10  劇中歌 その1

 TVドラマを思い出してみて下さい。ほとんどと言って良いくらい「歌」が出てくることでしょう。主題歌、挿入歌、エンディングテーマ・・・そして、ミュージカル(舞台でも映画でも)ともなれば歌が中心になって物語が進んでいきます。

 劇音楽における「歌」を考えてみましょう。

1 どんな種類があるだろう

1)主題歌  
  物語全体、又はシリーズ全体を象徴するもの。
  (但しドラマのタイアップの場合などは、中身とは直接関係ないことも多い)

2)挿入歌  
  物語の流れの中で必要に応じて歌われる。
  ミュージカルの場合はこれが中心となる。
  物語のストーリーを説明する場合や、歌っている人物の心情を表現する場合
  がある。

3) エンディングテーマ  
  アニメやドラマなどでは、この種の歌がヒットすることも多い。

2 ミュージカルの場合の「歌」の種類を考えてみよう。これはあらゆる劇中歌や主題歌に応用できる!

1) 元気な歌     

  自分や他人を元気づける歌
 (テンポが速くMajorを基本とするものが多い。)

2) バラード  
  ロマンチックな、ファンタジックな叙情歌
 (テンポ遅めでM7,m7などのコードも多く使われる。)

3) コミカルソング  
  明るい歌、おどけた歌、ふざけた歌など賑やかに笑いをとる歌
 (テンポも速めで、歌うだけでなく叫び声や台 詞も交じることがある。)

4) 悲しみの歌    
  悲しみ、哀れみ、絶望、諦めなどの歌
 (マイナーでゆっくりのテンポを基本とし、重苦しいコードやため息など
  も有り。)

5) 労働歌     
  苦しい労働、前向きな意欲的な労働、作業歌
 (労働への向かい方によって、大きく気分が異 なるが、2拍子、4拍子系
  が多い。)

3 前記2の分類とは別に歌のスタイルもいろいろある。

1)時代を限定したもの→中世、近代、原始時代(?)など・・・。演出の意図によっては、意識的にその物語の時代と異なったスタイルを使うこともある。

2)地域を限定したもの→各国の民族音楽を意識したものや、あるスタイルの発祥の地を意識したものなど。

例)ボサノバ、フラメンコ、京劇、シャンソン・・・

3)スタイルを限定したもの→クラシック、ジャズ、ダンスミュージック、演歌・・・( 2)の分類と共通の部分もある)

4)いろいろな形態 →独唱、重唱〜四重唱、合唱、Soloと合唱、合唱と合唱(2群)など。

4 伴奏の形もいろいろある!

1)シンセ打ち込みによる カラオケ 

2)シンセ打ち込み+生楽器による カラオケ 

例.(3リズム)+(Strings)など

3)全て生楽器のスタジオ録音によるカラオケ

4)舞台そでや、オケピット、舞台上での 生バンド 、又は 生オーケストラ による伴奏

5)役者が実際に楽器を演奏しながら歌う

6)上記1)〜5)の組み合わせ

5 以上のことをふまえて作曲したあと、歌唱指導などをしなければならないこともある。

適確な指導で、歌うことに慣れていない俳優にもなんとかうまく歌ってもらえるようにする。など総合的な音楽の力が必要となってきます。

6 いろいろな例を聴いてみましょう!

 

 

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