2000年11月18日(土)
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エノテカCh.ラフィット垂直
前日のカリフォルニア・カルトワイン会に続いてこの日はエノテカで開催されたラフィットの試飲会に参加。どうも私は今までラフィットであたったためしがなく、一度まとめて飲んでみたいと思ってたので、このイベントはまさに千載一隅の機会。改めてメドックのグランクリュ1級筆頭の実力はいかに?感想はコラムにも書いたので、こちらは主にコメントを。


銘柄 Ch.デュアールミロン
96

エッジに紫がかったやや濃いガーネット。茎、ハーブ、フレッシュな カシスやブルーベリー、スパイス、モカ。味わいは繊細で果実味 はみずみずしく、グリップは強くないものの、なめらかなタンニンと酸 によりバランスは良好。エレガントなワインだ。【85】

83 エッジにオレンジがかった中程度のガーネット。麦わら、オガクズ、 ドライフラワー、乾燥いちじくやプルーン。回すと奥からリキュール のような甘い香り。味わいはやさしく、繊細。酸はしなやかだが、 ややタンニンがざらついているのが残念。【84】
銘柄 Ch.レヴァンジル93
感想

やや縁にピンクがかった中程度のガーネット。香りはプラムやカシスの リキュール、墨、甘草などが一体となって染み入るよう。 味わいはスムーズで、クリーンな果実味、節度のある酸とタンニン。 雑味のないシルキーなフィニッシュ。 力強さはないが、やわらかくデリケートにまとまっており、よい表情を見せ ている。【88】

銘柄 85カリュアド・ラフィット(MG)
感想

縁にオレンジがかって、ややはかない色調が見える中程度のガーネット。 カシスのリキュール、アンズやプラムなどのややドライになったフルーツ。 麦わら。ややひなびた感じの香りに対して、MGのためか果実味はよく 残っており、タンニンもやわらかくとけこんでいる。酸はエレガントでやさしく きれいに熟成している。【85】

次は同じビンテージのセカンドとファーストを比較。
銘柄 94カリュアド・ラフィットと94Ch.ラフィット・ロトシルト
感想

色調はほとんんど見分けのつかない、やや濃いガーネット。カリュアドがかすかに縁にオレンジが見えるのに対し、本家ラトゥールの縁はまだ紫がかっている。
カリュアドの香りはよく開いていて、ブラックベリーのシロップ漬け、甘草、漢方 薬、 杉の木。一方ラフィットもブラックベリー、甘草、スパイスなど、同系統だが、 丁子、土、黒砂糖菓子などのニュアンスもありさらに複雑。とにかく香りの粒子 の細かさというか、密度感とボリューム感が圧倒的に違う。
一方で味わいのほうは、カリュアドの方がむしろこじんまりとバランスがとれいてる から面白い。 カリュアドはやわらかい果実味のアタック、酸はしっかりしており、タンニンはなめ らかだが、やや収斂性があり、フィニッシュにはクリーンな果実味が感じられる。 【85】
一方のラフィットは、アタックから酸が目立ちやや険しい表情。果実味はハーブっぽ い フレーバーを伴うがいくぶん閉じ気味で、フィニッシュにやや酸が強めに出る。タン ニン も質は高いんだけど、量は多く、全般にバランスがとれてない感じ。私も一本所有 しているので、熟成後のポテンシャルを信じたい。【85】

さて、いよいよラフィットだ。
銘柄 Ch.ラフィットロトシルト
90

エッジにオレンジが見える濃いめのガーネット。甘いリキュール香は黒と赤の中間位 の果実を感じさせる。杉、紅茶、ハーブ、さらにミントやユーカリっぽいニュアン ス。 果実味はやわらかく、タンニンはよくとけこんでいて、大きな広がりは感じないが、 バランスが繊細で、染み入るような美しいフィニッシュ。今すでに甘く美味しい。好 印象 だったので当初予定していた86をキャンセルしてこちらを一本購入。 【92】

86 ややエッジにオレンジの見えるガーネット。しかし90よりはむしろ若い色調。 香りはかなりドライな印象で、杉の木、燻香、麦わら、ドライフルーツなど。 味わいもまたタンニンがまだしっかりと残っており、堅牢なストラクチャーを感じる 一方、 果実味はやや旨み系の味わいで、なんというかひなびた木質的な印象があり、あまり豊かさ を感じない。良いワインとは思うけど、PP100点にしては、ちょっと…。【90】
82 ややレンガのニュアンスがエッジに見えるオレンジガーネット。香りはドライな中に 甘みがある、染み入るようなカシスのリキュール、甘草、さまざまなスパイス。 味わいは甘く豊かな果実味を第一印象に感じ、酸は上品でやわらかく、タンニンは 溶け込んでいて、十分なコクを残しながら、緻密で繊細なバランス感。フィニッシュ は シルキーでクリーンな印象。これは文句なくすばらしい。【94】
78 エッジが透明になってきているオレンジガーネット。香りは開いていて、カシスのリ キュール、 枯葉、ハーブ、タバコ、麦わら。味わいはユーカリっぽいフレーバーを伴った果実味 を第一印象に 感じ、酸がしっかりしていて、背筋がピンと伸びている印象。タンニンはよく溶け込 んでいる。 エレガント。【90】
75 このころから暗くなって色がわからず。
香りは78よりも落ち着いたカシスのリキュール、ダージリン、枯葉、麦わら。味わいは甘く品のある 果実味のアタック。こんなに果実味がしっかり残っているのは、マグナムボトルゆえ か。タ ンニン、酸とのバランスもよく、78よりしっかりした構成がある。美味しい。【92】
64 厩臭、干し肉、腐葉土。う〜む、正直言って、臭い。
僻々として、しばらく放っておいたら、プアール茶やドライフラワー、それにマッ シュルームのような香りに変化した。
味わいはやさしく、ひなびた感じで、果実は旨みと甘みがたっぷりとあって、タンニ ンはとけこんでいる が酸はやや強めに残る。味わいはなかなかだったが、香りがちょっと。他のボトルか ら注がれた方の はこれほどでなかったので、これはボトルが悪かったのかもしれない。【88?】
#相変わらず、古酒にはやや甘目かもしれません。
銘柄 Ch.リューセック
96

黄金色の色調が強いイエロー。ハチミツ、黄色い花、柑橘系果物のシロップ漬け、モ ンブラン。ねっとりと広がる、厚みのある果実味、酸もあるが、果実のボリューム感に押されている印象。全般にド ロッとしていて、良く言えば濃厚、悪く言うと鈍重。 【84】

89 96よりもさらに濃い黄金色でやや琥珀の色調も。96に加え、ビニールのような香りが特徴的。 果実の粘度は96ほどでなく、酸もしっかりしているので、フィニッシュがより重層的 で複雑。 とはいえ、これも相当こってりしたワインだけど。【86】