町中を歩いていると、思わぬ景色にはっとさせられることがある。ある
一区画が、そこだけ切り取ったように過去を向いていたりして、古き良き
時代の面影がかけらのように散見されるのです。因果なことに、地方の
観光地等、まるごと町そのものがなつかしさを保っている所では、この
喜びは増幅しない.。ほろびようとしているからこそのなつかしさポイント
なのです。
ここでは、そんなポイントをかたっぱしから挙げていき、後ろ向きな思い
入れたっぷりに愛でたいと思います。まずは自分の足元から。
余談ですが、「昔は良かった」と言うの、どうしてもそれほどみっともない
とは思えないんですが(笑)むしろ、斜陽の貴族のように、傲慢さと、現実
への無頓着ぶり、甘やかな自堕落の快感でもって、平然と詠嘆しようで
はありませぬか、おのおの方。