手塚治虫研究・伝言板 2001年11月



ブラック・ジャック・ザ・カルテ2

佐藤和美 (2001/11/30 12:05)

新刊です。 B・J症例検討会『ブラック・ジャック・ザ・カルテ2』海拓舎
1冊目、売れたんでしょう。早くもその2冊目です。



続B.Jで・・・

派未縫う (2001/11/30 01:42)

ありがとうございます。調べてみたのですが、星新一の『妄想銀行』に収録されてる、「魔法の大金」という話です。3ページ程の短い話なんでお暇があればぜひ一読を。



Re:B.Jで・・・

佐藤和美 (2001/11/29 12:25)

作者が参考にしたとか書いてれば話は簡単ですね。
『ヤジとぼく』みたいに。

「これが「ベン」「ウイラード」によく似ていると指摘されています。しかし、ぼくはこれをSF名作「アルジャーノンに花束を」をヒントに発想したことを申しあげたい。「ウイラード」は、たしかそのあとで封切られたはずです。」
(講談社全集あとがき)

可能性はけっこうあると思いますが、私はその作品読んだことないので、なんともいえません。
あとは自分の判断にしたがうといったところでしょうか。

ちなみに、私は『三つ目がとおる』と『猫目小僧・小人の呪い』が似てると思ってるんですが……
(第三の目ができると悪魔的超人になり、それがなくなるとただの赤ん坊みたくなる)



B.Jで・・・

派未縫う (2001/11/28 03:44)

はじめまして。『ブラックジャック』で宇宙人を助けたお礼に、何千万円かもらったけれどもどの1万円札も複製で製造番号が同じだった、という話があったと思うのですが、それとよく似た話で、星新一先生のショートショートで、悪魔(たぶん)が、1万円札を複製してくれるが、製造番号が同じなので使えないという話がありました。手塚先生と星先生は親交があったみたいですが何か関係あるのでしょうか?7年程前にこの事実を発見してからというもの、気になって気になって、僕は夜しか寝れません。誰か教えて下さい。



サンデーの『キャプテンKen』連載前後

佐藤和美 (2001/11/27 12:15)

国会図書館へ『キャプテンKen』を連載してた頃の少年サンデーを調べに行ったことがあります。

『0マン』の最終回には次号から始まる『キャプテンKen』の予告が載ってました。
この予告では、ケンのアップに「これが主人公の健二(けんじ)少年」と書いてあります。
連載が始まる前からケンの本名は「ケンジ」に決まってたんですね。

『キャプテンKen』の最終回の最後のページには次号から始まる『白いパイロット」の予告が載ってます。
その予告を削除したかわりに追加されたコマが、現在の『キャプテンKen』の最後のページの上から2段目の横長の爆弾が光ってるコマです。このページはセリフも変更されてます。このことは以前書きました。(「キャプテンKenの父」)

『0マン』、『キャプテンKen』、『白いパイロット』と連載が切れ目なく続いてくなんて、豪華な話ですね。

『キャプテンKen』連載中の少年サンデーには映画『コタンの口笛』の紹介が載ってたりします。このことから『勇者ダン』の主人公の名に小学生でも知ってるアイヌ語が使われてたということがわかります。

当時の雑誌を読みかえすといろいろな発見がありますね。



Re:三島由紀夫と・・・

佐藤和美 (2001/11/26 12:12)

そういえば、きのうは、憂国忌でしたね。

三島由紀夫とのことは、誰かがちょこっと書いてたのを読んだくらいで、なにがあったのか何も知りません。

三島由紀夫は何冊か読んだことがありますが、熱中するまではいかなかったです。
記憶に残ってるのは『豊饒の海』と『音楽』ですね。
『火の鳥』は過去と未来を繰り返し段々現代に近づくという構成ですが、
『豊饒の海』は主人公が生まれ変わっても必ず20歳で死んでいくという設定です。
『豊饒の海』全4巻の1作目の主人公の友達(観察者という設定でしょう)は2作目で40歳、3作目で60歳、4作目では80歳に近いわけですが、最後の4作目のラストでどんでん返しが用意されてます。

30年以上前のことですから、小説家のほとんどが、マンガなんてくだらないと思ってたかもしれませんね。
(北杜夫(字あってるかな?)みたいな人もいましたが)

現在では小説とマンガの力関係は完全に逆転してますけど。
(小説がマンガの影響受けたり)



三島由紀夫と・・・

七四式 (2001/11/24 19:19)

「火の鳥」といえば、同じキャラがよみがえりを繰り返して・・・というパターンの三島由紀夫の「豊饒の海」シリーズを思い浮かべます。こちらは時代の進み方は、昭和初期から戦後まで一直線で現代に向かっていますけどね。
 で、当時のCOMを読んでいたら、手塚治虫が「マンガを馬鹿にする三島由紀夫の態度(発言)は許せない」というコラムがありました。この元発言(三島の発言)は見つけることができませんでしたが、COMか他の雑誌にでも載ったのでしょうか。まぁ、三島はビートルズをもバカにしていましたから(来日公演には行ったらしい)、そういう性格なのでしょうけど、何を手塚先生が怒っているのか、コラムを読む限りピンときません。もしかしたら、「火の鳥」と「豊饒の海」との類似性についてでしょうかね。



『火の鳥』の年代

佐藤和美 (2001/11/24 12:03)

ちょっと、『宇宙編』、『羽衣編』、『望郷編』の年代考証をしてみました。

『宇宙編』は「2577年オリオン座ベテルギウス付近の宇宙空間」での話ですね。
(いまだに、「ペテルギウス」で「ベテルギウス」に訂正してないですね。指摘する人いないのかな?)
回想シーンで牧村は282歳だと言ってます。そうすると牧村のうまれたのは、
2577−282=2295で、2295年の数年前というところでしょうか。
『望郷編』の牧村は不死になっていそうもないので、20歳台後半と仮定すると、
『望郷編』は2320年頃の話ということになります。
『宇宙編』の城之内は死亡してるようなので、COM版『望郷編』の城之内とは別人だと思います。

COM版『羽衣編』は源義朝(1123-1160)の時代の話です。
「おとき」は2200年未来から来たといいます。
そうすると、COM版『望郷編』は3323〜3360年頃になります。
COM版『羽衣編』に関して手塚治虫は「このエピソードは、ほんとは「復活編」と「望郷編」のあいだにはいるもので、「乱世編」より、時代は7、80年ぐらいさかのぼった物語です。」って書いてますが、それだと源義朝の生まれる前になっちゃいそう。

マンガ少年版『羽衣編』は平将門の乱の時代の話で、940年でしょう。
「おとき」は1500年未来から来たといいます。そうすると2440年頃ですね。

『火の鳥』の構成、過去未来を繰り返し、段々現代に近づく、というのを考えるとき、 「1500年未来から来た」としたほうが妥当だと思います。そのために変更したのかもしれません。

どうも矛盾だらけの年代設定じゃないかという気がします。



『ビッグX』の未収録部分

佐藤和美 (2001/11/22 12:07)

ぼんやりとですが、『ビッグX』の未収録部分を覚えてます。
(ただし記憶違いの可能性もありますけど。)
講談社全集2巻の最後で注射タイプのビッグXの薬がなくなります。(雑誌では数回分残ってたような気がしますが)それから日本に帰るわけですが、ビッグXの薬がないため(あるいは少ないため)ジャングルからぬけだすのに苦労します。このあたりのジャングルからぬけだすエピソードがあったの思うんですが。



COM版羽衣編

猫侍 (2001/11/22 01:13)

今日ふらりと立ち寄った古本屋でCOMの1971年10月号を買いました。
元祖『羽衣編』が掲載されている奴です。台詞が全編古文調だったり、ズクが
「虫一匹殺せない男」であるために漁師ができないという設定になっていたりと
朝日ソノラマ版とはかなり印象が違います。



今昔物語

佐藤和美 (2001/11/21 12:01)

岩波文庫から『今昔物語』が出版されてます。
全4巻の内3冊が本朝部、1冊が天竺・震旦部です。
「天竺・震旦部」は発売されたばかりです。

天竺の部分には
「巻第五第十三 三つの獣菩薩の道を行(ぎょう)じ、菟(うさぎ)身を焼ける語(こと)」
なんてのがあります。
『ブッダ』のプロローグとエピローグに出てくるアノ話ですね。

他にも
「巻第一第十六 鴦堀魔羅(おうくつまら)、仏の指を切れる語(こと)」
「巻第一第三十一 須達長(しゅだつちょうじゃ)者、祇園精舎を造れる語(こと)」
「巻第三第二十七 阿闍世王、父の王を殺せる語(こと)」
などいろいろあります。

「鴦堀魔羅」は「アングリマーラ」、「須達」は「スダッタ」、「阿闍世王」は「アジャセ王」です。

手塚ファンとしてはぜひ持っていたい一冊?



なるほど〜!

猫侍 (2001/11/20 21:53)

長年の疑問が解けました。ありがとうございます!
全集版の収録順についても「変な順番だなぁ」と思っていたので
こちらも同時に疑問が解けて嬉しい限りです。
今日、神保町にある古本屋を回って未収録分の少年マガジン無いかな〜と
探したのですが、該当する号のみ無いような状況でした。
やっぱりみんな買ってるんですね。甘かった!



三つ目がとおる

佐藤和美 (2001/11/20 12:13)

『三つ目がとおる』ですが、KC版が完結する前に、全集版が発売になってしまいました。
で、KC版では全集版で出た分は未発行になりました。
全集はKC版で発行済の分以外から発行され、KC版の分は後回しにされたため、順番が連載順とは違ってしまいました。



ご存知の方は・・・

猫侍 (2001/11/19 23:58)

最近『三つ目がとおる』を読み直しているんですが、昔から疑問に思っていた事が
あります。「なぜマガジンKC版は中途半端な所で終わっているのか?」という事です。
結構人気もあって長期連載されたはずなのに『ボルボック編』で終わっているのは
不自然な感じがします。ここにおられる方々はかなり年季の入った方が多いとお見受け
しましたので、もしご存知の方がいらっしゃいましたら教えて頂きたいです。

あと、単行本未収録話も結構多いですね。気になったので数えたら8話もありました。
まとめて単行本化して欲しいものです・・・。



新たな謎

エイイチ (2001/11/18 23:16)

「五万ブシ」の件は解決したようですが・・・佐藤さんのおかげで新しい謎に気づいてしまいました。「五万ブシ」の2ページ前に「あーあ許すまじ殉死のならわしよ」には、音符の絵がついてますよね。メロディが付いていたということでしょう。どんなメロディなのでしょうか?学生運動が華やかな時期の歌でしょうか?まったく思い浮かびません。
そして、もうひとつ。朝日ソノラマ版「ヤマト編」のあとの「宇宙編」を読み返していましたら、前にもちょっと引っかかっていたことを思い出しました。宇宙編の中で彗星の核にとらわれた隊長は、「城之内」でした。COM版「望郷編」のおときの父親が「城之内先生」と呼ばれています。同姓ですね。この二人は、どんな関係なのでしょう?同一人物?先祖と子孫? マンガ少年版「望郷編」では「宇宙編」の牧村が登場してます。「宇宙編」と「望郷編」は、はじめから、深い関連性をもつ話として、構想されたのでしょうね。



Re:五万ブシ

佐藤和美 (2001/11/18 16:11)

エイイチさん、ありがとうございます。
完全に私の思い違いですね。(^^);

五万ブシ
王さまにつかえて十五年
いまじゃ お墓の墓もりで

五万節
学校出てから10余年
今じゃ会社の大社長



五万ブシ

エイイチ (2001/11/17 18:40)

「五万ブシ」の元の歌は、クレージーキャッツの歌だと思います。検索で探し出したら次のような記事がありました。

五万節
<1961年12月に発売されたが、歌詞が問題で放送禁止となり、歌詞を入れ替えて急遽録音し直しが行われた>
♪ 学校出てから10余年 今じゃ会社の大社長 キャバレーかよいの つれづれに 読まれた鼻毛が5万本 サバ云うなこのヤロー
【作詞】青島幸男、【作曲】萩原哲晶(1962年1月20日)

クレージーキャッツのファンでもあったので、かすかに私自身も覚えていたのです。「紀元弐千年」も気になります。



『火の鳥・ヤマト編』の歌

佐藤和美 (2001/11/17 10:00)

『火の鳥・ヤマト編』の最後から数えて4ページ目に「五万ブシ」という歌が出てきます。

王さまにつかえて十五年
いまじゃ お墓の墓もりで

昔から、私はこの歌をフォーク・クルセイダースの『紀元弐千年』(字はこれでよかったかな?)の替え歌だと思ってます。

「人間やって20年」という出だしだったと思います。
歌詞を手に入れたら、比較してみたいと思ってます。



『小説 どろろ(三)』

佐藤和美 (2001/11/16 12:05)

鳥海尽三『小説 どろろ(三)』(学研M文庫)が発行されました。
全3巻完結です。



火の鳥未収録

猫侍 (2001/11/15 21:47)

ここの掲示板を見てあわてて『雑巾と宝石』の初版本を買ってきました。
ついでに、安かったのでマンガ少年の『COM版火の鳥・乱世編』が掲載されている
号を3冊買いました。こういうのを見ていると、内容が中途半端でもいいから
未収録の火の鳥を1冊にまとめて欲しいと切実に思いますね。
売れないからダメなんでしょうね・・・。



『火の鳥・太陽編』の単行本での変更

佐藤和美 (2001/11/14 12:10)

『火の鳥・太陽編』は雑誌から単行本になったときに大幅変更になってますが、
単行本になってからもいろいろ変更になってるようですね。

『火の鳥・太陽編』の単行本後の変更ですが、以下のページに比較があります。
http://www.geocities.co.jp/AnimeComic/7845/tcrc/hinotori/taiyo-henka.html



『SF Japan 3号 手塚治虫スペシャル』

佐藤和美 (2001/11/13 12:06)

『SF Japan 3号 手塚治虫スペシャル』は11月下旬の発行予定です。



COMコミックス

佐藤和美 (2001/11/13 12:04)

七四式さん
>二号(望郷編第3回が掲載される筈だった号)は結局発売されなかったのでしょうか?噂では第3回を掲載しないまま発売はされた、とも聞いていますが確認できません

私にも全然わかりませんので、私の入ってる手塚治虫メーリングリストで聞いてみました。

『COMコミックス』(月刊)はその後1972.12月号まで続いたそうです。
その後、『COMコミック』(隔週刊)になり、1972/12/8号から発行されたそうです。。

なお『COMコミックス』から『COMコミック』にかけて『ガラスの城の記録』が掲載されています。



朝日ソノラマ版『火の鳥・羽衣編』のラストに…

佐藤和美 (2001/11/12 12:03)

朝日ソノラマ版『火の鳥・羽衣編』のラストにズクの次のセリフがあります。
「この布は…だれにも渡さねえぞ この松の根元に埋めるで 心配するな」
「何百年も 何千年もよ ここに埋めておくでよ…… きっと……きっと とりにもどって来う…」

こう書かれると、『望郷編』で羽衣を発見するエピソードがほしいところですね。



(無題)

猫侍 (2001/11/11 21:17)

今日、偶然立ち寄ったコンビニで伝説マガジンの3号を買ってきました。
でも雑誌で買っていると読みたくもない作品にまでお金を払わなきゃいけないので
未収録作品をまとめてそのうち単行本化して欲しいですね・・・。

『SF Japan 3号 手塚治虫スペシャル』、もう出てるんでしょうか?楽しみです。
絶対に買おうっと!



新羽衣編2バージョン

エイイチ (2001/11/11 18:35)

自分のコレクションからマンガ少年1978年6月号の「羽衣編」を見つけだしました。
後の「羽衣編」(角川文庫版)と比較してみました。文庫版は、本編43ページで、基本的なストーリーは同じですが、ページ数が12ページ増えています。(COM版・マンガ少年版は31ページ)読み比べましたら、まるまる1ページ追加されたところもあれば、コマを1〜3ずつこまめに追加し、その分ナレーションのせりふを除いています。結果的には、シーンとシーンをつなぐ間(ま)があり、時の経過や心の動きを感じさせる作品になっています。逆に、カットされたせりふもあります。おときの「火の鳥との約束を守らなければ・・・・わたしは、たちまちこの世から消えてしまうのだわ」というところです。
 とりあえず「乱世編」休載のためにつくりかえたものを、後で作品として見直し、完成度を高めたといえるのでは・・・



『火の鳥・羽衣編』

佐藤和美 (2001/11/11 10:07)

朝日ソノラマの『火の鳥』の前書きは興味深いですね。
「「羽衣編」はもともと『COM』にのった、超短編なのですが、差別問題やその他のクレームがあって再録できなかったのです。『マンガ少年』に一度全面的なネームの変更をした上でのせたことがありますが、今回、さらに第3回目の修正をして発表します。
 このエピソードは、ほんとは「復活編」と「望郷編」のあいだにはいるもので、「乱世編」より、時代は7、80年ぐらいさかのぼった物語です。」

エイイチさん
>そして、羽衣編と望郷編の放射能被爆者の描き方に規制がはたらき(自主or強制?)
自主規制じゃなさそうですね。

>この新羽衣編(これも2つバージョンがあるのでしょう?)
2つありますね。



ビッグXの服

佐藤和美 (2001/11/10 15:59)

ビッグXの服」を更新しました。



Re:COM版望郷編

佐藤和美 (2001/11/10 15:58)

まもなく発売される徳間書店『SF Japan 3号 手塚治虫スペシャル』にCOM版『望郷編』が再録されるようです。ただしセリフは変更されてる可能性が高いんじゃないかと思います。



COM版望郷編

七四式 (2001/11/10 09:20)

COM版望郷編が頓挫した最大の理由は、編集長が代わり、「COM」が「COMコミック」というアダルト向雑誌に変換して一号で手塚治虫がイヤになったためではないでしょうか?わたしも古本屋で二号を探していますが見つけることができません。二号(望郷編第3回が掲載される筈だった号)は結局発売されなかったのでしょうか?噂では第3回を掲載しないまま発売はされた、とも聞いていますが確認できません(なにせ現物が見つからないので)。どなたか詳しい方おられます?



Re:Reアトムの詩&火の鳥羽衣編

エイイチ (2001/11/09 23:17)

やっぱり、私の記憶違いですね。はっきり覚えてるとは、すごい!!
よくよく見れば、絵があの当時にはあり得ない、2ページ見開き、絵の書き込み具合も「火の鳥」鳳凰編以後の作ですね。

さて、その「火の鳥」です。羽衣編と望郷編の関係ですが、COM版では、復活編のあと、例のごとく過去に話が移り、羽衣編が一回読み切りで掲載され、一回休みの後、望郷編の連載1回目が始まりました。「火の鳥」の過去ものとしては、鳳凰編の後となるので、年代として乱世編直前の源義朝の時代に設定されたのでしょう。COMが休刊・復刊・廃刊となる中で連載中止、そして、羽衣編と望郷編の放射能被爆者の描き方に規制がはたらき(自主or強制?)COM版羽衣編と望郷編は頓挫することになったと記憶しています。(ここで手塚先生が、構想された過去ものと未来ものが連動するというアイデアは、後に太陽編に生かされたと考えます。)朝日ソノラマの「マンガ少年」で始まった望郷編は、COM版とはコムという名のキャラクターが共通なだけの別作品になりました。その結果、羽衣編は浮いてしまったので、ネームをほとんど書き変えて、時代を再設定されたのでしょう。この新羽衣編(これも2つバージョンがあるのでしょう?)は「太陽編」の未来部分(2009年)、または、まさしく現在につながっていると思うのですが。



Re:火の鳥・望郷編

佐藤和美 (2001/11/09 12:46)

猫侍さん、はじめまして。

私も最近『羽衣編』を読み直してるところです。
で、気がついたことですが、
COM版『羽衣編』は12世紀の話、
マンガ少年版『羽衣編』は10世紀の話、
なんですね。
そのうちまとまったら発表します。

以前『『勇者ダン』新旧比較』というのをやったんですが、今度は『『羽衣編』新旧比較』でもやってみようかと思ってます。



Re:W3あれこれ

佐藤和美 (2001/11/09 12:18)

実は私はマガジン版『W3』のほうが。好きです。(^^)

一般論ですが、小説家にしろマンガ家にしろ作品を始めるときは最高と考えるストーリーで始めるでしょう。
マガジン版を100ページ近く連載した後のサンデー版ですから、手塚治虫もやりにくかったでしょうね。

数年前にマガジン版『W3』が出版されたときはうれしかったですね。
内容はけっこう覚えてました。



Re:鉄腕アトムの詩

佐藤和美 (2001/11/09 12:11)

エイイチさん
>連載時は、どうだったのでしょう。「少年」を購読していた自分の記憶では、そのときによんでいたような気がするのですが・・・?

朝日ソノラマ版「アトム」には各エピソードの冒頭に作品解説が書き下ろされてますけど、「地上最大のロボット」の詩もその一種と考えるべきでしょう。「少年」にはありませんでした。(はっきり覚えてます。(^^))



火の鳥・望郷編

猫侍 (2001/11/09 01:48)

皆様初めまして、猫侍と申します。以後お見知りおきを。

今日初めてこのHPを拝見させて頂いた所、思わず「おおっ」とうなるような
体験をさせて頂きました。火の鳥・望郷編のことです。
 以前より羽衣編は単行本収録にあたり大幅な改変がなされている事や、望郷編には
COM版とマンガ少年版の2バージョンあるという事は知っていたのですが、まさか
COM版と羽衣編が繋がっていようとは今の今まで考えもしませんでした(偶然古書店で
手に入れたCOM版第一話を持っているにもかかわらず)。本当に手塚作品は奥が深いと
今更ながらに思い知らされました。

これからも顔を出させて頂こうと思っておりますのでどうぞよろしくお願いします。



W3あれこれ

七四式 (2001/11/09 00:05)

W3は「マガジン版」も捨てがたいものがあります。ひとつは、主人公がサンデー版よりも田舎くさくないこと、もう一つは(色っぽい)F8号ことエリゼが最初から登場していること。たぶんサンデー版のような馬場先生とのやりとりとかはなく、アクション中心の作品になっていたのではないかと思います。

W3といえば数年前にソウルへ行ったとき韓国語版を購入しました。秋田書店版だったかな?のまるごとコピー作品(ただし左右逆)なのですが、興味深いのは、馬場先生や町の実力者たちの履いていた下駄が靴になっていること、着物が変な服になっていることです。日本的なものを排するという方針みたいです。着物→服は、黒ベタですから、いかにもとってつけたような、子供のいたずらのような変更で興ざめですね。作家名は手塚治虫となっていますが、韓国の子供は韓国人のペンネームと思っている子が多かったようです。



W3&アトムの詩、どろろ

エイイチ (2001/11/07 19:33)

W3掲載誌が変わったことについて、当時、汚れなき(?)一読者だった私にとって、ええっと最初は感じたのですが、大人の社会にはいろいろあるのだなと、悟った子供でもあったんで、サンデー版をすぐ受け入れました。サンデー版の方がおもしろかったですよ。あのまま、マガジンで続いてたら、全く違うマンガになっていたでしょう。それはともかく、マンガがビジネスになっていく最初の頃の出来事で、あのころ泣いた漫画家は他にもいるのではないでしょうか。
アトムの詩のことですが、版によって扱われ方がちがうようで、秋田のコミックスは朝日ソノラマを底本にしているので、冒頭にもってきていますが、光文社文庫版(講談社コミックス愛蔵版も当然)はラストに収録されています。光文社版全集と講談社全集には、入っていない。さて、連載時は、どうだったのでしょう。「少年」を購読していた自分の記憶では、そのときによんでいたような気がするのですが・・・?
「どろろ」紀行、楽しいですね。地図を広げて、どろろと百鬼丸の足どりをたどってみます。



『W3』の掲載紙変更

佐藤和美 (2001/11/07 12:11)

豊田有恒『日本SFアニメ創世記』に、『W3』の掲載紙変更(少年マガジンから少年サンデーに変更)の原因になった企画漏れに関して、次のように書いてありました。

「最初の企画書には、隊員のペットとして、リスが登場することになっていた。
 手塚先生は、その企画書を、虫プロに出入りしていた、さる作家に見せた。意見を求めたかったらしい。
 だが、その人は、この企画を、TBSの漫画ルームで話してしまった。SFファン気質が抜けきれない人だったので、虫プロではこんな企画が進行中だということを、喋りたかったのだろう。この人の名誉のために言っておくが、決して企画を売ったということではない。」

この漏れた企画が『宇宙少年ソラン』になり、それが「マガジン」に掲載されることになり、『W3』は「マガジン」から去ったのでした。



『どろろ』の無情岬はどこにあった?

佐藤和美 (2001/11/05 12:05)

『どろろ』のばんもんは加賀にあったと考えていいでしょう。(「「どろろ」の時代」(2001/10/22 07:24)参考のこと)ばんもんの次の巻は白面不動ですが、これも加賀だと考えていいでしょう。さてその次の無情岬はどこにあった?

秋田書店サンデーコミックス「どろろ」第4巻90ページ
「どろろと百鬼丸の見たのは不知火だった 不知火は富山湾や有明海で見られる海の火で……」

無情岬はこの富山湾と有明海のどっちかにあった可能性が高いでしょう。加賀の近くと考えると、無常岬は富山湾にあったと判断するのが妥当ではないでしょうか。
ということで、無情岬は富山湾!



「手塚治虫研究」伝言板10月分

佐藤和美 (2001/11/04 07:45)

 「「手塚治虫研究」伝言板10月分」を追加しました。



Re:鉄腕アトムの詩

佐藤和美 (2001/11/03 10:12)

かつやさん、はじめまして。

その詩は朝日ソノラマ版『鉄腕アトム・地上最大のロボット』の冒頭の詩の一部です。(若干変更してありますが。)秋田書店サンデーコミックスも同じ内容だったと思います。講談社全集版にはありません。


朝日ソノラマ版『鉄腕アトム・地上最大のロボット』より

はるかなる
火の山のほとり
大地の亀裂と
めくるめく雲海の底に
くだけ散り
消え去った
プルートウよ

われとわが
生きるべき道を
ためらいも
うたがいも
はじらいも
にくしみもなく
ひたすら全うして
消えて行った
モンブランよ
ノース2号よ
ブランドーよ
ゲジヒトよ
ヘラクレスよ
エプシロンよ

おろかにも
あくなき権勢欲と
支配欲をかざして
かりそめのいのちを創造し
おのが手でほろぼした
人間たちを
かれらはいつ
さばくのだろうか



今日は文化の日

佐藤和美 (2001/11/03 07:23)

今日は文化の日、戦前の明治節(明治天皇の誕生日)。
明「治」節→治→治虫
今日は手塚治虫の誕生日です。



鉄腕アトムの詩

かつや (2001/11/02 00:45)

われとわが生きるべき道を
ためらいも  恥じらいも
憎しみも   疑いもなく
ひたすらまっとうしてきえていった
ロボットたちよ
おろかにも
あくなき権勢欲と支配欲とをふりかざし
かりそめの命を創造し
おのが手で滅ぼした人間たちを
彼等はいつ裁くのだろうか

初めて投稿します。
今日、映画『A.I.』に関する掲示板で、この詩をみつけたんですが、
もしよろしければ、どなたかこの詩の出典を教えて頂けないでしょうか?
『鉄腕アトム』だっていうことは知ってるんですが・・・



新選組

佐藤和美 (2001/11/01 12:08)

本屋に行ったら『新選組』(手塚治虫ベスト)が置いてあったんでペラペラめくってみました。
で、目にとまったのが「報復の連鎖」。
「報復の連鎖」は『新選組』の重要なテーマでしょうけど、
こんな今日的なテーマになるとは思いもしませんでした。
人類にとって永遠のテーマなんですかね。



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