アンチモン Antimony
作成者  BON
更新日  2001/01/21

 各物質に関する情報をとりまとめたコーナーです。片っ端から集めた情報を載せる予定です。

水道への影響
 基準,毒性や障害,汚染源,対処法,検出法について。水道としての視点からとりまとめました。
特記事項
 当該物質に関連した情報について集めたものを掲載。

【参考】
 処理方法について,神鋼パンテック様,栗田工業様,森田様の情報提供をいただきました。感謝申し上げます。


水道への影響

1)水質基準項目

【監視項目】 0.002mg/L以下

2)毒性や障害

 腸からの吸収は遅いが毒性は強いそうです。高濃度のものに接触した場合に嘔吐,下痢,皮膚炎,気管支炎など,長期的摂取の場合に心臓,肝臓,腎臓障害など。

3)汚染原因

  1. 工場排水からの混入(半導体材料,鉛,スズなどとの合金,顔料など)
  2. 地質起源

 原水中に含まれることはめったにないですが,事故や工場排出,まれに地質由来のものもあるようです。

4)処理方法

●水相からの除去技術
1)塩化第二鉄による共沈凝集法 現時点では最も有効な処理方法との意見が多い。
2)キレート樹脂による吸着法   
3)活性炭による吸着法  
4)抽出法   
5)RO膜による方法 可能ではあるが,他のイオン類も全て落ちてしまうこと,コストパフォーマンスなどの点で難あり。
6)活性アルミナ吸着除去 可能性として。(実例はない)

 As(ヒ素)、Se(セレン)、(同族元素)の処理法と類似していて,共沈が可能な濁度があればこの方法が無難とのこと。このほか,石灰軟化,イオン交換法などが考えられるとのことでした。

●土相からの溶出防止技術(森田様)

 修論では三酸化アンチモン溶液、三塩化アンチモン溶液、アンチモン製錬工場周辺で採取した土壌から抽出した液、の三種類で限外濾過による分離実験を行いましたが、分画分子量1000においても濾過前、濾過後の溶液中濃度に顕著な差は見られませんでした。すなわち、アンチモンは溶液中ではイオン、または低分子数の分子として溶解しているようです。

 その他いくつか除去方法を実験していますが、一番除去に効果があると思われたのは、水酸化カルシウムでした。アンチモンを含む土壌に石灰を加えると、アンチモンの土壌水中への溶出はかなり抑制されました。(銅で実用化されている方法だそうです)抑制のメカニズムを解明するまでには至りませんでしたが、pHや溶液中の共存イオンによって、一定の処理を行うことが可能のように思われます。

5)検出方法

 原子吸光光度計など。

【備考】
 水道水質ハンドブック


特記事項

 砲金製製品にわずかに添加剤として含まれるらしい。調査が必要でしょうか...

【参考】


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