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■1970年代後半からの中国自動車道の開通と西宮北インターチェンジの開設が、この地域の環境を大きく変えるインパクトとなった。インター近くに流通業務団地誘致や大規模宅地開発が進められた。中国自動車道の南側、西宮北インターのすぐ東に位置していた標高250mの小山は、南側裾野を国道176号線が走る地の利のよさもあり、絶好の宅地開発用地とみなされたと思われる。事実、この字名を向山と呼ばれた小山(通称・お天上山あるいは功地山とも呼ばれた)は、この地域の大規模住宅開発の先陣を切って開発された。西宮北六甲台である。
■北六甲台の西を、国道に沿って有間川が流れている。冬場になると多くの渡り鳥がせせらぎの中で羽を休めている。天上橋の袂から眺める北六甲台は、かってここが小高い山であったことを偲ばせる光景が目に入る。有間川沿いに向山の原生林を残した緑地が広がる。
■北六甲台の東端に功地山の一角が残されている。鎌倉峡バス停を東に進み、六甲ゴルフ方向に斜め左の道を行く。生コン工場を左折すると功地山の東側が望める。麓を船坂川が流れ、山頂から大きく削れた断崖絶壁の見事な光景が残されている。
■西宮市の情報インフラは他の市町村に抜きん出ていると思われる。中でも市のホームページ上の地図案内サービスである「道知る兵衛」は秀逸である。左の北六甲台の航空写真は「道知る兵衛」から入手したものである。
 この写真から北六甲台の自然環境の様子が良くわかる。■北六甲台は、向山の開発の一角をとどめることで得られた原生林が貴重な自然環境となっている。住宅街北側の平尻公園の北側を取り巻く一角、東側の開発を残した小山の一角、有馬川沿いの向山緑地、北六甲台の台地を形成する裾野周辺には、原生林が繁る。
■国道を隔てて隣接する丸山は、北六甲台に欠かせない貴重な借景となっている。
 住宅街のあちこちから眺められるその親しみのある半円の山容が、安らぎを誘う。