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メディアアートの作品やロボットのボディに使用する筐体・フレームについて紹介します。  
素材について
メディアアート の作品では、サーボモータ、センサー、コントロールボード、バッテリーなどを収める筐体が必要です。また、ロボットの場合も同様に、これらを一体化して、ロボットとしての外観を持たせるためのフレームが必要です。
メディアアートの作品を収めるための箱としては、アクリル、FRP、木、その他の樹脂などが考えられます。ロボットの場合はアルミがよく使用されますが、軽量化や強度のために、カーボンやジェラルミンが使用されることもありますし、アクリル、木などが使用されることもあります。 アート作品では、その他、布や貝殻など、実質、なんでも作品を包むボディとして使用できます。
素材を選ぶ際は、単にカットできればいいのか、それとも、ある程度曲げることが必要なのか、さらには、自由な形状にできなければならないのか、などを考慮する必要があります。
また、ロボット製作の場合は、重さや強度も重要な要素です。
素材のカット、穴あけ加工
頑張れば、のこぎりや桐で素材をカットしたり加工したりすることができると思いますが、正確さや綺麗さ、労力といった点で問題があります。
電動ののこぎりやドリルを使用すれば、かなりマシになります。電動ののこぎりは、ハンドソーと呼ばれています。私の場合、初期の頃は、HOZANというメーカーのハンドソーと電動ドリルを使用していました。
たとえば、アルミを切ったり、ねじ穴を作ったりする場合、あらかじめマジック等で線をひいたり印をつけておいて、それを電動工具で処理していけばいいので、かなり楽です。しかし、1mm以下の精度を要求されるようなものの場合、どうしても手で操作していると、正確にはできません。しばらくして、プリンタでラベルシートに印刷した図面を素材にはりつけて加工を行うようにすると、すこしマシにできるようになりましたが、やはり限界がありました。
ハンドソー 素材のカット
ドリル 穴あけ加工
CNC カットと穴あけ
CNCという機械を使うと、CADソフトで作成した図面を読み込み、その図面通りに素材をカットしたり、穴をあけたりできるようになります。精度はCNCの機械によって異なりますが、手作業で行うのとは比べ物にならないくらい正確です。私は、オリジナルマインドという会社のCNCを使用しています。
木やアクリルなど柔らかい素材ほどはやくカットできます。アルミなど堅い素材は加工に時間がかかります。カーボンなど堅い素材でも可能ですが、時間がかかるのと、カーボンは健康上の問題があるため、まだ加工したことはありません。(カーボンは切削時にでてくる粉を絶対に吸い込んではいけません。)
CNCの機械は20万くらいしますから、これを個人で買うのは勇気がいります。そのような人のために、CAD図面を送ると、CNCで加工したものを送り返してくれる「アルミ切削サービス」を行っている会社がいくつかあります。
素材の曲げ加工
アルミなどの金属の場合は、機械をつかって曲げることが可能です。
曲げにつかう道具は小型のもの、大型のものなど色々あり、また、道具の仕組みによって精度が変わってきます。
曲げ機 素材の曲げ加工
素材の形を形成する
FRPを素材として使用すると、自由な形にデザインして形成することができます。
 
素材の色付け
アルミ素材の場合、アルマイトという処理を行うと、素材そのものに色をつけることができます。左がスプレーによるパーツ、右がアルマイトによるパーツです。 スプレーでの塗装は時間がたつとハゲてきますが、アルマイトしたものはほとんどハゲません。