Water21 (Abstructual Journal)
作成者  BON
更新日  2002/03/22

 本稿は,IWAの機関紙であるWATER21の掲載記事のうち興味深いものを要約したもので,原文の著作権等は当然IWAに所属します。訳の間違い等についての責任は負いかねます。WATER21は購読なさることをお勧めするに値すると考えております。

 Publisher :  Water21 magazine of the international water association (IWA). IWA Editorial Address Alliance House, 12 Caxton St, London SW1H 0QS, UK. Web: www.IWAhq.org.uk


Water21 2002/02

(1)定番記事 Regulars

1)News ニュース

ボンでの国際会議では部門ごとの目標が提案された−昨年12月ドイツのボンで開催された淡水に関する国際会議で,2005年までに水資源管理計画の策定に着手することが推奨された。このイベントでの大きな成果の一つは,政府組織や関係団体が対等の立場で,幅広い資格で相談しながら推薦案を作ったことにある。また,サービス提供分野における民間部門の役割も,特に目だった話題であった。

長江の水質悪化−中国の長江における汚染に関する新たな報告によると,この河川に流入している河川の悪化により,長江は人間が使用するのにはあまりにも汚染が進行していることが示された。

バングラディシュにおけるヒ素の評価−一月中旬に開催された水分野の専門家会議では,この国の圧倒的なヒ素汚染の問題を完全に解決するための手段を提供するためには,5億ドルほどがかかるのではないかとの見とおしが出された。

ヨーロッパで給水メータが流行っている−中央及び東ヨーロッパで,住居用の水道メーターの市場の急激な成長のレポートが出された。

衛生的環境が優先事項であることを明らかにしよう−水供給と衛生の合同委員会が,衛生環境の優先度を上げることによって,世界的な水の危機と世界中の数千人にも上る不必然な死を終結させることに関する意見を募集している。

米国がクリプトの規則を強化−米国EPAは,クリプトスポリジウムやその他の病原となる微量有機物質から11,000もの小規模水道事業の需要者を守るための,水道水が満たすべき必要条件を強化した。

インド国ムンバイにおけるO&Mの検討−Binnie Black & Veatch 社は,公的セクターのスタッフと密接な連携のもと,運転管理手法の改良を行うためのムンバイの水道システムの検討に関っている。

欧州復興開発銀行(EBRD)がユーゴスラビアでの資金提供を開始−ユーゴスラビア国第3の都市であるニースで,上下水道処理システムの改良を欧州復興開発銀行のファイナンスのもと行うことになった。

民間水道会社が活動を開始−欧州開発銀行(EIB)が,チュニジア国の東海岸地域の水道事業を推進するために,民間会社を設立し1億7080万ドルのローンを供給すると発表。

メルボルン水道の更新−オーストラリアの水道を引きうけているメルボルン水道が東地区の処理場の機能向上を行うため,ビクトリア州環境保護局から8780万ドルの割り当てを受けた。

2)In Brief 小記事

欧州開発銀区が6つの環境対策事業のためにハンガリーに3770万ドルを,また欧州銀行がクロアチア国首都ザグレブの新しい下水道の導入のために4820万ドルをそれぞれ貸し出すことを決定。アジア開発銀行(ADB)が水道,排水,衛生をベトナム中南部に整備するため6000万ドルの借款を供与。

中国における汚染対策装置事業の規模は2001年には53億ドル,2006年には107億ドルに達するとの研究結果が近く公表される見こみ。(中国における環境汚染については分析のコーナーでも取上げられている。)

ビベンディがヨルダン水公社と下水道の改良に関する832万ドルの契約を締結。USフィルターはヨルダン国ソルトで中東で初めてのMF膜ろ過設備を供用開始。ブルガリアで初めての民営上下水道のコンセッション事業の技術アドバイザーが決定。

【備考】


(1)特集記事

1)オーストラリア特集(IWA総会特集)

オーストラリアの規制の状況−オーストラリアの水に関する基準は,国レベルのものと地域レベルのもので様々であるが,目指す方向は同じである。

西シドニー水道で何が起こっているのか−多くの水に関連する研究開発活動を広範に共有化するための情報ツールが西シドニーで構築されつつある。

オーストラリアでの発表の機会−IWAのメルボルン世界水会議は,オーストラリアの技術−この国の多様性によって形成された技術−を発表する重要な機会となるであろう。また,この会議は,IWAが今後アジアで重要性を増していくための一つのステップとなるはずである。

2)モニタリング

オーストラリアにおけるリモートセンシング(遠隔探査)革命−人工衛星や航空機に搭載されたセンターが,オーストラリアでの水質監視に革命をもたらしている。

クリプトによる危険性の評価−水道事業体のスタッフは,供給水に混入する可能性のあるクリプトスポリディウムやジアルジアの脅威にさらされた場合,その影響について評価する能力を有する必要がある。配水池におけるリスクを評価するために開発中のツールについて解説する。

2)産業

廃坑対策−採掘業が廃業したとき,その跡には廃坑からの排出水という汚染源が残される。この問題への取組み方について解説する。

副生成品が塩水化を助長している−塩水化はオーストラリアで最も深刻で研著な環境問題であるといわれているが,この影響で,この国の採鉱業や鉱物精製業が改善をしなければならなくなっている。

4)水道水

最低限のコストによる鉛対策−鉛に関する新しいEUの水道水の基準は,最初は大規模でカネのかかる管の更新が必要と考えられていた。しかし,英国での経験は,リン酸塩の添加がこの問題の大部分を解決してくれる可能性を示唆している。

)規制

料金設定:最も危険で大切な決定事項−本論では,拡大する水道事業における適正な価格設定における緊張を取上げる。世界銀行のケーススタディを引用しながら,どのようにして,水道事業体の料金を確認するための,独立規制委員会が,水道事業の財政運営決定や需要者の水需要に影響をあたえるのかについて解説する。

料金設定の手順−英国の水道財政の規制当局は,2005年4月からも料金を固定するための手続きを既に進めている。この手順について解説する。

【備考】


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