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記憶力低下対処法

2010.10.24. 掲載
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目次
1.はじめに
2.記憶力低下対処法の要点
3.他人が理解できる形でまとめる
4.PCに階層構造で保存
5.日記に代わるもの(PCのカレンダー)
6.よろず書き込みテキストファイル
7.元データの保存と参照
8.まとめ

1.はじめに

最初にお断りしておくが、これは記憶力低下を防ぐとか、記憶力を高める方法ではない。書こうとしているのは、年を経るごとに記憶力が低下するのを仕方がない加齢現象と認め、それに対処してきたやり方である。これは人間が持つ生きる知恵の一つであろう。

これをまとめる気になったのは、このサイトに載せている記事を読まれた複数の人から、「素晴らしい記憶力」と言われたからだ。構築力を褒められるのなら、分からないでもないが、現在の記憶力は、素晴らしいの正反対で、悲惨なものである。情けないほど記憶力は低下していても、知恵を働かせば、それをカバーできることを知って欲しいからだ。

学生時代に、心理学の講義で、人の記憶力の頂点が18歳であることをグラフで示されて驚いたが、そのせいか、記憶力の低下を意識し始めたのはかなり早く、30歳代のような気がする。というのは、その頃から整理法に関心を持ち、いろいろ試しては失敗を重ねた。そして、今の整理法に行き着いたのは、開業する前年の72年(36歳)ころと思うからだ。


2.記憶力低下対処法の要点

記憶力低下に対処する方法は記録に残すことが最も有用である。その記録の形として、ことば、映像、音声、それらを組み合わせたもの(書籍、ビデオなど)などがある。

記録媒体については、紙のほかに、磁気テープ(カセット・テープ、Hi8テープ、DVテープなど)、磁気ディスク(FDやHDDなど)、光学メモリ(CD、DVD、BDなど)、フラッシュメモリー(USBメモリーやメモリー・カードなど)があり、紙以外は、ITの進歩とともに、ますますその種類を増やしている。

記録によって、記憶力低下をカバーするための要点は、1)すぐにメモを取る、2)手間をかけない、3)使い慣れている方法、4)他に使った記録を再利用する、5)自分に合わないやり方はしない、6)残して置きたい記録は、できるだけ早くまとめる、7)他人も理解できる記録と、自分が分かればよい記録を、使い分ける、8)手持ち資料(原始資料)を整理して持つ、などだと思う。

私は96年に自分のWebサイトを開設したが、その頃から行ってきた記憶力低下対処法をご紹介する。


3.他人が理解できる形でまとめる

これはほとんどがWeb記事で、旅行などでは動画DVDの制作、コンサートではCD制作のこともあるが、それらは例外である。そのテーマが記憶に残しておきたいものであれば、記憶と意欲が薄れない間に、突貫工事的にまとめ、それを終えた時点で、はじめてそのテーマから解放される。Webという情報発信手段を知ってから、これをフルに活用してきた。

PCをはじめた80年頃から、文章の99%以上をエディターを使って、テキスト・ファイルで書いてきた。テキスト・ファイルで文章ができ上がれば、それをWeb記事に変えることは、ワープロで成型するよりも簡単で、テンプレートファイルを読み込み、それに合わせるだけでよい。詳しくはサイトのリニューアルをご覧いただきたい。

記憶力低下対処法の中で、一番効果のあるのは、大事な記録をWebサイトに掲載しておくことである。ここでは、他人が読んでも分かるように書く。自分だけが分かるメモでは、時間が経つと、書いた本人も分からない記事になってしまうことを何度も経験したからだ。

サイト開設以来、今日までに516件のタイトルを載せてきた。それは「更新暦」をクリックすれば表示される。その内の156件は、情報が古くなったり、重要性が減ったため削除したが、これらは捨ててしまったのではなく、「1HP中之島削除分」というフォルダに保管している。

記憶力低下対処法としては、必要な記事を必要なときに、簡単に見つけることができなければならないが、それには、大分類、中分類、小分類の3段階程度の階層構造を持ったサイトマップを付けることで解決してきた。「サイトマップ」をクリックすれば、ご覧いただける。

トップページ(ホームページ)は、そのサイトマップのサマリーで、ここからもサイトマップの大分類、中分類にリンクできる。

記事を載せた年代の見当がつく場合は、「更新暦」から調べる方が簡単な場合もある。

関連記事や削除記事も含めて、取りこぼしなく調べたい場合には、Googleのデスクトップ検索を利用する。これによって、Web記事の他に、自分のPC内に散らばっている情報を検索できる。

Webサイトに掲載することは、記録としてだけではなく、記憶に留めておく効果も少しはあるかもしれない。掲載するには、データを集め、取捨選択し、構築し、それを推敲する。掲載した記事も時には読み返すことがある。そのため、忘れかけた記憶の一部を呼び戻す作用があるような気がする。もちろん、これはあくまでオマケ効果で、ほとんどゼロに近いのかも知れないのだが、、、


4.PCに階層構造で保存

私のデータの多くは、PC内にデジタルデータとして保存している。その詳細は、20年間のPCデータの整理保存をご覧いただきたい。Webサイトに掲載している記事もその一つで、「HP中之島」というフォルダに保存している。

パソコンに保存しているデータの内、メールデータは大事にしている。今使っているメールソフトでは、2001年1月からの分が受信、送信に分け、それぞれを2〜3階層分類で保存している。

PC内のデータは、それぞれの階層のフォルダ内で、時間または名前でソートすれば、たいていの場合、目的のデータを簡単に得ることができる。もし、それで駄目なら、Googleのデスクトップで検索する。


5.日記に代わるもの(PCのカレンダー)

「素晴らしい記憶力」に続けて、「日記か何かで日常生活を書き残しているか?」と尋ねられることがある。私は、こどもの頃から日記を続けることができなかった。できないことをできるように頑張ることはしない性格なので、日記をつけたことはない。

医師になってからは予定を付けることが必要になり、手帳を持つようになった。開業してからは、予定を書き込むカレンダーも使うようになった。これらに書き込んだ予定で記録に値するものを、パソコンのカレンダーソフトに転記してきた。これはメモ書きだが結構役に立つ。

カレンダーソフトを使い始めたのは97年だが、その年からの予定などのメモは、カレンダーソフトで瞬時に表示できる。身内や友人などの誕生日も、前年から簡単に転記できるので便利だ。


6.よろず書き込みテキストファイル

98年からは、「書.txt」というテキストファイルに、下書きや、メモ、調べたデータのコピーなど、何でも書き込む雑記帖をデスクトップに置いてきた。今年の分のファイル名は「書2010.txt」である。PCを使うようになってからは、診察机の前にPCがあるので、思いついたことは即座にこれに書き込んできた。医業を退いてからも、多くの時間を過ごす仕事場にPCがあり、今でもこの雑記帖を愛用している。

これは日付を付けて、その下に記事をのせるので、いつでも最新記事がトップにくる。日付の前に◆をつける。

例えば、今日の時点では以下のようだ。

◆10/10/24
○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○

その日のうちに2つ以上の項目があれば、項目の前に●をつける。

◆10/10/20
●○○○○
○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○

●△△△△
△△△△△△△△△△△△△△
△△△△△△△△△△△△△△
△△△△△△△△△△△△△△

これから記事を見つけるには、そのまま順に見ていくか、◆で検索して月日を早く出すか、Googleのデスクトップで検索する。


7.元データの保存と参照

そのほか、手紙とか大事な資料、書籍は超々整理法で保存している。情報の整理とか保存に関しては、ここのほか、心に生きることば第5章:情報で詳述しているので、ご関心があればご覧いただきたい。


8.まとめ

他人から言われる「記憶力が抜群に素晴らしい」というのは、まったくの間違いで、いろいろ工夫することで、記憶力低下という加齢現象に対応していることを、具体例で説明した。

そこで気が付いたのは、扱っているのがデジタルデータであり、デジタル処理だから、これらが可能だったということだ。PCを知るまでの世界では、このようなことは非常に困難で、凡人にはできないことだった。PC時代に生きることができた幸せを痛感している。

そのデジタルデータを、他人も理解できる形でまとめること(Web記事)と、他人には分からなくても、自分が分かれば良いというメモや整理で残すという相反する方法の併用が有用であったと思う。これによって、面倒でもまとめておきたいという欲求と、なるだけ手抜きをしたいという欲求の両方が叶えられるため、長続きしてきたのだろう。

まとめたいという能動的欲求がなくなった時には、鑑賞という受動的欲求に向かうのかもしれないが、その時は、生きる意欲もなくなっているかもしれない。

幼い頃から博覧強記で知られ、晩年に至るまで記憶力が優れていたと思われている南方熊楠が、40歳代から記憶力の衰えを意識し、それに対処する方法を考えだしたと言う『熊楠研究』第五号の記事をWebで見つけた。

彼ほどの記憶力抜群の人でさえ、加齢による記憶力低下に悩み、それに対処してきたという事実に、人間の知恵をあらためて感じる。大事なことは、記憶することではなく、記憶し記録した情報をどのように生かすかであろう。


<2010.10.24.>

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