2002年11月

日時 2002/11/30
  信濃屋で有料試飲。
銘柄 オーパスワン98
感想 濃いめのガーネットで、エッジはやや明るいピンク。
ブラックチェリー、黒オリーヴ、スパイス、オークなどの黒く硬い香りに加えて、ややハーブや青物系のニュアンスがやや感じられる。
味わいはかなり閉じ気味。酸はしとやかで、タンニンもなめらかなんだけど、果実味が相対的に前に出てこないため、フィニッシュはバランスがよいとは言い難く、かなりタニックに感じられる。
【89】 
 
銘柄

スタッグスリープ・ワインセラーズ・カスク23

感想 濃いのだが、力まかせにならない、ほどほどの色調。オーパスに比べると トーンの高い、茶色いスパイスや朽ちた木、オークなどの心地よい 香りが感じられる。
味わいはしなやかで伸びのある酸が印象的だが、果実味がややへこんだ印象があり、フィニッシュはややタニック。また、後半からフィニッシュにかけてやや苦みがかった独特のフレーバーがあって、余韻が素直でないのが残念。 オーパスに比べるとしなやかさとやわらかさで勝っているが、構造の点で一歩譲る印象。
【89】
  どちらも著名な銘柄だけど、飲んだ感想は正直イマイチ。98というビンテージのキャラクターもあるのかもしれないが、どちらも想像していたよりスリムで厳しい構成で、あまりバランスがいいとは言い難い。ボルドーチックといえばいえなくもないが、最近のボルドーは逆に若いうちから近寄り易い銘柄が多いので、なんだか印象が逆転してしまう。どんどん新しいスターが登場している地域ゆえ、存在感が薄まらないよう祈りたい。ちなみに、カスク23のボトルはコンディション的にちょっとバランスを崩しているような気がした。
   
  夕刻、予約していたルーミエ3本(といっても村名とビュシェール)を引き取りに松原へ。
すぐ帰るつもりだったが、M山先生や、Mondavi氏、ibecchi氏らと合流していろいろ飲ませていただいた。

ドン・ペリニオン・キュベ・エノテーク85
Ch. ラフィットロトシルト91(MG)
クロ・ド・タール95

エノテークはさすがですね。ボトルの最後の方で、泡もほとんどなくなりかけていたけど、それでも気泡の細かさ、なめらかさはよくわかったし、温度が上がっても虚ろにならない調和のとれた味わいは見事。 ラフィットは力強くはないのだけど、しんみりとした静謐な味わいが素敵でした。マグナムということもあってか、まだまだ熟成しそう。クロ・ド・タールは、ブラインドで出されたが全然わからず。もっと熟成したビンテージかと思ったが、95とは意外だった。1年ほど前に飲んだときに比べると、(ボトル差もあるのかもしれないが)ずいぶん開いていて、目鼻立ちのクッキリした味わい。
日時 2002/11/29
六本木で評判のフレンチ「ル・ブルギニオン」へ。
銘柄

マコン・ピエール・クロ・アン・シャビーニュ93
(ギュファン・エナン) 

93ブルゴーニュ白は決して恵まれた年ではないが、その分、このボトルでは充分に熟成した美味しさを堪能することができた。少し黄金色がかった濃いイエロー。香りは、黄桃、バター、ヘーゼルナッツ、それに花の蜜のような濃厚で甘い香り。口に含むと、やや密度に乏しさを感じはするものの、酸が丸くなっていて、角のとれたテクスチャーが心地よい。時間とともにふくらみも出てきて、若いワインでは味わえないような、やわらかく角のとれた味わいを満喫できた。
【90】


91年のブル赤は、世間の評価は低いが、個人的には結構よい印象を持っている。今回もリストの中からいろいろ迷った末、この銘柄にトライすることにした。
中程度の濃さ、エッジはかなり退色が進み、全般にオレンジを帯びた色調。香りは赤い果実のリキュール、紅茶、枯葉など、繊細で熟成感のあるもの。味わいは強くはないが、しなやかな酸と落ち着いた果実味による繊細でエレガントなバランス。 正直1級としてはスケールの小さなワインだと思うけれども、今まさにピークといってよい時期にあたったこととコンディションのよさとがそれを補って余りある。こういうワインに出会うと、(何度も痛い目にあってるくせに)やっぱり熟成したブルゴーニュはいいなあ、と思ってしまう。。
【89】

店は、六本木通りからテレ朝通りに入って、1本目の信号の右手にある。決して広くない店構えながら入り口が庭のようになっていてオシャレ。店内はこじんまりとしていて、暖色系のインテリアで統一されている。料理は、ポーションは少な目ながら、前菜からデザートにいたるまでどれも繊細な味わいがあり、相当ハイレベル。さすがに評判になるだけのことはあると感心した。ワインリストは、「名より実をとった」という感じの内容で、たとえばブルゴーニュにしても、ニュイよりはボーヌ、スタードメーヌよりは、知るひとぞ知る、的なものをそろえている。個人的には1万〜1.5万円ぐらいのゾーンをもう少し充実させて欲しいところだ。今回はいくつか候補を挙げた中から、ソムリエール氏にオススメを選んでもらったんだけど、それで正解だったと思う。ちなみに、この日、隣席では(私は面識ないけど、)ADVの幹部の方とか、女優のSさんとか、某有名ドメーヌの奥方とか、錚々たるお歴々がワインを持ち込んで楽しまれてました。(^^;
日時 2002/11/28
銘柄 フィクサン・クロ・ド・フィクセ2000
(フィリップ・シャルロパン・パリゾ)  
産地 仏>ブルゴーニュ>フィクサン
購入店 やまいち
価格 2,800円
コメント いい作り手だ。フィクサンという決して一流とはいえないアペラシオンで、加えて3000円以下の価格で、これだけの味わいに仕上げてくるのは立派。まだエッジに紫の残るルビーだが、香りはカシスやダークチェリー、スパイス、紅茶、モカ、なめした革などがバンバンと香ってくる。味わいは現時点ではかなり樽のミルキーフレーバーと、(抽出が強めなのか)苦いタンニンとを感じるが、豊かで濃密な果実味がそれを覆い隠すように広がる。樽使いの上手さなどに現代的な洗練を感じさせつつ、濃密でクリーンな果実や伸びやかな酸といった基本をしっかり抑えている、というタイプ。個人的に注目してゆきたい作り手だ。【89】
日時 2002/11/27
銘柄 Ch. マルゴー78
産地 仏>ボルドー>メドック1級
購入店 ワインビッド
価格 130ドル
コメント 誕生日、ということで、記念になるワインをと思ってあけたのがコレ。
60〜70年代低迷したCh.マルゴーは、この78ビンテージから見事に復活し たといわれている。そういうこともあってか、78ボトルは市場でも3万円以上の価格で取引きされて いるが、このボトルは2年ほど前のワインビッドで130ドルと格安で落札したもの。 しかし、届いボトルを見ると、キャップシールが妙にスカスカで液面はアッパーショルダーという、価格相応の代物だった。
ワイン会等に持参できるボトルでないということで、去年の90ムートンに続いて、今年も誕生日に状態不安なボトルをあけることにした。
色は濃いガーネットだが、エッジははっきりオレンジになっている。 香りは、しんみりとした、黒い果実のリキュール、甘草などのス パイス、それにいわゆるスーボワ。古い年代に出がちな、藁っぽい 香りが出ておらず、クリーンな果実中心の香りで、時間とともにオレンジの皮のような香りも加わる。 味わいはまだまだしっかりしていて、ブラインドだと80年代前半 と答えそう。最初、ややフィニッシュのタンニンが過剰に感じられ たが、時間とともにリキュール状の果実味がふくらみをもって出てきて、バランスも良くなった。しっかりした構成を保ちながら、いい 具合に枯れて、優美でしとやかな酒質になっている。美味い。 このぐらいの年代のボルドーを飲むと、ボルドーがワインの「王」で はなく「女王」と呼ばれるのもよくわかる気がする。 【93】
日時 2002/11/24
銘柄 シャンボール・ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォー2000
(アンリ・ペロミノ)
産地 仏>ブルゴーニュ>シャンボール・ミュジニー村1級
輸入元 東急/ラック
コメント アンリ・ペロミノが所有する1級畑コンブ・ドルヴォーの区画は特級畑のミュジニーに接していて、ワイナートでも「どうしてここがグランクリュでないのか不思議だ」と書かれた畑である。色はクオリティの高さを予感させるような、中心部が真っ黒に近い濃厚なルビー。ピタリとフォーカスの定まった香りは、黒い果実、紅茶、ミネラル、エスプレッソなどに加えて黒オリーブなどのニュアンスがある。味わいは濃縮感のある果実味の第一印象。酸が伸びやかでタンニンは木目が細かく、分厚いわりに軽やかさすら感じる酒質。シャンボールミュジニーにしてはややデリカシーに欠けるキライはあるが、雄大なスケールを感じさせる、グランクリュに限りなく近い出来だと思う。【92】

日時 2002/11/22
銘柄 ボジョレー・ヌーヴォー2002
(マルセル・ラピエール)
産地 仏>ブルゴーニュ>ボジョレー地区
購入店 藤小西
価格 2800円
コメント 銀座屋で予約していたヌーヴォー2本が、配送業者のミスにより割れていたため、急遽、前日のパーティの際に無理を言って1本購入させていただいた。
マルセル・ラピーエルは、R・パーカー氏をして、「ボジョレーの四天王」と呼ばせしめるつくり手。ぶどうの皮に付く天然酵母のみで発酵、酸化防止剤も加えずにノンフィルターで瓶詰めしている。
色は美しいルビーで、全体的に紫がかったしっかりした色調。香りは赤というよりは黒に近い果実香とスミレのようなフローラルな香りが中心だが、しばらく置いておくと、よく言われる「甘草」などのスパイシーな香りが開いてくる。口に含むと、みずみずしい果実味とやや高めの伸びやかな酸。タンニンはやさしくおだやかで、ジューシーな口当たりが心地よい。といっても、コップでゴクゴクというようなものではなくて、食事とともにじっくり飲んでも結構満足できる味わいなのが1流の作り手たる所以だろう。 もっとも、2800円という価格は、ボジョレー解禁日という祝祭的な付加価値がなければ正当化できない価格ですけどね。【83】

2002/11/21
今年も藤小西さん主催のボジョレー パーティに参加。
平日にも関わらず、ホテルニューオータニ・スパルーム内に設置された会場には、130名もの参加者が集まり、ショータイムやプレゼントなどもあって、楽しいパーティとなった。MASAさん、スタッフのみなさん、どうもありがとうございました。

<飲んだワイン>
【白】
・蔵王スター 特別限定醸造ワイン2002(タケダワイナリー)
・デラウエア 2002(ルバイヤート)
【赤】
・ボジョレーヴィラージュ・ヌーヴォー2002(ジャン・フォワヤール)
・ボジョレーヴィラージュ・ヌーヴォー2002(ドメーヌ・ジョベール)
・ボジョレーヴィラージュ・ヌーヴォー・ル・ペレオン2002
                     (ドメーヌ・ド・ラ・マドンヌ)
・ボジョレー・ヌーヴォー2002(マルセル・ラピエール)
・ボジョレー・ヌーヴォー・キュベ・トラディション2002 (ポール・サパン)
・ボジョレー・ヌーヴォー15L樽出し(シャトー・ド・ピゼイ)

日時 2002/11/20
銘柄 モレ・サンドニ・クロ・ド・ラ・ビュシェール94(demi)
(G・ルーミエ)
産地 仏>ブルゴーニュ>モレ・サンドニ村1級
購入店 フルール・ド・プリムール/フィネス
価格 4000円位。
コメント 明日はボジョレー解禁日パーティがあるので、家でワインを飲めない。となると、一日で飲みきれるハーフの出番である。開けたのは、ルーミエ。ハーフばかり3本購入したうちの1本で、輸入元はフィネス、蔵出し、松原で購入と、考えられる最高の条件。味わいにも期待がかかる。
色調は、どちらかというと淡めのガーネットで、エッジは透明になってきている。香りはそれほど強くなく、しんみりとしたカシスや紅茶、それに醤油のようなややヒネたニュアンスがまざる。味わいは酸がやや立っていて、果実の厚みや甘味に乏しく、タンニンだけがガシガシと感じられる、なんともらしからぬ出来。というか、ヒネ香が出ていたことから察するに、まっとうな熟成をしなかったボトルなのだろう。同時に買った村名シャンボールミュジニー94の方ははすばらしかったので、まさにボトル差としかいいようがない。【83】
日時 2002/11/17
銘柄 ヴォーヌ・ロマネ2000
(ジャック・カシュー)
産地 仏>ブルゴーニュ>ヴォーヌ・ロマネ村1級
輸入元 ラック・コーポレーション
コメント

ジャック・カシューはヴォーヌ・ロマネの小規模な生産者で、洗練されたエシェゾーやヴォーヌ・ロマネ・ラ・クロワ・ラモーをリリースしている。品質のわりに値段が穏当なので、個人的にも注目している作り手だ。
色調は濃厚なルビーでエッジはややピンクの色調が見える。カシス、ダークチェリーなどの果実、オレンジピール、スパイス、オークに加えて、ハーブや青野菜の香りが強めに感じられる。口に含むと、強さはないがたっぷりした果実味のアタック。タンニンはキメ細かく質感を感じるが、酸はやや太めでジリジリした印象。オークのフレーバーはでしゃばりすぎず、酒質に彩りを添えている。口中での表情が豊かで、現時点でも美味しく飲めるが、香りの青っぽさがどうにも気に入らない。99年の同銘柄ではこのような香りは見られなかったのだが…。
【86】

日時 2002/11/15
銘柄 ムルソー2000(ミクルスキ)
産地 仏>ブルゴーニュ>ムルソー村
購入店 かわばた酒店
価格

3680円

コメント

ミクルスキはワイナートのムルソー特集で取り上げられたりして話題になった作り手だが、その後はいまひとつメジャーになりきれない気がする。2000年の出来はどんなもんだろうかと思い、村名ムルソーを開けてみた。色は濃いめのイエローで、やや黄金色がかかっている。香りはよく熟した柑橘系果実、ミネラル、バター。味わいは力強く凝縮した果実味とショッパイぐらいのミネラル感が魅力的な一方で、酸が強めで硬く、まだ全体的にこなれていない印象。口中での広がりは申し分ないが、余韻がややアッサリめなのは村名であることを思えば仕方ないか。良いワインではあるけど、4000円近い価格であれば、他にもチョイスはたくさんある。ファーストチョイスになりにくいのが、このクラスの作り手の難しいところだろう。ちなみにこのボトル、ほんのちょっとだけど、マルブのニュアンスがありました。
【87】

日時 2002/11/12
銘柄 モレ・サンドニ・レ・ルショ99・キュベ・ユニーク
(ドメーヌ・アルロー・ペール ・エ・フィス)
産地 仏>ブルゴーニュ>モレ・サンドニ村1級
購入店 かわばた酒店/テロワール
価格 3980円
コメント アメリカのワインブティック兼インポーターであるノースバークレイ社のために作られたスペシャルキュベ。パーカー氏もバイヤーズガイドの中で語っているように、アルローのノースバークレイ社むけ銘柄は、ノーマルキュベとは、まるで別物の仕上がりだとか。そう聞くと、なにか胡散臭さを感じてしまう私だが、実際のところ、どうだろうか…。
確かに無茶苦茶美味いですね、これは。深い紫がかった濃厚なルビーの色調。香りはごく初期的なジビエ香、丁子や八角などのスパイス、黒いフルーツ、それにカフェ。口に含むと、スパイシーで生き生きとした果実味のアタック。酸は伸びやかで、よく熟したタンニンとともにみずみずしい果実味を支えている。濃縮された果実味と洗練されたオークによる現代的なブルゴーニュだけど、単に「濃くて、オークが効いている」だけにとどまらない、口中での表情の豊かさや微妙なニュアンスがある。早くから美味しく飲めるし、そこそこ寝かせてもよく熟成しそう。この価格なら文句なく買いでしょう。
【91】

日時 2002/11/9
銘柄 モレ・サンドニ・プリミエクリュ・V・V98
(ユベール・リニエ)
産地 仏>ブルゴーニュ>モレ・サンドニ村1級
購入店 小田急ハルク
価格 5250円
コメント 小田急ハルクの閉店3割引きセールで購入したもの。モレ・サンドニのV・V銘柄はユベール・リニエのラインナップの中では、クロ・ド・ラ・ロッシュ(とシャルム・シャンベルタン)に次ぐ看板銘柄だけあって、プライスも3割引きでこの価格と強気。同じセールで買ったユベール・リニエの村名が状態がよくなかったので、このボトルもちょっと心配だったが…
キャップシールをとってみると、コルク上面に青カビが。コルクは上方までじっとりと湿っている。う〜む、と思いながらグラスにつぐと、色に濁りはなく、健全な紫がかったルビー。そっと鼻を近づけてみれば、これですよ、これ、といいたくなるような、コンフィ状のブラックチェリーやカシス、バニラ、それに枯葉や湿った土などの渾然一体となったすばらしい香り。味わいは、力強さはないが、やわらかい旨味に満ちた果実味のアタックが心地よい。ただ、タンニン、酸ともやや強めでまだ溶け込んでおらず、特に味わいの後半は酸のギスギスした印象が強くなる。時間の経過とともにかなり改善されるとはいえ、現時点でのバランスは今ひとつ。香りのすばらしさに味わいがついていってないのがちょっと残念なボトルでした。もう一本あるので、そちらは1〜2年待ってから飲んでみたい。
【88】
日時 2002/11/7
銘柄 マス・ド・リビアン・
コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ2000
産地 仏>コートデュローヌ
購入店 銀座屋酒店
価格 1310円
コメント 風邪は一向によくならず、鼻もノドもグジュグジュなので、安めのワインで済まそうと思ったら、セラーの中にちょうどよいボトルがあった。安価といっても、近頃話題の作り手である。さて、どんなものだろうかと。色は中心部が真っ黒に近い濃厚なルビーだが、縁は鮮やかな紫。ハーブやピーマンのトップノーズのあと、黒コショウやジャム状のブラックベリーのようなアロマが広がる。味わいはボリューム感がスゴイ。トロリとした「噛めるような」果実味、それを支えるしっかりした酸とよく熟したタンニン。フィニッシュにはビターチョコっぽいフレーバーが口中を満たす。アルコールが鼻に抜けるような感じがあって、改めてラベルを見たら、なんと14.5度だと。あまり酒に強くない私なぞは、ボトル半分でへべれけになってしまいそうだ。ただ、酒躯は一本調子で抑揚がなく、余韻もストンと落ちてしまう。なんというか、寸胴のグラビアモデルのような?印象なんだよねえ。まあ価格を考えれば、ないものねだりとも言えるけれども。
【84】

日時 2002/11/6
銘柄 シャンボール・ミュジニー・レ・サンティエ2000
( フレデリック・マニヤン)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 INA東日本
小山酒店
コメント

風邪気味。鼻がジュルジュルいってる体調で、ワインを飲むのももったいない気もするのだけど、「これでノドをアルコール消毒」という、おそらく全国100万人くらいの酒飲みが言っている決り文句とともについコルクを抜いてしまう私である。この日のワインは、近年評判のネゴシアン、フレデリック・マニヤン。(フレデリック・マーヤンではない。)
濃いルビーでエッジはまだ紫。シロップに漬けたブラックチェリーやカシス。それに甘いバニラやカフェ、甘草、ミネラル。口に含むと、よく熟した果実味の第一印象。しなやかな酸と細やかなタンニン、それに、節度のあるオークのフレーバーが溶け合って、中庸を得た、エレガントな仕上がり。特にどの科目が秀でているというわけではないのだけど、総合点ではいつのまにかトップをとっている、という感じの、洗練された良い意味で優等生的なピノ。特にオークのかけ具合が秀逸だと思う。鼻が利かないこともあって、ちょっと点数甘めかも…。(^^;【91】


11/4
ヴューシャトーセルタンオーナー来日記念ランチat「 シェ松尾」東急店

日時 2002/11/3
銘柄 オー・コート・ド・ニュイ2000(アンヌ・グロ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 東急/ラック (いただきもの)
コメント

中程度のルビーで、縁はピンクがかっている。香りはラズベリーなどの赤い果実、ハーブ、ロースト。口に含むと、色調から想像するよりもずっと粘性のある酒質で、果実味は旨味がのっており、伸びのある酸がこれを支える。タンニンはシルキーとまではいかないが、このクラスとしては充分上質。時間の経過とともに、押し寄せるように果実味の旨味が増してくるさまは、さすがアンヌ・グロ。しかし、全般に一本調子でフィニッシュや余韻もあっけない。アンヌ・グロの場合、ACブルゴーニュ銘柄がすばらしいことが多いので(99年など)、オー・コート・ド・ニュイとどちらを選ぶべきかは、悩ましいところだ。 【85】