仏>ボルドー>メドック1級> マルゴー村/赤
色は全般に黒みがかった非常に濃いガーネット。香りはカベルネの特徴を強く感じる。ブラックベリーのコンフィ、バニラ、モカ、黒鉛。回すとカシスリキュールのような甘い香りがほんのり。あまり熟成は感じないが、分厚い香りで心地よい。味わいはまず酸がしっかりしており、タンニンは多めでやや粉っぽく、溶け込みはじめている。果 実はほどよい凝縮感があり、ボリュームも大きめ。1級らしい密度感のある力強い味わいだが、各要素の自己主張が強く、まだこなれていない印象。飲み頃にはもう少しかかりそうだ。 【89】
70年代の低迷期から抜け出した80年代以降のマルゴーは、かのパーカー氏も高得点連発。そんな中にあって、88の評価は今ひとつのようだが、私が今日飲んだ限りでも、酸の主張が強く、タンニンもまだ元気なため、かなり手強い印象を受けた。まあでも、店頭で立ち飲みの試飲なので、料理と一緒にボトル一本数時間かかけて飲んだらば、また印象は違ってくるのだろうけど。いずれにせよ、このビンテージが5年後、10年後にはどうなっているのかはとても興味深いところだ。
なぜか最近縁があるランシュバージュ。中心に黒みを帯びた濃いめのガーネット。ブラックベリーのコンフィ、湿った土、甘草、モカ。 味わいは心地よい果実としなやかで上質な酸、それにまろやかに溶け込んだタンニンのバランスがよく、フィニッシュには層をなした味わい。 凝縮感はあまりないものの、 ストラクチャーがしっかりしていて、今飲み頃になっている。 【83】
先輩が最後に飲んだのはCh.ムートンロトシルトのセカンド。あまり見かけなかった銘柄だが、97ビンテージは結構出回っているようだ。昨晩抜栓ということで、香りは弱め。カシス、ブラックベリー、墨汁、エスプレッソ。味わいはまず豊満な果 実味、タンニンは熟していて丸く、酸はやわらかい。フィニッシュに感じる独特のエスプレッソのフレーバーに、ムートンの血統を感じる。中量 級でやや構成がダルな感じだが、今美味しく飲めるフレンドリーな味わい。一晩置いたことが良い方に作用したようだ。 【80】