イギリス出身の女優さんであり、典型的に見てくれよりも演技で勝負するタイプです。出演作の多くはイギリス映画であるにも関わらず、「恋する女たち」(1969)と「ウィークエンド・ラブ」(1973)で二度もアカデミー主演女優賞に輝いているのは、さすがとしか言いようがありません。ほとんど男ではないかと思わせる強烈な意志力を感じさせ、おそらくエリザベス女王(T世)やマーガレット・サッチャーを演じさせれば彼女の右に出るものはいないに違いありません。実際、「クイン・メリー/愛と悲しみの生涯」(1971)ではメアリー・スチュアートを演じた主演のバネッサ・レッドグレーブよりも、エリザベス女王を演じた彼女の方が、登場時間が短いにも関わらず遥かに目立っていました。グレンダ・ジャクソンにエリザベス女王を演じさせてしまえば、それはもはや鬼に金棒というものであり、誰も彼女にはかなわないでしょう。また、「ウィークエンド・ラブ」は、70年代を代表するもっとも70年代らしいロマコメであると個人的に考えていて、彼女がジョージ・シーガル演じる妻子持ちを軽々と手玉に取る様子は、フェミニズムが本格化しつつあった70年代の風潮を見事に体現し、彼女ほどの適任者は見当たらないほど、ピタリと役に嵌っていました。90年代に入ると、映画界からきっぱりと足を洗い、政治の世界に入ってしまいますが、彼女は何をやっても颯爽としてカッコいい人でした。 |
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1969
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恋する女たち
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1976
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The Incredible Sarah
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1971
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恋人たちの曲/悲愴
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1978
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House Calls
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1971
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日曜日は分かれの時
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1979
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ロスト・アンド・ファウンド
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1971
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クイン・メリー/愛と悲しみの生涯 |
1980
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ホップスコッチ
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1973
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ウィークエンド・ラブ
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1983
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戦場の罠
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1975
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愛と哀しみのエリザベス
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1985
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海に帰る日
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1975
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Hedda
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