シー・オブ・ラブ ★☆☆
(Sea of Love)

1989 US
監督:ハロルド・ベッカー
出演:アル・パチーノ、エレン・バーキン、ジョン・グッドマン

左:エレン・バーキン、右:アル・パチーノ

この映画の見所はやはりなんと言ってもエレン・バーキンでしょう。バーキンがこんなにも魅力的だったのかと思わせてくれる一本です。どちらかと言えばファニーフェイスに分類される方の人であるように思われるのですが、少しアンジー・ディキンソンの若い頃に似たような姉御的な雰囲気があり、根性なしの雷小僧どんなどすすすすすんましぇーーんと言いながらヨタヨタついていきそうです。何せこの映画では、あの2代目ゴッドファーザーのアル・パチーノですら彼女の前ではヨタヨタしていて、思わずおやまあパチーノってこんなに可愛かったのかと思えてしまいます。但し1つ残念なのは、この映画はシー・オブ・ラブのメロディーに乗って殺人事件がおこるというミステリー映画であり主要容疑者のエレン・バーキンが本当に犯人なのかどうかという点にストーリーの焦点があるのですが、肝心のラストでミステリーとして犯してはいけない原則を犯していて事件が解決するラストシーンには全くもってがっかりさせられます。がいずれにしても、パチーノのバーキンに対するアンビバレントな関係がミステリー要素をうまく盛り上げているラスト手前までの展開はなかなか興味深いのでラストがもう少しましであったならばもっと遥かに素晴らしい映画になっていたのではないかと思われます。それからハロルド・ベッカーという監督さんは都会の光景を撮らせると実にうまい人であるように思われるのですが、この映画でもニューヨークの様子がよく撮れています。尚、アル・パチーノがレストランで面会する最初のオバサンはパトリシア・バリーであり、私目が偏愛する60年代のロマンティック・コメディである「Dear Heart」(1964)やロック・ハドソン、ドリス・デイ(及びトニー・ランダール)主演の「花は贈らないで」(1964)等に出演していました。


2001/12/30 by 雷小僧
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