明日香亮のつぶやき日記 2002年3月A
3月21日(金)インターネット時代の国境を越えた出会いの形 
■3月17日
帰宅後いつものようにメールチェック。ユーザー登録した購入ソフト等のメールに混じって、「はじめまして、HP拝見しました」という件名の女性名のメールがある。少しばかり心を躍らせながら開封。
以下は、インターネット時代の国境を越えた出会いと感動のヒトコマである。
登場人物のファジャさんは、韓国在住の兵庫県出身の20代の日本女性である。韓国の大学院の学生であり韓国人の夫を持つ主婦でもある。ご本人の希望でハンドルネームで紹介させていただいた。
はじめまして。HPを拝見してメールをさせていただきました。韓国に住んでいるファジャと申します。
実はそちらのHPにはYahooで「息子の結婚」というキーワードで検索してたどり着きました。おそらくこんな言葉で貴HPに着いた人はあまりいないのではないかと思います。
私の故郷も西播磨(宍粟郡です)、学生時代は西宮で過ごしたので、聞き慣れた地名に懐かしく、楽しく拝読させていただきました。
ところで、なぜそんなキーワードで検索したかというと、私は今、韓国全南大学の日語日文科大学院で言語学を専攻していて、現在修士論文の準備中なのですが、その論文のテーマが「嫁姑の非言語コミュニケーションの日韓比較」、つまり、スキンシップや話をするときの距離の取り方についてなのです。調査の一つとしてアンケートを行っており、インターネットなどで協力を呼びかけたところ、「嫁」側からはたくさん反応があったのですが、「姑」側の立場にある方には今のところあまり出会えずに、サンプルが大変不足している状態です。
そこで、「息子さんが結婚された方」=「『嫁』がいらっしゃる方」を探そうと、このようなキーワードで検索してみた次第です。
突然メールを差し上げたうえ、こんなぶしつけなお願いまでして申し訳有りませんが、もしよろしければ、奥様に「姑」の立場からのアンケートご協力をお願いできないでしょうか。
アンケートの内容はそれほど難しくありません。以下のところで、直接回答、送信していただくことができます。
答えてくださった内容については、私の論文の資料として以外には使用しませんのでその点はご安心ください。
ご協力いただければありがたいです。よろしくお願いいたします。また、自己紹介もかねて、私のHPもお知らせしておきます。
 http://plaza.rakuten.co.jp/ebikorea/
お忙しい所、読んでいただきありがとうございました。  
                                                                       ファジャ
HP上のアンケートにアクセス。姑の立場からの息子の嫁に対する接し方についての幾つかの質問である。簡単な内容であり、読み上げげながら、妻の回答を聞き直接入力し、送信。併せて以下の返信メールを発信した。
メールをありがとうございました。
早速、家内の意見を確認しながらアンケートに回答しておきました。(彼女は、今尚PC操作に抵抗があります。当然ながら自前のメールアドレスもありません。)
私の出身も兵庫県の姫路市です。小学生の夏休みには、毎年のように宍粟郡山崎町の親戚の家に遊びに行っていました。
それにしてもインターネットの様々な出会いには驚かされます。
私も家内と3年前に韓国を訪問しました。その時の、楽しい思い出をHP「韓国紀行」に綴っています。よろしければご覧下さい。
■3月18日
翌日、早速ファジャさんから以下のメールが寄せられた。小生の長編の韓国紀行を読んで頂いた上での感想をこめた丁重なメールだった。韓国人を夫に持つ韓国在住の若い日本女性の心境が綴られている。
早速のお返事ありがとうございました。アンケートにもご協力いただき、本当に助かりました。初めてのメールで、めんどうなことをお願いしてしまって申し訳有りませんでした。
韓国旅行記も全部読ませていただきました。特に最後の「近くて近い隣人」には胸が熱くなりました。
日本人として韓国に住む、ということで、いろいろなことを考えさせられる機会が多いのは事実です。傷つくこともあるし、また、必要以上に敏感になっている部分もあるのかも知れません。そういう出来事の一つ一つを一個人として全て受け止めることはできないし・・・、そんな必要はないのでしょうが・・・。
基本的には一人一人の心の交流、というか・・・。うまく言えませんが。(・・・我ながら、ほんとうにうまく言えてませんね。)
先週末も光州在住の日本人の集まりがあり、お酒を飲みながら日韓関係について、韓国での反日感情について話が出ました。みんな、いろいろな意見を持っていますが、結局は問題があまりにも大きすぎてどうしたらいいのかわからない・・・。
でも私たちには韓国人の配偶者や恋人や友達がいて、それはとても大切な人たちだということ。韓国も日本も私たちにとってはとても大切な国だということ、答えにはなってないけれど、そんなことを感じました。
私と韓国人の夫との間にはまだ子どもはいませんが、将来子どもができると、またいろいろ悩むのだろうと思います。
でも、私が韓国にいることで、韓国を身近に感じる友達や親戚が増えたり、逆に私が日本人だからということで、日本に対するイメージが少し変わったという夫の友人がいたりするのを見ると、きっと、これからもこんな風に、悩みながらも少しずつ、なんとかやっていけるのかもしれないな、と思っています。
いつかご夫婦でもう一度韓国にいらしてください。その時はぜひ、光州はじめ全羅南道をご案内させてください!
食べ物が有名で、ソウルやプサンとは比べ物にならないというのが、こちらの人々の誇りです。(ほんとうにおいしいです!)これからもHPに遊びに行かせていただきます。
アンケートへのご協力、本当にありがとうございました。奥様にもどうぞ、よろしくお伝えくださいませ。
それでは、長くなりましたがこれで失礼いたします。
                                                                ファジャ
■3月20日
ファジャさんのメールは本当にインターネット時代の国境を越えた出会いと感動を実感させるものだった。出会い系サイトなどがもたらすインターネットの影の部分を越えて、光の部分に触れた感動があった。
この実感をHPに残しておきたいと思った。そこでファジャさん宛の以下のメール。
心のこもったメールを頂き、感激しております。
ホームページを発信していて、ほんとに良かったと思う瞬間でもあります。
空間と世代を超えて、それぞれの体験を通じて共通テーマ「庶民にとっての日韓関係」を語り合える・・・影の部分はあるにしても、ネット時代の有難さを素直に感謝したいと思います。
ところで、私のHPでご覧頂けたかもしれませんが、日々の出来事、特に感動を「つぶやき日記」という形でアップしています。今回のファジャさんとのやりとりは、私にとってまさしく「感動モノ」です。
つきましては、つぶやき日記に、ファジャさんのメール内容の全文も含めてアップしたいのですが、お許しいただけないでしょうか。
勝手なお願いで申し訳ありませんが、ご連絡をお待ちしております。
■3月21日
待っていたファジャさんからのメールが届いた。
メールありがとうございました。
あんなもので良いのでしょうか?・・・私自身の中でも、まだまだ答えが出ていない(そして、これからもおそらく出ないであろう)問題なので、なんだか全くまとまりのない内容だったのですが・・・。
でも、私も、ただのアンケートお願いの失礼なメールがきっかけで、こんな出会いがあったことには本当に感動、感謝しています。
あんなものでいいのでしたら、どうぞ、お使いくださいませ。(こちらが恐縮してしまうくらいです・・・。)
ただ、特に気にしているわけではありませんし、問題ないとは思いますが、できれば名前は私がいつも使っているHN(ファジャ)でお願いできますか?なんとなく恥ずかしいので・・・。(笑)
それではまた・・・。日記、楽しみにしております。ありがとうございました。                        ファジャ

前号に戻る

ホームページへ