デビッド・O・セルズニックにより見出され、後に彼の奥さんになりますが、彼女のメジャーデビュー作でありアカデミー主演女優賞に輝いた「聖処女」は、まさに彼女のためにセルズニックがあつらえた作品であったようです。他にも、アカデミー主演女優賞に3回、助演女優賞に1回ノミネートされ、実績で言えば超一流の女優さんでした。40年代の彼女の作品はほとんど見ていないにも等しいがゆえかもしれませんが、個人的な印象からすると、彼女は、どちらかといえば特徴を捉えるのが難しい方の部類に入ります。しかも、「何これーーー?」とでも言わんばかりに顔を歪めて、とても演技とは思えないほどの嫌悪感に満ちた表情を見せることがたまにあり、そのような聖処女の名が泣きそうなイメージが頭から拭い去れないのです。相当な厚化粧で登場した「タワーリング・インフェルノ」(1974)では、宙吊りのエレベーターからただ一人真っ逆さまに転落する哀れな役を演じ、それが彼女のキャリアのラストになったようですが、40年代、50年代の彼女の活躍を考えると、そこには寂寥感すら漂っていました。なお、小生の節穴のあいた目には、サイズで区別するしかないほどジム・ハットンに似ているように見えるロバート・ウォーカー・ジュニアは、最初の旦那であるロバート・ウォーカーとの間の息子です。 |
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1944 |
聖処女
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1953 |
ルビー |
1944 |
君去りし後 |
1954 |
終着駅 |
1945 |
ラブ・レター
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1954 |
悪魔をやっつけろ |
1946 |
小間使 |
1955 |
慕情
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1947 |
白昼の決闘
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1955 |
美しき想い出 |
1949 |
ジェニーの肖像 |
1956 |
灰色の服を着た男 |
1949 |
ボヴァリー夫人 |
1957 |
武器よさらば |
1950 |
女狐 |
1962 |
夜は帰ってこない |
1952 |
黄昏 |
1974 |
タワーリング・インフェルノ |
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