デジカメ・ブナの巨木編 黄葉編 ニコンCOOLPIX995


ワイドコンバータWC-E63
 今回撮影に使用した機材は、ニコンCOOLPIX995、広角ワイドコンバータ、付属のLi-ionリチャージャブルバッテリー2個、コンパクトフラッシュカード192MB、三脚 Velbon Carmagne640。

 レンズが300度回転するアングルフリーのデジカメを絶賛したいが、何も私はニコンの回し者ではない。一眼レフは、キャノンを愛用し、デジカメはカシオの製品を使っていた。ニコンのデジカメは初めて使った。それも私の大好きな白神で3回使ってみたが、満足度は二重丸だった。再び言わせてもらう。私は、ニコンの回し者ではない。詳細はニコンイメージングCOOLPIX995

 これまで白神を撮影するには、一眼レフと標準ズームレンズ、マクロレンズ、望遠レンズ、リバーサルフィルム、三脚、各種フィルター群・・・といった重装備になるのだが、デジカメの凄さを知った今、とてもじゃないが、アナログの世界に戻る気にはなれない。一眼レフは、重くて不経済、かつフィルムスキャンでデジタル変換する作業は、やった者でなければわからないほど重労働だ。それでも、これまで一眼レフに拘ってきたのは、デジカメには到底及ばない描写性能があったからである。ニコンCOOLPIX995との出会いは、私の写真スタイルをガラリと変えるほどの衝撃を受けた。プロならともかく、素人の技術なら、デジカメは一眼レフを簡単に超えてしまったと断言していいだろう。

主な仕様と私の評価
撮像素子 334万画素、1/1.8型・・・今回の撮影は、最高画質ではなく、画質モードNORMAL(圧縮率1/8)、画像サイズ1280×960で撮影。A4版でプリントしたり、写真付きのオリジナルカレンダーを作成したが、画質は十分満足するものだった。一般にハガキサイズでプリントする場合がほとんどであり、200万画素クラスでも十分ではないかと思う。今後は、画素数ではなく、一眼レフを超える機能の充実を期待したい。

レンズ 4倍ズームニッコールレンズ・・・35mm換算38〜152mm、F2.6〜5.1。山と渓谷、ブナの森を撮影するには、広角側38mmでは不十分。広角ワイドコンバータを付けると、焦点距離が0.63倍に短縮される。35mm換算で24mmの広角レンズに変身、私は常時このワイドコンバータを付けて撮影した。広角側のF2.6の明るいレンズはいいのだが、望遠側のF5.1は余りにもレンズが暗すぎる。野生動物や野鳥を撮るには、4倍ズームは中途半端。広角側では満足だが、望遠側では不満だらけだった。今後は、ズーム倍率の拡大と明るいレンズ、手ぶれ補正機能付きの改良・開発を望みたい。もう一つ、光を遮ったり、レンズの保護も兼ねてワイドコンバータに付けるフードを追加してほしい。

アングルフリー・・・レンズが300度回転するアングルフリーの機能は、文句なしに二重丸。これがあるとないとでは、機動力、構図選定に大きな差が出る。この機能のないデジカメには、今や興味なし。ところが、某パソコン雑誌「最新の人気デジカメを画質と操作性で徹底比較」の特集には、レンズがクルクル回転する機種はゼロ。これは一体どうしたことか。アングルフリーのデジカメが消えないことを切に祈りたい。

ファインダー・・・視野率85%では、ほとんど使い物にならない。ワイドコンバータを付けるとファイダーが隠れて使えない。従って、液晶画面で確認しながら撮影するしかなかった。クルクル回転するレンズを優先すれば、これはいたしかたないことだろう。ファイダーは、使わなくても撮影にほとんど影響はないが、カメラブレを防ぐには、液晶画面を見るより、ファイダーを覗きながら構えた方が安定はするが・・・。

接写・・・レンズ前2cmまで寄れるのは素晴らしい。これには満足。

液晶モニター・・・屋内なら問題ないが、屋外ではまだまだ改良すべき点が多い。順光撮影では、ほとんど見えない。液晶モニターに光を遮るフードを付けるなど、改良を強く望みたい。現段階では、逆光や斜光線での撮影が多くならざるを得なかったが、これがかえっていい写真が撮れた。「災い転じて福」とは、このことか。

セルフタイマー 3秒、10秒・・・3秒タイマーは、レリーズを使うことなくシャッターブレを防ぐために多用したが、文句なしに二重丸。たかが3秒タイマー、と思う方がいると思うが、これがあるとないとでは大違いだ。写真は、シャッターブレが致命傷、これを防ぐための機能充実は、いくらあっても足りないくらいだ。

オートパワーオフ機能・・・電池の消耗を防ぐために、無操作状態で30秒後にOFF。電池の消耗が激しいだけに有難い機能だ。

電源・・・充電式のバッテリーは、経済的で評価できるが、充電に時間がかかり過ぎる。数多く撮影するには、電池がなくなるのが早い。短時間充電と省電力、撮影時間の延長を期待したい。予備電池に、一般カメラで使用しているリチウム電池2CR5が使えるのは有難い。

コンパクトフラッシュカード8MB・・・付属で付いてくるが、正直言って使い物にならない。こんな子供だましのような付属品は、最初からない方がいい。少なくとも数百枚は、記録できるようなものでないと実践的ではない。最初から別途128MB以上のカードを買った方がいい。

起動時間・・・これはどのデジカメでもそうだが、一眼レフと比べて圧倒的に駄目な点は、電源を入れてから起動するまでの時間がやたら長いこと。シャッターチャンスを逃さず撮影するためにも、起動時間短縮にぜひ取り組んでもらいたい。

 一日白神の森を彷徨い、撮影した枚数は450枚にも及んだ。自分で納得する写真を撮るには、経済的な問題は二の次、と強がりを言ってみても、やっぱり気になるところだ。今回撮影した450枚の写真をフィルム代と現像代に換算すれば3万円はくだらない。一見10万円もするデジカメは高いと思うが、数多く撮るとすれば、1年以内にフィルム代と現像代で10万円程度のデジカメは簡単に買えてしまうのだ。トータルコストで考えると、デジカメは圧倒的に経済的だ。
デジカメ・ブナの巨木編 黄葉編 ニコンCOOLPIX995