J-Pop / Fusion of A.O.R. Taste  



Mari Hamada / Return To My Self ('89 Victor)       *CD
タイトル曲がバカ売れしたので記憶している人も多いこのアルバムが、実はバリバリの面子を贅沢に使った L.A. 録音だって知ってましたか?... J. Keane, J. Pierce のリズム隊に加えて、弾きまくりのギターは M. Landau だし R. Kerber(Key) や J. Scheff & B. Champlin の B. Vo も超強力です。この手のノリのいいハードテイストのサウンドにはもってこいのメンバーなので、彼らのプレイ自体も素晴らしい出来だと思います。どこの中古屋でも投げ売り状態なので(笑)、そういう視点で聴き直してみてはいかがでしょうか?。余談ですが、タイトル曲を何とあの大槻啓之さんが書いてるのを発見してしまいました(一部爆)。
今度会ったらオゴってもらおうかなぁ....

Tatsuhuko Yamamoto / Next ('90 Alfa)           *CD
この手のサウンドではメジャーな存在の山本達彦です。基本的に売れっ子の作詞家を起用し、作曲は自分でするパターンが多いのですが、このアルバムでも吉元由美, 売野雅勇らと共にかなりおしゃれな楽曲を聴かせてくれます。加えて L.A. や Hollywood で行われたレコーディングに参加しているのは、J. Porcaro & N. Stubenhaus のリズム隊に P. Jackson Jr. (G), M. Walsh (G), T. Heintz (Key), M. Paulo (Sax), P. Da Costa (Per) らといった腕利きばかり... B. Vo には M. McDonald, D. Pack, そして B. Baumgart, J. McClain などというA.O.R. 通にも嬉しい人選がなされています。サウンド面では申し分ないので、英語詞を数曲入れるとかして欲しかったですが、全体的には「J-Pop 聴く人なら買い」といったところでしょうか。

Tomoe Sawa / Tomoe Sings ('91 RCA)           *CD
Jam For Joy で以前ご一緒させて頂き、私の友人でミュージカルシンガーの石井一孝と両国高校のOB・OGとして知り合いだという沢知恵のデビューアルバムです(しかし紹介があまりにも内輪ネタじゃ〜.... 笑)。ご存じの方がどれくらいいるかは判りませんが、このアルバムはプロデューサーが G. Duke で、彼の名曲 <Sweet Baby> や T. Keane & S. Porcaro の <Anything Can Happy Here> らをカヴァーしている名盤なのです。更に嬉しい事にバックを努める面子が M. Landau (G), P. Jackson Jr. (G), F. Washington (B), A. LaBoriel (B)といったところで、前述の <Sweet 〜> では P. Perry, <Anything 〜> では J. Williams, J. Scheff, T. Keane の歌声もたっぷりと堪能できるというその筋のファンにはたまらない1枚となっています。歌の上手さは折り紙付きの人なので是非一度聴いてみて下さいね。

Mika Okudoi / Till the end of time ('98 Bandai)     *CD (廃盤)
ちょい反則気味のミニアルバムなのですが、フルアルバムがリリースされないのでご勘弁を。オケとしては4曲ですが、English & Japanese Version や Off Vocal Version (いわいるカラオケ) 等での8曲入りとなっています。何故この作品をここでピックアップしているかといえば、プロデュースをあの T. Keane が手がけ、M. Landau, L. Conte らがバックを努めているからなのです。加えて、素晴らしいバラードに仕上がっているタイトル曲で彼女とデュエットしているのが、現Chicago の J. Scheff !! ... 「いかにも」といった感じのこの楽曲の作者が、あの B. Raymond だと聞けば興味をそそられる方も少なくないのでは。打ち込みの多用などもあり「企画物」といってしまえばそれまでですが、奥土居美可自身のヴォーカルもなかなかの物なので是非チェックしてみて下さい。

Fumiaki Nakajima / Girl Like You ('92 Sixty)     *CD (廃盤)
ダンカン・ブラザース・バンドの Vo. として83年〜90年まで活躍後、L.A. でレコーディングした中島文明の1st Solo Albumです。バンド時代同様、乗りのいいロックンロールをベースに彼の持ち味が十分発揮されている1枚だと思います。S. Lukather, J. Porcaro, D. Parks, A. Pasqua, L. Conte, K. Lennon... といった面子が参加していて、それぞれが「いかにも」というプレイを聞かせています。ただあくまで骨太なロックンロールですので、A.O.R. を期待するとハズしますのでご注意を... H. Lewis あたりを想像して頂くと判りやすいのではないでしょうか。ジャケットの最後に故人となった J. Porcaro へのコメントがあり、それを読むと「ああ、この人も Jeff が大好きだったんだなぁ」と思ってちょっと嬉しくなりました。