうと思う。ぜひ次回は96〜97年あたりのものを飲んでみたい。その分値段も高そうだけど…。【90】

日時 2003/3/4
銘柄 ムルソー99(アルノー・アント)
産地

仏>ブルゴーニュ

購入店 8990円
価格 尾張一宮河野酒店/AMZ
コメント

昨日のニーヨンが悔しかったので、連続して大者の白を開けてしまった。ムルソー地区において、コント・ラフォン、コシュ・デュリの2大巨頭に続く若手のスターと賞賛されるアルノー・アント。なかなかお目にかかることができないし、値段もすでにこの両者に迫るランクであるが、さて、実力のほどは、ということで。品のあるイエローで、やや黄緑がかった色調。熟した青りんご、洋ナシ、白桃、バニラ、バターに加えてミネラルっぽさが顕著。味わいは、今はやや閉じこもりがちで、バニラ風味も強めに出るが、豊かな果実味となめらかな酸とのバランスに非凡なものがあり、コント・ラフォンやヴェルジェなどに通じるものを感じる。一般のムルソー村名のレベルを大きく超えているし、その他大勢の作り手の1級に匹敵、もしくは凌駕する品質だと思う。これでせめて6000円台ぐらいならば言うことないのだが…。
【91】

日時 2003/3/3
銘柄 シャサーニュ・モンラッシェ97(M・ニーヨン)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 小田急ハルク
価格 3500円(セール価格)
コメント

小田急ハルクの閉店3割引セールで購入したうちの1本。イカれていたワインにいちいちコメントするのやめときます。小田急の閉店セールでは十数本購入したけど、かなりの割合で痛んだワインにあたっているのが残念。【ーー】

日時 2003/3/1
銘柄 カーサ・デ・ラ・エルミタ2000
産地 スペイン>フミーリア
購入店 オンラインwassy's
価格 1500円
コメント カーサ・デラ・エルミタは99年8月に設立されたばかりの新しい醸造所だが、パーカー氏がいきなり90点つけたということで話題のワイナリーでもある。セパージュはテンプラニーリョ35%、モナストレル35%、 カベルネ・ソーヴィニヨン20%、メルロ10%と複雑だが、飲んでみるとテンプラリーニョのキャラクターを強めに感じる。黒系の果実、バニラ、トースト、ミント、甘草などの心地よいがやや厚化粧の香り。口に含むと、凝縮感がありながら、張りのある酸となめらかなタンニンのおかげで酒質は軽く、サラリとした印象すらある。アフターにミントのようなスッとするフレーバー。 いやあ、このワイン、パーカーさんが仰るとおり、値段のわりに美味しいです。このクラスにありがちな、「濃いんだけど1本調子」というタイプでなく、エレガントさを備えている点がすんばらしい。コストパフォーマンスは最近飲んだ中でも一番かも。【89→88】
…と劇賞した舌の根も乾かないうちに点数を下方修正したのは、翌日の味わいにやや落胆したから。初日とはうってかわって、濃くてオークばかりが目立つ単調な味わいはなぜ?