西洋スーツ語録その3

いよいよ追い詰められた火野薫。一発逆転を狙って信州に向かいます。



第33話:窮鼠、火野の策略

信州は松本へ向かう火野様。

地元財界の大実力者佐久間雄吉に会いに一路松本へ
佐久間が社長を勤める信州電燈にダム発電所を売りこむ算段
今度の相手は信州一の金満家札ビラ攻勢など通用せん
かけ値なしのビジネス勝負だ
おれの持ってる全知全能を傾けてあの男を口説き落とす

と車のなかで思索していると、車はハイカラででかい佐久間邸に到着。「うむ」と車を降り、門の前で佐久間の部下に
「東京から来た火野興産という会社の者だ。
佐久間雄吉さんはご在宅かな?」と挨拶。
相手は「おりますが」とコメントしたので、
「それは良かった、是非お会いしたいのだが…」と要望を伝える。


しばらく待たされたあげくに、会うことができないとの返答が。これに部下は怒り心頭になるも、火野様は冷静だ。
「地元のダム発電所の件でご相談しに来た
もう一度取り次いでくれんか」と冷静なコメント。が、それでも断られる始末。

だが、火野様は以前とは違う!! 騒ぎたてる部下に「騒ぐな!」と一喝。
さらに、「おまえら宿を見つけて先に帰ってろ、おれはここに残ると持久戦を宣言。


そして、火野様は雪が降る寒空の中で半日も外で土下座の体勢を維持していた。

この男を口説き落さん限り…
おれの勝算はない

そう考えると火野様にとってこの寒さは平気の模様。
部下達が止めようとすると

と素敵な笑みを漏らしているので、止めるに止められません。そして、いよいよ佐久間雄吉登場!!

来たな
ずいぶん待たせやがって…
じじいを誑し込むのもナマじゃねえぜ

ここまでくりゃしめたもんだ
後はこのじいさんを
おれの意のままに動かしてやる!




第34話:波状の逆襲


沖津の小僧の真似をして佐久間邸にもぐりこんだ火野様。
いよいよ説得工作の開始となります。

「信州一の大人物佐久間雄吉と知って…お願いに上がりました。
率直に申し上げます。貴殿の信州電燈社と我が火野興産…
事業の提携を結びダム発電所建設に参画したいと考えております」

「ご承知のように、今や信州は水力発電の立地県となっております。
とうとうたる水流の千曲、信濃、中瀬…まさにこれらは日本の電力源。
しかし残念ながら現在工事中の発電所は東京の業者が請け負い…」

「しかも都市ヘ電力供給するための発電所、
地元には何の利もない
ここには信州電燈社という会社がありながら…」



そう説得していると、佐久間は開発権の問題を口にする。

「開発権などささいな事。
そんなものが必要なら私に任して頂きたい
要はやる気の問題。
信州一の大人物と謳われる佐久間雄吉…
あなたが動けば情勢は一変する。地元民も大いにそれを期待しています」

「何故なら…信州電燈社が発電所を持つ事により…
安価な電力供給、それに伴う工場誘致・工員の雇用・産業の発展
付加価値は数知れず…信州は一気に潤うことでしょう」

「あなたは一躍信州の英雄だ!」

「そのためのお力添えに私はやってきた。
だいじょうぶですよ…、事の運びは全て私に任せて…
あなたは私のバックアップをしてくれればいい
こちらも命懸けで事を遂行します」



これが、決定打となり火野興産・信州電燈社のラインが築かれることに。

そして、部下には「上々だ。佐久間に会うまでは苦労したが…懐に飛び込んでしまえばこっちのもんだ」
とコメント。

外房の小僧のやり方を真似てみたが…
案の定ひっかかりやがった。
人たらしはあの手に限る

とサルマネを自覚しているのが悲しい所ですが。


第36話:集結

佐久間の配下のミスによって野村のじいさんが死んでしまった。
そのことに火野様は怒り心頭です。
「ばかな!! あんたの配下の者が…
作業員を死なせてしまっただとー〜っ!?」

「よけいな事するな!!あんたは俺の指図通り動いてりゃいいんだ。
先走った事しやがって!」
さすがに、佐久間もブチ切れそうになるも、
「それがどうした」と返し、拳銃を取り出す。

「信州一の大ボスとふんぞり返ってるあんたにこんな度胸があるか
人間てのはいつでも死ねる覚悟のある奴が一番強えんだ。
あんたとおれ…どっちがボスにふさわしいか教えてやる。
残り弾は一発…死ぬ確率は6分の1だ。
脳みそが飛び散った時には後始末頼むぜ」

とロシアンルーレット(偽)を敢行

「次は確率5分の1.いや…連発でいくか
人の上に立つ人間ってのは身分や金じゃねえんだ。
よーく見てろ!

そして、佐久間は完全に怯えて、腰くだけになってしまった…。

「ボスはどっちだ?」と聞くと、
あ…あ…あなたですと認めたため、火野様は車に戻ることに。

(元々シリンダーに弾は入ってねぇ。暴発防止用に最初から5発だけ…
それも見抜けんとはとろいじじいだ)
そして部下の秋葉に
「おい秋葉、今すぐ東京に連絡とれ。
宿舎にいる連中をこの佐久間邸に集結させるんだ」
「今度のダム乗っ取り計画は深く静かに進行するつもりだったが…
佐久間のミスで状況は変わった。
事が発覚して後手に回るより先手を打つ!
戦闘開始だ!!」



第37話:同じ国の住人

じいさんを殺された怨みから、佐久間邸に単身乗り込んだ黒須。その黒須を迎撃するために、
火野様は拳銃(今度は弾入り)で、黒須の肩を撃つ!!

「工事に事故はつきもの…
くだらん言いがかりはよすんだな。
それ以上暴れると次は心臓をぶち抜くぞ」

そして、黒須が欲しいのかスカウトしようとする火野様
「いい腕っぷしだ…殺すには惜しい男だ。
どうだ?うちで働かんか。
金も女も全部面倒見るぞ、破格の条件で雇ってやる」

しかし、怒りに身を任せる黒須はそんな話には耳を貸さず、再び突進…。

「ちっ!ばかな男だ!!」と黒須を狙うも、小僧が黒須にタックルしたため、弾丸は当たらず。

「こ…小僧」と動揺する火野様
そしていきなり話をまとめてしまう小僧に「け…決着だと!?」
と言うしかない火野様。


そのため、小僧達が帰った後は
「奴の言った通り三日後にダムに攻め込む」
「青臭せえ事をぬかすな!血戦だ!!
奪るか奪られるかなんだよ!!
大軍を集めとけ。総力戦で一気にかたをつけてやる」
と荒れ模様に




第38話:火野のわらい

フフフフ 俺は銭の神に選ばれた男!!
外房の小僧よ!最後にわらうのはこの俺だ!!




第39話:信州から日本へ

大人数の部下を引き連れて、ダム工事現場へ来た火野様。
「約束通り…決着をつけにきたぜ小僧〜っ
もはや、番長漫画のノリになっているのは気のせいでしょうか?


小僧は“あんたとの因縁今夜で断ち切るぞ”と強気でいるため、

「強がりはよせ!小僧 もう貴様らは袋のネズミだ
暴動が起きる前に黙ってダムをあけ渡した方が身のためだぜ!」

ついてきた信州の人達も火野様を支持します。
一方で、小僧の元にいる「あ…あの男」玉岡は、火野様の味方である佐久間を非難します。
見事に圧倒される佐久間と違い、火野様はまったく物怖じしません。

「威勢はいいが…、
事ここに及んでは負け犬の遠吠えに過ぎん!!
もはや議論の余地はない!
奴らを引きずり降ろせ!
抵抗する奴は痛めつけたってかまわん!」
と戦闘開始を指示。

が、花火の音に怯む信州の人達。“殺気だって争う前にあの山を見ろ!!”と叫ぶ小僧
それに「なにい〜っ」と反応するのが精一杯な火野様…。

そして小僧の演説が始まり、次第に動揺し始める信州の人達。
「えーーいあの男に惑わされるな!!
早い話が地元の信州電燈社がダムを請け負えば
すべておれたちのものだ!!
仕事や金が山ほど入る!!国よりも信州の利だ!!」

すると、小僧は“利権屋め、とうとう本性を表したな”と怖い顔に。

火野様もすっかり冷静じゃなくなっているため
「やっかましいーっ。
何をグズグズしてる。奴らをここからたたき出せーっ!!」
と改めて攻撃指示をするも、小僧は大掛りな仕掛けに出ます。

「望むもの?」と動揺していると、松明による日本地図を見せられることに。
そして、完全に蒼ざめる火野様…。




第40話:好き日に乾杯!

小僧の仕掛けにコロリとやられた佐久間は、あっさり小僧の元に寝返ることに。

「ね…寝返ったなきさま〜っ」

信州の人々も小僧の味方となったため、圧倒的劣勢にたたされた火野様。
ここで、拳銃を小僧に向かって発射!!

「同じ屈辱を二度までも…。
許さんぞ小僧〜っ」

と見事に小僧に命中するも、それが引きがねとなり、小僧の部下の作業員達にボコられる結果に…。
高地にいる相手に仕掛ける時点でダメぢゃん(汗)


そして、黒須にやられたまま火野様フェードアウト…。

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