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 テクニカル・コミュニケーション(以下TC)という言葉を、覚えて頂けたでしょうか。TCすなわち、「技術的情報の伝達技術」は、日々のちょっとした心掛けで向上します。また、気にしなければいつまででも、そのままです。「はじめに読者ありき」が、TCの基本となる哲学です。お忘れなく。

1.3 章立て

 前節「構成のルール」で、章、節、項の階層構造がわかりました。では、どうやって階層構造を作ればよいのでしょう。マニュアルを、新規に作成する場合などを想定して、章立てを考える手順の一例をあげましょう。

(1) まず読者に伝えたい内容を、思いつくまま列挙します。

(2) 次に、各々の項目を分析して、同類の項目をまとめます。

(3) 実施する順序や、内容の重要度を考慮して、項目を並び変えます。

(4) 不足している項目を加筆、重複している内容を削除します。

(5) まとめた項目の大きさに応じて、章、節、項をつけます。

(6) 各項目に見出しを付けます。

 このような手順によって、過不足が無く、内容の深さが揃った階層構造を実現します。章で概略説明した項目は、節で詳細に説明します。上位の階層で列挙した項目は、下位の階層で、同じ深さで説明します。ある項目は詳細に説明があったり、ある項目は説明がなかったりという、不均一が無いように。

 また、最初に列挙した項目が、そのまま見出しに付けられる場合もあります。日常使用している言葉で、見出しを付けます。内容を読んで、はじめて理解できるような専門用語だけの見出しはいけません。読者にとって前提知識の範囲外の用語を、見出し(=目次)に採用するのは、不適切です。例えば、「TCについて」は「技術情報の伝達技術TC」と言う具合です。

 どうしても、見出しがうまく決まらない場合は、ひとつの項目に複数の内容を含む場合があります。内容を分割することも検討してみてください。

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