バーバラ応援日記・ナポリ編(通常シーズン後半)


第12節「準決勝への夢潰える」(12/19)
第13節「最悪のクリスマス、そして最悪の状況で最終予選へ」(12/22)
第14節「無力感のみさらに濃く」(1/16)
第15節「連敗脱出も光はなく」(1/23)
第16節「新司令塔の大勝利」(2/6)
第17節「Napoliの終わりと神様モードに入ったCarmen Turlea」(2/13)
コパイタリア準決勝・決勝「ベタなぎのファイナル」(2/19,20)
第18節「何も見えてこない」(2/27)
第19節「勢いの差と信じがたい稚拙さ」(3/5)
第20節「観念するしかない」(3/12)
第21節「態度を考えざるを得ない」(3/19)
最終節「無題」(3/26)

星取表
試合結果


第1節「準決勝への夢潰える」(12/19)

この日のBergamoとの対戦は、Napoliにとって、後半戦最も重要な試合だった。その決戦にセットカウント1-3で敗れた。
Bergamoも、現在イタリア代表選手が抜けており、戦力的には決してそろっているとは言えない。ペレス・チェブキナのセンター線は非常に強力だが、サイドアタッカーには見るべき選手が少ない。しかもこの試合は、ソーシーも抜けていた。スパイク・ブロックともペレス一人の活躍だけが目立った。

とはいえ、ここ3,4試合の状況からすれば、当然に予想された結果ではあった。現在のBergamoに比べても明らかに格下の相手に、全然まともな勝ち方をしていなかったからだ。
現在、全日本男子チームが練習している小田急玉川学園研修センター(小田急体育館)には、次のように書かれた額縁があるという。「もし、私が負けると考えるなら、私は負ける。もし、私が勝てると考えるなら、私は勝つ」ナポレオン・ヒル著の「思考は現実化する」の一節である。
今シーズンも9月以来、バーバラの試合をずっと追い続けているが、負けるのではないかと思われるところでことごとく負けているように思われる。要するに、私は負けるという気持ちがどこかにあるから、負けているのではないか、ということである。
しかし、この言い方ではなお十分ではない。例えば、クロアチアチームを考えれば、アトランタ五輪出場を逃した直後から、シドニー五輪を目標として、若手に切り替え、守備面(特にサーブレシーブ)を徹底的に鍛え直さなくてはならない。そのための時間は、いくらでもあったはずなのだ。Napoliのこの試合を考えれば、Bergamo戦の前の格下相手、BustoあるいはReggio Emiliaといったあたりの対戦では、ストレートで勝っていなければならない。つまり、「私は勝てる」と思えるためには、当然に勝てるというだけのプロセスを経ていなければならないのだ。それができていないから勝てると思えないのだ。
これを逆から言えば、「勝ちに不思議な勝ちはあっても、負けに不思議な負けはない」(Copyright by Nobuchika Kuzuwa)という表現になる。

この試合に敗れたことにより、Napoliは通常シーズン4位以下がほぼ確定的になった。ということはすなわち、プレーオフでも準決勝進出の可能性がほとんどなくなったことを意味する。準々決勝はキューバの片割れであるPerugiaとの対戦となるからだ。よしんばPerugiaに3試合勝ったとしても、準決勝はReggio-Calabriaとの対戦。3試合戦って、1試合でも勝てれば上等という相手である。
それに対し、もし通常シーズン3位を確保しておけば、準々決勝はおそらくVicenzaとの対戦になるはずだ。Napoliのチーム状況がよほど悪くなければ、確実に勝てる相手である。準決勝もModenaとの対戦。ReggioCやPerugiaに比べれば、ずっと勝ち目はある。
通常シーズン3位と4位の違いは、これほどまでに大きいのだ。そしてこの試合で、その3位か4位かが大方決まってしまうのだ。Napoliの選手は、果たしてこの試合の意味、重要さを分かっていたのだろうか。1点1点が1シーズンを決めるような場面を想定して、常に練習していただろうか。突き詰めて考えれば、その点を追及せざるを得ない。しかし、今さら何を言っても始まらない。これがこのチームの実力ということだ。
バーバラにしても、肝心の場面で決めてくれた記憶がない。前年の世界選手権の韓国戦最終セットもそう、この年のワールドカップの日本戦第1セットもしかり。世界選手権のイタリア戦、最終セットのマッチポイントでキリロワがバーバラにトスを回さなかったのも、今となっては納得できる。

4位以下が混戦なら、いっそのこと6位まで落ちるという方法さえ考えられる。Bergamoの3位はかなり確定しているから、6位まで転落すれば準々決勝でのPerugia戦は回避することができる。そこで勝てれば、準決勝はおそらくModenaとの対戦だ。しかし、6位まで落ちるためには、PerugiaだけでなくVicenzaにも抜かされないといけない。しかも、Napoliがここまで形だけ勝ってきたために、Perugia, Vicenzaとは中途半端に差が開いている。(前半戦終了時点で、Perugiaと勝点8、Vicenzaと勝点9差)Vicenzaも現在相当悪いチーム状況にある。Napoliがこの後全部負けるくらいでないと、NapoliとVicenzaが入れ替わることはあり得ない。

この敗戦を取り返す機会が残っていないわけではない(1/16ホームでのModena戦)。しかし、私としても、これで残念ながら相当気が抜けてしまいそうだ。どのみち準々決勝で終わるのなら、通常シーズン4位も10位も大した違いはないからだ。

さて、個人技術集計では、完全にModenaのゼトバとの一騎打ちになっている。総得点・スパイク決定数では、Vicenzaのウェールシンクも絡んでいる。アタック部門では、セットあたりの打数が多いことと失敗の割合が少ないことから、バーバラがリード。サイドアタッカー(ブロック・サーブを含む)部門では、ブロック・サーブで上回るアントニナ(ゼトバ)のリードとなっている。

この日は、Reggio-CalabriaとPerugiaという、キューバの片割れ同士の注目の試合もあり、後半戦最初の試合にして早くも大きな山場を迎えた。第1,3セットをReggioCがとれば、第2,4セットはPerugiaが取り返し、試合は最終セットへ。しかし最終セットはReggioCが力の差を見せた。Perugiaは勝点1を奪ったものの、ReggioCの連勝を止めることはできなかった。
ModenaとVicenzaの対戦は、第1,2セットは接戦で互いに1セットずつとったものの、第3セット以降はいずれもModenaが着実にリードを広げてとった。この試合はゼトバが31点18ブレークというとんでもない爆発だった。
Ravennaはスパイク・ブロックとも好調で、第2セット以降3セットを連取して逆転でReggio Emiliaを下した。
MateraはTurleaとde Tassisの両エースが絶好調で、Firenzeをストレートで下し、連勝を3に伸ばした。一方Firenzeはこれで勝点0で5連敗となってしまった。
BustoはPalermo相手に、1セットを落とした後3セットを連取し逆転勝ち、現有の戦力では初めて勝点3の勝ちをものにした。コスタグランデはぼろぼろの状態だったが、センター線とセッター対角の選手が活躍した。なお、この試合と、Ravenna対ReggioEの試合は、4セットの得点が全く同じ(20-25, 25-21, 25-21, 25-14)。最初は自分の入力ミスかと思った。偶然にしても、こんなこともあるものだ。

Napoli1 (25-19, 18-25, 22-25, 25-27) 3Bergamo

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「最悪のクリスマス、そして最悪の状況で最大の決戦へ」(12/22)

この日の対戦相手はFirenzeである。この試合の前まで、勝点0で5連敗。いくらNapoliのチーム状況が悪いとはいえ、この相手に負けることはいくら何でも予想していなかった。
しかしNapoliは負けた。それもセットカウント1-3、点差で見れば今シーズン最悪の負け方である。

バーバラもミスが相変わらず多すぎる。しかし、この状況は、いくら何でもバーバラ一人の責任にはできない。バーバラのスパイク効果率は30%を超えている、バーバラ以外の選手では15%にしかならない。スパイクミス・サーブミスとも極めて多く、ミスによる失点は何と30点。これではどこが相手でも勝てるはずがない。第4回(1997-98)Vリーグ第2レグでストレート負けが続いた頃のエアリービーズを思い起こさせる。当時のデンソーは、第3回リーグで3位に入った後にベテラン・中堅の選手が一気に退団し、試合経験も非常に少ない若手に全面的に切り替えることを強いられた。おそらくそのチームより悪い。チームの体を成していない。
このチームには、前節からオランダのベテランセンター(昨シーズンまでキャプテンを務めた)ブルスマが加入している。この試合は、ブルスマをリベロで起用した。ブルスマはオランダチームでもサーブレシーブの要だったし、ブルスマに守備をやらせること自体は間違っていない。しかし、現在のNapoliは、それ以前に攻撃が2枚も3枚も足りないのだ。この試合はレトが出場していなかったが、そうであればなおさらのことである。さらに、このチームのセッターフレデルスは、オランダの正セッター、ブルスマの攻撃を最もよく知っているはずの選手である。前半のReggioC戦でも指摘したけれども、このあたりの采配も的が外れている。とにかく、何が問題なのかわかっていないというのが最も深刻な状況なのだが、選手ばかりでなく監督もそうであるという意味で、最も救いがたい事態である。
イタリアリーグはこれで年内最後の試合となる。年始の1/4〜9にはシドニー五輪欧州大陸予選があり、リーグ再開はその後の1/16である。とにかく、最悪の状況で最大の決戦に向かわなくてはならないことになった。

Reggio-CalabriaはReggio Emilia相手に難なく勝って13連勝、さらに独走態勢を固めている。
PerugiaはModenaを3-1で破り、通常シーズンの上位に向けて一気に勢いをつけてきた。Modenaは、昨シーズン以来、キューバ相手では惜しい試合はするのだがなかなか勝てないという印象がある。Modenaはこの試合、ゼトバ・藩・パハーレのエースがそろって思うように決まらなかった。これまではミスの少ないチームになっていたけれども、スパイクミスも増えた。
Ravennaはこの試合でもアタッカーが好調、そしてスパイク・サーブ・その他のミスでわずか9失点というミスの少なさで、Bustoをストレートで下した。Bustoもコスタグランデが決定率52%と久しぶりに当たりを取り戻したが及ばなかった。
PalermoとMateraの試合、Materaは相手のミスの多さに助けられ、1,2セットを連取した。しかし、第3セット以降はMateraのスパイクが決まらなくなり、Palermoのミスも第4セット以降少なくなって、一方的なPalermoペース。第3セット以降3セット連取でPalermoが逆転勝ちした。この試合、Palermoのサーブが暴発気味に走り、エースは実に16本を数えた。

さて、この日もう一つの異変は、BergamoがVicenzaにセットカウント1-3で敗れたことである。第1セットはVicenza、第2セットはBergamoがとった後の第3セット、21-16とBergamoが大きくリードしながら、この後Vicenzaに逆転され24-26で落とす。このセット、Bergamoは相手のミスでなんと15点を得点しながら落とした。自力でとった得点はわずか9点ということになる。第4セットもこの勢いのまま、終始Vicenzaリードで展開した。
Vicenzaにミスが多かったため点差はそれほど開いていないが、内容的には一方的にVicenzaが押していた試合である。ペレス・チェブキナのセンター線をしっかりおさえれば、今の(イタリア代表がいない)Bergamoにはこれほど簡単に勝てる。一方、Vicenzaは、ウェールシンクは本来の働きをしていないが、メンショーワ・ウズノバの両エースが大活躍という、序盤によくあったパターンで勝った。

どの相手に負けたかは抜きにして、この日、2〜4位のチームがそろって負け、5,6位のチームが勝ったため、3〜6位の順位争いはにわかに波乱含みの展開になってきた。Perugiaは、Napoliを逆転することは濃厚(勝点4差、直接対決で勝てば勝点1差)、そればかりでなくBergamoとの逆転の可能性も出てきた(勝点5差、直接対決で勝って2差)。
この日負けたことにより、皮肉にも、Napoliはプレーオフへのシナリオがいろいろと考えられるようになった。(もちろん、Bergamoが負けたことのほうが大きな要因だが。)このまま各チームが順当に勝ち続けるだけだったら、Napoliにとっても、勝っても勝っても最悪のシナリオしかなかった。プレーオフを考えた場合、Napoliにとって通常シーズンのベストの戦い方はおそらく、Vicenzaと競り合いながら、他のチームの状況を見て5位にも6位にもなれる「余裕」を持っておくことである。
しかし、さすがにここまでくると、どうでもよいという気がする。前半戦好調だった頃は、準決勝でどう戦うかを真剣に考えていた。後半戦が始まるまでは、何とかして準々決勝でPerugiaとの対戦だけは避けたい、と考えていた。しかし、それほど大それたことを考えた私が間違っていた。このチームが準々決勝を勝ち抜くことなど、どのチームが相手であろうと叶わぬ望みだ。

Napoli1 (25-21, 22-25, 21-25, 17-25) 3Firenze

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第14節「無力感のみさらに濃く」(1/16)

4週間近い中断の後の再開初日、対戦相手はModenaである。現在バーバラと並びリーグ最強エースの座に君臨するゼトバを擁する。ゼトバに加えケーバ・フィップスが打ちまくった昨シーズンに比べれば、フィップスが参戦していない現時点では破壊力は見劣りする。しかし、昨シーズンに比べミスが非常に少なく堅実なチームになっている。順位は2位をキープ、難敵中の難敵である。
試合は、Modenaが逃げればNapoliが追いかけるという展開。第1,3セットをModenaが、2,4セットをNapoliがとり、試合は最終セットにもつれ込んだ。しかし、その最終セットは15-9でModenaがとった。Napoliは久しぶりの勝点1を獲得したものの、出口の見えない3連敗となった。

この試合、一言でいってしまえば、バーバラとゼトバが打ち合って、バーバラが勝てなかったのである。チームの戦力から考えて、この結果はやむを得ないとしても、スーパーエース同士の真っ向打ち合いというのは、本来Napoliの望むところのはずである。Napoliの土俵に相手を引きずり込んだはずなのに、それでも勝てない。これまでの数試合とは別の意味で、無力感を強くした試合だった。
Napoliは結局バーバラの破壊力が武器のチームである。バーバラにボールを上げておけば、ある程度は決めてくれることは保証付きである。しかしこれだけ世界のトップ選手が集まるレベルの高いリーグで、それだけで勝ち進むことは無理である。では、このチームはバーバラ以外ではどうやって点数をとるのか。結局、そこのところがはっきりしていないから、このような状況に陥ってしまったという気がする。

五輪大陸予選も終わったため、いずれのチームもベストメンバーがそろった。すでに通常シーズン後半戦に入っているのだが、ようやくリーグ本番という雰囲気である。この日は上位同士の対戦が集中して行われたこともあり、何と6試合のうち5試合がフルセットという、内容の濃い一日となった。
これまで無傷の13連勝できていたReggio-Calabriaだが、この日はコスタに故障発生か、コスタに代えてジョーリをセッター対角で先発させるという変則の布陣をしいた。そのReggioCに対し、Vicenzaはメンショーワ・ウェールシンク・グリンカが健闘。ReggioCが先行すればVicenzaが追いかけるという、Modena対Napoliと同じパターンとなり、試合はフルセットに突入した。その最終セット途中で、ReggioCはついにコスタを投入。Vicenzaは決定率の悪かったウズノバに代えて本来センターのPaggiをレフトで起用したが、これが裏目。最終セットは15-8でReggioCが簡単にとり、連勝をさらに一つ伸ばした。
Bergamoにもイタリア代表が復帰したけれども、この日のPerugia戦、当初先発したのはリニエーリだけだった。その第1セットをPerugiaが奪うと、やはりイタリア代表抜きでは勝負にならないと見たか、Bergamoはカッチャトーリ・ピッチニーニを投入。第2,3セットを連取し、第4セットも中盤リードの場面があった。しかし、第4セットはデュースの末Perugiaが逆転、最終セットも2点差でPerugia。フルセットの末Perugiaが逆転勝ちした。しかし、フルセットでの勝ちのため勝点の差は1縮まったにとどまり、PerugiaがBergamoを逆転することは可能性が小さくなった。
Palermoは、エースのケリーとアダムスは不振だったものの、センターとセッター対角の選手が活躍、ReggioEをこの日唯一4セットで下した。
RavennaとMateraの対戦も、両チームが交互にセットを奪うという形で最終セットに突入、サイドアタッカーの力で上回るRavennaが最終セットを制した。
Firenzeは、中断前のNapoli戦の勝利以降勢いが出てきたか。イタリア代表のスーパーエーストグットが復帰したBustoに対し、第2,3セットを一方的に奪われながら、第4,5セットを取り返し、今シーズン初の連勝とした。トグットは下位争いの中では圧倒的な破壊力を示したが、チームの勝利にはつながらなかった。

各チームともベストメンバーがそろったことで、上位6チームほどの間では中断前ほど力の差はなくなっているようである。一方、現時点で降格のおそれがあるのは3チームにほぼ絞られたようだが、その3チームの順位はこの先どうなるか全く見当がつかない。この先も通常シーズンの順位をめぐってつばぜり合いが続きそうな気配である。

Napoli2 (20-25, 25-20, 22-25, 25-18, 9-15) 3Modena

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第15節「連敗脱出も光はなく」(1/23)

Napoliのこの日の相手はRavennaである。
メンバーからいえば簡単に勝てるはずの相手なのだが、チームの体を成していない現在のNapoliの場合そうはいかない。まず第1セット、先発のレトが不調で、早々にミフコバと交代。そのミフコバは活躍するものの、ベルティーニ、そして肝心のバーバラも全く当たりが出ない。1,2セットを連取されるという悪夢のような展開となった。
ここで監督はついに一大決断を下す。セッターフレデルスに代えて、第3セットはラマス(アルゼンチン)を先発。そのとたん流れが変わり、第3セットは一方的にNapoliが奪う。第4セットは終盤までRavennaがリード。しかしこのセットも、ラマスとの心中を決めたのが吉と出た。土壇場で逆転。最終セットは序盤から着実にリードを広げてNapoliが奪った。2セットダウンから3セット連取という大逆転で、Napoliが連敗を3で止めた。
これまで不可解な起用あるいは失敗ばかりが目立った采配面で、初めてのヒットである。この試合、センター線の決定率が極めて高く、ブロックもコンスタントに出ている。セッターを交代したことで、センター線を使えるようになったことがうかがえる。また、ラマスは手元資料で身長184cm最高到達点310cmという超大型のセッターで、これがブロックに大きく貢献したのかもしれない(実際、これまでの出場はピンチブロッカーの意味合いが強かった。)。
連敗はストップしたとはいえ、順位争いのことを考えれば、当然勝点3をとっていなければならない相手である。とてもではないが喜んでいられる勝利ではない。上位進出はますます望みが無くなっているのだ。

Reggio-CalabriaはBusto相手に、第1セットは不覚をとったものの、第2セット以降一方的に連取してセットカウント3-1での勝利。第4セットはルイザをベンチに下げるという余裕の試合運びだった。
BergamoはMatera相手に、ミスの極めて少ない試合を展開、第1セットこそ途中までリードを許したがこちらも順当にストレートで勝った。
ModenaもReggio Emiliaを3-1で下したものの、第1セット以外は点差がさほどついていない(第3セットはデュース)。Modenaはややミスが多く、試合内容としては今ひとつと言っていいだろう。
Vicenzaは、今シーズン初めてウェールシンク・メンショーワ・ウズノバのアタッカーが揃い踏み、チーム状態は上向きと思われるFirenzeをストレートで下した。Vicenzaも一時期に比べるとかなり勢いがついているように思われる。

さて、この日、後半戦2度目の大番狂わせが発生した。Palermoがキューバの片割れのPerugiaを、いずれのセットも大接戦の末セットカウント3-1で破ったのである。この試合、Perugiaのキューバトリオにはいずれもミスが目立った。キューバというチームは、ミスを連発してかみ合わない状態に陥ることがまれにある。この試合もどうやらそれにはまってしまったようである。一方のPalermoは、モニク・アダムスの活躍が目立った。また、この試合でも9発のサービスエースをたたき込んだ。極端に波があるのだが、Palermoはサービスエースは多い。いい試合をするときは必ずと言っていいほどサービスエースからである。

Napoli3 (20-25, 20-25, 25-11, 26-24, 15-9) 2Ravenna

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第16節「新司令塔の大勝利」(2/6)

オールスター休み明けのこの日、Napoliの対戦相手はVicenzaである。前半戦のこの対戦では、ワールドカップ期間中で主力が全員抜けていたこともあるが、全セット2点差でストレート負け、連勝もストップという悔しい敗戦だった。Vicenzaは、一時の不振は脱したと思われ、Napoliのこれまでのチーム状況からしても決して簡単には勝てない相手と思われた。

ところが、結果はNapoliのストレート勝ち。ストレート勝ちは今シーズンようやく3試合目(上位進出を狙うチームとしてはあまりにも少ない)。第8節、11月28日のMatera戦以来、実に久しぶりである。それも接戦のセットさえない。いずれのセットも、相手にリードを許す場面は全くと言っていいほどなかった。

この勝利はセッターのロミーナ・ラマスの勝利と言ってよい。ラマスが正セッターを務めて以来、Napoliはこれで6セット連取となっている。ラマスはセンター線の扱いがうまいらしい。ラマスがトスを上げてからというもの、センター線の働きが数字に見えて違うのだ。速攻でサイドアウトが確実にとれているし、ブロックもコンスタントに出ている。ブロックが増えたのは、ラマスの高さも大きな要因かもしれない。(レトではなくミフコバ先発のこの日の布陣は、Vicenzaにも負けない高さだ)この試合では、Vecerkovaが決定率83%、ブロック6本の活躍で、何とバーバラよりも多い得点を叩き出した。序盤にレトがチーム最多得点という試合はあったが、センターがチームの最多得点となったのは、この試合がシーズン初である。
こうなったら、これ以降の試合もラマス先発でいってほしい。そして、ラマスがこのチームで活躍して、成長して帰れば、アルゼンチンナショナルチームも非常に面白い存在になってくる。アルゼンチンチームにも、高いところから打てる選手はそろっている。
この試合、バーバラの働きは決して満足できるものではなかった。それにもかかわらず、間違いなく今シーズンここまでのベストゲームと言える。一つだけ後悔されるのは、なぜこれをもっと早く試さなかったのか、ということである。プレーオフを考えれば、前節のRavenna戦、それも2セットを連取されてからとは、限りなく手遅れに近い。

この日は上位同士の対戦が少なかったこともあり、極端に一方的な試合が多かった。Reggio-CalabriaはRavennaと、BergamoはReggio Emiliaと、PerugiaはBustoと対戦し、それぞれ全く相手にせずにストレートで勝利した。
PalermoとFirenzeの一戦、Firenzeは第1,2セットはスパイク・ブロックとも好調、2セットを先取する。それに対し、Palermoは第3,4セットと得意のサービスエースも出て流れを引き寄せる。決着は最終セットに持ち越された。最終セットは、序盤からFirenzeがわずかにリードで展開。それをPalermoが追いつき、長いデュースに突入、ついにPalermoが逆転して24-22。大逆転でこの試合をものにした。
一方的な試合が多かった一方で、番狂わせもここのところ目立っている。ModenaとMateraの対戦、Modenaは藩とパハーレの決定率が極端に落ち込み、ゼトバ一人に頼る苦しい展開。そのゼトバもミスが多かった。逆にMateraは、Turleaとメロが大爆発。Modenaは第2セット途中からセッターをKarine Salinasからマリノバに交代、さらに伝家の宝刀(?)フィップスを今シーズン初めて起用。しかしModenaはサーブミスなどが響き、一方Materaは全くミスをしない。1,2セットをMateraが連取。第3セットはModenaが取り返したものの、いったん勢いがついたTurleaとメロは止まらなかった。第4セットはMateraが奪って、セットカウント3-1で大番狂わせを演じた。この試合、Carmen Turleaは57打数30決定という大活躍だった。Modenaはこれまで、ミスが少なく取りこぼしをしないバレーを続けてきたが、前節以降ミスによる失点が目立ち、それが痛い敗戦の一因となった。

Napoli3 (25-15, 25-16, 25-18) 0Vicenza

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「Napoliの終わりと神様モードに入ったCarmen Turlea」(2/13)

プレーオフを考えれば、1試合も負けることはできない状況にあったNapoli。しかし、キューバの片割れのPerugiaの前に、ストレートで敗れた。バーバラがわずか11得点何とブレークなし、というのが全てだろう。
通常シーズンはこれで終わった、というあきらめ気分が濃厚になる敗戦である。この後は、上位との対戦はReggio-Calabriaのみ、それ以外は下位との対戦が続く。通常シーズンこれからは、結果ではなく内容が問題である。プレーオフに向けて、毎試合毎試合目的意識を明確にして戦ってほしい。そうしないと、この先の5試合は本当に消化試合、無意味に試合をこなすだけになってしまう。

試合内容については、これ以上コメントはしたくない。Napoliの戦い方には、プレーオフをにらんだ戦略というものがどうも感じられない。Perugiaに負けるのなら、前節Vicenzaに勝ったのはいったい何だったのか、ということである。準々決勝でPerugiaとの対戦、最も逃げ道のない状況に、自分自身を追い込んでしまっている。
振り返ってみると、2シーズン前、Napoliはケーバ・フィップスをプレーオフになって出してしまい、代わりにベルを入れた。しかし、そのベルが思った通りの働きをせず、Bergamoとの準決勝で敗退。1試合はかろうじてフルセットで奪ったが、内容的にはかなり差があった。当時のBergamoはリーグ最強のチームだったから何とも言えないが、フィップスのままで戦っていれば、少なくとももっと競り合った内容になったことは間違いないと思う。昨シーズンは、Perugiaとの準々決勝で、2試合先勝しながらその後3連敗で敗退。Napoliというチームは選手の入れ替わりが非常に激しい。2シーズン前と昨シーズンとでは全然違うチームだし、昨シーズンのチームと今シーズンのチームも選手だけを見れば全く別物である。それでも、このあたりの稚拙さは変わっていない。

しかし、終わってしまったことはどうしようもない。これだけ強い相手にどうやって勝つのか、ということを考えなければならない。そしてその大前提として、バーバラの大爆発がなければならない。バーバラは、開幕の10月以来、15日間317発の最悪記録をやったワールドカップをはさんで、試合の連続でここまできてしまった。この後もプレーオフまで、体を作り直す期間がない。この先何試合か、特にアウェーの適当な試合でバーバラを休ませたほうがいいかもしれない。第19節のアウェーMatera戦あたりがちょうど良さそうだ。Materaは手を抜くと非常に怖い相手なのでバーバラ抜きでやったら勝てそうにない。このあたりで負けると、うまい具合にVicenzaが抜いていってくれるかもしれない。

VicenzaはReggio Emilia相手にセットカウント3-1で順当勝ち。ウェールシンクの活躍が目立った。ただし、ReggioEでもレマーティの活躍があり、ブロックも多く出たので、点数はそれほど一方的にはなっていない。
BergamoはFirenze相手に、ピッチニーニを使わず、それでも余裕のストレート勝ち。アタック決定率がチーム全体で59%という快勝だった。
ModenaはBusto相手に、セットカウント3-1で勝つには勝ったものの、内容はこの試合も決してほめられたものではない。第2セットは何とサービスエース8発を被弾して落とした。第1セットと第4セットは2点差でかわしている。全体にサーブミスとスパイクミスが多い。シーズン当初以来皆勤でチームを引っ張り続けるゼトバに疲れが見えており、Napoli同様、迷路に踏み込みつつあるようだ。
PalermoとRavennaの一戦、Ravennaは第2セットまではほぼ完璧な試合をして、2セット連取。それに対しPalermoは、第3セットからセッターをクルソーエ先発に変更した。そのとたん流れが変わった。第3セット以降はRavennaの決定率が極端に下がり、ミスも多くなった。第3セット以降3セット連取という逆転で、Palermoが勝利。この試合でもPalermo得意のサービスエースは11発出ている。次節のNapoliとの対戦では、ラマスとクルソーエのアルゼンチンセッター対決が見られるかもしれない。(そういえば、Napoliがラマスにセッターを交代して第3セット以降3セット連取をやったのもRavenna戦だった)このリーグで3人(コスタグランデ、ラマス、クルソーエ、A2のCecina所属のコンデもA1の下半分ならレギュラー張れるだろう)がレギュラーに定着するとなると、アルゼンチン侮るべからず、という印象を強くする。特に、司令塔がスタメンを経験して自信をつけてくると、さらに油断ならない。

さて、この節の主役はクズマニッチのいるMateraである。今シーズン最大の番狂わせをやってのけた―すなわち、Reggio-Calabriaの連勝を16で止めたのである。Reggio-Calabriaは、休みを取らせたのか故障なのかわからないが、ルイザが出場せず、ジョーリをレフトで起用した。しかしそれが悪く、決定率24%の極端な不振だった。控えにはRita Okrachkovaもいるのに、どうしてジョーリを出し続けたのか。それでも、試合展開のほうは、第1セットこそ25-23で不覚をとったものの、第2,3セットを連取、第4セットも21-13の大量リードで、17連勝は目前と思われた。ところが、この後立て続けにミスが出たのかブロックされたのか、何とこの大差を追いつかれた。29-27でMateraがこのセットを奪い、最終セットに突入。途中経過がミスでなければ、ワールドカップ日本対クロアチア戦の第1セット(20-13から日本が逆転)を上回る最悪の逆転劇である。あまりにも急にやられてしまったため、選手交代のタイミングも逸してしまったのかもしれない。こうなると最終セットもこの勢いのまま、ReggioCの最強攻撃陣も通じず、15-10でMateraが奪った。Reggio-Calabriaは、前節で2位のModenaとの勝点の差は最大の10に開いており、選手起用を見ても、やる気のなさ加減が伝わってきそうである。しかしとにかくよもやの結果となった。Materaのほうでは、Carmen Turleaが前節に続き大爆発。25得点11ブレーク有効得点14で、ReggioCのフェルナンデスと互角の活躍だった。神様モードに入っているようだ。クズマニッチも渋く仕事を果たしている(スパイク決定率72%、ブロック4本)。また、セッター対角を途中でAngelica LjunquistからElsa Carereという選手に交代したのも成功したようである。振り返ってみると、コパイタリアの準々決勝第1試合で、同じ対戦でフルセット16-16までもつれる激戦を展開した。そのあたりも伏線となったかもしれない。とにかく、首位と2位を連続で倒したとなると、フロックとばかり言っていられないようだ。第10,11節で連勝する前は残留さえ心配されたチームが、恐ろしく変わったものである。Materaは上位との対戦3試合を残しているが、Perugiaはともかくとして、Napoli, Vicenzaよりは今のMateraのほうがいいかもしれない。
Napoli, PerugiaのみならずModena, Reggio-Calabriaまで取りこぼしをしたとなると、取りこぼしの全くないBergamoのしたたかさが際だってくる。それも、ストレート勝ちが目立って多く、セット率でも優位に立っている。ここのところ上位キラーと化したMateraもきっちりストレートで下している。このチームも、2シーズン前、昨シーズン、今シーズンと、選手を見れば全く別と言っていいくらい違うチームである。それにもかかわらず、リーグ連覇の経験がこのような形でチームの血となり肉となっているのだ。先ほど指摘したNapoliの稚拙さと比べると、あまりにも対照的である。
とんでもない災難なのはMateraと順位争いをしているPalermoとRavennaである。この2試合のMateraは当然勝点0のつもりだっただろう。これでこの3チームの争いも、実質逆転しMateraがトップに立ったと見ていい。Palermoは残る5試合全てが上位との対戦、Ravennaも下位との対戦は1試合しかない。それに対しMateraは残り5試合のうち2試合は残留争い中のBustoとReggioE、上位との対戦でも、最もきついReggioC, Modena, Bergamo戦は全て終了している。

Napoli0 (20-25, 24-26, 21-25) 3Perugia

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コパイタリア準決勝・決勝「ベタなぎのファイナル」(2/19,20)

この週はコパイタリアの準決勝・決勝が行われる。Napoliは準々決勝で敗退したためこの週は休みである。

準決勝第1試合は、Reggio-CalabriaとPerugia、キューバの片割れ同士の注目の対戦である。しかしこの一戦、Perugiaにミスから崩れる悪い形が出てしまった。ベルは25点スパイク決定率61%と絶好調、ラーメもまずまずだったのだが、ほかのアタッカーにあまりにもミスが多すぎた。サーブミスも連発。ReggioCも決して当たっていたとは言えないのだが、相手のミスで33点ももらえば当然に勝てる。セットカウント3-1でPerugiaを下した。

もう一方の準決勝はModenaとReggio Emiliaという組み合わせ。ReggioEは、Palermoとの1回戦を得失点差で勝ち抜き、準々決勝はBergamoの絶不振に助けられての進出で、ここまで上がってこられたのが出来過ぎかつ幸運としか言いようがない。Modenaとの実力の差は歴然で、Modenaが3セットで45点しか許さずストレート勝ち。

決勝はReggio-CalabriaとModenaという順当な組み合わせになった。しかし、この決勝は、前日と違いReggioCのキューバトリオが大爆発。特に、フェルナンデスはアタック14/19、総得点18でミスによる失点なしという炸裂ぶりだった。Modenaはケーバ・フィップスをフル出場させ、ゼトバとの2枚看板で対抗しようとしたが、これではいかんともしがたい。ReggioCがストレート勝ち、まずコパイタリアを制覇した。

しかし、全く無風で何とも面白味に欠ける結果となってしまった。

ReggioC3 (25-21, 26-24, 20-25, 25-19) 1Perugia
Modena3 (25-13, 25-12, 25-20) 0ReggioE
ReggioC3 (25-14, 25-20, 25-23) 0Modena

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第18節「何も見えてこない」(2/27)

上位の順位はほぼ確定しつつあり、消化試合の気分が次第に濃くなるあたり、Napoliのこの日の対戦はPalermoである。
この試合Napoliはスタートが悪く、Palermoに対して16-21とリードを許した。しかしそれをその後一気に追いついて逆転。第2セット以降は展開としては問題なく、ストレートで勝った。

この試合、久しぶりにレトがフル出場したものの、出来は極端に悪い。ベルティーニも打数が極端に少ない。センター線の打数も少ない。となれば、打っている選手は一人しかいない。サイドアウトをとる場面はほとんどバーバラにきていた。そのバーバラは36打数23決定と快調。また、センターの2人(この試合はBecerkovaに代わりMarina Ivanovaがフル出場)はわずか3セットで12本のシャットを決めている。やはりラマスはセンター線との相性は基本的によいようだ。なお、Napoliのラマスが全時間出場だったのに対し、Palermoのクルソーエは途中交代出場が一度あったのみ、アルゼンチンセッター対決は実現しなかった。
久しぶりのバーバラの爆発があったとはいえ、表を見る限り、プレーオフにつながるものは見えてこない。上位相手ではまず、スタートが悪ければ一気につけ込まれる。バーバラにこれだけボールが集まれば、まず簡単には決まらない。

BergamoはBusto相手に、第1セットこそ後半までリードを許していたものの、それを終盤に逆転。第2セット以降は一方的な展開として、Napoliと同様の試合展開でストレート勝ち。スパイク決定率は実に、リニエーリ69%、ガラストリ80%、ペレス71%。ピッチニーニを休ませながらの圧勝だった。
PerugiaはVicenza相手にストレート勝ち。Perugiaは強力なサーブでVicenzaを崩し、エースは3セットで7発、これがストレート勝ちの大きな要因となった。
RavennaとFirenzeという対戦は相性があるようだ。前半に続いてFirenzeがストレート勝ち。第2セットは21-17、第3セットも21-18と、終盤まではRavennaがリードしながらいずれも逆転されているのでは、どちらが上位のチームかわからない。そしてこの勝利で、Firenzeはとてつもなく大きな勝点3を得た。Bustoとの差を一気に勝点4に広げ、A1残留に大きく近づいた。
MateraはReggio Emiliaとの対戦で、この節唯一ストレート勝ちはならなかったが、順当にセットカウント3-1で勝利。順位も7位に浮上した。Carmen Turleaはこの試合でもアタック43打数22決定で、この3試合どうにも止まらない。この選手が神様モードに入っている限りは、どのチームにとってもMateraは怖い相手である。ほかには、Angelica Ljunquistがアタック決定率57%7ブレークの活躍だった。

この節最大の注目の対戦は、何と言ってもReggio-CalabriaとModenaの一戦である。ReggioCはフェルナンデス以外のアタッカーはまずまず、特にシルヴィア・ロルの活躍が目立った。一方のModenaはゼトバにボールが集まったが、そのゼトバは決定率35%と苦戦。それでも、フィップスが踏ん張り、あるいはチーム全体としてミスを少なくして食らいついた。試合展開としてはReggioCが大筋でリードするが、Modenaも最後に追いつき、簡単にセットをとらせない。3セットともデュースに突入した。しかし結局はReggioCのストレート勝ち。最ももったいない終わり方になってしまった。これでReggioCの通常シーズン1位は事実上確定した。

Napoli3 (26-24, 25-21, 25-15) 0Palermo

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第19節「勢いの差と信じがたい稚拙さ」(3/5)

この日のNapoliはアウェーでMateraとの対戦である。このMateraというのは、ここのところ再三書いているように、チーム本来の実力は別として現在最も勢いに乗っているチームである。第16節のCarmen Turleaの大爆発、Modenaからの金星以降3連勝。その中にはReggio-Calabriaに唯一土をつけた試合も含まれている。

この日も、両チームの勢いの差がまざまざと現れた。第1セットは21-18、第2セットも21-20といずれも途中はNapoliがリードしながら、Materaはいずれも逆転してしまう。第1,2セットとも25-23Matera。第3,4セットは余裕を持ってNapoliが奪う。しかし最終セットは、序盤からいきなり5-1のMateraリード。試合はこれで決まった。
これでMateraは4連勝。4連勝だけでは大したことないと思われるかもしれないが、そのうち3勝が通算順位の上位4チームから上げたものとなれば、これはとてつもない芸当である。ここ3試合大爆発が続いていたCarmen Turleaは、この試合はほとんどつぶれていた。それに対しクズマニッチが決定率65%、総得点18の活躍。エースがだめでもほかの選手でその分を埋めてしまう。勢いが本物になっている証明である。

ラリーポイント制は本来、先行したチームが圧倒的に有利のはずである。それにもかかわらず、終盤まで常時先行しながら逆転されている。しかもそれが2セット連続である。あまりにも勝負に弱いというか、稚拙な試合展開である。このチームがリーグの上位にいること自体信じがたいものがある。
あるいはそれはバーバラの病気かもしれない。前年のワールドカップ以来、得点しなければならない場面で、ミスしたりシャットされたりということばかりが続いている。終盤のここ一番、絶対に決めなければならない場面で決める、それができなければエースとは呼べない。
バーバラは、重要な試合あるいは勝負のかかる場面ほど、力任せに勝負してことごとく失敗しているように見える。これは、第5回Vリーグの決勝ラウンド、前年のワールドカップも、いずれもそうである。そして、この試合もおそらくそうであろう。思うに、頭に血が上ってしまって周りが見えなくなっているのではないだろうか。そうではなく、重要な場面ほど冷静に状況を判断して、ずるがしこいプレーができるようにならなくてはならない。そうでなければ、また必ず同じ失敗を繰り返すことになる。
これは、本当のエースアタッカーに成長するために超えなければならない壁であろう。その壁を超える手がかりは、誰から与えられるものでもなく、自分でつかむしかないはずだ。そしてバーバラがその壁を超えられない限りは、五輪出場もかなうことはない。

話は変わって技術的な問題になるが、ここ数試合、Napoliのサイドアタッカーの決定率は、バーバラを除き極端に悪い。先発はレトだが全く決まらずにミフコバに交代、というパターンが続いている。しかしそのミフコバも決定率は極度に悪い。となると、ラマスのサイドへのトスの質という問題が当然に浮上してくる。しかし、バーバラはストレート負けに終わったPerugia戦を除けば、悪くはないかむしろ上出来なくらいである。セッターフレデルスのときと比べても別に悪くなっているとは思えない。バーバラは世界最強のアタッカーだが、それも精度の高いトスが供給されてのことである。その要求水準はむしろ厳しいくらいである。バーバラがきちんと打てているのだから、ラマス一人の責任とも考えにくい。
サイドの決定率がここまで悪ければ、セッターをフレデルスに戻すことが当然に考えられるはずである。ブロックの問題があるなら後衛だけでの起用も可能だろう(前衛にきたらラマスに戻す)。しかし、前節のPalermo戦もこの試合も、それをした気配はない(Perugia戦ではフレデルスとの交代があった)。実際問題として、ラマスはサイドアタッカーと合わなくても、センター線との相性は抜群である。センターの決定率はどの試合も5〜6割台でミスも少なく、しかもブロックが非常に増えている。この試合もセンターのアタックは39打数23決定Fault(ミスとブロックされたものの合計)は3本のみ、ブロックは合わせて10本に達している。このあたりの得失を考えると、交代の判断は難しい。
しかし、このあたりからうかがわれるのは、ラマスと合わせる練習が不十分なのではないか、ということである。シーズン前あるいはシーズン前半の時点で、正セッターラマスを想定していなかったのではないか。だからこの時期の試合の中で練習していかなければならないのではないか。正セッターラマスを試すのが極端に遅れた(プレーオフに向けて勝負のかかった時期に連敗が続いてほぼ手遅れになった後)ことからも、それが構想になかったことは裏付けられよう。
さらに、もっと根本的なところにさかのぼれば、セッターでこれだけ難点が出てくるということは、選手獲得の段階で問題があったと言える。シーズン前の予想としても、セッターがアタッカーを使いこなせるかどうかが最大の不安要素と思われた。結論としては、その不安は的中している。このチームのサイドアタッカーは、バーバラに加えレト・ベルティーニ・ミフコバというかなり豪華な布陣である。この4人のうち常時1人は余ってしまう。これだけ力のあるアタッカーを集められるのなら、サイドを1枚減らしてでも、優秀なセッターの獲得に資金と時間をつぎ込むべきである。また、このチームの布陣はワールドカップ期間中を全く想定しておらず、そのために無用な負けを喫している。このあたりのバランスの悪さも上位チームとは思えない。

これまでも信じがたいばかげた負け方というのは何度もあったけれども、その中でもこの試合の負け方の脱力度はひときわ大きい。ものを書く気力も全て奪われそうだ。

Bergamoはリニエーリが極度の不振、試合途中でピッチニーニと交代する有様だった。(最近はピッチニーニが休み、レフト対角はリニエーリとソーシー、チェブキナがセッター対角に入っていた。)また、チェブキナも今ひとつ。一方のPalermoは、Ivanyuskinaが今シーズン初めてと言っていい大当たり。試合は最終セットに突入した。Bergamoは最終セット、チェブキナを下げてセッター対角にリニエーリを入れる変則の布陣。その最終セットは、ブロックが立て続けに出て、相手のミスにも助けられてBergamoが奪ったものの、今シーズン初めての無用の取りこぼしとなった。
Reggio-CalabriaはFirenzeと、ModenaはRavennaと、PerugiaはReggio Emiliaと対戦し、それぞれストレートで楽勝。ReggioEはこの試合、今シーズンおそらく初めてベチェバの出場があった。しかしあまりにも遅すぎる。

VicenzaがCEV杯に出場するため7日に延期になっていたVicenzaとBustoの試合で、またしても番狂わせが発生した。BustoがVicenzaをセットカウント3-1で下したのである。Vicenzaは、ウェールシンク・ウズノバはまずまずだったものの、メンショーワ・グリンカが完全につぶれていた。また、この試合でもサーブレシーブのミスが非常に多かった。それに対し、Bustoはトグットがアタック42打数22決定の活躍だった。
これによって、A1残留争いは一気に風雲急を告げる事態となった。前節4に広がったFirenzeとBustoの差は再び勝点1に接近している。しかも、両チームともReggio Emiliaとの対戦を残している。この争いがどちらに転ぶかは全くわからない。

Napoli2 (23-25, 23-25, 25-16, 25-20, 12-15) 3Matera

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第20節「観念するしかない」(3/12)

Napoliのこの日の相手はReggio-Calabriaである。ここまで断然のトップですでに通常シーズン1位を決めている。

CEV杯と重なり先週が3連戦だったこともあり、Reggio-Calabriaはこの試合、キューバ勢のうちルイザとフランシアを休ませた。だいたいここからしてひどくなめられたものである。ところがその相手に対してさえ、Napoliは第2セット途中まで見せ場の一つも作ることができなかった。第1セットも終始ReggioCリードで展開、第2セットは途中16-7, 21-15ReggioCリードと一方的な展開になっていた。
ここでNapoliにはこれまでになかった采配でのクリーンヒットがでる。セッターをラマスからフレデルスに交代。これで流れが一気に変わった。何と第2セットをこの大差から27-25の逆転で奪った。
第3セットもこの勢いのままNapoliが25-20で奪った。ReggioCは第3セット、実に10点を自チームのミスで失っている。ReggioCから見ればこの交代は不意討ちのような感じがあったかもしれない。しかし、トップを独走するチームだけに、第4セットになると立て直してくる。第4セットは終始3点前後のリードを保ちReggioCがとる。最終セットは前半からNapoliがリード、10-7という場面もあった。ところが今度はそこからReggioCが逆転。最後はまたしてもあまりにも下手な逆転負けだった。バーバラがまた決めきれなかったのだろうか。
一つの疑問は、第4セットの終盤逃げ切られそうなとき、あるいは最終セットの終盤追い上げられたときに、フレデルスからラマスに戻すことを考えなかったのかということである。どのみち負けてもともとの試合である。負けても失うものは何もないのだから、もう一度博打を打てばよかったのだ。

しかし、集計の数字としてみた場合は、なぜフルセットまでいったのか、というくらい両チームの差は大きい。自力での得点はNapoliが16点も下回り、その分相手のミスに助けられたという試合だった。ReggioCのミスによる失点は実に36点。ベストメンバーの上位チームが本気で試合をすれば、考えられないような試合である。Napoliはバーバラの決定率が初めて30%を割るという破滅的な状態。しかも相変わらずフレデルスとセンター線との相性も今ひとつである。Napoliで一人だけ好調だったのはレト。ラマスとの相性が極度に悪いらしく、最近では途中でベンチに下がることも多かったが、この試合では決定率51%と一人気を吐いた。一方ReggioCもスパイクミスが全体に多く、その中ではフェルナンデスだけが目立った。

このチームの打開策は、セッターの使い分けにしかないということがはっきりした試合だった。レフトをコンビ攻撃で使える(オランダチームでも時折使う)フレデルスと、高さとセンターの速攻が特徴のラマス。果たしてこの二人をどのように使い分ければよいか。相手によってもどちらを起用すべきか異なるだろうし、展開によって交代すべき場面も当然出てくるはずだ。
その適性を見極めるのは、本来前半戦でやっているべきことである。もはや観念しなければならないという段階になって、このようなことをやっている場合ではない。この時期には、「勝利の方程式」(Copyright by Shigeo Nagashima)にあたるものがはっきりできていなければならないのだ。イタリア代表が抜けた間に、攻撃の頭数不足が深刻になり致命的な連敗を喫したことを考えても、ラマス正セッターを早い時期から試すべきだった。センター線の扱いがうまく高さもあるラマスは、むしろそのような時期にこそ有効だったはずである。

Champions' CupおよびCup Winners' Cupと重なるため、この節はBergamoおよびPerugiaの試合が7日に先行して行われた。7日に19節の1試合と20節の2試合が行われるという変則の日程となった。
BergamoはRavennaとの対戦で、1セットを失ったものの難なく勝利。この試合はBergamoのミスによる失点はわずか12(Ravennaは23)、Bergamoの真価が発揮された試合となった。
ModenaはFirenzeとの対戦、ストレートで快勝。フィップスとゼトバの2枚看板はこの試合も揃い踏み、どうやらプレーオフに向けて加速する段階に入ってきたようだ。
Materaの勢いもさすがにキューバの片割れのPerugiaには通用しなかった。Carmen Turleaがつぶされ、一方のPerugiaのスパイカーはそろって好調。セットカウント3-1でPerugiaが勝ち、Materaの連勝は4で止まった。
前節格下のBustoに敗れたVicenzaだが、この日はPalermoにストレートで勝った。サーブで崩されなければ、高さはあるだけにそれなりの試合はできる。ただしこの試合も、第2,3セットは中盤までPalermoにリードを許していた。

この日最も重要なのはBustoとReggio Emiliaの試合である。A1残留争いの行方を大きく左右するこの対戦は、セットカウント3-1でReggioEの勝利。ここまでReggioEは9連敗、それも後半に入ってから8試合は全く勝点を獲得していなかった。実に久しぶりの勝利である。この試合、ReggioEはアタッカーではシチリアーノ、センターではパショバの活躍が目立った。一方のBustoは、前節の勝利の立て役者となったトグットが全くの不振だった。
この試合に勝ったことで、ReggioEにもA1残留のチャンスが出てきた。Firenzeとの直接対決にReggioEが勝点3で勝てば、セット率で優位に立っているReggioEが残留の可能性は大きくなる。逆にBustoはこの敗戦でかなり苦しくなったが、Busto, ReggioEともに不振にあえぐNapoliとの対戦を残しており、情勢はなお流動的である。
逆に言えば、プレーオフに向けた戦い方を模索している段階のNapoliに、残留争いのキャスティングボートが預けられた。

この日の結果、Napoliの通常シーズンは4位か5位になることが決まった。要するに、観念するしかないということである。

Napoli2 (21-25, 27-25, 25-20, 22-25, 13-15) 3ReggioC


第21節「態度を考えざるを得ない」(3/19)

この日のBustoとの試合、正直なところ、順位はほとんど決まっているのだから、私も少々のことでは怒らないつもりだった。しかし、それでも怒らないわけにはいかない。そういう試合を平気でやるのだ。後半戦に入ってからのNapoliは。試合結果はセットカウント1-3でNapoliの負け。残留争いをさらにヒートアップさせるのに一役買っている。

この試合、レフトは最悪ではなかったが、これまでラマスと全く合っていなかった何試合かに比べればよくなった、という程度。逆にラマス起用の最大の利点だったセンター線の働きがこの試合は悪かった。ブラガリアはまずまずだったのだが、Vecerkovaは何と有効得点がマイナスという有様。そしてこの試合を間違いなくぶち壊したのはバーバラである。40打数でなんとシャット8本を食らっている。相手のブロックの本数を見ると、セッター(172cm)のロビアンコが6本、次に身長の小さいBuffonという選手が5本。要するに、低いところを抜こうとして、ことごとくシャットされたということである。本当に呆れてものも言えない。
先発セッターはフレデルスだったが、第1セット途中、おそらく逆転されたところで、ラマスに交代。第2セット以降はラマスで押し通している。第3セットあるいは第4セットで一度もフレデルスに戻さなかったのは、やはり不可解である。試合状況によってどちらのセッターを起用したらよいか、あるいは交代すべきか否か、全く見当がついていないのだろう。

ここで勝っても負けても結果自体はもうこの先にはつながらない。だからアウェーならバーバラを休ませてもよし、残留争いをやっている相手にサービスして観客を喜ばせてもいいだろう。しかし、この試合はNapoliのホームゲームである。
このような試合を見せられて、Napoliの観客は平気なのだろうか?我慢しているのだろうか?怒らないのだろうか?
怒らないとすれば、そのほうがおかしいと思う。罵声を浴びるだけですまされないはずだ。発煙筒とか爆竹とか投げつけられても何の不思議もない。そういう行動をよいというつもりはないが、最近のNapoliの試合内容からいえば、何を投げつけられても選手を弁護できない。これまでも何度か使った言葉だが、せめて地元のファンに応援してもらえるチームになってほしい。

ほかの試合のダイジェストに移ることにする。通常シーズン首位が確定してから何試合か、レギュラーメンバーを休ませ手抜き(?)の試合のあったReggio-Calabriaだが、この日はBergamo相手にベストメンバーで戦い、第1セットを落としたものの第2セット以降は余裕で3セットを連取した。決勝での対戦の可能性もある相手に、きっちり強さを見せつけた。
ModenaはPalermo相手に難なく勝利。というより、むしろなぜ1セット落としたのか不思議、という内容だった。
Materaの勢いはさすがに前節のPerugia戦で止まったようである。この日はVicenzaとの対戦で、第1,2セットを続けて落とす。第3,4セットは簡単に取り返したものの、最終セットは序盤から一方的な展開となってVicenzaの勝ち。Materaとしては、第2セットを21-18とリードしながら落としたのが痛かった。Vicenzaではメンショーワの活躍が目立った。
Perugiaも順位がほぼ確定で気が抜けたか、格下のRavenna相手にやらなくてもいいフルセットの試合をやってしまった。
さて、この日最大の注目の試合は、FirenzeとReggio Emiliaの残留を決する一戦である。第1セットはReggioEが21-12とリード。しかし、ここからシャットが相次いだのかミスが続いたのか(Firenzeのシャットはこのセット7本と多い)、このセットを26-24とFirenzeがよもやの大逆転。途中経過が間違いでなければ、Reggio-Calabria対Matera戦第4セット21-13から逆転を上回る、最悪の逆転である。これで勢いはFirenzeへ。第2セットは中盤に、第3セットは序盤からFirenzeが大きくリードを奪い、ストレートで勝利した。これでReggio Emiliaの降格は確定。しかし、Bustoも勝点3で勝ったため、FirenzeとBustoの差は1のまま、残留争いはなお予断を許さない。Firenzeは最終戦がPerugiaとの対戦のため、順当なら勝点を獲得できる可能性は低い。それに対し、BustoはMateraとの対戦。メンバー的にもそれほど力の差がなく、モチベーションがBustoのほうが高いとなれば、勝負は全くわからない。勝点で並べばBustoがセット率で上回るため残留となる。

1試合早く今シーズンのまとめに入ってしまいそうだが、これまでバーバラを応援していた立場からいうと、ワールドカップの戦いと、それ以降のNapoliの試合は、全く一続きに見えてしまう。底なし沼にはまったように沈没する一方で、よくなることが全くない。

なぜこのような状況になったのか。まずバーバラについていえば、精神面の未熟さが、目に見えて数字に見えてまともに出てしまったシーズンだと思う。本当なら、レベルの高いリーグで経験を積むことで、技術面もさることながら、精神的なたくましさ、勝負強さを身につけてほしい、と願っていた。しかし、試合を重ねるごとに精神面の弱さが目立つばかりで、残念ながら成長は全くないまま終わってしまいそうである。果たしてバーバラはイタリアのファンに応援してもらえる選手になっただろうか。少なくとも私にはそうは思えない。あちらのファンは、特に外国人選手に対する見方は厳しいはずだ。その応援にこたえる、支持を獲得できるだけの選手になる、その気持ちがあればこのような結果にはならなかったと思うのだが、非常に残念である。
そしてほかの選手には、バーバラが何とかしてくれる、そういう気持ちがどこかにあるのではないか。それだけ絶対的なエースだと思っているのではないか。しかし、ひょっとすれば世界大会よりレベルが高いかもしれないこのリーグで、それが通用するはずがない。もっと言えば、このリーグの中で、この選手にあげておけば何とかなる、などというエースは存在しないと思う。

今シーズンこの後プレーオフに入るわけだが、上位のチームとは全く勝負になるはずがない。3試合やって1セットとれれば上出来である。後半戦は勝点で見ても9位くらい、試合レポートを見ていてもやはりその程度の力である。
今シーズンに何の望みもなくなった中で、もしバーバラの応援を続けるとすれば、来シーズンに気持ちが向かうことになる。来シーズンもバーバラはこのチームでプレーするのだろうか。しかし、Napoliというチームはここ3シーズンほど、毎年のようにメンバーが全く入れ替わっている。今シーズンこれだけ不出来、特に後半だけ見れば残留争いのチームに近い成績となると、来シーズンも総入れ替えという可能性が大きい。別のチームとすればどこに行くのだろうか。これよりもっと下のチームでは、上位を狙うのはやはり難しいし、今シーズンのチームでも最大の難点となったセッターに恵まれる可能性も小さい。かといって、優勝して当たり前という戦力のチームに入るのも、これまでバーバラを見てきたファンにとっては複雑な気持ちがある。

ワールドカップが終わって以降もこれだけ情けない試合が続いているとなると、私としても態度を考えなければならない。すでにクロアチアチームの応援はやめた。先ほど、「バーバラを応援していた」と過去完了形で書いたところに注意してほしい。最終的に判断を下すのは最終予選の試合を見てからということになるだろうが、その試合の内容によっては、それよりさらに厳しい態度をとらざるを得ない。その大会でこれまでの敗戦の経験が生きていない、技術的・精神的に成長が見られないなら、チームではなく選手そのものを見捨てることも考えざるを得ない。

Napoli1 (23-25, 25-18, 21-25, 25-27) 3Busto

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最終節「無題」(3/26)

この最終節までには、降格争いを除き、プレーオフに大きく影響するような順位変動の可能性はなくなっている。ストレートの決着が5試合、セットカウント3-1が1試合。消化試合の気配が全体に極めて濃厚であった。

この日最も重要な試合は、降格争いを左右するBustoとMateraの一戦。メンバーの力としてはさほどの差はなく、Materaに一時の勢いはなくなっていただけに、勝負は微妙と思われた。しかしふたを開けてみると、ストレートの決着こそならなかったもののMateraが3-1で難なく勝利。これでBustoが降格、FirenzeはPerugiaに手も足も出なかったものの残留を果たした。
もう一つ、準決勝の前哨となる可能性も大きいと思われたModenaとBergamoの一戦は、第1セット中盤までのBergamoリードをModenaが終盤に逆転してこのセットを奪うと、第2セット以降はModenaが終始リード。終わってみればModenaのストレート勝ち。この試合は、Modenaのセンター線が完璧に仕事をこなし、ブレークチャンスでゼトバに持っていくという最も理想的な展開。ミスも極めて少なく、完璧な試合運びだった。それに対し、Bergamoは、センターエースのペレスも含めて全体に決定力不足が目立った。

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