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| ■枝豆の芽 | |
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| 昨年のお話です。おとーとが毎月買っている学習雑誌の付録に“枝豆を育ててみよう”というキットがついてきました。たいてい春ごろにはこういう付録が多いのですが、おとーとは大好物の枝豆ということで大興奮!(確か、兄貴君の時にはプチトマトだったなぁ。これは兄貴君の大好物だったし、嬉しい偶然?) 枝豆は、わたしも未経験でした。大好きな“土いじり”もテラスで植木鉢やプランターを使って育てているだけなので、枝豆なんていうちゃんとした野菜は地面に植えなくては到底無理だと思っていたのです。 説明書を読んでみると10cm四方の紙製の植木鉢(?)の中で支柱を立てて豆の収穫まで出来ると書いてあります。写真も載ってます。わい性種なのかな?キットの中には種(要するに大豆ね)と、一握りほどの培養土。そしてほんの一つまみの肥料。何にせよわたしもキライじゃないことなので、さっそくおとーとといっしょに準備をして小さな紙の植木鉢に3粒の種を蒔きました。 |
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本当に兄弟と言ってもタイプが違うもので、こういうことをした時のおとーとの熱心さには感心してしまいます。兄貴君は大事にしないわけじゃないんだけど、他の事に頭の中が簡単に占拠されるらしく、わたしが声をかけないと水やりなんて大抵忘れてるし、そのうちわたしも声をかけるのが面倒になっちゃって、結果わたしが他の花々と一緒にお世話さしあげることになる。図々しいことに兄貴ときたらそれをちゃんと知ってて「おかーさん、水やっといてくれた?」などと言う。いーかげんにしろよ〜〜〜!たまたま他の花を育ててるからいいようなもんで、そうじゃなければ、このズボラなわたし。絶対枯らしてるぞ〜〜〜!とハラがたつので、夏休みになったときには全部の花の毎日の水やりをアイツの仕事にさせたものでした。 一方おとーとときたら、翌日からは雨の日にさえ「水あげなくちゃ〜〜」と言ってテラスに出ていこうとするし、芽の出るのが待ち遠しくてたまらない様子。そう、種を蒔いた後って、本当に芽の出るのが楽しみなんですよね。 |
| 何日か経ってちょうど蒔いた辺りの土がぽっこりと盛り上がって、そこから可愛い芽がむっくりと起き上がってきました。ふたばを開く前のまだ下を向いた力をためているような姿。起きたばかりで眠そうな姿にも見えます。やがて、3つの小さなふたばがひらきました。ぽってりと肉厚なふたば。わたしたちが食べている豆をそのまま2つに割ったような。おとーとは小躍りして喜びました。満面の笑みを浮かべた彼の頭の中にはすでにゆで上がって塩を振られた特大のざるいっぱいの枝豆が浮かんでいたのでした。そんなにたくさんは、無理だってば・・・ ところがその翌日、おとーとの笑顔はかき消されました。ふたばは跡形もなく消えうせていたのです。ちびた茎だけが3本つんと土に残されて突っ立っていました。 すずめたちの仕業でした。 ぽってりとした肉厚なふたば。豆をそのまま2つ割りにしたような。ちょっとおいしそう。そう思ったのはわたしだけではありませんでした。 |
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![]() エダマメの花 |
わたしの住んでいる辺りはかつては田んぼが一面に広がっていました。ところが、昨今はその田んぼが建売り住宅やわたしの住んでいるようなマンションに姿を変えていっているのです。すずめたちが食べていた草の生える場所がどんどん無くなっていく。そういえば、ここ数年テラスで育てている植物の葉っぱがときどき食いちぎられていることにも気づいていました。 すずめ相手に怒ってみたところで、どうしようもありません。がっかりしているおとーとを慰めて、予備として余っていた豆(種ですね)3粒をを別の植木鉢に蒔いて、鳥よけのネットをかけました。今度はすずめに食べられない様にね。おとーともなんとか気を取り直しました。 |
| 鳥よけネットの効果は絶大でした。その後はすずめたちに食べられることもなく枝豆はすくすくと大きくなっていきました。そして、ふたばを食べられてしまった3本の芽も、抜いてしまうには忍びなかったので、やはりネットをかけてそのまま育ててみたところ、なんとか大きくなりました。合計6本の枝豆は夏には豆類独特の蝶形の花をつけ、やがて私たちも見慣れているおなじみの枝豆のさやが実り、そのさやの中の豆がぷっくりと大きくなると、おとーとは小さなざるを手に、ほんのちょっとの枝豆を嬉々として収穫するのでした。 とれたばかりの枝豆は、びっしりと茶色の産毛が生えていて、売っているものに比べるとずいぶんたくましく見えました。ゆでて食べると、しっかりと味が濃くて、それはそれはおいしいものでした。おとーとは自分が思っていたより数が少なくてちょっぴり不満げでしたが、それでも、一度にとれる数は少ないものの結構長い間枝豆の収穫は続き、ダンナもおとーとからありがたく進呈を受けて夏のビールのおつまみとして楽しんだのでした。 |
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| 2001.5.12 | |
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