日本では、テレビシリーズの「女刑事ペパー」(1974−8)のタイトルロールでもっぱら有名であると言うべきでしょう。因みに、フェミニストのスーザン・J・ダグラスは、「Where the Girls Are」(Three Revers Press)という著書の中で、「女刑事ペパー」に言及して、女刑事が主人公でありながら、結局こちらこそホンマもののプロの刑事であるといわんばかりに、男の刑事(アール・ホリマン)たちの助けを借りて、自らがレイプされる危機から救助されねばならない展開に必ずや陥る点に怒りを覚えざるを得なかったと回顧しています。個人的にはさっぱり内容を覚えていませんが、ダグラスの目には、この番組は女性を食い物にする一種のソフトポルノに見えたということなのでしょう。テレビでの活躍(あるいはダグラスの目からすれば醜態)は別として、映画では既に1959年の「リオ・ブラボー」でジョン・ウエインと共演しています。確かに主演クラスの女優さんではなかったとはいえ、スタイリッシュな女優という点ではピカ一の存在でした。だからこそ余計に、「女刑事ペパー」での彼女は、主役であるにも関わらずダグラスにとって不満足に見えたのかもしれません。1971年の「課外教授」では、彼女は本当に40才なのかなと思わせてくれ、また1974年の「ビッグ・バッド・ママ」では、マシンガンを打ちまくって暴れまくるという彼女ならではのド派手な役を演じていました。彼女の持つスタイリッシュな側面抜きで、この手の作品を製作すると、きっと途方もなくサディスティックなバイオレンス映画になるか、あるいは調子の狂ったブラックコメディにしかならなかったように思われます。1965年から80年まで、「明日に向かって撃て!」(1969)の「雨にぬれても」で知られるシンガーソングライター兼映画音楽作曲家のバート・バカラックの嫁さんでした。 |
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