2003年1月

日時 2003/1/29
銘柄 バローロ97(パオロ・スカヴィーノ)
産地 イタリア>ピエモンテ
購入店 ワイナリー和泉屋/テロワール
価格 7000円
コメント 前日のソゼはまだ半分残っていたけれども、ほとんどシェリーと化していたので、新たに1本開けることにした。でもって、たまには趣向を変えてバローロなぞを。
色は濃いガーネットで、エッジはやや複雑な色調のピンク。香りはブラックチェリー、プラム、ユーカリ、シナモン、ビターチョコなど 。味わいは凝縮した果実味をよく熟したタンニンが支え、高めのアルコール度もあって、密度感のあるガッシリとした構造。その一方でやや低めの酸がなんとなくデカダンな雰囲気を醸し出してもいる。カミサンは「後味がちょっとシツコイ」と言っていたが、個人的にはかなり気に入った一本だ。
【91】
日時 2003/1/28
銘柄 ブルゴーニュ98(E・ソゼ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 小山酒店/INA
価格 6本15000円のセール品
コメント 週末体調を崩していたため、1週間近く間が空いてしまった。この日開けたのは小山酒店のセールで買ったソゼのACブル。
キャップシールをはがすと、ん?、噴いた跡があって、白カビがびっしりとそれを覆っている。色はかなり麦わら色がかった濃いめのイエロー。香り、これがどうも…。しないのだ、なんにも。時間をおくとようやく蜂蜜やビニールのような香りが出てくるが、この香りの出方はどうにも本来のものでないように思われる。 味わいも同様。蜜のような甘い果実味が時に好ましい表情をみせるものの、全般に輪郭がもんやりとボケており、豊かなようでどこか希薄な、中空なようでなにか芯を残したような、バランスの悪さが目立つ。後味には苦味が舌に絡みつくし。以前松原で飲んだ同一銘柄がすばらしかったことを思うと、このボトルはコンディションに問題があったといわざるをえない。噴いてても、何ともないボトルは何ともないんですけどねえ。難しいな、ワインって。
【74】
日時 2003/1/22
銘柄 ヴァン・ド・ペイ・コンテ・トロザン・レ・カステランヌ2000
産地 仏>南西地方
購入店 小山酒店/オーレ・ジャパン
価格 6本15000円のセール品
コメント この日は晩飯の献立があまりワインとあいそうもなかったので、ビールにしようと思ったが、冷蔵庫を開けるとなんと在庫は1缶のみ。仕方なく最後の1本はカミサンに譲って、私は安めのヴァン・ド・ペイなぞ開けてみた。「コンテ・トロザン」は南西地方のヴァン・ド・ペイの呼称。このワインはアシェット2002で2つ星を獲得しているとか。濃厚なルビーで、エッジは紫。強いがシンプルな、ラズベリーやブルーベリーのジャム、ハーブ、青物などの香り。味わいはジャミーで濃厚な果実味のアタック。ボディはかなりしっかりしているが、酸が強めで、フィニッシュはかなりしつこい感じ。ギュッと絞ったような果実味に素性のよさを感じるワインだが、シンプルな香りと味わいは、まあ実売価格(1100〜1300円前後)相応というところか。ガメイっぽい雰囲気があると思って、セパージュを調べてみたら、カベルネ40% 、メルロー30% 、ガメイ30%だって。
【79】
日時 2003/1/20
銘柄 シャブリ・ヴァルミュール97
(ヴェルジェ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 小田急ハルク/八田商店
価格 4760円(3割引セール)
コメント 小田急ハルクの閉店セールで購入したヴェルジェのシャブリ。色は濃いイエローで、全般にやや麦わら色のニュアンスが見える。香りは白桃、洋ナシ、ミネラル、バニラなどにまざって、キノコなどの熟成したニュアンスがある。味わいはリリース当初は優勢だったであろう樽のフレーバーと酸の硬さとがほどよくやわらいで、心地よい熟成を見せ始めている。酒躯はミネラリーで引き締まっており、酸が力強く、それでいてどこまでもなめらか。あまり期待しないで開けたが、これは相当イイ。さすがに正価7000円近いだけのことはある。1本といわず、もっと買っておけばよかった。
【92】二日目:ナッティなフレーバーが満開。ふくらみも出てきてた。(^^)
日時 2003/1/18
銘柄 Ch.パルメ
購入店 信濃屋有料試飲にて
99年 ボルドー左岸ではこのビンテージを代表する銘柄と評判の99パルメ。私も1本すでに購入しているが、飲み頃を計る意味もあって試飲してみた。黒味がかった濃厚なルビー。ブラックベリー、カシス、ミネラル、中国系のスパイスに加えて、ユーカリやハーブのような植物的な香りも。味わいは肉厚のある果実味をしなやかな酸と豊富なきめ細かいタンニンが受け止めていて、重厚な中にも角の取れた丸い仕上がり。アッサリもコッテリもしすぎていないバランスのよさは秀逸だが、さすがの若飲みの私でも、自宅のボトルを開けるのは数年先にしようと思った。グラス600円。
【92】
81年 当初83年の予定が、未入荷のため81年に変更になったとか。パルメの場合、傑作の誉れ高い83年に比較すると、どうにも食指の動かないビンテージだが…。
案の状、色調からして大丈夫かと思うほど儚げな色調のオレンジガーネットで、エッジを中心にレンガ色が目立つ。香りは熟成状態のよさをうかがわせる赤い果実のリキュールやダージリン、麦わら、スーボワ。口に含むと繊細そのもので、線は細いが、雑味がなく心地のよい味わいを愉しめる点は評価できる。おそらく、もともとのポテンシャルにやや欠けていたところに20年の年月を経て、すでにピークを越えてしまったというところだろうが、状態さえ万全なら、それはそれでイケルという見本のような一杯でした。グラス800円。【88】
日時 2003/1/17
銘柄 カステロ・ディ・ブロリオ・キャンティ・クラシコ99(demi)
(リカゾーリ)
産地 伊>トスカーナ
購入店 ワイナリー和泉屋/フードライナー
価格 2180円
コメント 中途半端に帰宅が遅くなった金曜の夜。何を飲もうか迷った挙句、結局正月に買ったハーフを開けることにした。エッジが赤紫の濃いガーネットで、底の方はかなり澱が見られる。ジャミーなカシス、プラム、スミレ、焦臭に時間ををおくと土や落ち葉などの香りが加わる。力強く凝縮した果実味はやや過熟感すら感じさせて、酸、タンニンとのバランスもよく、洗練されている中にも、どこか野暮ったくジャミーな酒質に、いかにも「らしさ」を感じる。各所で高く評価されている銘柄だが、個人的には、あまり好きになれない系統の味わいだったりする。
【87】どうもジャムっぽい果実味は苦手で…。
日時 2003/1/15
銘柄 Ch. ラグランジュ99
産地 仏>ボルドー>メドック3級
購入店 ワイナリー和泉屋/サントリー
価格 2980円
コメント 和泉屋のセールで購入したもの。ジスクールもそうだったけど、3級シャトーのフルボトルが3千円以下で買えるとは、ボルドーの価格も一時に比べ安くなったもんです。(というまもなく2000年はまた上がりそうだけど…)色は濃厚なルビーで、エッジはまだ紫。香りはコンフィ状のブラックベリー、カシス、中国系のスパイス、それにカブト虫を思い出しそうなトーンの高いロースト香。味わいはこじんまりとしているが、サンジュリアンらしいしなやかさが前面に出ていて、ジューシーな果実味や低めの酸とあいまって、今すでに心地よい味わい。マルゴー地区や右岸に比べると華奢な印象は否めないけれども、その分、3〜4年位の比較的短いスパンでぐっと表情豊かになりそうな期待もある。リアルワインガイド誌のレビューを読み返したら、(なんと私の担当だった。すっかり忘れていた。)「粉っぽいタンニンが目立つ」と書いてあるが、時の経過か、ボトル差か、このボトルのタンニンはバランスよく溶け込んでいた。【88】
翌日:オッケー、オッケー。やや酸が強くでるようになったが、まだまだ香りも生きていて、二日に亘って充分楽しめた。
日時 2003/1/14
銘柄 オーパス・ワン94
産地 米>カリフォルニア
購入店 やまや池袋西店で購入後3年半セラー保存
価格 19800円
コメント 今日は娘の一歳の誕生日。それにしても、あっという間の一年だった。 生まれ年の02ビンテージはまだリリースされてないので、晩酌用には1歳にひっかけてベタな銘柄をチョイスしてみた。
このボトルは3年半前にやまやのセールで購入したもの。セラー内の水漏れでラベルがすっかり汚れてしまったが、今や我が家で唯一のオーパス・ワンのストックだ。色はまだまだしっかりした濃いガーネットで、エッジの部分はオレンジを中心に複雑な色調になっている。香りはプラムやカシスなどのリキュール状の果実、黒い土、甘草、カフェ。味わいは濃縮感のあるリキュールっぽい果実味のアタック。タンニンは豊かだがやわらかく、、堅牢な構成がありながらも、どこか牧歌的な近づきやすさも備えている。酸は低めだが、後半伸びやかに広がって、甘酸っぱいフィニッシュをもたらしてくれる。ボルドーに比べると、熟成はひと回り進んでいる印象で、過去に飲んだボルドーで印象が近いものはと思い描いてみたら、真っ先にムートンの90年が思い浮かんだ。やっぱり血は争えないもんですね。
【93】 今日の写真は「西麻布」「class30」風に。(^^)
日時 2003/1/11
銘柄 コート・デュ・ルーション・ヴィラージュ・V.V2000
(ドメーヌ・ゴビー)
産地 仏>ラングドック・ルーション
購入店 かわばた酒店/ジャパンインポートシステム
価格 4600円
コメント トップキュベの「ムンタダ」が大ブレーク中のドメーヌ・ゴビー。このボトルは通常のコート・デュ・ルーション銘柄(セパージュはグルナッシュ、カリニャンがメイン)だが、それでもお値段は5000円弱と強気。では実力は如何ということで。
黒味がかった濃いルビーで、エッジは紫。香りは閉じている中にもブラックベリーのジャム、ユーカリ、黒糖、スパイスなどのニュアンス。味わいは甘く濃縮された果実味を伸びやかでクリーンな酸とやわらかく熟したタンニンが支え、高いアルコール度(14.5度)とあいまって堅牢な構造がある。それでいて、決して力まかせにならず、エレガントさを失っていないところが見事で、たしかに騒がれるだけのことはある作り手だと思った。これで4000円以下なら諸手をあげてオススメというところなのだが。。 【90】
二日目:よりこなれた味わいに。カミサンも「美味しい」。
日時 2003/1/8
銘柄 Ch. ジスクール99
産地 仏>ボルドー3級
購入店 平野弥
価格 2700円
コメント 巷では2000年のボルドーがリリースされ始めているが、どっこい99ボルドーを忘れてはいけない。2000年の陰に隠れているが、右岸とマルゴー地区を中心になかなかの出来だと言われるし、なにより格付けシャトーがこのお値段である。中心に黒みがかった濃厚なルビーで、エッジに紫の色調。香りはブラックベリー、カシスなどの果実、ハーブ、ユーカリ、甘草などのスパイス、それにロースト香。口に含むと、旺盛なタンニンはあるものの、豊かでみずみずしい果実味のおかげで今でもスルスルと飲めてしまう。酸は伸びやかで、テクスチャーもなめらか。とりたててグラマラスだとか凝縮している、ということはないけど、可不足なくボルドーらしさを満喫できる点は○。
【88】
日時 2003/1/6
銘柄

クローズ・エルミタージュ2000
(アラン・グライヨ)

産地 仏>コート・デュ・ローヌ
購入店 尾張一宮河野酒店/トーメン
  2150円
コメント クローズ・エルミタージュの名手、アラン・グライヨの2000ビンテージ。色はエッジに紫が残る濃いルビー。トップノーズにハーバルなニュアンス、そのあとからカシスなどの果実や黒コショウなどのとびきりスパイシーな香りが広がる。味わいは酸が豊かでクッキリとしており、全般に酸味基調のバランスだが、たっぷりとしたジューシーな果実味がバランスを整え、スパイシーな余韻を残す。全般にやや単調な味わいではあるけれども、北フランスのシラーらしい、力強い酸とすりおろしたばかりのようなコショウのフレーバーがあって、この価格なら納得の内容だと思います。(^^)
【86】飲み残しは明日へ。って、七草粥にはあわんかもしれないけど…
日時 2003/1/4
銘柄 ジュブレ・シャンベルタン・シャンシニィ2000
(ジャン・ラフェ) 
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 かわばた酒店/ル・テロワール
価格 3380(円)
コメント

正月休みはまだ1日残ってるけど、三が日も終わったので家で開けるワインは通常モードに。
ジャン・ラフェのボトルには、ネゴシアンもの、ドメーヌもの、それにノースバークレー社向けのリザーブ銘柄があるが、これはノースバークレー社向けのキュベ。 ネゴシアンものは写真のラベル、ドメーヌものは地味なラベル、ノースバークレー社のものは、ドメーヌ仕様のラベルに赤くRESERVEと記されているのが常だが、最近はノースバークレー社向けのものも写真のラベルに変わったと聞く。しかし、このボトルは2000ビンテージなのに、以前同様の地味なラベル。この辺の事情は正直よくわからない。
色は濃いめだけど、透明感のあるルビーで、ワインゼリーのような色調。香りはフレッシュな赤い果実、ミネラル、スパイス、それに初期的な動物香。ノースバークレー仕様であれば、新樽100%のはずだが、そのわりにはオークは前面に出てこない。口に含むと、パワーや凝縮感はないのだけども、ミネラリーで瑞々しい果実味を丸い酸となめらかなタンニンが支えるエレガントで落ち着きのある酒質に好感を抱く。2000年とまだ若いのにそのテクスチャーは、(よい意味で)熟成してやさしくなったがごときデリカシーに満ちている。 加えて全般に、果実味がみずみずしく、ミネラリーな印象を受けるのは、ボトルのコンディションがよいからだろう。いいですね、ジャン・ラフェ。追っかけてみたい作り手だ。
【88】

日時 2003/1/3
銘柄 Ch. レオヴィル・ラスカズ83
産地 仏>ボルドー>メドック2級
購入店 US出張時購入(Morrel&Co.)
価格 1万円程度
コメント 4年前にニューヨークに出張に行った時に買って来たうちの1本。私の場合、この手のボルドーって、家でも外でもなかなか開ける機会がないので、ここぞとばかり、三が日に開けてみることにした。
色は濃いガーネットで、エッジはオレンジ色。香りは決して強くはないが、しんみりと複雑なカシス、プラム、土、木の根、コーヒー、中国のスパイスなど。味わいは角が取れてやさしくなっており、タンニンはきれいに溶け込んで、やや緩めの酸とあいまって、 外向的でふくらみのある酒質。終始一貫してなめらかな果実感が前面に出ているのがいい。大当たりとまでは言わないが、安心して飲める美味しさ。それにしても、ラスカズってどのビンテージを飲んでもハズレがなく安定した品質を見せるのに感心する。実力は1級クラスと言い切ってしまってもよいんじゃないかな。【92】
日時 2003/1/2
銘柄 シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ79
(アルマン・ルソー)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 ワイナリー和泉屋/INA東日本
価格 22000円
コメント おととしの正月頃に購入したもの。実は以前「バーガンディナイト」で飲んだ同一銘柄がF木さんの会にしては珍しくヒネた状態だったので、このボトルについても結構心配していた。 色はかなり薄めの、レンガ色がかった淡いオレンジガーネット。香り、う〜む、イカンですね。マディラ、醤油、ワラなどのヒネた香り。やっぱりかぁ、と落胆しつつ、口に含んでみると、酸が立っていて、果実味はドライアウトしかかっている。ボトル半分越えたあたりから、色が濁ってくる分、赤い果実のリキュールやオレンジピール、スーボワなどの、本来期待していた香りの片鱗が感じられるようにはなったが、味わいは相変わらず酒質の弱さとバランスの悪さが目立つ。良好なコルクの状態や澱の具合などから察するに、それほど酷い環境に置かれていたとは思えないんだけど、もともと酒躯が弱い故、ちょっとのことが致命的な影響となって出てしまうのかもしれない。
それにしても、2万円超の買い物をして、2年セラーで寝かせた結果がこのお味。 なんだかこれからの一年を暗示しているかのようで、キビシイっすね。底の方は、まあ飲めたけど。ということは、年の後半になれば少しはよくなるということか…【78】
日時 2003/1/1
銘柄 グラン・ミレジム96(ゴッセ)
産地 仏>シャンパーニュ
購入店 銀座屋酒店/サントリー
価格 5500円
コメント

元旦の夕食は実家で済ませたが、クルマで往復したため、ワインは飲めず。でもって、帰宅してから開けたのがこの泡。ゴッセは、創立1584年というシャンパニュ地方で最も古いワインハウスのひとつ。アイ地区を中心に12haの自社畑を持つが、生産量の75%は近隣の30もの村から買い付けている。トップブランドは「セレブリス」。この「グラン・ミレジム」はビンテージ・シャンパーニュにしては価格は比較的穏当なので、さて、どんなものかと。
やや麦わら色がかった中程度のイエローで、気泡は力強いというほどでないが、細かく豊かに立ち上る。トースト、カリン、熟したグレープフルーツ、黄色い花などの香り。口に含むと、濃厚でコクのある酒質ながら、輪郭のくっきりしたシャープな酸が味わいを引き締め、フィニッシュにかけてやや苦味もまざる。祝祭的な華やかなムードを演出してくれそうなシャンパーニュだが、反面やや好き嫌いのわかれそうな味わいでもある。 【87】