キャプテンKenの父

佐藤和美

 キャプテンKenの父を星野マモルだと受けとっている人は多いのではないだろうか。それは『キャプテンKen』のラストでマモルが水上ケンにプロポーズするようなセリフがあるためだろう。

『キャプテンKen』のラストのページのセリフを引用する。(講談社全集版より)

「キャプテンケンはいったね ……きみがおとなになって 子どもができたら…って…………」
「ええ……」
「ケン…… その子どもの父親は………………
ぼくじゃだめかい? ………… ケン…… ぼく前からじつはいおういおうと……
きみの子どもは キャプテンケンそっくりだよ きっと……」

これが「少年サンデー」ではどうなっていただろうか。

「あの人かえってくるかしら?」
「さあ……?
またあえるかもしれないよ」
「いつ?」
「さあ… 二十年たったころかな
きみが大きくなって おかあさんになって 子どもが大きくなったら……
きっとキャプテンケンそっくりだよ…… きっと……」

もともとはマモルのプロポーズのような言葉はなかったのである。キャプテンKenの父をマモルだとする最大の根拠はあやふやなものだったのである。

(2001・8・19)


Copyright(C) 2001 Satou Kazumi

LEFT UP RIGHT