行政書士・記述式対策

注意 平成18年度試験から、記述式は40字程度で記述するものが出題されています。

センターHP参照

記述式に対する考え方

●平成12年は予備校にも正解を出せない問題が出題される!●

絶対に落とせない問題を確実に得点

平成12年初めて、行政書士試験において記述式が導入されたわけですが、配点は法令択一1問2点に対して、記述式は1問6点でした。回答にかかる時間が択一の1問と比較して3倍かかるわけではないのですが、得点では3倍あるわけです。当然、受験生にとっては非常に気になるところです。

平成12年の試験問題を見ると、問39の行政書士法及び施行規則の目的を答えさせる問題のように、何をもって正解とするのか試験終了後もわからず、ほとんど全ての予備校が正解を出せませんでした。
択一の問題にも同じことが言えるのですが、最初から大半の受験生を不正解にさせようと作られている問題が、この記述式にもあると考えられます。

本試験では、全問正解を目指すのではなく、5割から6割の正解を目指すという気持ちで望んでかまわないと思います。
しかしながら、この5割から6割を目指すためには、問36の憲法「職業選択の自由」、問38の行政法「行政の種類」「行政指導」は絶対に落とせない問題です。この絶対に落とせない問題をいかに正解するかが、記述式対策の最も重要なことではないでしょうか。

●平成13年・14年は、記述の得点が合否の分れ目に!●

5問中4問の正解も可能に!

私が受験した平成12年は、正直、この記述式は得点源ではありませんでした。半分できればよしという雰囲気だったのも事実です。しかし、平成13年・14年の高得点者の方の得点内容をみると、法令の得点で記述の割合が非常に高くなっています。

出題内容も、平成12年に見られたような、何をもって正解とするのかわからない、あるいは、条文の言葉ではなく判例の中の言葉や法律用語を書かせるような問題は消え、条文の穴埋め式のようなものが多用されてきています。
今後は、より条文の正確な知識が要求され、法令択一で点が伸びない分を記述式で取り返すくらいの気持ちが必要だと思われます。そして、記述の得点内容が大きく合否を左右するまでになってきたようです。

そのために、六法を継続反復して読み込むことが、ますます大切になってきました。
そして、実際に書くという作業を怠ることは決して許されなくなっています。
漢字の誤りで多くの受験生が涙を飲んでいることも忘れないで下さい。

●平成15年は地方自治法が出題される。解答のさいに深呼吸。●

5問中3問を死守。

平成15年の記述式は、前2年と比較すると数段と難しくなりました。
合格者のコメントにも「記述式に助けられました」との投稿はありませんでした。

問36の憲法の英語表記。問37の地方自治法の出題。これには相当面食らった人もいると思います。
問36の憲法の「権」については冷静に考えて、あとから「権」だと言われれば、「あ〜なるほど!」と思った人も多いでしょうが、本試験当日だとそうもいかなかったかもしれません。
そもそも、全体の試験問題が前年と比べて10ページも増えていましたので、択一式で、それだけ長文の肢を吟味して記述に到達してきています。あせりと緊張もピークだったでしょう。
特に問37の地方自治法は意味不明・・と思った人が多いでしょう。
問36、問37は失点やむなしだったのかもしれません。

反面、問38.問39、問40は比較的点をとりやすかったと思います。いずれも基本事項でした。
今後も、この傾向が続くとしたならば、択一式と同様、記述式でも、満点ではなく6割死守と考えて、知らない問題が出ても、深呼吸をして、冷静に、わかるところを確実に解答することが必要だと言えます。

●平成16年は行政書士法が記述式に出ない。得点源を失う。●

難易度は前年並み。

平成16年の記述式は、難易度としては前年度並でしょうか。
ただこれまで得点源であった行政書士法が出題されておらず、皆さんから頂いた合格体験記を読んでも満点を取れた人はいなかったようです。
憲法の問題が例年だとA、B二つ解答する箇所があり、最低でも3点死守だったのに、今回は1箇所でした。
言葉も「会期」を書かせる問題で、かゆいとこに手が届かない?といった感じで思い出せない人がいたかもしれません。
また、問37の行政法はお手上げという人も多かったと思います。ここは失点やむなしですね。
平成15年、16年と、やや採点方法が甘いと感ずるものもあります。
平成15年の場合、問39で「業務の停止」を正解としているところ。
平成16年では、問40のBを「不完全履行」で正解としているところです。
厳密に言うと誤りではないかと思うのですが、合格率が低かったため調整したのかと勘ぐりたくもなります。

いずれにせよ18点〜24点を取っている人が合格しており、最低5問中3問は正解したいです。
民法の瑕疵担保責任のように問題文に「瑕疵」の文言があり助かったと言う人も多いでしょうが、日頃から漢字で書く訓練が大切だと思いました。
また、民法は権利名を書かせる問題が続いているので今後も要注意です。

●平成17年は、過去最高の難易度。お手上げ?●

言葉を失うぐらい難しい。

平成17年の記述式は、一体何なんでしょうか。
試験当日、解答用紙を見たとき、○○○○の法理とあったので非常に嫌な予感がしましたが、問題を見て唖然としました。
私のように試験合格から5年経過している人間でも、そういえばあれ何だったけ?とか、それ、どこかで勉強したことあったよなぐらいのものは直感的にわかります。(正解できるというわけではない)。
それでも平成17年の問題は、後から解答を教えてもらっても、はて?それを書かせるのか!!!と言うぐらい愕然としました。
問36憲法での「二重の基準」とか「明白かつ現在の危険 」。確かに判例の解説や、過去問題集や予想問題集の解説の中でも触れられているでしょう。しかし、これを5問しかない記述式の問題で出題されては、たまったもんじゃないという感じです。司法試験の勉強をしている人や、問題集の解説等を非常に丁寧に読み、理解している人は得点できたのかもしれませんね。
記述式で、失点やむなしと言う問題が含まれるのは仕方ないとして、次の問37、問38と、これまた憲法の問題と同様、法律用語というよりは学問上の言葉、あるいは学説上の言葉を書かせるもので、泣きそうになった人もいるのではないでしょうか。
その次の問39で、ようやく「役割分担 」「自治事務」を解答できたという感じかもしれません。(これとて、難しい)
結局5問の記述式問題で、最後の民法だけが基本の基本で簡単な出題という、どうみてもバランスの悪い出題だったと思います。
しかしながら、だからといって愚痴だけこぼしても始まりません。
今後の対策として、今考えられるのは、ある条文あるいは判例があるとする、原則は何が例外は何か、例外の例外は何かと丁寧に勉強することはもちろんのこと、では、それを何と呼ぶかまで勉強しなくてはならないと考えられます。
単に、権利の名前を覚えたり、条文の言葉を暗記するだけでは太刀打ちできない出題になってきていると言えますね。
これを書きながら溜息がでそうです。(泣)

●平成18年、新試験制度第1回目の出題●

請求権の名称を書かせる問題から「要件」を書かせる問題に変更

平成18年の記述式から40字程度で記述する方式となりました。
事前に公表されていたこととはいえ、何問出題されるのか、どの程度の内容を問われるのか、どの科目から出題されるのか、全くわからない状態での受験となりまりした。
結局、平成18年の試験では、行政法から1問、民法から2問の合計3問でした。
出題数が少ないと言うことは、一見楽に見えるかもしれませんが、配点の高い問題の出題数が少ないと言うことは、合格得点を獲得するためには、記述式が、かなりのポイントを占めることとなります。記述式で得点できなければ、合格ライン突破は、かなり厳しいと言うことです。択一式が1問4点に対して、記述式は5倍の20点もあるわけですから。
既に行政書士試験受験から6年も遠ざかっている私のコメントなので、全く参考にはならないとは思いますが、問題を見て思ったことは、問45の民法だけは、しっかり20点を獲得したかった問題ではないかと思います。
契約履行前に・手付金を放棄、この二つのキーワードさえ入っていれば、満点の20点は取れたと思います。
問44、問46は、普段から問題集の解答解説をよく読んで、それぞれの問題の要件を正確に理解し、表現できる方だけが正解できなのでしょう。慣れていないと、かなり難しいと思いましたね。(泣)
記述式の解答方法が変更になったことにより、これまでの請求権そのものの名称を解答させる問題から、ある請求権を実行しようとする場合、その請求を満たすためには、どのような「要件」が必要なのかを、丁寧に勉強していくしか打開策はないと思われます。

●平成19年、行政法1問、民法2問で定着?●

なんと、3問とも条文そのままの出題。日頃の学習で六法との付き合い方で差が出る。

今回の記述式試験は全て条文の文言を書かせる問題でした。
そして前年同様、行政法から1問、民法から2問の出題で憲法からの出題はありませんでした。

問44は必ず得点したかった問題です。
ここで得点できなかった人は、かなり苦しかったと思います。
問45と問46は、大きなくくりで言えば、不法行為に基づく損害賠償と債務不履行に基づく損害賠償の違いを問いたかったのでしょうか。
民法720条はノーマークでしたでしょうから失点やむなしだと思いますが、問46の金銭債務の特測は、ここは何とか得点して欲しかった問題だと思います。
全て3問とも条文そのものの出題というのが今後も続くとは思えませんが、日頃の学習から六法をいかに大切にしなければならないかということを思い知らせたような記述式の問題でした。
それゆえ、3度目とか4度目の受験、あるいは司法試験や司法書士試験の受験勉強を併せてされている方にはとっては、比較的簡単であったという印象をもたれている人が多いと感じました。

いずれにせよ、40字以内で書かせる記述式問題が3問。
受験生のレベル差が非常にはっきりと出る出題形式といえます。
択一の勉強をしているときから、必ず六法で該当条文を確認するという丁寧が学習が望まれます。

おさらいとして、今回の出題分の該当条文を下記に記載します。

問44
行政手続法

(申請に対する審査、応答)
第七条  行政庁は、申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならず、かつ、申請書の記載事項に不備がないこと、申請書に必要な書類が添付されていること、申請をすることができる期間内にされたものであることその他の法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については、速やかに、申請をした者(以下「申請者」という。)に対し相当の期間を定めて当該申請の補正を求め、又は当該申請により求められた許認可等を拒否しなければならない。

問45
民法第七百二十条
(正当防衛及び緊急避難)
 他人の不法行為に対し、自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の責任を負わない。ただし、被害者から不法行為をした者に対する損害賠償の請求を妨げない。

問46
(金銭債務の特則)
民法第四百十九条  金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。
2  前項の損害賠償については、債権者は、損害の証明をすることを要しない。
3  第一項の損害賠償については、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。

●平成20年以降●

行政書士受験から、かなり遠のき、問題文を見て分析・解説できるほどの能力がなくなってしまいました。(汗)
いい加減なことは書きたくないので、以後については書けません。大変申し訳ありません。

 

具体的な学習方法

●択一と記述式を分離して学習しない●

択一の学習をしている時に、既に記述式対策は始まっている

私は、平成12年の試験において特別な記述式対策を取っていないと言うのが正直なところです。
全くの初めての出題で、誰にもわからないことだったので、対策を取りようがなかっというのが本音です。
大栄の電車で覚えるシリーズを、仕事の合間にパラパラと読んだりもしましたが、これで実力がついたのか、この結果5割を確保できたのかは、わかりません。
この点は、今年受験される皆さんも同じことが言えるのではないでしょうか。

私が、記述式対策に最も有効な学習方法と考えているのは、択一と記述式を分離して学習せず、択一を勉強しているときから、常に記述式を意識することだと考えています。

●択一の解答を○×のみではなく、書いて答える●

択一でも書くクセをつけ、あやふやな解答をなくす

本試験では、普段の学習時とは違い、緊張や廻りの雰囲気の影響で、あやふやな知識では、正解の言葉がその場では頭をよぎってくれません。
漢字を思い出せないこともあるでしょう。漢字の間違いは命取りです。漢字を誤った場合は0点なのです。
だからこそ、普段から書くクセをつけることが大切です。

例えば次のような問題を解く場合

次の文は、日本国憲法の第98条の条文である。(ア)〜(エ)に入る語句の組合せとして、正しいものはどれか。
(平成3年)

 第98条 この憲法は、国の(ア)□□□□であって、その条規に反する法律、(イ)□□□□、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
 日本が締結した(ウ)□□□□及び確立された(エ)□□□□は、これを確実に遵守することを必用とする。

 

最高法規

規則

協定

国際慣習

最高法規

命令

条約

国際法規

最高規範

規則

協定

国際法規

最高法規

規則

条約

国際法規

最高規範

命令

条約

国際慣習

このような問題を解く場合は、単純に消去法などで、「2」に○をつけて答えるではなく、下記の5つの肢を見ないで(ア)〜(エ)の回答を、実際に紙に書いて答えるのです。
過去の穴埋め式の問題は、出題されやすく、必ず肢、すなわち解答例を見ないでも答えられるようにして下さい。
これは、択一の個数問題対策にもなります。
あやふやな知識での正解を喜ばず、ヒントなしで答えられる実力をつけてください。

●エクセルでオリジナル解答用紙を作成する●

とにかく書く!肢の一つ一つに正誤の理由

私は、実際に紙に書く場合、エクセルで簡単な解答用紙を作りコピーして使いました。
A4の用紙に横5問×縦8問、計40問分を解けるようして、過去問題集、予想問題集を解いていました。
まず、問題集の問の番号を左上のセルに書きます。記入も鉛筆、シャーペンなど本試験で使用するもので実際に書き込んでいきます。
択一の学習でも、必ず一つ一つについて正誤を確認して、且つ、何故正しいのか、何故誤りなのかを理由の部分に書き込むのです。
例えば、行政用語の説明の問題なら、誤った説明文なら×をし、正しい用語は何かを理由欄にも書き込むのです。
択一対策をしながら、記述対策をするとは、このことなのです。


行政書士試験 私のオリジナル解答用紙

問1

正誤

理由

問2 正誤

理由

問3 正誤

理由

問4 正誤

理由

・・・・・・・            

× ・・・・            

× ・・・・・・・            

× ・・・            

× ・・・・・・            
               
               
               
               
               
               

野武士 三郎

●予想問題集も、大いに活用●

予想問題集等で、最新情報をキャッチ

平成12年は、記述の予想問題集は、ないに等しいくらい、書店でも発売されていませんでした。
しかし、皆さんの書き込みを見ると今は、かなりその数も増えているようです。
書く練習、より正確な知識習得のため、うまく活用していくべきと考えています。
また、平成18年度試験から、記述式は40字程度で記述するものが出題され、権利名だけでなく、その要件をコンパクトに解答できる力が必要になってきています。


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2013年版うかるぞ行政書士 40字記述式問題集 (うかるぞシリーズ)

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・著者/編集:ユーキャン行政書士試験研究会
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