ツィーダ宇宙作業試験型

Illustration:Tu

ツィーダ歩行試験型の二足運動性能は目覚ましいものがあったが、従来よりも格段に操作性の高いマニピュレーター部分も備えているという特徴もあった。これに着目したA.G.インダストリー社の宇宙開発部が、ツィーダ歩行試験型をベースに開発したのがこのツィーダ宇宙作業試験型である。 もともと脚部のあった箇所にはマニピュレーターが増設され、 胸部はパイロットの生命維持システムを格納するため前方に突き出す形状となった。

期待通りの作業性を発揮したこの機体だが、 副産物として宇宙空間での高い運動性能も備えていることが確認され、 それは従来の宇宙用戦闘機をもしのぐほどであった。 この情報を得た軍部は、A.G.インダストリー社に宇宙用TUの開発を命じた。 そうして作られたのがツィーダ宇宙用試験型だが、 当時の主戦場は地上であったため、本格的に宇宙用TUの開発に力が入れられるのは、もう少し先にこととなるのであった。

試験運用後、しばらく倉庫で眠っていたこのツィーダ宇宙作業試験型だが、 のちに、総力戦となった要塞衛星ステガギガスの防衛戦で 実戦に投入されることとなる。 トーマス・クリステンセン伍長の操縦で出撃したこの機体、 敵1機に損傷を与えるが、乱戦の中、撃墜されている。

<要塞衛星ステガギガス防衛戦>
統一国家連合議会軍の重要拠点、要塞衛星ステガギガスが第三勢力の総攻撃を受けた。 この戦いにはムッグ・アーク少将もアドバイザーとして招聘されていたものの、 「宇宙での実績がない」ということで、その進言はほとんど聞き入れられなかった。 だが、要塞陥落寸前に半ば責任を押し付けられる形で指揮権を委譲された
ムッグ少将、そこから陣容を立て直て防衛に成功し、 「鉄壁将軍」が健在であることを内外に知らしめたのであった。

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