勝手に推薦♪ 

    ほん

    更新 2004/05/18 ものがたり
    更新 2005/01/28 まんが
    更新 2003/03/07 もののほん

    ほん



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のだめ
カンタービレ

 二ノ宮知子
(講談社KC)












のだめ同盟

 「青春クラシックコメディ」。オビ定番のこの言葉がまさにぴったり。カンタービレは“歌うように”という演奏の記号です。
 指揮者を目指す天才的な音大生・千秋真一。たまたま部屋が隣だった奇行不思議少女“のだめ”に見初められ、俺様でクールな千秋のペースは無茶苦茶になるのですが、でもそれが音楽家への真の第一歩だった! 主人公“のだめ”こと野田恵は、同音大ピアノ科生で、音楽に関して(だけ)は特異な才能を持っています。が楽譜もよく読めない野性的な才能に理解者は少なくほとんど放任状態。過去のトラウマから厳しいレッスンに拒否反応を示すのだめの才能を認めてしまった千秋が叱咤足蹴り、現在は共にパリ留学中。のだめのごとく、このひとから音楽をとったら何が残るのだろう、というエロおやじでいて世界的指揮者に才能を見込まれ弟子入りした千秋は、さらに人生すべてをふりまわされながら、指揮者の夢へと向かう……。
 腹を抱えて笑う。こんな漫画体験は久々です。音楽家っていうのも、つまるところは音楽オタクで、同じ人間なんだなあ、なんてことをしみじみ感じさせてくれつつ、「音楽にうっとり」し、クラシック界で生きようとする若者の厳しい現状を知り、音楽を作り上げる人々への愛情がいやますことうけあいの物語なのです。 小澤征爾の演奏をかっこいいとは思うけれど指揮者でそんなに変わるのかしら?程度だった私など、クラシックを聴くのが格段に楽しくなりました。ニューイヤーコンサートを見てコンマスコンマス♪とわくわくしたり、CD聞いても特にティンパニーの演奏には映像が浮かぶようになったり(^^;;)
 千秋は将来世界で活躍し、その横にはピアニストのだめが……という大団円へ向かうと思うのですが、千秋はともかくのだめはあまりにも前途多難。遠く険しい道のりがまだまだ続きそうなので、読者としては楽しみな限りです。あなたの豊かな人生の彩りに、ぜひこの一冊をおススメします!
ブラックジャック
   によろしく

 佐藤秀峰
(講談社モーニングKC)
ドラマにもなった人気作で読んだ方も多いと思いますが、まだだったら絶対オススメ!
医者も人間。あたりまえですが、実際には思考が止まってしまいがちな医療という特異な世界の影の部分まで、実に詳細に描かれています。
とても診てもらいたくない、こんな医者がいるんだ・・・という重い恐怖と同時に、“患者”を第一に考えようと努力している医者の存在も実在するのだよ、という希望もヒシと伝わってくる、熱い熱い物語です(⌒∇⌒)
光の島
 尾瀬あきら
(小学館BigComics)
原作は森口 豁『子乞い・沖縄孤島の歳月』(凱風社)。 尾瀬さんは3年余構想を練り、何度も島へ取材して取り組んでいるそうです。 物語は『子乞い』の舞台となった沖縄・鳩間島を“唄美島”として、 小学校廃校の危機に東京から一人でつれて来られた光と、養護施設から里子として来た子どもたちの成長を中心に、 人口40人ほどの島の人々の過疎との闘い、教育問題まで、熱く熱く描かれています。 はじめはいやいやだったけれど、小学校3年の少年が、親から離れてでも暮らしたいと思うほどの豊かな自然とあたたかい人々……ほんのすこし前には、あちこちにあったはず。最高の教育環境って……といろいろ考えさせられる物語です。
パジャマで
    ごろん

 ささだあすか
(白泉社
 花とゆめCOMICS)
気の抜けるタイトル。ほのぼのな表紙。つられてフラリと買った漫画も3巻まで発売中!
大学生の『のほほんお気楽新婚』生活記。 マイペースで結婚にはほど遠いタイプだった二人は、 妻が夫に顔面を踏まれた(^^;;;)運命の出会いから、 同棲は面倒だから結婚するか、というノリで結婚。 色気とは無縁な二人の、でも『好きな人と一緒に楽しく暮らすのが一番』って暮らしぶりが、まさにほのぼの。 甘いケーキじゃなくて、草餅のような食感を(!?)お楽しみ下さいマセ(^-^)
夜の童話
 紺野キタ
(ポプラ社
  POPLARCOMICS)
アルフレド? 美少年のイラストに目を留めたら、それは『ロミオの青い空』の同人誌を出していた紺野さんのオリジナル短編集でした。かのロミオ本も童話のような素敵な本だったんです。この短編集は同人発表の作品を集めた珍しいもので、それがなぜ実現したか納得してしまう、妖精が描いたようなふんわかしたお話ばかりが詰まっています。なつかしい美しいふるさとの夢。気づかなかった誰かのやさしい想い。あったかいあったかい世界を、長い夜に紅茶でも片手に読んでみたくなる、そんな一冊です(^^)
私を月まで連れてって!
 竹宮恵子
(小学館文庫、
  小学館FLBigComics)
21世紀突入ということで、お正月の毎日新聞に竹宮恵子さんの書きおろし漫画が掲載されました。その出演キャラが、この『私を月まで・・・』のダンとニナ。思わずなつかしくって奥からマンガを引っ張りだしてみましたら、はら〜初版発行からもうすぐ20年! 内容は、21世紀後半の宇宙時代になってもちっとも変わらない人々の喜怒哀楽を織りまぜた、宇宙飛行士ダンとESP少女ニナのSF恋愛ファンタジー。なんといっても『地球へ・・・』の竹宮さんですからSFへのこだわりも逸品。文庫版も出てますので、SF好きはぜひ一読をば(^^)

過去の『まんが』へ (↓もくじ)

しゃにむにGO
 羅川真里茂(白泉社 花とゆめCOMICS)
ヒカルの碁
 原作・ほったゆみ 漫画・小畑 健(集英社)
ここはグリーン・ウッド
 那州雪絵(白泉社JTC愛蔵版)
マダムとミスター
 遠藤淑子(白泉社 花とゆめCOMICS)
花と狼の帝国
 藤田貴美×山下友美(白泉社 SERIE MYSTERY HLC)
め組の大吾
 曽田正人(小学館少年サンデーコミック)
光の庭
 あとり硅子(新書館ウィングスコミックス)
夏子の酒
 尾瀬あきら(講談社)
パーマン
 藤子・F・不二雄(小学館)
だからパパには敵わない
 遠藤淑子(白泉社 花とゆめCOMICS)
奇生獣
 岩明均(講談社)


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m 物語 m

解夏(げげ)
 さだまさし
 幻冬舎 2002.12
(幻冬舎文庫 03.12)
月9ドラマ『愛し君へ』の原作・・・と紹介するのは気が引けるほど別物ですが、原作は、ひたすらひたすらひたすら、静かな、きれいな、あったかな物語です。
“あなたが失明するとしたら、最後に見たいものは何ですか ”。映画『解夏』ロードショーのこの言葉がすべてを語っています。 いずれ失明するという難病に冒され、恋人と別れ、故郷・長崎へ帰ってきた隆之は・・・。
この本は短編集で、ほかに「秋桜」「水底の村」「サクラサク」の3編が収録されています(私は「水底の村」が一番好き)。 「秋桜」「水底の村」は同名の歌がありますが、そのまま小説にしたわけではなく、さだまさしさんの愛する、不器用に一所懸命に生きている人々の人間模様がじっくりと書き込まれています。
心の栄養に、どうぞ!
ふたりのイーダ
 松谷みよ子
 講談社 青い鳥文庫
 80.11.10
童話界で一番惚れ込んでる直樹くんの本。不思議な異世界を通じて原爆を知る物語。『ゆう子と直樹シリーズ』はほかにも水俣や七三一部隊、アウシュビッツの続編があります。松谷さんは、すごい。
はるかな国の兄弟
 リンドグレーン作
 大塚勇三訳
 岩波書店 76.7.9
どこまでも不思議な、兄と弟の物語。じつは、ロミオの同人誌で紹介されてて読みました(笑)『黒い兄弟』も面白いですよ〜


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m ものの本 m

アホでマヌケなアメリカ白人

マイケル・ムーア
訳/松田和也
柏書房 1600円
2002.10.15
ISBN4-7601-2277-X


.:*:・゜'・:*:.。.:*

すべての武器を楽器に
http://www.
WorldPeaceNow.jp/


ピース・アクション

.:*:・゜'・:*:.。.:*
 原題は『STUPID WHITE MEN』。この過激な日本版タイトルはエピローグの作者の言葉からとられていますが、内容はもっと過激なので(^-^;)まさに適訳。
 ムーア氏が監督・脚本・主演した映画『ボウリング・フォー・コロンバイン』もブームを巻き起こしましたが(米銃社会に迫るドキュメント。すんごくおススメ(#^.^#)!)、視点も主張も実に判りやすく、暗澹たる現実を鋭く列挙しつつも希望を捨てない、ひたすら前向きな方。
 この本は戦争好きのブッシュ氏に「真っ向からケンカを売った本」。出版前に“大統領を名指しで批判した部分の削除”を求める圧力がかかり発禁寸前になりつつも断固出版、メディアは一切無視したが発売と同時にベストセラーとなったそうです。みんな“あの人ちょっと変?”と思い始めているのでしょうか。
 9.11以後の機内持込禁止物品に“編み棒”や“爪切り”まで載っているのに、靴の爆弾に火をつける事件が直後あったにもかかわらずライターとマッチはOK、これはタバコ業界の圧力で外された{゚o゚}という話から、 男児が減っているのは地球から排除されつつあるのでは!? 男性が絶滅をまぬがれる方法なんてのまで。とにかく多彩で内容は深刻なのに、めちゃ笑えます。“ついてくしかない”と多くの人が云うアメリカってどんな国なのか、ぜひお読み下さいな!
だれが「本」を殺すのか
佐野眞一
プレジデント社
1800円
2001.2.15
『ベストセラー本だけ並べたこうした店のことを業界では「金太郎飴書店」と呼んでいる。問題なのは、「金太郎飴書店」が決して特殊な店ではなく、全国どこの書店でも、ほぼ例外なく「金太郎飴」化していることである。』
 紀伊国屋、ジュンク堂といった大型書店から、出版社、取次、図書館、ブックオフからアマゾン・コム、ブックサービスまで、本に係わるあらゆる現場、トップへのインタビューを重ねて「本」の現状をさぐったルポ。
 コンピュータの自動発注に頼って本を知らないアルバイトばかりの書店が今や主流になりつつあるようです。読んでいて、そういえば最近あまり本屋に長居することがなくなったなぁと思い当たりました。つい余計な本まで衝動買いしてしまう魅力的な書棚を造ることのできるのはもはや一握りのベテランだけ。嬉しい本と予期せず出会う、そんな本屋は消えてしまうのでしょうか。本好き人間、必読の書!
携帯電話 その電磁波は安全か
ジョージ・カーロ&
マーティン・シュラム
集英社 1900円
2001.11.30
ISBN4-08-773354-8
 病院では使用禁止、飛行機離陸時には電源を切る携帯。『管制塔との通信に影響を与えるほどパワフルな機器を、直接頭に押し付けて大丈夫なのだろうか? それでも私たちは安心していた。身体に密着させて使う電波を発する機器であれば、市場に出る前に必ず安全性テストが行われたはずだ・・・だが実際は、市場に出る前に安全性テストは行われなかった』
 携帯産業が携帯の安全性の研究の為に雇ったジョージ・カーロ博士は、良心の呵責から真実を公表した。携帯電磁波がガンと因果関係のある遺伝子損傷を引き起こすという研究結果。特に子供は大人の何倍も脳を深く貫かれるという証明。英国では16歳以下の子供の携帯使用を控えるよう勧告しているが、これに倣う国はまだない。携帯使用が原因で脳腫瘍になったとして米国ではいくつか訴訟が起こされている。2、3年後に「あれは氷山のほんの一角だったのだ・・・」と嘆くことだけはしたくない、と綴るカーロ博士。
 国の安全規制にはあまり期待できないと、薬害、BSEなどを見れば思うことしきり。もう手放せない必需品でも、リスクを公開し、イヤホンマイク使用等の防護策を選択できるようにするのが基本的な人権だ、という博士のもっともな主張を無視する業界に寒気を覚えます。科学的な研究記録や業・政界との駆け引きなど、綿々と綴られた記録は読みやすくはない本ですが、携帯を持っている方は一読してみてはいかがでしょう。

過去の『ものの本』へ (↓もくじ)

イニュニック 〜アラスカの原野を旅する〜
 星野道夫
 新潮文庫 438円 1998.7.1 ISBN4-10-129521-2
森からの手紙
 文と絵・田島征三
 労働旬報社 1600円 1993.11.10 ISBN4-8451-0324-9
口からうんちが出るように手術してください
 小島直子
 コモンズ 1700円 2000.5.15 ISBN4-906640-30-3
シュタイナー教育の創造性
 ルネ・ケリードー著 佐々木正人訳
 小学館 90.1.10
学校のゆくえ
 共同編集:河合隼雄 灰谷健次郎
 岩波書店 現代日本文化論3
まちなかでアウトドア 都市生活者のサバイバル術
 生活環境研究会
 三交社 95.6.25
ミュンヘンの中学生
 子安美知子
 朝日文庫
子どもたちへの手紙
 C.S.ルイス 中村妙子訳
 新教出版社 86.11.15
買ってはいけない
 『週刊金曜日』ブックレット2
  99.5.20
風成の女たち 〜ある漁村の闘い〜
 松下竜一
 現代教養文庫 初出72.8
地球の落とし穴
 広瀬隆
 NHK出版 98.3.24
息子はなぜ白血病で死んだのか
 嶋橋美智子
 技術と人間 99.2.15
されど我、処刑を望まず 〜死刑廃止を訴える被害者の兄〜
 福田ますみ
 現代書館 98.9.15



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