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 アリストV300VEに乗るNO.2007のSOARISTOさんが、リヤアンダーディフューザーを製作されたので紹介してくださいました。高速域では、かなりの効果が期待できるようですね。


VOL.272 カーボン調リヤアンダーディフューザー製作記 <作成:'01年11月4日>

[はじめに]

 アンダーディフューザーとは、車体下部に流れ込む空気を整流し速く抜けさせることで、車体上部を流れる空気との速度差を作り出します。これにより、局所的な気圧差を作り出し、ボディーを下へ押し付けるダウンフォースを得ることができます。結果として、高速域でのボディーの安定性が増すことになります。

アンダーディフューザーというと、これまではレーシングの世界でのことでしたが、R34GT-Rの辺りから本格的に市販車に取り入れられるようになりました。さらに最近では、単に高速域でのボディー安定性の獲得だけではなく、空力の改善による燃費向上のための方策としても用いられています。30CERSIORでは、ボディー下面はほとんどカバーに覆われ、ほぼフラットになっています。

ARISTOも、昔の車に比べれば、アンダーカバーで覆われている部分が多くなっていますが、それでもリフトに載っている愛車を下から眺めていると、まだまだ凹凸が多いような気になります。

ということで、電気系にわか技術屋(?)としては、
「効果があると言われているものは試さずにはいられない!」
という生来の気質を背負ってしまっているため、今回も性懲りもなくDIYすることにしました。(^^ゞ

[作製方法]

 今回もDIYチューンの強みを活かし、愛車のボディー下面ににジャストフィットするリヤアンダーディフューザーを作製することにしました。第一目標は、「何が何でもフラット化!」です。

また、空力的に意味があるかどうか分かりませんが、左右のスプリッターとの間にフラップを取り付けてみました。取付穴の位置を変更することにより、角度調整ができるようなっています。
(エアロダイナミクスの「エ」の字も知らないので責めないでください)(^^ゞ

[写真1]
  • ボール紙を使って型取りをします。(写真1)
  • ボディー下面の凹凸になっている部分を覆い隠し、マフラー等、各部に干渉しないギリギリの範囲で、できるだけ広い面積をカバーするように型取りします。
  • また、牽引フックの逃げも作っておきます。

 つぎに、今回作製したリヤアンダーデフューザーの図面を示します。
(真面目に製図するのは久しぶりだなぁ。確か大学時代の「電気工学実験?」以来かな?)

にわか職人が片手間に図面を引いたものなので、加工性は全く考慮されていません。このまま金属加工屋さんに持っていっても、恐らくダメでしょう。(^^ゞ
(あくまでディフューザーの形状確認の参考としてください)

[図面1](画面をクリックすると拡大します。参考まで)
  • ディフューザー本体です。(図面1)
  • 軽量さと強度とのバランスを考え、1.5mm厚のアルミ板としました。
  • 平面になっている部分が多いため、各部にアングルを取り入れることにより、強度を確保しています。
    (折り紙の手法に似ています)
  • 図面下部の3枚に分かれている部分は、ちょうどスペアのタイヤハウス前面を覆う形になり、デフューザー上部へ風が回り込まないようにしました。

[図面2](画面をクリックすると拡大します。参考まで)
  • スプリッターです。(図面2)
  • 図面上部の長い方がセンター用、図面下部の短い方がサイド用になります。
  • 左右それぞれ2枚、合計4枚のスプリッターが付くことになります。
  • スプリッターの高さは、ガレージで現車合わせを行い、車止めと干渉しないギリギリの大きさとしました。
  • 運悪く障害物にヒットしてしまった時のために、ディフューザー本体とは一体化せず、交換可能なように別パーツとしました。

[図面3](画面をクリックすると拡大します。参考まで)
  • フラップです。(図面3)
  • 左右のスプリッターの間に取り付けます。
  • 取付穴を工夫することで、角度を調整することができます。
  • フラップも、交換可能とするために別パーツとしました。
  • ディフューザー本体とスプリッターとフラップが組み合わされることにより、空気を整流する横長の箱を形成します。
    (イメージは、コンコルドのリヤジェットエンジン!)(^^ゞ

[図面4](画面をクリックすると拡大します。参考まで)
  • ディフューザー本体の取付ステーです。(図面4)
  • 高速域ではかなりの力が加わることから、このパーツのみステンレス(SUS304材)とし、強度を持たせています。
  • ディフューザー本体は、前後左右計4本の取付ステーにより、ボディーにがっちり固定されます。

 アルミ板およびステンレス板の加工は、金属加工屋さんにお願いしました。3DCADで図面を起こし、レーザー加工機で切り出します。

[写真2]
  • 切り出されたディフューザー一式です。(写真2)
  • レーザー加工のため、寸分の狂いもありません。非常にきれいな仕上がりです。
  • これだけ大きいと、ちょっと重くなるかな、と思っていたのですが、予想外に軽量でした。

[写真3]
  • ディフューザー本体を固定するステーを取り付けたところです。(写真3)
  • マフラーの遮熱版を固定しているボルト(M6)に共締めします。
  • 振動によりナットが緩んでしまわないよう、必ずスプリングワッシャーを入れます。

[写真4]
  • ディフューザーを取り付けた状態です。(写真4)
  • アルミ板のエッジ部は、そのままでは危険なため、溝ゴムを付けて保護しています。
  • ディフューザー本体には、例によってカーボン調シートを貼り込んでみました。
    (写真では黒光りしてしまっていますが)
  • カーボン調シートは、カーショップ等では10cmあたり400円ぐらいで売られていますが、東急ハンズでは220円で売られています。
  • 東急ハンズで売られているシートは、「グラデカーボン」といって、カーボン模様に濃淡が付けられており、より本物に近い色調となっています。

 まさに、コンコルドのリヤジェットエンジン状態になってしまいました。(^^ゞ
このままではアニメチックでちょっとハデ過ぎるため、現在はフラップを外してあります。

[インプレッション]

 FISCOオフミへの行きの東名で、リヤアンダーディフューザーの効果の程を「検証」しました。(@.@)
100km/h未満では違いは感じられませんでしたが、120km/hを越えた辺りになると、ノーマルとの違いをはっきりと感じることができます。

また、高速湾岸線西行きの浦安I.C.手前付近に、いつもフワッと飛び跳ねて怖い思いをするポイントがあるのですが、このポイントをディフューザを装着した状態で通過してみました。
確かに最初はフワッとくるのですが、その後ピタリと上下方向の動きが抑制されて、何か路面から強力な磁石で吸い付けられているような感覚を受けました。

ただし、予想以上に効果が大きかったため、逆にフロントが持ち上がってしまっているような感じも受けました。
(これは、さっそくフロントディフューザーを作るしかないですねぇ)(^^ゞ
逆にいうと、リヤ周りに簡単なディフューザーを付けるだけでも、かなりの効果を得ることができるという大きな発見でもありました。

[写真5]
  • ディフューザーを取り付けた状態です。(写真5)
  • ローアングルから覗くと、かなりアグレッシブなリヤビューのように見えますが、後続のドライバーのアイポイントからは、注意して見ないと気付かない程度のさり気なさです。
  • なので、ワンポイントとして、TOM'Sさんのステッカーを貼ってみました。
    (ちらっと見えるところがグー!)(^-^)g""

[写真6]
  • ガレージに停めた状態です。(写真4)
  • 車止めとのクリアランスは、設計値どおりの3mm。素晴らしい!\(^-^)/
  • 後席に人が乗っていると当たります。(^^ゞ

 装着する前は、
「SOARISTOさんはほとんど飛ばさないから、リヤディフューザー入れても変わらないかも」
という声もありましたが、確かに一説にはそのとおりです。でも、
「い〜んです!(本人さえよければ)」 (川平慈英風発音) (^o^)v

[おわりに]

 アンダーデフューザの型取りをお手伝いいただきました「光」さん、金属加工にあたりいろいろとお手配をいただきました「TOM」さん、どうもありがとうございました。

[ご注意]

このカスタマイズは、個人的な趣味にて実施したものです。このレポートを参考にしてのカスタマイズは全てご自分の責任で行ってください。

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