2003年2月15日

ローヌナイト4
F木師匠主催のワイン会。今回はおなじみの「バーガンディナイト」ではなく、ローヌ、それもギガル3銃士がメイン。 三軒茶屋イル・ピアットにて。

銘柄 コンドリュー・レ・シャイエ96(イヴ・キュイロン)
感想 なかなか自分では購入することのないキュイロンだが、こうしてたまに飲むとやはりすばらしいと思う。ライチ、白桃、黄色い花、それにややビニールのような香りも。味わいは当初閉じこもりがちだったものの、時間とともに肉厚な果実味が豊かに花開き、やすりをかけたように丸い酸がそれを受け止める。口中で丸く甘い広がりが素敵で、ヴィオニエにありがちなフィニッシュの苦味もなく、クリーンで心地よいフィニッシュ。【94】
銘柄 コートロティ95(タルデュ・ローラン)
感想 この頃のタルデュ・ローランはまだラベルも今とは違っていて、評価本の類にも載っていないが、最近のボトルの熟成した姿を占う意味でも貴重。赤と黒の中間位のよく熟したジャミーな果実、血、ヨードなどのきれいに熟成をはじめた香り。味わいはエレガントで、クリーンな果実味を伸びやかな酸となめらかにとけこんだタンニンが受け止める。クラシックと言ってよい、きれいに熟成しはじめた作りはやや意外かも。【90】
銘柄 コートロティ94(シャプティエ)
感想 カシス、ダークチェリーなどの果実に加えて、ドライハーブ、それにミンティなニュアンスがある。やや酸が神経質なのが気になるが、バランスは全般に良好。このワインもタルデュ・ローランのそれに負けず劣らずきれいに熟成しており、飲み頃に入っている。こんなワインを自宅のセラーで数年寝かせて日常的に飲めるようになりたいものだ。【89】
ここから、87ギガルの水平。
銘柄 コートロティ・ラ・ムーリンヌ87
感想 ギガルの単一畑3銘柄の中では、もっともヴィオニエの混醸比率が高い(11%)ムーリンヌ。生産量は400ケース。
ブラックチェリーのコンフィやユーカリ、八角などのスパイスなど、まだまだ力のある香り。味わいもまだ力強く、それでいてどこまでもエレガントな果実味、なめらかで質感のある酸、シルキーなタンニン。そして層をなすようなフィニッシュ。 87年にしてまだこの若さ。スゴイ。【94】
銘柄 コートロティ・ラ・トゥルク87
感想 ユーカリのようなスッとする香りの中に、さまざまなスパイスの混沌一体となったような芳香。時間をおくと、オレンジピールのような香りが立ち上る。ムーリンヌより厚みが1ランク上の印象。伸びやかな酸。各要素が拮抗し、それでいて調和のとれたシンフォニックなフィニッシュ。言うことありません。【96】
銘柄 コート・ロティ・ラ・ランドンヌ87
感想 ランドンヌは、ヴィオニエを全く醸造していない。味わいももっとも力強いと言われるが、はたしてどうか?上記二銘柄と同系統ながら、密度感がさらに上の印象。かすかにミルキーなニュアンスを残した凝縮した果実味。豊かな酸がガッチリした骨格を形成し、上記2銘柄ではほとんど目立たなかったタンニンが皮膜を覆うようにやや存在感を主張する。案の定3銘柄の中でもっとも力強く凝縮したキャラクターを見せたが、トゥルクのような表情に乏しい気も。…といっても、もちろん非常に高水準な比較の上での話だけど。【95】

銘柄 コートロティ・ラ・トゥルク86
感想 中国のスパイスやバラのドライフラワー、それにファンデーションのような華やかな熟成香。87年ほどの力強さはないが、各要素のバランスがよく、きれいに熟成している。北ローヌにあっては、86年は87よりやや弱い年といわれており、したがって、こちらの方がほどよく熟成しているのでは、というのがF木さんの予想だったが、まさにそのとおりの味わい。【95】
銘柄 コート・ロティ・ラランドンヌ80
感想

80年の北ローヌは良年。リキュール状のカシスやダークチェリー、ドライフラワー、ファンデーション、スーボワ。この年になってようやく、今がピークという感じのやわらかく熟成した味わい。今がピークといっても、そう簡単に落ちそうもなく、まだ数年は確実にこの状態を維持していそうだ。なお、このボトルは液漏れがあるということで心配されたボトルだったが、結論的には全く問題なし。コルクの状態もよかったし、液漏れといよりは、他のボトルの液漏れがラベルについたのでは?【94】

銘柄 コート・デュ・ローヌ2000(クロ・デュ・カイユ)
感想
F木さんからの差し入れ。まだ青っぽいハーブやカシス、プラムなどの健康的な香り。味わいはたっぷりとしていて、甘く熟した果実味と伸びやかな酸、それにやわらかなタンニンとのバランスも良く、全般にクリーンで素直に美味しいといえる味わい。
銘柄 コンドリュー・レ・ゼゲ・ヴァンダンジュ・タルディブ2000
感想 濃い色調から連想するとおりのキャラメルやヨーグルト、蜂蜜などの濃厚な香り。甘く熟した、濃縮された果実味、それでいて、しっかりした酸がバランスを整えている。デザートとともに飲みたかったが、ややタイミングがずれてしまったのと、私自身かなり酔いが回ってたのが残念。