バーバラ応援日記・ナポリ編(通常シーズン前半)

各チーム印象とスタメン予想

第1節「イタリアデビューは幸先よく」(10/10)
コパイタリア1回戦第1試合「強いのか弱いのかわからない」(10/13)
第2節「爆発する間もなく終わり」(10/17)
コパイタリア1回戦第2試合「楽すぎる1週間」(10/20)
第3節「開幕5連勝!!最高の勢いで日本へ」(10/24)

10/31〜11/14はワールドカップのためバーバラ不在
しかし、この日記は休まない!

第4節「どうやって勝ったのかわからない」(10/31)
第5節「無念の連勝ストップ」(11/7)
第6節「泥沼の試合の末に」(11/14)

第7節「快勝でナターシャの復活祝い!」(11/21)
コパイタリア準々決勝第1試合「キューバ襲来!!」(11/25)
第8節「息抜きもここまで」(11/28)
コパイタリア準々決勝第2試合「力負け」(12/1)
第9節「泥沼に片足を入れた」(12/5)
第10節「ナポリの寒く厳しい冬」(12/8)
第11節「出口が見えない」(12/12)

星取表
試合結果


各チーム印象とスタメン予想

Medinex Reggio-Calabria
ルイザ−、フェルナンデス−蘇立群(or ジョーリ)、コスタ−キリロワ
昨シーズンも準優勝、通常シーズンは1位。今シーズンは、昨シーズン優勝のBergamoの中心選手だったコスタ、フェルナンデス、キリロワを獲得。キューバの若きエースルイザと、蘇立群・ジョーリのセンターは残留。史上最強の布陣と言えよう。今シーズンのチームは、昨シーズン優勝のBergamoと昨シーズンのこのチームを足したくらいの迫力がある。優勝の大本命。

Despar Perugia
ベル−レチコ、フランシア−ラーメ、アゲロ−シュリワ
ベル・アゲロのキューバ勢を筆頭に、昨シーズンのレギュラーはほぼ全員残留。(入れ替わったのは、当初登録されていたが深刻なけがのため出場不可能のトレスに代わり増強されたフランシアのみ。)さらに鉄壁のブロックを誇るラーメ(ドイツ)を獲得。唯一の弱点と言えたブロック力の強化をはかり、より完璧な攻撃陣に。優勝に絡むことはほぼ間違いない。

Omnitel Modena
フィップス−パハーレ(or 藩文莉)、レッジェーリ−サングラード、ゼトバ−マリノバ
昨シーズンの二枚看板のフィップスとゼトバ、セッターのマリノバが残留。昨シーズンはセンター線でやや苦しんだけれども、今シーズンはセンターにレッジェーリ・サングラードが加入。センター線の不安も解消。その攻撃力はキューバのレギュラー選手をそろえたチームにも見劣りしない。

Foppapedretti Bergamo
リニエーリ−ピッチニーニ(or ソーシー)、ペレス−ガラストリ、ルイス−カッチャトーリ
昨シーズンの優勝チームだが、昨シーズンの中心メンバーのうち残留したのはルイスのみ。代わりに、リニエーリ、ピッチニーニ、ガラストリ、カッチャトーリと、イタリア代表選手が大挙加入、大型センターのペレスも獲得。センター線には安心感があり堅実なチームになりそうだが、迫力という点では昨シーズン以前に及ばないことは事実。優勝を続けられるかどうかは微妙。

ER Napoli
ミフコバ−レト、ブラガリア−?、イエリッチ−フレデルス
レギュラーメンバーは一人残らず入れ替え。チームカラー的にもアタッカーの破壊力が特色と、昨シーズンと180度方向転換。イエリッチ、ミフコバ、レトのアタッカー陣は上位チームとも遜色なく、センターのブラガリアも信頼できる。しかし、問題は、セッターのフレデルスがこの強力な攻撃陣を使いこなせるかどうかである。このメンバーで誰がまともに守備をやるのか、という疑問も残る。

Cosme Ceis Vicenza
メンショーワ−ウズノバ、グリンカ−Paola Paggi、ウェールシンク−Kamelia Malinova
昨シーズンの主力で残留したのはセンターのPaola PaggiとセッターのKamelia Malinovaだけだが、徹底した高さ重視の方針は相変わらずである。セッター対角のウェールシンクが攻撃の中心、もう一つの目玉は今後要注目のポーランドの大型センターグリンカ。レフトはメンショーワとウズノバという布陣で、上位チームと比べると非力さは否めない。

Cermagica Reggio Emilia
ベチェバ−?、Maria Chiara Remati−Michela Monari、Daniela Biamontre−Chiara Navarrini
昨シーズンのエースのうちソーシーが移籍。さらに、当初登録されていたベチェバも(おそらく深刻な故障のため)離脱。決定力不足に苦しんだ昨シーズンと比べても、攻撃力の低下は避けられそうにない。

Olimpia Teodora Ravenna
Silvia Croatto−Vania Beccaria、Cinzia Perona−Beatrice Zanotti、Natalia Bozhenova−?
戦力の変動が最も少ないのがこのチームで、セッター以外は昨シーズンとおそらく同じメンバーで戦うと思われる。目立つ(ナショナルチーム代表)のは超大型のベッカリアくらいだろうか。

Latte Lucano Matera
Carmen Turlea−Ana Paula de Tassis、クズマニッチ−Stefania Paccagnella、メロ−?
この予想はかなり自信がない。というより、このメンバーがスタメンに入ってくることはかなり確実だと思うのだが、誰がどのポジションに入るのかわからない。登録ではクズマニッチもメロもセンターになっており、セッター対角の選手がいない。
昨シーズンのエース2枚のうちレフェリンクが離脱、代わりにAna Paula de Tassisが入っている。昨シーズンは小型チームで極端なブロック力の不足に苦しんだため、クロアチアのクズマニッチ、イタリアのメロなどを入れて、大型化を図った。しかし深刻な決定力不足に苦しみ、ブロックの観点でも目立った改善は見られず、大型化の効果は上がっていない。

Marsi Palermo
アダムス(アメリカ)、ケリー(カナダ)、Ivanyuskina(ウクライナ)と、サイドアタッカーのコマは何とかそろったが・・・

Brums Volley Busto Arsizio
レフトにMargherita Okrachkova、セッター対角にトグットが入り、この二人が攻撃の中心となってスタート。セッターはイタリア代表の控えのロビアンコ。ケリーが攻守の中心だった昨シーズン以前に比べれば大幅な増強で、この両選手は決して侮れない決定力を発揮した。
しかし、シーズン途中でOkrachkovaが引き抜かれ、トグットもイタリア代表召集で長期離脱。アルゼンチンのコスタグランデだけが頼りとなり、出口の見えないトンネルに入った。

Romanelli Firenze
目立つのはキューバの控えアタッカーのサンチェスと、ブルガリアの大型センターのコストゥルコバくらいだろうか。とにかく、A1残留が第一の目標ということになるだろう。

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第1節「イタリアデビューは幸先よく」(10/10)

バーバラのイタリアでの初戦の相手はBergamo。カッチャトーリ、リニエーリ、ピッチニーニ、ガラストリと、イタリア代表メンバーがそろったチームである。一方のBergamoはバーバラとナターシャ(レト)がいる。イタリアとクロアチアの代理戦争にも近い対戦で、初戦から因縁つきまくりなのである。
とはいえ、登録メンバーを比べる限り、決してNapoliにとって容易に勝てる対戦ではない。Bergamoにミレーヤ・ルイスがいれば、サイドアタッカーでもほぼ互角である。センター線とセッターではBergamoが大きく上回る。

しかしながら、実際ふたを開けてみると、意外と楽にNapoliが勝ってしまった。昨シーズンもそうだったのである程度予想されたことだが、ルイスはまだ合流していなかった。ピッチニーニが先発しなかったのも予想外だった。そのため、ソーシーがセッター対角に入り、Ruzkovaという選手がリニエーリの対角にはいるという苦しい布陣を強いられた。そして案の定、そのRuzkovaが全くと言っていいほど決まらなかった。これなら勝たなければいけないという相手だが、それでもバーバラのセリエA1デビューを白星で飾ったのは、とにかくめでたい!もちろん、バーバラは49打数25決定とよく当たっていた。
Napoliのほうも、3枚看板の1枚であるミフコバを欠いていた。しかし、その代わりに入ったベルティーニは大活躍で勝利に貢献した。なお、ブラガリアの対角のセンターには、Michela Becerkovaという選手が入っていた。190cmを超える長身選手だが、どうやらブロッカー専任でアタックはほとんど打たないようである。ローテーション上バーバラの隣なので打つ必要がない。攻撃面ではセンターが1枚足りないことが問題だったが、そこはさすがに考えている。

ワールドカップ前のこの時期は、登録されているメンバーでもチームに合流しないことが少なくない。そのため、前もって予想したのと全く異なるメンバーで戦っているチームも多く、やはりなかなか予想通りにはいかない。
Reggio-Calabria対Perugiaは、登録メンバーがそろえば恐ろしい対戦だが、キューバ勢はワールドカップ前は来ないとあってはかなり気が抜ける。結果はReggioCがストレートで簡単に勝った。キューバのいないPerugiaは、ここまで弱かったのか。
Modenaもなぜか大エースのフィップスがいない。セッターマリノバも不出場。これでVicenza相手だと危ないような気がするのだが、結果はストレートでModenaの楽勝。
クズマニッチのいるMateraは、Firenzeとの対戦でなんと48点でストレート負け。しかもFirenzeは、スタメン予想で上げた2人ともいない、私が名前を知っている選手が一人もいなかった。お願いだからこんな相手に負けるなよ。と言いたいところだが、レフェリンクが移籍で離れた上Carmen Turleaもいないとあっては、これも無理はない。メロがリベロだったのも極めて予想外。最も苦戦が予想されたFirenzeに負けるようでは、残留が本当に危ない。

Napoli3 (25-18, 18-25, 25-16, 25-20) 1Bergamo

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コパイタリア1回戦第1試合「強いのか弱いのかよくわからない」(10/13)

トーナメント方式のカップ戦、コパイタリアの1回戦、Napoliの対戦相手はBustoである。このチームはここ2年、セリエA1とA2を行ったり来たりしている。A1に復帰した今シーズンは昨シーズン以前より大幅にアタッカーを増強している。とはいえ、Napoliにとって楽に勝たなくてはならないことに変わりはない。

しかし結果は冷や汗もののフルセットの勝利。各選手の得点しか出ていないので詳細はわからないけれども、バーバラがおそらく今ひとつだったということと、Bustoの両エース、Rita Okrachkova(正式にはMargheritaだが、やたら長いので略称のRitaで表記する)とトグットに、それぞれ24点と相当やられたという印象である。(バーバラは28点)Okrachkovaとトグットの決定力は、決して侮ることができない。現時点でのBustoの弱点は、とにかくセンター線でほとんど点が取れないことである。これでセンター線にもう1枚でも戦力が加われば、上位チームにとっても油断ならない相手になるかもしれない。(イタリアリーグでは、シーズン途中の移籍や選手加入は少しも珍しくない。)

リーグ戦の第1節は、登録選手の欠場が多く、相当に予想を外されたけれども、このコパイタリアの1回戦にいたって、キューバ選手全員とブラジルの選手の一部を除けば、ほとんど登録メンバーがそろってきた。
リーグ戦初戦にあまりにも無惨な負け方をして心配されたMateraだが、この日から大エースのCarmen Marinela Turleaが復帰。そのTurleaと、クズマニッチ、さらにAngelica Ljunquistの活躍があり、Ravennaに3-1で問題なく勝った。
やはり10日の試合で一方的に負けたVicenzaも、今度はFirenzeに逆に一方的にストレート勝ち。ウェールシンク、グリンカはまだ爆発していないけれども、ウズノバが期待以上に健闘している。
今最も危機的な状況にあるのはReggio Emiliaかもしれない。昨シーズンのエースのうちソーシーは移籍で離れ、ベチェバもチームに合流していない。ベチェバは先の欧州選手権も欠場したので、故障欠場(それもかなり重い)の可能性が高い。10日の試合では最終セット9-12とリードされながら逆転、Ravennaにかろうじて勝ったものの、この日はPalermoにストレート負け。

しかしどこのチームも、強いのか弱いのかよくわからない、という印象のこの日の試合結果だった。

Matera3 (25-21, 23-25, 25-19, 25-16) 1Ravenna
Palermo3 (25-22, 25-18, 25-23) 0Reggio Emilia
Vicenza3 (25-12, 25-17, 25-23) 0Firenze

Napoli3 (20-25, 25-13, 23-25, 26-24, 15-13) 2Busto

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第2節「爆発する間もなく終わり」(10/17)

この日は、Firenze相手に1時間かからずにストレート勝ちをおさめた。いかに楽に勝たなくてはならない相手とはいえ、この2試合快調なスタートである。第3セットは控えのセッターを先発させるなど、余裕の展開。バーバラは何とアタック打数22本。爆発する間もなく終わってしまった。
この2試合を見ていると、アタックによるブレーク得点(自チームのサーブでの得点)はバーバラよりむしろレトのほうが多い。一方、バーバラはサーブ打数がかなり多い。すると、バーバラのサーブで崩して、レトが決めている、という形がうかがえる。この推測が正しいかどうかは、個人集計が出ればもう少しはっきりするが。

Reggio-CalabriaはReggio Emilia相手に完勝。Reggio-Calabriaもキューバ勢抜きでサイドはやや迫力を欠くのだが、Reggio Emiliaは相当悲惨である。とにかく、ユーゴ(クロアチアではなくて)のジュニア代表Jelena Nikolicが出ずっぱり、アタックも守備も両方やっているという時点で、事態の深刻さは十分うかがえる。
Modenaもケーバがまだ合流しないため、アタッカーが1枚足りない。この日はレッジェーリをレフトに回したものの、慣れないポジションはやはり無理がある。キューバ抜きのPerugiaとの対戦は、結局ゼトバ対レチコの打ち合いとなった。しかしこの打ち合いなら大筋でゼトバが勝つ。第2セット以降3セット連取でModenaの勝ち。
Bergamoもルイスが合流するまでは、アタッカーの決定力が今ひとつで苦戦を強いられそうである。結局ペレスがセンターエースとして一人で稼ぎまくっている。この日のVicenzaとの対戦は、フルセットの末かろうじて勝利。Vicenzaはウェールシンクが思ったような働きをしていないのがなんとしても痛い。メンショーワ、ウズノバが大健闘だけに。この試合は、ウェールシンクがきちんと仕事をしていれば間違いなく勝てただろう。
Bustoにはイタリアの控えセッターのロビアンコがいるけれども、これまで出場の機会はあまりなかった。この日のRavenna戦、第1セットは競り合いながら、第2セットは一方的に落とした。そこにいたりようやくロビアンコ投入。これまでOkrachkovaとトグットばかり目立っていたチームが、センター線をばっちり使えるチームに変わり、第3セット以降3セット連取で逆転勝ち。この形ができてくると、上位チームにとっても侮れない相手になる。
Materaはこの日もCarmen Turleaが大活躍で、Palermoを3-1で下した。クズマニッチは今ひとつといったところで、Ljunquistのほうが出来がよかった。Palermoは、ローテーションも非常に変則(セットによって変わる)で、しかも記録を見ている限り誰がセッターなのかよくわからないという、わかりにくいことおびただしいチームである。

Napoli3 (25-18, 25-16, 25-21) 0Firenze

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コパイタリア1回戦第2試合「楽すぎる1週間」(10/20)

第1試合では格下相手に苦戦、心配させたNapoliだが、この試合はホームということもあり、Busto相手に何と46分の楽勝だった。よい形で勝つときはだいたいそうなのだが、この試合も、バーバラだけでなくレトの活躍が目立っている。

クズマニッチのMateraはこの日はストレート勝ち、Ravennaに連勝し、2回戦進出を決めた。ここ3試合のMateraを見ると、Turleaとde Tassisのエース対角、クズマニッチとLjunquistのセンター線で、上位に対抗できる戦力ではないにしても、それなりにチームの形はできあがってきたようである。
先週はどうなることかと思われたReggio Emiliaだが、ブルガリアからパショバ、ブラジルのドバルという新戦力の加入もあり、第1試合とは逆にPalermoにストレート勝ち。第1試合とあわせた対戦結果は1勝1敗で得失セットまで同じになったけれども、得点で上回るReggioEが準々決勝に進出した。しかし増強したのも2人ともセンターで、センターだらけ。
Vicenzaは順当にFirenzeにストレート勝ち。メンショーワはこの日も開幕以来の好調を持続、チームトップの16点を稼いだ。

Matera3 (25-23, 25-22, 25-21) 0Ravenna
Reggio Emilia3 (25-17, 25-16, 25-21) 0Palermo
Vicenza3 (25-19, 25-23, 25-19) 0Firenze

Napoli3 (25-23, 25-21, 25-14) 0Busto

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第3節「開幕5連勝!!最高の勢いで日本へ」(10/24)

NapoliはModenaとの対戦である。Modenaの登録メンバーが完全にそろったらとても勝ち目はない。現在は、大エースのケーバ・フィップスが合流しておらず、サイドにはやや迫力を欠く。とはいえ、これまでで対戦した中では最大の難敵であることは疑いない。

しかし、この試合、競り合ったセットが多かったものの、Napoliは3-1で勝利。3連勝で勝点も9にのばした。ここ3試合ほど、レトの活躍が非常に目立っている。この試合では50%を超える決定率で、得点もバーバラを上回る20点を叩き出した。ただし、ブレーク得点はこの試合バーバラのほうが多い。このチームはセンター線が1枚足りない。Becerkovaという選手が出場しているけれども、アタックを打つことはほとんどない。そこで、この選手をレトとバーバラではさんで、センター線がサイドアウトをとるべきところをどちらかに持っていくことになる。この日はそれがレトになって、レトがその役割をきっちり果たしたようである。レトはサーブレシーブの受数も多いためこれは重責だが、きちんとできるようなら試合は楽になる。
とにかくNapoliは、リーグ戦とコパイタリアをあわせて、開幕5連勝。バーバラとレトは最高の勢いで日本に乗り込むことができた。それにしても、クロアチアナショナルチームでもレトがここまで活躍すれば、もう一つ二つ上位が可能になる。

Vicenzaというチームは実にかみ合わない。この日のReggio-Calabriaとの対戦で、ようやくウェールシンクが爆発、グリンカも当たりが出たと思ったら、これまでチームを引っ張っていたメンショーワ、ウズノバの当たりがぱたりと止まってしまった。もつれたセットも多かったものの、3-1でReggio-Calabriaの勝ち。このチームが波に乗れないもう一つの要因は、サーブレシーブが悪いことだろう。3試合で19発のエースを被弾、これは12チーム中最悪である。昨シーズンのVicenzaは、超大型チームにもかかわらず守備の弱さはうかがえなかった。ただし、Vicenzaはこれからである。というのは、ワールドカップによるメンバーの欠けが少ないからである。まだまだ油断ならない。Reggio-Calabriaのほうは、現在はドイツのロルが入っているけれども、キューバ勢が入ってきたら完全に用なしである。このチーム、贅沢すぎる。
キューバ勢のいないPerugiaがまさかここまで弱かったとは。レチコ以外ほとんど戦力になっていない。Bergamoとの対戦でストレート負け。
PalermoとReggio Emiliaの対戦も接戦、しかし2点差で2セットをものにしたPalermoの勝ち。同じ対戦だったコパイタリアの雪辱を果たした。この試合はPalermoのサーブが炸裂、11発のエースを奪い、センター線の速攻もほぼ完全に封じた。
RavennaとMateraの対戦もコパイタリアの1回戦と同じカード。コパイタリアではMateraが2連勝、しかしこの日はRavennaのアタッカーがそろって活躍しMateraを3-1で下した。ここ3試合ほど、MateraはCarmen Turleaが当たっていたけれども、この試合では不発。するとほかのアタッカーもそろってダメ。Turleaがこけたら皆こけた、では残留もやはり危うい。
今シーズンセリエA1に復帰したチーム同士、BustoとFirenzeの対戦は、Bustoがストレート勝ち。戦力的には順当である。

Napoli3 (25-23, 22-25, 25-23, 25-20) 1Modena

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第4節「どうやって勝ったのかわからない」(10/31)

ここから3試合はワールドカップモードに突入。主力が全員抜けたNapoliはRavennaとの対戦。勝負の山となった第2セットを28-26でものにしたNapoliが、セットカウント3-1で勝利、リーグ戦の連勝をとにかく4にのばした。
Napoliはバーバラ、レト、ブラガリア、そしてベルティーニまでワールドカップで召集、一方Ravennaもベッカリアが抜けて決定力不足に拍車がかかった。両チームともまともに打てる選手がいないため、ミスで決まる場面が極めて多く、泥沼に両足を突っ込んだような試合となった。ミスによる失点は実に、Napoli28点、Ravenna33点を数えた。

極めて意外だったのは、ミフコバがリベロだったこと。確かにミフコバは、打つだけではなく、サーブレシーブもきちんとできる。97年ワールドグランプリでは、6試合ながら80%を超える効果率で部門1位の実績もある(現在では80%は大したことないと思われるかもしれないが、当時の平均効果率は実に55%にすぎない)。そして、この試合のミフコバ以外のサーブレシーブは、受数41で失点5、成功率30%にもならない惨憺たるものである。(ミフコバは受数33で成功率54%失点1)しかし、このメンバーでは、ミフコバ以外まともに打てる選手もいない。それでもミフコバをあえてリベロで起用したのは、ミフコバがちゃんとサーブレシーブをしてセンター線で点数がとれていけば、相手が相手だけに何とかなる、と考えたからのだろう。
それにしても、もう少しワールドカップ期間中を考えて戦力を整備してほしかった。まともなアタッカーもまともに守備ができる選手も誰一人いないとは。勝てる相手から勝点3をとったからよかったようなものの、ワールドカップ期間中全敗ともなったら取り返しがつかない。

Reggio-Calabriaは、エース2枚のうちトグットを欠くBusto相手に、予想外の苦戦を強いられながらも、セットカウント3-1で勝って首位をキープした。Bustoは、Okrachkova中心に、とにかくミスをせず粘り強く打ち返し、ミスによる失点はわずか10点。ラリーポイント制でこのような試合をされると、本来力のあるチームでも苦しくなる。Bustoとしては、この内容でトグットがいれば、というところだっただろう。
PerugiaはPalermoとの対戦で、1,2セットを相手のミスに助けられ連取、第3セットも中盤までリードし、連敗脱出は目の前に思われた。しかし、そこから逆転されてこのセットを落とすと、4セットも病気が乗り移ったかのようにミスを連発、そして最終セットももつれながら、3セット続けて2点差で落とした。悪夢のような敗戦で、ただ1チームいまだに勝ち星がない。
Bergamoもイタリア代表選手が全員抜けて、相当苦しい布陣。しかし、ソーシーがその穴を埋める大活躍、クズマニッチのいないMatera相手に簡単に勝った。なお、第3戦あたりからBergamoにはチェブキナが加入。この日は初めてのフル出場となった。しかし、このチームは、センター線よりもどう見てもサイドアタッカーのほうが足りないと思う。
Modenaもレッジェーリが召集、サイドアウトをとるのにもゼトバにかなり頼る苦しい状態である。しかしReggio Emiliaとの対戦で順当に3-1で勝ち、トップの2チームを追っている。
これまでチームがかみ合わずもったいない敗戦の続いたVicenzaは、Firenze相手にストレートで今シーズン初勝利。相変わらずウェールシンクよりもメンショーワの活躍が目立つ。

Napoli3 (25-15, 28-26, 13-25, 25-17) 1Ravenna

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第5節「無念の連勝ストップ」(11/7)

この日の対戦相手はVicenzaである。Napoliの戦力がそろっていれば簡単には負けないと思われるが、現在は主力が誰一人いないため、逆にとうてい勝てそうにない。そして結果は予想通りというか、ストレート負け、開幕からの連勝もストップした。
2セットデュース、全セット2点差という僅差だったことがむしろ意外である。この日はVicenzaもメンショーワ、ウズノバが極度の不振で、ウェールシンクがかろうじて当たっていた程度である。それだけに逆に悔しい敗戦となってしまったけれども、基本的には、ワールドカップ期間3週間を全く考えていないチーム構成に問題がある。ミフコバはこの日もリベロでの起用だった。

BergamoはReggio Emiliaに対し楽勝。この試合でもソーシーの活躍が目立っている。ReggioEは泥沼から脱出するきっかけは見あたらない。前節は27打数2決定、この試合は12打数1決定、それでもその選手を出し続けなければならないのは悲劇的である。
Reggio-CalabriaはいきなりRita Okrachkovaを引き抜き。ひょっとしたら、前節のBusto戦の苦戦が引き抜きを決意させたのだろうか。(時間的にそんなことがあり得るのか??)この日のRavennaとの対戦は、そのRitaとErzsebet Fesus(確かハンガリーの選手だったと思う)の二人が先発、最近打数の多かったレギュラーを休ませた。しかし、これはいくら何でもRavennaを甘く見すぎだった。Ravennaのアタッカーが奮起して2セットを先取。ReggioCは第3セットからあわててこれまでと同じメンバーに戻し、3セットを取り返した。しかし、ReggioCは余分な勝点1をやってしまった。それにしても、このチーム、一体どこからそのようなお金が出てくるのか??
Bustoはもともとセンター線が弱い上、トグットはワールドカップで召集、Okrachkovaを引き抜かれたとあっては、現時点では最も弱いチームかもしれない。前節までただ1チーム勝ち星なしのキューバ抜きPerugiaとの対戦だったが、今シーズン最も一方的な試合でPerugiaが初勝利。もちろん、後がまのアタッカーのめどがついているから放出したということも考えられるけれども、このチームがそれほどお金持ちとは思えない。
PalermoとFirenzeの対戦は、両チームにこれといった変わりはなく、Palermoが順当にストレートで勝利。
Modenaはこの日、これまで目立った働きのなかったサングラードがようやくアタックにブロックに活躍、ゼトバはあまりよくなかったものの3-1でMateraを下した。Materaもポジションを変更、メロをセンターに、Ljunquistをセッター対角に回した。Ljunquistは頑張ったもののサイドの非力さはいかんともしがたい。

Napoli0 (27-29, 24-26, 23-25) 3Vicenza

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第6節「泥沼の試合の末に」(11/14)

この日のNapoliは、低迷が続くキューバ抜きPerugiaとの対戦。両チームとも決定力のあるスパイカーがいないため、またしてもミス合戦、ミスが少ないほうが勝つといった様相の試合となった。ミスによる失点は、Napoli31点、Perugia37点という有様だった。第1,2セットはPerugiaにミスが異常に多く、Napoliが連取。特に、第2セットはNapoliの25点のうち14点がPerugiaのミスだった。しかし、第3セットは逆に、Perugiaのミスによる失点がゼロ。第4セットも終始Perugiaがリードしていたものの、Napoliも追い上げ、長い長いデュースに突入。結局、このセットもミスによる失点(Napoli14, Perugia9)の差が出て、Perugiaが連取、最終セットに突入した。しかし、最終セットはPerugiaがまたしてもミスを連発。Napoliは7点をもらい、泥沼のような試合を制した。

VicenzaはReggio Emiliaとの対戦で1セットは失ったが、問題なく勝利。しかし、Vicenzaも思った以上にアタッカーの決定力に欠けるチームなのかもしれない。この試合でもアタックミスもブロックされる割合も極端に多かった。
BergamoはFirenze相手にやや苦戦を強いられた。ワールドカップ期間もこの試合で終わりだが、この期間のBergamoはかなりソーシー次第のチームで、ソーシーに当たりが出ないと明らかに格下の相手でも手こずってしまう。
RavennaはPalermoとの対戦、前節に続きアタッカー3枚が活躍、第1,2セットを終盤の逆転で連取、その勢いで第3セットも一気にものにした。
Reggio-Calabriaは格下のMatera相手に、またも油断があったのか、第1セットは終盤までリードを許していた。それを逆転でとると、第2セット以降は終始リードしてストレート勝ち。
Modenaは全く戦力が底をついたと言えるBusto相手に、45点という今シーズン最小の失点で勝った。

早いもので、'99-00シーズンも気がついてみれば序盤の6試合を終わったことになる。この6試合は、ワールドカップの前あるいは期間中に当たり、どのチームも戦力が完全にはそろわない。この時期をうまく乗り切れるか否かで、通常シーズンの順位、さらにはプレーオフの行方も大きく変わってくる。上位が予想されるチームの中でも明暗はかなり分かれているが、Napoliは文句なくスタートダッシュに成功した部類に入る。この6試合は最高にうまくいって5勝1敗勝点15と見ていた。5勝1敗勝点14、その理想のペースから勝点1下回っただけというのは、現時点では100点満点をつけられる星と言ってよい。さらに、同じ5勝でも、Modena, Bergamo, Perugiaと、上位が予想される相手を次々とたたいており、前半戦はこの先ReggioC以外にそれほど強い相手は残っていない。

この先最大の不安材料は、ワールドカップのイタリア戦で負傷したレトの戦線離脱がどれだけ長くなるか、あるいは復帰してもどれだけ活躍できるかである。ワールドカップ前の何試合か、あるいはクロアチアチームで戦ったワールドカップでも、レトは非常によい働きをしていた。昨シーズンまでだと、肝心の所はほぼ100%バーバラに来るところ、今シーズンはバーバラとレトで半分ずつに近づいていた。

Napoli3 (25-21, 25-20, 18-25, 36-38, 15-12) 2Perugia

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第7節「快勝でナターシャの復活祝い!」(11/21)

ワールドカップ明けの初戦のこの日、Napoliの相手はPalermoである。Palermoは昨シーズンはぎりぎり残留で今シーズンもそれほど目立った増強はしていないけれども、勝てる相手からきっちり勝ち星を挙げてここまで4勝している。しかし、Napoliはこの相手も苦にせず、1セットは落としたものの問題なく勝利。ワールドカップで負傷し心配されたレトもフル出場、復帰を白星で飾った。

もちろん、ナターシャはけが上がりだけに、まだフル回転はできない。打数も少なかったし、ブレークの場面でトスが上がることはほとんどなかったようである。バーバラもワールドカップの疲労が抜けているはずもなく、ミスが多く決定率も今ひとつだった。サーブだけは走っていたが。
各チームとも、イタリア代表選手の復帰はさらに遅れるようである。Napoliでもブラガリアはまだ出場していない。しかし、Ivanova, Becerkovaの両センターがこの試合ではきっちり役割を果たした。もともと、このチームはアタッカーの破壊力は折り紙付き、センター線の非力さが問題だった。センターで簡単にサイドアウトがとれるようになれば、キューバ・ロシアの入った相手だろうと簡単に負けはしない。

BergamoとBustoの対戦は、両チームとも泥沼に両足を突っ込んだ。Bustoはめぼしいアタッカーといえばワールドカップ帰りのコスタグランデ(アルゼンチン)のみ、一方Bergamoもソーシーが力尽きアタック1得点のみの絶不振。結果自体は、ペレスとこれまであまりいいところがなかったRuzkovaの活躍で、Bergamoがストレート勝ち。
この日最も注目される対戦がReggio-Calabria対Modenaである。Modenaは第1セットを簡単にとり、第2セットも終盤までリードしていた。しかしこれを終盤に逆転され、2点差で落とす。第3セットは中盤以降ReggioCのリードで推移していたところModenaが追いつきながら、30-28までもつれてReggioCが逃げ切る。第4セットは中盤までにReggioCが大量リード、Modenaが終盤猛追したもののこのセットも2点差で逃げ切られた。Modenaにとっては何ともつらい1敗となった。
Ravennaもエース不在で苦しい戦いが続く。この日のFirenzeとの対戦で、2点差で2セット続けて落とし、それで気落ちしたのか、第3セットは一方的にとられて敗戦。A1残留争いもかなり混沌としてきた。ここ2シーズン、一部のお金持ちのチームとそうでないチームの差が開く一方のように感じられて、このままでよいのかどうかと疑問に思われる。
戦力的には上位が期待されながら出遅れた両チーム、PerugiaとVicenzaの対戦は、Perugiaが終盤追い上げられながら1,2セットを連取する。第3セットは28-28までもつれながらVicenzaが制し、第4セットも終始リードでVicenza、最終セットに突入。最終セットも18-18までもつれる今シーズン最大の激戦となった。結果はPerugiaの勝ち。今後上位をうかがうとおぼしき両チームが星の潰し合いをやってくれたわけで、うまくスタートを切れた上位チームから見れば最良の結果と言える。
Materaは決定力不足のどん底に苦しむReggio Emilia相手に久しぶりの勝利。クズマニッチも復帰初戦を白星で祝った。この試合はクズマニッチの対角のセンターにメロが入った。サイドの決定力不足は相変わらず深刻だが、センター線がきっちり仕事ができたため比較的楽な展開になった。

Napoli3 (25-22, 25-12, 23-25, 25-20) 1Palermo

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コパイタリア準々決勝第1試合「キューバ襲来!!」(11/25)

ワールドカップが終わって以来、最大の関心となっていたのは、キューバ勢(イタリア・ブラジルなども)がいつ合流するのかということ。そしてこのコパイタリアの準々決勝で、ついにキューバ勢が各チームに合流、シーズンもいよいよ本番となった。

Napoliの相手はキューバの片割れであるPerugia。Perugiaのキューバトリオ、アゲロ、ベル、フランシア(当初はトレスが登録されていたが、「選手生命も危機にある」という深刻な故障のため、代わりにフランシアがきたようだ)は、この試合からフル回転。一方Napoliは、レトがまだ万全ではないようである。ブラガリアも合流しておらず、センター線は格上相手にはやはり通用しない。かくして、バーバラにボールが集中するという苦しい展開となった。クロアチアチームと違い下らないミスは(たぶん)ないので、何とか試合にはなるけれども、これでは勝てない。フルセットの末敗れた。
前節は怪気炎を上げすぎた。(ワールドカップでクロアチアにひどい試合ばかり見せられたので、やけが入っていた。)やはりこのチームではキューバ相手は難しい。戦力がそろう前に勝っておいて本当によかった。

Reggio-Calabriaにも、コスタ、ルイザが合流。しかしこちらはまだ得点が少なく、試運転程度だったようである。一方、Materaはクズマニッチ・メロのセンター線と対角に回ったLjunquistのトリプルタワーが大活躍、ReggioCを大いに苦しめた。フルセット16-16まで試合はもつれたが、最後は地力に勝るReggioCが勝利。
イタリア代表選手はいまだにチームに復帰しない。イタリア代表を欠くBergamoは21日のリーグ戦でも泥沼の試合をやってしまったが、この日は決定力不足のどん底にあるはずのReggio Emiliaによもやのストレート負け。
ModenaはVicenza相手に、2セットダウンからの3セット連取という逆転でかろうじて勝利をものにした。Vicenzaもゼトバとパハーレにボールが集まり、苦しい展開だったと思われるけれども、この試合ではパハーレの活躍が目立った。

Napoli2 (25-21, 18-25, 25-27, 25-21, 10-15) 3Perugia

ReggioC3 (25-18, 23-25, 25-21, 22-25, 18-16) 2Matera
ReggioE3 (25-21, 25-19, 26-24) 0Bergamo
Modena3 (21-25, 24-26, 25-22, 25-19, 15-11) 2Vicenza

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第8節「息抜きもここまで」(11/28)

Napoliのこの日の対戦相手はクズマニッチのいるMateraである。今後上位を狙うためには、確実に勝点3をとらなければならない相手である。

結果を見れば、順当にNapoliがストレートで勝った。しかし、その内容はお寒いもので、今後に極めて不安の残る試合となってしまった。サーブミスが異常に多く自ら首を絞めた。スパイク決定率も全体に低く、特にバーバラは40%を切れる非常事態である。第2セットは、途中16-5Materaリードという、信じられないような流れになっていた。そこから一気に追い上げて逆転した。あえて明るい材料を見出すなら、センター線がスパイク・ブロックの両面で活躍したことと、レトに復調の兆しが見えることか。なお、この試合、ミフコバはリベロでなく、途中からエースとして出場した。来週の強豪との対戦に向けて、ミフコバの攻撃力を捨てるのは得策でない(センターも頼りにならない現状ではなおさら)、とようやく考え方を変えたようである。あえて言えば、これをワールドカップ期間中のVicenza戦でやってほしかった。どのみち、正攻法でいっても戦力的に勝てる相手でなかったのだから。ダメもとで博打に出ればよかったのだ。
ワールドカップ後の息抜きもこの試合までである。コパイタリアの準々決勝のPerugia戦、そして来週のReggio-Calabriaとの決戦に向けて、気持ちを引き締めてもらわなければ困る。

イタリア代表の復帰が遅れに遅れ、戦力的には苦しい状況が続くBergamo。それでも取りこぼしが許されない相手からはきっちり勝点3をとるあたりはさすがである。この試合では、ペレスとチェブキナのセンター線がスパイク・ブロック・サーブの全てで活躍し、デュースに突入した第4セットを奪って3-1でPalermoを下した。
Reggio-Calabriaは、ルイザ・コスタ・フェルナンデスのキューバトリオが本格始動。いよいよ史上最強の布陣が整ってきた。Firenzeにもキューバからサンチェスが増強されているけれども、戦力の差はそれでも大きすぎる。
ModenaもRavenna相手に完勝。この試合、ゼトバが63%・パハーレが67%という猛烈な決定率で、これなら楽に勝てるのも当然である。
Okrachkova引き抜き以来1セットもとれていないBustoは、コスタグランデがただ一人のエースとしてVicenzaに食らいついた。この試合、コスタグランデは54打数27決定という立派なエースぶりで、その活躍もあって、チームは4試合ぶりにセットを奪った。しかし、その奮闘もむなしく、最終セットを28-30で落とし、セットカウント1-3で敗戦。Bustoはこれで5試合続けて勝点を上げていない。Vicenzaも戦力層がそれほど厚いチームではない。(セリエA全体として、少数精鋭のチームが多く、主力を国際大会などでとられるとチームにならないチームもよくある。)Paggiがいまだに復帰しないため、どうしても1枚足りない。この試合では、本来セッターのMalinovaをエースやセンターのポジションに持っていくという苦肉の策を試みていた。
さて、この日最大の「事件」は、Perugiaがフルセットの末Reggio Emiliaに敗れたことである。先週までの両チームの戦力からすれば、あまりにも考えられない結果である。この試合、第2セット以降PerugiaのアタッカーがことごとくReggioEのブロックにかかり、ReggioEのブロック得点は実に24点に達した。アタックではDaniela Biamonteが活躍した。レマーティのフル出場も目新しい。以前から目立ったアタッカーのいないReggioEにおいて、速攻の決定率も極めて高くブロックも多い大型センターレマーティの存在は大きかった。しかし、故障があるのだろうか、今シーズンはこれまでフル出場はほとんどなかった。レマーティがフル出場できるとすれば、ReggioEにとっては明るい材料である。

Napoli3 (25-19, 26-24, 25-16) 0Matera

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コパイタリア準々決勝第2試合「力負け」(12/1)

この日はコパイタリア準々決勝、キューバ勢が大挙加入した難敵Perugiaとの対戦である。結果だけを言えば、フルセットでNapoliの勝利。2試合トータルの結果は1勝1敗で得失セットまで並んだものの、得点がPerugiaのほうが多いため、Napoliは準決勝・決勝進出はならなかった。

しかし、内容的には、いったいどうやって勝ったのだ、というくらい、Perugiaにおされていた試合である。Napoliのほうがスパイクミスも多く、ブロックに至ってはPerugiaが5本も上回る。バーバラはこの試合も決定率40%を切る不振。スパイク66本と打ちまくりながら、ブレークは6点のみ。これでは流れに乗れないのも当然である。レトが最終セットでベンチに下がったのも気がかりである。
しかしこの試合、センター線の決定率は2人とも50%を超えている。さらに、レトも決定率57%という驚異的なパフォーマンスだった。どうしてバーバラと心中みたいなまねをしたのか?相手はバーバラに的を絞ってくるに決まっている。当たっている選手をもっと有効に使って、相手のマークをかわしていけば、別の展開ができただろう。このあたりのトス回しにも、大いに疑問が残る。
Napoliはセッターのフレデルスを除けば大型の選手がそろったチームである。それにもかかわらず、ブロックが非常に少ないことが新たな問題として浮上しつつある。11/28のリーグ戦で、ReggioEがPerugiaから大金星を上げた試合と比べてみると、対照的である。

Reggio-CalabriaはMateraを順当にストレートで下した。しかし、それでも意外と点差がついていない。チーム全体としてはそれほど調子はよくなかったようで、コスタとフェルナンデスが打ちまくって何とかねじ伏せたようである。
Bergamoは有力なサイドアタッカーは一人もいない状態、苦戦が続く。この試合はペレスがセンターエースとして大活躍、セットカウント3-1で勝った。しかし、第1試合はストレートで敗れていたため、結果はよもやの準々決勝敗退。それにしても、どうしてあれほどまともなアタッカーのいないReggio Emiliaが準決勝に進むか?
Modenaは第1試合に続き2セットダウンの後3セット連取、しかも第1試合以上に危うい内容での進出となった。Vicenzaはこの試合、Sekulicとグリンカがそれぞれ19得点の活躍。この2人に加えて、メンショーワ、ウズノバ、ウェールシンクの誰か一人でも好調なら、この試合も勝てただろう。やはりどうにも惜しい敗戦が多いように思われる。

Napoli3 (25-19, 19-25, 25-22, 19-25, 15-13) 2Perugia

ReggioC3 (28-26, 25-22, 25-17) 0Matera
Bergamo3 (27-25, 25-16, 23-25, 25-13) 1ReggioE
Modena3 (22-25, 23-25, 25-23, 25-21, 16-14) 2Vicenza

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第9節「泥沼に片足を入れた」(12/5)

この日のNapoliはReggio-Calabriaとの対戦である。ReggioCは、登録されていた選手のうちディアスは通常シーズン中は来ない(ブラジルにいる)ことは判明している(登録だけしても交渉はうまくいかなかったのか、プレーオフに来る当てがあるのかどうかはわからない。しかし、ディアスとの交渉が不調に終わったから代わりにOkrachkovaを買ったというのは、説明としては合理的である。)。それでもここまで無敗、失った勝点はRavennaを甘く見すぎたボーンヘッドによる1点のみ。優勝最大本命であることに変わりはない。
要するに、最も負ける可能性が高い相手ということだが、結果は予想されたとおり、セットカウント3-1で敗れた。

問題は結果よりも内容である。1日のコパイタリアの試合で故障を再発したらしいレトは、この試合はベンチ入りさえせず。ミフコバも効かない(だからミフコバでなくベルティーニをイタリアチームに召集したのだろうが。)。ミフコバの対角のエースはもっと力がない。だから、フレデルスとしても、バーバラしかボールを上げるところがない。しかしそのバーバラの調子も戻らない。3試合続けて決定率は40%を割り込んでいる。スパイクミスも極めて多い。これではまるでレトのいないクロアチアチームである。バーバラの力が落ちているだけもっと悪い。
ワールドカップは15日間で11試合という極めて厳しい大会である。体力的には当然上の男子の選手、それも1試合平均スパイク35本(総得点20点)程度でも、大会10試合目あたりでは見るからに力が落ちていた。それをはるかに上回る15日間317得点というのは、女子選手の限界を超えているかもしれない。そして、イタリアに戻った後も週2試合の日程である(年内いっぱい週2試合のペースが続く)。

この試合、センターのIvanovaとブラガリアを何度か交代させたり、あるいは第4セットはブラガリアをレフト(ミフコバの対角)で先発させたりした。セッターもどのセットもフレデルスとラマス(アルゼンチンのセッター)の交代があった。しかし、Ivanovaを交代させたのも失敗、ブラガリアの急造レフトもこの相手に通用するはずもない。このあたりの采配がことごとく裏目に出ていることも、大きな不安材料である。

ReggioCも決して出来のよい試合だったとは言えない。ルイザ・フェルナンデスがなんと決定率3割台、まともに決まっていたのはコスタだけである。Napoliのメンバーもそろってきちんとした試合をすれば、十分に勝てたはずの相手である。

星勘定としては狂ったわけではないが、とにかくNapoliのチーム状態は相当深刻である。

Bergamoはソーシーが久しぶりに復調、ペレス・チェブキナのセンター線も活躍し、Ravennaを難なく下した。
Modenaは結果としてはFirenzeに順当に勝ったものの、点数で見ると2セット連続デュースと、予想外の苦戦だった。Firenzeのアタッカーの活躍に比べて、Modenaは藩とゼトバがなかなか決まらなかった。特に第2セットは苦しみ、サービスエース5発で何とか逃げ切った。
勝点0で5連敗のBustoは、やはり苦戦が続くReggio Emiliaとの対戦。試合はフルセットに突入、最終セットはReggioEが終盤まで2〜3点のリードを保っていた。それを土壇場でBustoが逆転。スパイク打数79本、サーブ受数44本、コスタグランデが攻守にわたり大車輪の活躍で、ついに連敗を5で止めた。しかし、ReggioEも決定力は極度に欠けるものの、大型選手が多くレマーティ復帰もあり、ブロックは極めて多い。この試合もブロックは20本に達した。Napoliの現状からすれば、決して簡単に勝てる相手ではない。
PerugiaとMateraの試合、Materaはメロが抜けており、スパイク決定率21%という惨状だった。それでも点差が思ったより開かなかったのは、Perugiaもスパイクミスとサーブミスを連発し3セットで24点を献上したためだった。
ここ3試合内容の悪い負けが続いていたPalermoだが、この試合は久しぶりにサーブが走りに走りVicenzaを苦しめた。サーブレシーブの悪いグリンカを狙い打ち、5セットでPalermoのエースは実に14発。しかし、試合は1,2セットと一方的にPalermoが奪いながら、第3セット以降3セット連続Vicenzaが2点差でとった。Palermoは第3セット以降スパイクミスが増え、完全に勝てる勢いの試合を落としてしまった。

プレーオフを視野に入れた場合、Napoliとして絶対に避けなければならないシナリオは、準々決勝でPerugiaとの対戦である。本来の力からいえば、通常シーズン4位以内を確保すればPerugiaとの対戦はないはずだった。しかし、Perugiaが予想外に出遅れているため、果たしてPerugiaの通常シーズン順位が何位になるのか、すなわち通常シーズン何位のチームがPerugiaとの対戦となるのか、定かでない。最も理想的なのは、通常シーズン2位につけることである。しかし、そのためにはこの先全勝に近いペースが要求される。それは不可能である。
ここで勝点1でもとっておけば、この先の見通しの開け方が全然違ってくるのだが。

Napoli1 (23-25, 16-25, 27-25, 27-29) 3ReggioC

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第10節「ナポリの寒く厳しい冬」(12/8)

この日はBustoとの対戦である。コパイタリアで対戦した頃はOkrachkova・トグットの両エースが踏ん張り決して侮れない相手だったが、現在では当時ほとんど出番もなかったコスタグランデ一人が頼りのチーム。もちろん絶対に取りこぼしは許されない。

しかしNapoliはこの日も、寒い試合を続けた。これまで以上に寒いかもしれない。それほどサーブが強い相手でもないのに、何とエース10発を許した。この試合ではセンター線も全くダメで、ブロックも極端に少ない。第1セットはミフコバが先発、しかし決まらなかったため、このセット途中で早くもブラガリアと交代、第2セット以降もブラガリアをレフトで使い続けた。しかしそれも思うように決まらない。Napoli唯一の明るい材料といえば、バーバラの決定率57%と久しぶりに当たりが戻ってきたことである。それも、この程度の相手なら、本当はミスをもっと少なくしなければならない。大筋でコスタグランデが打ってくることがわかっていて、しかもそれほど決められたわけでもないのに、点数としては非常に苦しんでいる。第1セットはスパイク・サーブ・そのほかミスを連発し、終盤まで3〜4点のリードを許していた。それを最後の最後で追いついて、28-26の逆転でとった。このセットを落としていれば、おそらくずるずるストレートで負けただろう。
もちろん、レトの欠場がこのチームに大きく影を落としていることは確かだが、それを考慮してもあまりにも寒い内容である。これでは次のReggio Emilia戦の勝利もおぼつかない。結果だけ見れば、勝点3を確保、最低限必要な結果だけは出したわけだが。

Reggio-CalabriaはBergamo相手に、第1セット終盤までリードしながら、ミスが多くこのセットを逆転されてしまった。しかし、第2セット以降は立て直し3セット連取、順当に勝ち全勝を守っている。この試合はルイザの対角にOkrachkovaが入り、引き抜き以来初めて目立った活躍を見せた。
ModenaはPalermo相手に完勝。順位も2位に浮上した。
PerugiaはRavennaとの対戦で、1セットを奪われたもののこちらも順当に勝った。
Reggio EmiliaはFirenze相手に、今シーズン初の勝点3での勝利をあげた。やはりレマーティの復帰以来、チーム状況はかなりよくなっているようである。この試合では、エースで先発だったドバルが決まらなかったため第1セット早々に交代した。その交代したエースが大活躍、選手起用が大当たりとなった。

今節の番狂わせは、ReggioEと並び決定力不足に苦しんでいたMateraがVicenzaをストレートで下したことである。Turleaとde Tassisの両エースがいずれも決定率5割を超える活躍、クズマニッチもきっちり仕事を果たした。第1,2セットは終盤追い上げられたものの、終始Materaがリードを保った。
前節の記事でも書いたとおり、プレーオフを見据えたとき、最大の不確定要因は、Perugiaが通常シーズン何位になるかだった。しかし、このVicenzaの敗戦により、この問題にかなり見通しがついてきた。現時点でVicenzaとPerugiaは勝点2差に迫っており、逆転は濃厚である。とすれば、Perugiaの通常シーズンはおそらく5位以内となる。したがって、通常シーズン3位以内に入れば、Perugiaとの準々決勝での対戦はほぼ確実に避けられるということである。
Napoliにとって、通常シーズン3位以内のために最も重要な対戦は、後半の初戦、第12節のBergamo戦である。年内は週2試合の日程であり、この試合ももうすぐやってくる。しかし、それ以前にReggioEとの対戦を心配しなければならないのが現状だが。

Napoli3 (28-26, 25-21, 19-25, 25-22) 1Busto

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第11節「出口が見えない」(12/12)

前半戦最後のこの日はReggio Emiliaとの対戦である。Reggio Emiliaは目立ったアタッカーがおらず、一時期はどん底に落ち込んだが、ブロックが増えてきたことから浮上のきっかけをつかんでいる。

そして案の定、この試合も、Napoliの攻撃がブロックにつかまり苦戦を強いられた。第1,4セットを2点差で落とし、試合は最終セットに突入。このセットはミフコバに代えてDel Coreを先発したのも成功、打ちまくって何とかとったものの、ホームゲームで痛恨の結果となった。ここで落とした勝点1が、後々の順位争いで響いてくる可能性は、決して小さくない。
レトは復帰したけれども、やはりまだ万全ではないのか、スパイクが決まらない。センター線を使ってもブロックされる場面が非常に多い。これも以前指摘したことだが、ブロックも極端に少ない。第1セット、第4セットとも、もう2本くらいシャットが出ていればとれるセットである。複雑な迷路に迷い込んだように出口が見つからない。この試合、バーバラはイタリアにきてから最多の37点18ブレークに達した。この相手でここまでバーバラに頼らないと勝てないとは、極めて深刻である。

Napoliの前半戦は、9勝2敗勝点25で3位。予想を大きく上回る成績で、結果だけ見れば万歳してもいいくらいである。しかし、満足感は全くない。まともに勝ったという試合が少なく、あまりにも内容の悪い試合が多すぎる。何とかぎりぎりでかわしてきた、という印象だけが残った。

Reggio-CalabriaはPalermoに難なくストレート勝ち、全勝で前半戦を折り返した。2位とは勝点5差に開いており、通常シーズン首位はほぼ確定的と言える。この連勝を止められそうなチームは今のところ見あたらない。
Modenaもイタリア代表を欠くBergamoに順当勝ち、2位で折り返しとした。この試合、ゼトバは決定率27%と苦しんだが、それでも藩・パハーレなどの活躍で勝てるのだからやはり強い。
MateraはBustoにセットカウント3-1で勝ち、前半戦の最後に連勝して折り返した。第3セットは終盤まで5点ほどリードしながらそれを追いつかれたが、もつれたこのセットを34-32でとって、Bustoを振り切った。この試合でもTurleaが好調を持続、クズマニッチ・Ljunquistのツインタワーも役割を果たした。Bustoはワールドカップ帰り以来打ちまくっているコスタグランデが決定率28%まで落ち込み、前節に続き惜しい敗戦となった。
PerugiaはFirenze相手に問題なくストレートで勝った。Vicenzaを抜いて5位に浮上、ようやく追い上げに入ってきたが、遅すぎたという印象は否めない。
Vicenzaはアタッカーがそろって極度の不振にあえぎ、前節のMatera戦に続きRavennaにも敗戦。上位進出は絶望的になってきた。

さて、A1残留争いは、一時は下位の5,6チーム全てを巻き込むのではないかと思われたが、こちらも前半戦が終わってみるとやや見通しが立ってきた。この時点で勝点12をとっているPalermo, Matera, Ravennaは、降格の危険はかなり低くなってきた。

Napoli3 (23-25, 25-21, 25-15, 23-25, 15-12) 2ReggioE

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