2000年3月11日(土)
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3/11(土)やまや渋谷店にて試飲
やまやのセールに行ったついでに上記品種の試飲をしてきた。行ったのは14時ごろ、抜栓は10時半とのことなので、抜栓後4時間程度経過していたわけだが、95だとこのくらいがちょうど良いのかもしれない。やまやの試飲は「立ち飲み」「あまりよくないグラス」「量も少なめ」と条件的に厳しいものがあって、評判の高いワインを飲んでも、今イチ感心、感激した記憶がないのだけど、今回の4種はどれもすばらしかった。例えると、合コンに行ったら、それぞれタイプは違うのだけどどの子も負けず劣らずカワイかった、という感じ。

銘柄 Ch.クリネ95
仏>ボルドー>ポムロール/赤
(1200円/G)
コメント 色調は非常に濃いルビー。香りは果実中心だが、複雑さも出ている。ベリー系果実のジャム、甘草、丁字、シナモン、バニラなど、厚みのある香り。味わいは果実の凝縮感がすごく、口中で粘性を感じるかのよう。酸はしなやかで、タンニンは丸くきめ細かく、どちらも量は多いが、豊かな果実とのバランスがよくとれている。各要素のしっかりした大柄なワインだ。
【90】

銘柄 Ch.ラ・コンセイヤント95
仏>ボルドー>ポムロール/赤
(800円/G)
コメント 縁にピンクがかった濃いルビー。香りは甘く優雅。カシスリキュール、ベリー系フルーツやプラムのコンフィ、甘草、湿った土。味わいは凝縮感はあまりなく、この年にしてはスマートめだが、タンニンが非常にきめ細かく、酸も丸くしなやかで、みずみずしい果実味とのバランスが精妙で、スルスルと飲める。静的でエレガントなワイン。
【91】

銘柄 Ch.トロロン・モンド95
仏>ボルドー>サンテミリオン・グランクリュクラッセ/赤
(900円/G)
コメント 紫がかった濃いルビー。香りは閉じていたが、やがて開いてきた。ベリーのジャム、黒砂糖菓子、バニラなど。味わいはギュッとつまったような果実の凝縮感、良質だが口の中が乾くような多量のタンニン、酸もしっかりしており、現時点では各要素がまだバランスがとれていない印象。とはいえ、大柄な体躯のワインで将来性は充分。
【88】

銘柄 Ch.フィジャック95
仏>ボルドー>サンテミリオン・プリミエグランクリュクラッセB/ (800円/G)
コメント 縁にピンクがかったやや濃いルビーで、この日の4種の中では一番明るい色調。香りは開いていてすばらしい。甘いカシスリキュールと甘草に加えて、木の根や湿った土など、複雑で繊細な香り。味わいは中程度のボリューム感、タンニンはきめ細かく、フィニッシュにかけて残る。酸は丸くしなやか。全般にやわらかくしっとりとしたバランスのよいワインで余韻も長い。
【90】

今回の4銘柄の試飲はとても好対照で面白かった。最初の二つは同じ ポムロールでも、パワフルで凝縮感のあるクリネに対して、精妙なバランス感が持ち味のコンセイヤントと、印象が全然違う。ちなみに95クリネはR・パーカー氏が95点つけているワインだが、私は今飲むのならコンセイヤントの方が好みだ。トロロン・モンドはこの中では最も長期熟成タイプ。 ミシェル・ロランが関与している同士ということもあってか、クリネと同系列という印象。フィジャックはいろいろな意味で中庸を得ていて、やわらかくしなやか。セールで9980円で売っていたので買ってくればよかったかな。
それにしても今日飲んだワイン、どれも95というまだ若いビンテージなのに、すでに美味しく飲めることには驚かされた。値段も安かったし、有意義な試飲だったが、これでもう少し良いグラスで、一杯あたりの量が多ければ言うことないのだが…

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