カナダはバンクーバーの生まれということで、とりあえず国籍はカナダとしました。しかしながら、彼女は、南国的な異国情緒をウリに女優としての地位を確立した人であり、初めて主役に抜擢された「Salome
- Where She Danced」(1945)では、かのサロメを演じたそうです。それに続く、「Song of Sherazade」(1947)や「Slave
Girl」(1947)などでも、タイトルから想像されるようにエキゾティックなキャラクターを演じ、それが一種のタイプキャストと化してしまったようです。出演作は極めて多く、以下の一覧に列挙されている作品以外にも数多くの映画に出演しています。また、以下の一覧には60年代までの作品のみが取り上げられていますが、実際には90年代前半まで出演作があります。個人的に最も印象に残っているのは、「十戒」(1956)でのチャールトン・ヘストン扮するモーセの嫁さん役であり、エキゾティックであるばかりではなく清新さがありました。とは言いつつも、実は、彼女がアメリカで有名なのは、むしろTVのコミックホラーシリーズ「The
Munsters」(1964−6)によってかもしれません。IMDbの彼女の項を開くと、肉切り包丁?を持った彼女のモンスター姿を拝むことができます。個人的には、このTVシリーズを見たことはありませんが、映画化バージョンの「Munster
Go Home!」(1966)を見ていると、まるで石膏で固めたような真っ白な顔をした彼女のバンパイア姿は、かつてのエキゾチックなイメージもあってか、違和感を覚えざるをえません。まったく同時期にTV放映された「アダムス・ファミリー」(1964−6)に出演していたキャロリン・ジョーンズが、彼女特有の摩訶不思議な眼差しでまさにピタリと役に嵌っていたように見えるのに比べると、デ・カーロの場合には、エキゾティックであるとはいえストレートに美人すぎたということかもしれません。 |
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