日暮里・谷中墓地。
山の手線に乗っていると、いきなり西日暮里
あたりから深山幽谷の風景が(笑)というのは
おおげさにしても、ここら辺は山の手の地名
どおり、マジ高台です。だから下町じゃあない。
線路に切り立った崖が面していて、駅前数メー
トルからもう左のような感じ。
その坂を登りきると、お寺の
塀に沿って住宅街。誰もい
なくて、鳩だけ歩いてる真昼
の道に蝉しぐれ。

行く手に見ゆるは谷中墓地
入り口でございます。
上の突き当りが辻になって
いて、墓地を貫く大通り、ほか
細かい路地、沢山あるお寺、
住民の私道やなんかがここ
から始まる。
やはり辻にはお地蔵さん。
夕暮れ時、道が一本増えて
そうです(笑)。

このお寺、門の脇に番所がつ
いてゐる!素敵!昔現存する
大きな長屋門の、長屋部分
の貸広告を見かけましたが、
住んでみたいわ…。
辻の右手はすぐ墓地で、
もうこーんなです。小さ
くすると秘密の花園チッ
クに見えやしませんか。
植生に蔦が絡まってるせ
いなのか、庭園ぽい墓地
だなあと思うんですが…
特に暗くも怖くもないし。
右は墓地を貫く道路。
並木は全部桜なので、
春はそりゃもう綺麗
ですけどね…酔客が
ね…墓石の上に焼き
鳥缶並べてね…カラ
オケの舞台にしちゃっ
てね。
どうぞ罰を当ててくれ。
ここは一体都心なんでしょ
うか。
郊外にある霊園みたい…
と思っていたけど、考えた
ら、百数十年ほど前はここ
らは郊外扱いだった。寺も
武家地も、桑茶畑になった
時期が明治4年ほど。都心ですごい銘茶ができたそうです(笑)。
桜並木の終わりに二軒
並んでいる民家。
見てやってください〜
(>_<)!入魂で撮ったの
に古さが出ていないけ
ど…これぞまさしく、金
田一耕助の下宿です。
そうに違いないのです。
玄関の扉が硝子戸で
嬉しい。その奥に、きっ
と急な梯子段があって、ジリンと黒電話が鳴る
と小母さんが下の段から、二階へ「金田一先
生、等々力警部さんからお電話!」と叫ぶに
違いないのです。

道路沿いの、目立つ大きな
石碑の基石を舞台に寝る猫。
彼は自己演出といふものを
知ってゐる…。
カメラで寄り切ってもびくとも
しませんでした。サービス?
谷中の猫は役者魂というの
か、道からよく見える舞台で
寝てるパフォーマーです。エ
サのためかな。
これも墓石の上で惰眠
むさぼり中。
上からしつっこくカメラで
狙ってるんですけど、5分
たっても十分してもアウト
オブ眼中のおやすみなさ
い、ではちょっと寂しい。
気づいてるのに、どうでも
いいんですね。
の周囲のうちは景観保護策でもとっているの
か、5〜6軒がかたまって、示し合わせたように
木造二階建て木の羽目板、瓦屋根、雨戸つき
硝子障子、といった昭和初期の風情を守ってい
ます。新築したのか、新しいうちがあったんですが、それだって頑固に木の羽目板で葺いてあったんですよ…新しい木の色が意地を感じさせます(笑)。