その19(最終回) さらばアメリカ


 起床したのは7時を過ぎておりました。 家は9時過ぎに出る予定だったので、結構のんびりしておりました。

 マーキュリーのバンに荷物を満載してデトロイトの空港へ帰っていく。車内では、金さんとダンナさんとで、話していたのですが、12月に西部の方へ家族旅行に行く予定についてはなしてました。

 ダンナさんは自然派で、是非、グランドキャニオンの谷底へ降りたいという。他の家族はそんな時間があったら、ラスベガスへ行って、ディズニーランドに行って・・・と、思うことが違うらしくて悩んでいました。

 金さん、グランドキャニオンを降りるのは日程的にも体力的にも厳しいから、その時間を使ってモニュメントバレーへ行くべきだと提案していました。私もそう思いました。

 その他、色々な話で盛り上がり、1時間少々でデトロイト空港に着く。

 空港のチェックインも難なくこなし、しばらく休憩、デトロイト空港はほとんどノースウエスト航空で仕切っていて、そのための部屋なども用意できるらしく、ファーストクラス専用の休憩室(そこでは、ドリンクフリーで、お酒のみ放題だそうな・・・)に行くつもりだったのですが、帰りの切符はもちろんエコノミー、しかし、ダンナさんは年間の利用距離が多い(ワールドパークスって言うマイレッジサービスのお陰)ので、その休憩室が使え、しかも、身内なら本人以外でもOKなのだそうです。

 私と片チャンは身内ではありません(金さんは彼の甥になります)ので本来使用どころか居ることもいけなかったらしく、悪いので荷物だけ預かって貰い、免税店へ買い物ツアーに行きました。

 スウォッチ50ドル(安くない)、父用のお酒(ロイヤルサルート90ドル、安いと思ったら大したことなし・・・)などを買ってきましたが、どれをとってもビックリするような安さはなかったようです・・・

 あとは、本屋で車の雑誌を2〜3冊、タコベル(タコス屋のファストフード)でタコを1つ、そこの隣の売店にコンピューターの本を見つけ、「マックユーザー」を購入したあと、待合所で待つ。

 暫くすると金さんが来て、「Wさんが袖の下を通して入れるようにしたから来れたのに・・・」と、訳を話す。そんなこと出来るのかあ・・・とおもいました。

 さて、ヒコーキはほぼ予定通り13:30頃離陸しました。約12時間の旅です。あらかじめ持っていったゲームボーイをやったりしていたのですが、暇なモノはヒマです。寝ようにも、あの座席の狭さ(長いことアムトラックの広々した座席で旅をして慣れてしまった)には耐えられるべくもなく、ほとんど寝ずに12時間、無事、成田空港に着陸しました。

 その途中、飛行機の中で、ビールをいただきました。その中で、隣の片チャン、「日本のビールはあるか?」と聞くんです・・・「あるわけねぇじゃん」とか思っていたら、あるんですねぇ・・・で、一○絞りをゲットし、彼が飲み始めると、「すげぇうまい♪」って言うんですよ・・・

 あまり信じられなかった私、「ほんとぉ?」と返すと、「まぁ、飲んでみな」って飲ませてくれました・・・

 「う〜ん・・・コクもあって、きれもある♪♪ こりゃうめぇ〜〜やぁ・・・」

 正直、感動モノでした、しみじみ日本のビールってうまいんだなぁ・・・と再認識させられました。

 それまで、ずっと、セントルイスの工場で作られたビールを飲んでたので、ギャップを感じることができたのでしょう。

 カナダの時も思ったのですが、日本はジメジメしていて蒸し暑い・・・大荷物を持って税関に行く、検疫は難なくクリヤー、入国手続きもOK、ところが、税関で・・・

 「これ、全部あなたの荷物ですか?」懸念はあたった。と言うのも当然で、スーツケースに大きな旅行カバン、さらにピカブーのスポーツバッグに自慢のカメラはウエストバッグ兼用のケースに入り、さらに、免税店の袋で空港内で使わせてくれるカートはほぼマンタン・・・

 しかも、スーツケースの中にはいかがわしいビデオが・・・全部開けろとは言わないでね、と思いつつ、「いやあ、服とか土産とかねえ、靴もあるジャン・・・」とか言ってごまかすつもりでしたが、「んじゃ、とりあえず、このカバンの中だけ見せて下さい」と言われた。

 ラッキー!特別安全パイの「ピカブーのバッグ」だ・・・早速中を開け、コレでしょ、コレも、んであれも・・・と中を見せる。「んじゃあ、結構ですよ、ごくろうさま」と、無事通過。コレで行きも帰りも引っかかってしまったことになります(アメリカ紀行記1を参照)。

 電車の時間まで約1時間、京成沿線に住んでる片チャンとはここでお別れ、電車を待つ。しかし、日本は暑い!!支度したタオルが大分しめってきた。

 帰りの横須賀線はグリーン車でおかえりなのですが、乗る車両は必ず4号車!!というのは、当時、定員48人の豪華グリーンも、2階建て車両も必ず4号車についてまして、48人乗りの車は座席間隔が広く、快適なんです。

 無事48人乗りが来たのですが、座席は妙に狭い・・・リクライニングの感覚はアムトラックと互角か、と言う感じでしたが、懐かしい景色を見ながらのんびりと帰宅の途につきました。

 家に帰ると、早速家中とっちらかして盛り上がりました。旅先で買いあさった国立公園の写真集を広げ、ここが良かったとかあそこにはいっぺんでいいから行くべきとか話し込んだ後、出前でとっておいてくれた寿司にありつく。

 久々の日本の米は死ぬほど旨かったです。アメリカで食べたときには違和感がなかった(ジャポニカ米)筈のあの国の米、旨かったのですが、日本で日本の米を食べるともっと旨い。何処がどう違うかは私ごときには分からないのですが、とにかく旨かったです。

 久々に日本の風呂に入り(アメリカで入った風呂は全く快適ではなかった)心身ともに暖まり就寝しました。

 これで、私のアメリカ旅行記はウチドメです。よそ者の長文を読んでいただけた方、本当にありがとうございました。