2000年3月19日(日)

3/19やまやにて試飲
例によって試飲目当てでやまやのセールへ。今日は池袋西店と新宿店との両方でセールをやっていて、どちらの有料試飲も捨てがたかったので、最初に池袋西店に行って、帰りに新宿店に寄ることにした。ところが、午前中(と言ってもほとんど昼前だが) のうちに行ったのに、池袋西店では3銘柄中2銘柄(DRCリシュブールとルロワのコルトン・シャルルマーニュ)がすでに売り切れ。それでも残った超大物、アンリ・ジャイエ1種類の試飲は出来たのでよしとすべきか。

日時 2000/3/19
銘柄 リシュブール87
アンリ・ジャイエ
仏>ブルゴーニュ>ヴォーヌロマネ村特級/赤
購入店 やまやにて試飲
価格 5000円/G
コメント 色は全体にオレンジの色調がみえるやや明るめのガーネット。香りはかなり熟成を感じさせる、ドライフラワー、ドライフルーツ、フランボワーズのリキュールの甘い香り。最初枯れ草の香りが強かったが時間とともに徐々に薄らいできた。味わいはアタックからなめらかでふくらみのある果 実を感じ、非常に上質なリキュールのような甘みが口の中でパァーッと広がる。タンニンは完全に溶け込み、酸はあまり自己主張はしないが、果 実の甘みをきっちりと下支えしている。アフターにまでこの甘い果実味が続き、余韻は非常に長い。【95?】
雑感 初めて飲むアンリ・ジャイエ。短時間の試飲の間だけでも、時間とともに当初強かった枯れ草の香りが薄らぎ、果 実のボリュームがグッと出てくるようになった。ビンテージから想像するより熟成が進んでいる感じだったのはボトルのコンディションのせいだろうか?全体の印象は不思議なことによく出来た70年代くらいのボルドー(たとえば年末に飲んだ75ピションラランド)に近いものを感じたが、たまたまこのボトルがそうだったのか、それともこれがアンリ・ジャイエの個性なのかはわからない。それにしても、今日ほど一杯だけの試飲の限界を感じたことはない。機会があればぜひボトルで頼んで時間とともに変化するさまを楽しみたいワインだけど、ボトル10万ではそう簡単には実現しないか…。

その足で新宿店へ。店に着いたのがすでに13時近かったので、こちらも売り切れが心配だったが、幸いすべての銘柄がまだボトル半分以上は残っていた。ギガルのコートロティをはじめ、3種とも知る人ぞ知る話題の銘柄。
日時 2000/3/19
銘柄 クラレンドンヒルズ・ アストラリス98
豪>  /赤
購入店 やまやにて試飲
価格 800円/G
コメント 縁に紫の色調が見える、非常に濃いルビー。香りは強いロースト香が主体。エスプレッソ、焼き栗、やや時間をおくと、ブルーベリージャムや黒コショウなど。味わいは豊かでよく熟した果 実味のアタック、タンニンはやわらかく、酸も丸くしなやかで、全般にボリューム感があってグラマラスな印象。後味にもやわらかい果 実のフレーバーを感じる。【86】
雑感 クラレンドン・ヒルズについては私は名前しか知らないが、スティーブン・タンザー氏はこの銘柄の98ビンテージに94(+?)という高い評価を与えている。とにかくロースト香が圧倒的で、タンザー氏は「熟し切った、焼いたプラム」などと表現しているが、なるほど言い得て妙だ。今後熟成して樽香が消えてゆくとどうなるのか興味深いワイン。ちなみに98ビンテージでこれだけ樽香がついているということは、樽熟成は十分にしているはずだから、そうするとほとんど瓶熟しないで出荷しているのだろうか?
日時 2000/3/19
銘柄 クロ・デ・ロバック89
スペイン>カタロニア> プリオラート/赤
購入店 やまやにて試飲
価格 1000円/G
コメント 縁にピンクがかった濃いめのガーネット。香りは熟成してややひなびた印象。ドライフラワー、枯れ草、やや置くとカシスリキュールなどの甘い香りが出てくる。味わいは旨みのある甘い果 実味をアタックに感じ、タンニンはよく溶け込んでいておだやか、酸は丸く熟した印象だが後半に広がる。フィニッシュには複雑な甘苦い果 実と酸のフレーバー。他の二銘柄がインパクトのあるワインだったせいもあるが、全般 に落ち着いたエレガントなワインという印象を受けた。
【87】
雑感 いわゆる「スーパースパニッシュ」。カタロニア地方のプリオラートに「4人組」といわれる人たちがにワイナリーを作ったのが89年。そのワインが欧米のワインジャーナリズムに絶賛されたのがきっかけで、この地域が一躍スペインの中でも最も脚光を浴びる地域のひとつとなったそうだ。その後4人組は分裂してそれぞれ別 のワイナリーを運営しており、それらのワインはいずれも高騰して入手困難とか。ということまでは判ったのだけど、さてこのワインはそのうちの誰のものなのだろうか?それとも89ビンテージということは分裂前?残念ながら我が家には資料がないので、この辺の詳しい事情をご存じの方いらしたら教えてください。  
日時 2000/3/19
銘柄 コート・ロティ・ラ・ランドンヌ94 (E・ギガル )
仏>コート・デュ・ローヌ>コート・ロティ/赤
購入店 やまやにて試飲
価格 1500円/G
コメント 黒みがかった濃いガーネット。香りは濃厚で凝縮感がある。ブラックチェリーやプラムのコンフィ、黒砂糖の焼き菓子、甘草、ミネラル。しばらくすると樽からのロースト香やエスプレッソの香りが支配的になる。アタックはスパイシーで豊かな果 実のフレーバー、タンニンは多いが、熟していてやわらかく、酸はしなやかで果 実とタンニンに隠れがちだがバランスは良い。ボリューム感があって、まさに口中で「噛んでいる」ような印象。アフターには果 実とスパイスのフレーバーが層をなす。今でも美味しいが、さすがにまだ「全力投球」していない感じで、もったいない。熟成させたらさぞすばらしいことだろう。 【92】
雑感 ギガルの作る3つの単一畑のコート・ロティのうちのひとつ。(他の2つはラ・ムーリンヌ、ラ・トゥルク)R・パーカーらが高得点を連発していることでも知られており、私も常々飲みたいと思っていたが、なかなか機会に恵まれなかった。今回(やまやをはしごまでして)初めて飲んでみて、明らかにカベルネとは異なるキャラクターの、実にスケールの大きなすばらしいワインという印象をもった。これもまた、食事とともにボトルで一度贅沢に味わってみたいワインだ。

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