2000年11月19日(日)
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やまや86ビンテージ試飲
やまやの30周年記念だかのセールで、86ビンテージ6種を1万円で試飲できる機会があった。相変わらずグラスはプアだし、立ち飲みだしと試飲環境は劣悪だけれども、このクラスのワインをこのお値段で飲めるのなら文句はいえないだろうね。


銘柄 Ch.コスデストゥールネル86
感想

ややオレンジがかった濃いめのガーネット。香りはどちらかというとドライで、プルーンなどの乾燥フルーツや、朽ち木、土、丁子などのスパイス。味わいはやや甘みを伴った果実にしっかりした酸、そして後半に強めのやや乾いたタンニンが広がる。かなりまだ手ごわい印象だが、1.5時間ぐらいするとバラのエッセンスのような甘い香りが出てきて、味わいもまろやかになってきた。【87】

以下、照明の問題もあり、色調はほとんど判別がつかなかったので、省略。
銘柄 Ch.ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド86
感想

閉じ気味な中に甘いカシスリキュール、ブルーベリー、その他にやや柑橘系のような酸っぱい爽やかな香り。味わいは果実味が豊かで、酸はしっかりと存在感があって、全般にこのしなやかな酸を中心としたバランス。ただ、香り同様に味わいもややソリッドで、全般に閉じ気味なのが残念。 【86】

銘柄 Ch.オーブリオン86
感想

枯葉、タバコ、腐葉土、ジビエ。それに丁子、八角などのスパイス。他の5銘柄に比べて、これだけ熟成香が強め。味わいは甘い果実、酸は上品だが、後半にかけてやや乾いたタンニンが残る。全般にややひなびたドライな味わい。以前に飲んだ同銘柄よりあまりに熟成が進んだ印象にやや驚く。コンディションが悪かったのでは…。 【85】

銘柄 Ch.ラミッション・オーブリオン86
感想

甘いブルーベリーやカシスのリキュール。甘草、それにややミルキーな香りが特徴的。しばらくおくとある種の香水やファンデーションのような甘い香りが広がる。味わいはスムーズなアタックから甘く豊かな果実味が感じられ、タンニンもなめらかで、広がりもあって、やわらかく上品な味わい。今とてもよい状態。【91】

銘柄 Ch.シュバルブラン86
感想

ドライハーブ、紅茶、ユーカリ、メンソール、それにちょっと火を通した赤系果実。アタックから特徴的なハーブっぽいフレーバーを伴った甘い果実味が口中に広がり、しなやかなタンニンと酸により、角が取れた丸い飲み口。全体のバランスもよく、独特のやわらかい雰囲気が素敵。抜栓直後から1.5時間後まで一環して開いており、豊かなフレーバーを楽しませてくれた。【92】

銘柄 Ch.ペトリュス86
感想

今回の最大のお目当て。 閉じている。なかなか開いてこない。しかし、時間と共に、その中から群を抜いて緻密な粒子の細かい芳香がほんのりと出てくる。甘い、バラのエッセンスや上質なリキュール、それにジビエっぽいニュアンスも。味わいは、すばらしくなめらかな果実味を第一印象に感じ、タンニン、酸とも圧倒的なぐらいスムーズ。甘み、酸味、渋味などすべてが渾然一体となったエレガントで球体のような味わい。そして長く残るフィニッシュは印象的。ただ、スムーズすぎて?グリップがいまひとつ感じられないのと、全体的にややスリムなボリューム感が意外といえば意外だった。 【91】

86のボルドーは素晴らしい年だがタンニンが強く内向的との評価通り、今回の試飲でも、特にメドックの2銘柄はタンニンが強めに感じられた。一方、ラミッションとシュバルブランは見事に開いていて、特にシュバルブランは、相変わらずの特徴的な芳香と味わいが光っていた。ペトリュスは3度目だったけど、今回もまたその神秘のベールを完全に脱ぎ捨ててはくれなかったという感じ。続きはコラムにて。