スージー・パーカー
(1933-2003)

パリの恋人
(1957)
よろめき休暇
(1957)
大都会の女たち
(1959)
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一口メモ


彼女は今風にいえばスーパーモデルの出身であり、デビュー作「パリの恋人」(1957)では、主演のオードリー・ヘプバーンやフレッド・アステアが登場する前に挿入されている冒頭の「Think Pink」シーケンス(当ホームページのようにピンクピンクしています)にチョイ役で出演しています。ピンクのコスチュームによるダンスシーンとシャンプーシーン、およびピンクの歯磨き粉で輪を描くシーン(上掲画像参照)は極めてファッショナブルです。実は「パリの恋人」では、あのロラン・バルトが写真論「明るい部屋」でも取り上げている著名な写真家リチャード・アヴェドン(最近でも美術(というより芸術?)評論家の多木浩二氏が「肖像写真」(岩波新書)の中で取り上げていました)が、ビジュアル・カウンセラーとしてクレジットされています。「明るい部屋」や「肖像写真」で見る彼の白黒写真のイメージとは大きくかけ離れていますが、このカラフルでスタイリッシュなシーンにも当然彼が関与していたのでしょう。因みに、「パリの恋人」のタイトルバックの恐ろしく素敵なフォトグラフィーもアヴェドンの手によるもののようです。そもそもスージー・パーカーは、アヴェドンのお気に入りの被写体であったようであり、そのことによっても彼女がそんじょそこらの三文モデルではなかったことが分ります。但し、ジョディ・フォスターのようにエラが張り気味なのが個人的には気になるところです。彼女が本格的に映画に出演したのは、次の「よろめき休暇」(1957)であり、なんと!ジェーン・マンスフィールドとともにかのケーリー・グラントのお相手をしていました。しかしながら、スーパーモデル出身のゆえか、全体的に恐ろしくコールドな印象をオーディエンスに与える人であり、「パリの恋人」のようなファッショナブルなシーンであればともかく、「よろめき休暇」のようなコメディの中ではかなり宙に浮いた印象を受けざるを得ません。「大都会の女たち」(1959)では情緒不安定な女優志願を演じていましたが、イメージ的にはコメディよりもこちらの方がフィットしているように思われます。60年代の「インターン」(1962)や「あしやからの飛行」(1964)(あしやとは九州は福岡県にある芦屋町のことです)は、昔はテレビで繰り返し放映されていたにも関わらず、最近ではとんと見かけることがなく、海外でも現在では手に入らない状態が続いています。彼女の最後の旦那は、ブラッドフォード・ディルマンですが、元スーパーモデルの旦那にしては随分地味です。因みに彼女の映画出演は多くはなく、以下に列挙されているものが全てのはずです。

主な出演作品


1957
パリの恋人
1961
Circle of Deception
1957
よろめき休暇
1962
インターン
1958
秘めたる情事
1964
あしやからの飛行
1959
大都会の女たち
1966
恐怖の蝋人形

関連レビュー


よろめき休暇

大都会の女たち



2007/10/31 by Hiroshi Iruma
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