J-Pop / Fusion Special Select 





Yasuhiro Abe / Frame Of Mind ('85 Express)       *CD(廃盤)
彼の作品はどれもイイんですけど、私の一押しは85年リリースのこのアルバムです。村上ポンタ秀一, 青山純, 岡沢章, 松原正樹, 鈴木茂, 難波弘之...といった凄腕のスタジオミュージシャン達に囲まれて文句ないボーカルを聴かせています。甘くてそれでいて張りのあるその声は、一度聴いたら忘れる事はないでしょう。(ちょっと大滝詠一入ってますけど...笑) 一部のコアなファンには熱狂的な支持がある人ですが、もっと知られて欲しいアーティストの一人です。こういう質の高いアルバムを是非再発して欲しいと思うのは、私だけではないでしょう。

Akira Terao / Reflections ('81 Express)         *CD
どうしても「ルビーの指環」のイメージが先行してしまうのですが、私の中ではもしかしたらこのアルバムが一番 A.O.R. しているかも知れません。何と言っても彼自身が作曲した楽曲が素晴らしいです。1曲の駄作もなく、最初から最後まで洗練された曲が展開されています。現在ユーミンバンドで活躍中の田中章弘, そして林立夫・上原ユカリというリズム隊に松原正樹, 向井滋春, 土岐英史らそうそうたるメンバーも完璧なサウンドを作り上げていて、彼のアクのないボーカルとの相乗効果でいい結果を出していると思います。皆さんも偏見なく聴いてみて下さいね。

Tsukasa Nishi / Expression ('90 Continental)      *CD(廃盤)
当時からコアなファンに熱狂的な支持のあったA.O.R.テイスト溢れるシンガーがこの西司です。基本的に詞を他人にまかせ、曲を自身で書くタイプなのですが、彼の音楽的ベースの中にかなりの割合で A.O.R. があるのは疑うべくもありません。特にバラード系は絶品だと思います(まんま P. Cetera している曲もありますけど... 笑)。現在はチャゲ&飛鳥のツアーメンバーとして活躍中ですが、99.12.18にはアルバム「RE-INTRO」をリリースするなど自己の活動も行っています。自身のHPもありますので、興味のある方は是非チェックしてみて下さい。(http://www.t-off.co.jp/tsukasa.html)

Yukoh Kusunoki / Choose Me ('87 Aura)          *CD(廃盤)
私が初めて彼を意識したのは、カシオペアのツアーにゲスト・ヴォーカリストとして参加した時だと思います。そのソウルフルな歌声と、圧倒的な歌唱力にすっかりヤラれてしまったのですが、後から彼がCMソングの世界では超有名人だと聴いて思わず納得してしまいました。このアルバムはそんな経緯もあってカシオペアの自己レーベルからのリリースになっていて、プロデュースも野呂一生が手掛けています。参加メンバーも、伊藤広規・青山純・沢井原兒らの実力者ばかりで、上質のヴォーカルアルバムに仕上がっています。次作「The One And Only」('88 Aura) 共々お薦めの作品です。

Jun Fukamachi / On The Move ('78 Alfa)          *CD(廃盤)
このジャンルのみならず、邦楽界でキーボーディストのパイオニアとして活躍してきた深町純の代表作がこのアルバムです。R. Tee, E. Gale, S. Gadd ら Stuff のメンバーをはじめ Brecker Brothers, D. Sanborn, W. Lee, A. Jackson, M. Mainieri... といった当時では考えられない様な海外の超一流ミュージシャンが参加していて、「これぞフュージョン」といえるサウンドを展開しています。自身のプレイの素晴らしさも勿論ですが、個々のミュージシャンを曲ごとにフューチャーした楽曲とアレンジのマッチングが絶妙です。今聴いても全く違和感を感じないセンスはさすがだと思います。

Mari Nakamoto / Lady In Love  ('81 JVC)       *CD(廃盤)
上品なジャズ・ヴォーカリストとして知られる中本マリが、こんな A.O.R. 度の高いアルバムをリリースしていたなんて知ってましたか?.... L. Ritnour, A. Laboriel, D. Grusin, A. Acuna, S. Forman, G. Herbig, G. grant ら L.A. 凄腕ミュージシャン達のサポートを得て、その歌声をしっとりと聴かせています。決して派手さはないですが、クオリティの高い曲が揃っていて聴き応え十分だと思います。C. B. Sager あたりが好きな人にはたまらない1枚でしょう。そうそう、このレビューを書く為にミュージシャン・クレジットを見ていたら、M. Sembello の名前を発見!!... おっちゃん、知ってるかなぁ??? (笑)。