J-Pop / Fusion Special Select 





Makoto Matsushita / First Light ('81 Air)          *CD(廃盤)
スタジオ・ミュージシャンとしての活動や、その後の AB'S としての活躍が有名なギタリスト 松下誠の1st Solo Album です。ギタリストのソロというと、えてしてそのギター・テクニックを鼓舞する様な作品が多いのですが、これは実に A.O.R. している1枚だと思います。彼のヴォーカルは決して「上手い」とは言えないのですが、曲調にうまくマッチしていていい感じに響いて来ます。全体的に抑えめながらも要所で聴かせるギターや、バックの演奏も文句無しで、正に「J - Pop・A.O.R.」の王道といえるでしょう。このジャケットは85年にリリースされた CD のバージョンで、オリジナルは雰囲気のある夜景の物なので購入の際はご注意下さいませ。(イラスト・ジャケの LP バージョンも有ります)
★★★2001. CD再発しました。エラいっ... ★★★

Shingo Kobayashi / The Borderland ('94 Toshiba EMI)    *CD(廃盤)
角松バンドのキーボーディストとして知られる小林信吾のソロアルバムです。全12曲のうち自身の楽曲は3曲のインストだけで他の曲はカヴァーなのですが、それがまた素晴らしい。E. John <Your Song> を中西圭三が、C. King <It's Too Late> を杉山清貴が、そして S. Wonder <Golden Lady> を佐藤竹善が... といった様にそれぞれの楽曲にハマっているヴォーカルを起用しています。勿論、我らが角松敏生も J. Lennon <Mother> で参加。そして個人的に嬉しいのは、このコーナーでも紹介済みの Candee が名曲 <Feeling> でその歌声を披露している事です。バックも沼沢尚、松原秀樹のリズム隊を中心に今剛、小池修、勝田一樹、村上ポンタ秀一らが参加し、文句なしの出来となっています。

Tryforce / Tryforce ('90 Pony Canyon)            *CD(廃盤) 
今だからこそ「自信を持ってお勧めします」なんて言えますが、松原正樹のユニットというだけでこのアルバムを買った当時は「あれ、全然ギター弾いてないじゃん」との事であっさりラックの奥深くへとしまわれた1枚なのです。A.O.R. Club 時代に久しぶりに引っ張り出して聴いてみて「何て素晴らしい A.O.R. アルバムなんでしょ」と再評価... 会報で紹介してかなり評判が良かった記憶があります。南部春江(Key), 江口信夫(Ds), 美久月千春(B), 春名正治(Sax) といったメンバーも凄腕ですが、何といっても高尾直樹 & 高尾 Candee のぞみの兄妹が織りなすその歌声の魅力に勝るものはありません。自作の楽曲を含めて「これぞ J-AOR !!」と言っても過言ではないでしょう。卒倒確実の必聴モノ !!

Hiroshi Satoh / Fly To You 2000 ('00 Toshiba EMI)       *CD
私のアーティストの一人である佐藤博が76年のデビュー作「Super Market」から96年リリースの最新アルバム「Oracle」までの各作品からセレクトされた楽曲を2枚組にしたベスト盤です。日本コロンビア, ユニバーサル, 東芝EMI という彼の所属したレーベルを超越したコンピとなっていて驚きましたし、特に初期のアルバムはなかなか入手できなくなっている現状では、これはとても嬉しい事だと思います。オリジナル収録の曲も素晴らしいのですが、このコンピでは更に彼の手掛けたアニメサントラ「七都市物語」の楽曲2曲が入っており、うち1曲は Candee の歌う名曲 <Ordinary> となっています。ファンの間では幻の名曲として評価が高かったのですが、同名のサントラCDがかなりのレア盤... これだけでも「買い」といえるでしょう。 お勧めです!!!

Sasajies / Anaconda Woman ('91 Sony)           *CD(廃盤)
以前、このコーナーで紹介した「NAZCA」の続編というべきアルバムです。マライア以来の付き合いである笹路正徳と土方隆行が、坂井紀雄(B) & 青山純(Ds) というリズム隊でやりたい放題してます(笑)。ミュージシャンとしては勿論、プロデューサーとしても超一流の2人の事ですから、ツボを押さえたサウンド作りに間違いがある訳がありません。テイスト的には、ちょっとプログレの入ったメロディアスハード・ロックで、NAZCA を良い意味で更にキャッチーでポップにしています。ゲストとして数曲で Vo. をとっている元プリプリの奥居香が、坂井の Vo. と良く絡んでいい感じです。80年代の笹路サウンドの代表的なモノがプリプリですが、これはそのまま Toto - Airplay サウンドですからこりゃ、聴くっきゃないでしょう。

Katsumi Horii Project / Hot Is Cool ('87 RVC)       *CD(廃盤) 
鈴木英人のイラスト・ジャケットでもお馴染みの堀井勝美プロジェクトです。一連の作品は全部好きなのですが、なかでもこれはお気に入りです。参加ミュージシャンは鳴瀬善博, 是方博邦, 土岐英史, 数原晋といった大御所らが名を列ね「これぞ Fusion」というサウンドを展開しています。更に堀井勝美と難波弘之がそれぞれの特徴を存分に出して絡むキーボードプレイは素晴らしいの一言につきます。今はアニメ等の映画音楽製作が多く、これらも素晴らしい楽曲ではありますが、80年代の作品はまた違った良さがあると思います。当時聴いていた人は勿論、今まであまり聴いていない人にも自信を持ってお勧めできる好盤ですので、彼等の作品を見かけたら是非連れて帰って下さいね。