アリストV300VEに乗るNO.3262のSAYANさんがショックアブボーバーをエナペタル、スプリングをアイバッという組み合わせに交換されたので紹介してくださいました。

エナペタルのキット装着例は、１３０号さんがレポートされています。私が装着したものは、車高調整・減衰力調整機構のない純正形状のショックです。エナペタルは、ビルシュタイン製ショックをユーザーの好みにチューニングしてくれる、セミ・オーダーメイド・システムを採用しています。具体的には、エナペタルのショップを見つけ、オーダーします。私の場合、

１．クルマの使用状況は市街地中心であること。

２．コーナーでの安定性−ロールの減少−を望むこと。

３．乗り心地はあくまでもマイルドに−段差の突き上げがキツクならないように−

という要望を伝えました。また、スプリングについては、乗り心地・車体制御ともに良く、ヘタラない、とそのショップお勧めのアイバッハ製を選択しました。さすがにオーダー・メイドということで、発注後納品まで１ヶ月待ちましたが、待たされた甲斐があったという、非常に満足のいく脚に仕上がっております。具体的なフィーリングは、次の通りです。

	まず、足回り関係の仕様ですが、 タイヤ：BSレグノGR７０００ Ｆ：２３５／４０−１８ Ｒ：２６５／３５−１８ ホイール：BBS　RG-R Ｆ：８．５Ｊ−１８ Ｒ：９．５Ｊ−１８ ＴＲＤ製タワーバー ８０スープラ用キャリパ―、ローター（フロントのみ） ＴＲＤ製ブレーキホース、パッド エナペタル純正形状ダンパー アイバッハPro-Kitスプリング Ｆ：８．９２ｋｇ／ｍｍ Ｒ：６．８３ｋｇ／ｍｍ

[コーナーリング]

　初期ロールスピードが抑えられ、ゆとりを持ってステアリングを握っていられます。今までは投げ出されそうになっていたコーナーでも、私の体が浮き上がることもありません。ステアリング・レスポンスも向上し、操舵すると即座に向きを変えてくれます。お陰でこのレスポンスが向上した分、よりコーナーリングの軌跡が小さくなったように思います。これらの印象は、市街地での右左折・カーブでも実感したのですが、やはり嬉しかったのは山道を走った時です。例えば、伊豆スカイラインでは、かなりきつめの下りコーナーにそのまま飛び込んでも、破綻することなくクリアできました。また、左右のコーナーが連続するような状況でも、オツリが緩やかで身体が必要以上に左右に振られることもありませんでした。

[乗り心地]

　一言で言うと、ソフト・タッチです。「硬さ」は全くありません。装着後は、益々穏やかな乗り味になっております。路面の凸凹などのいなし方は見事です。走行性能があれだけ向上したにもかかわらず、ノーマル以上に乗り心地が良くなる・・・俄かに信じられない話かと思われるでしょうが、事実です。この本人が一番驚いております。どうやら、このあたりはスプリングのプログレッシブ・レートという特性−初期入力に対しては柔らかく対応し、徐々に最大レートに向かう特性−が効いているようです。また、発進時のスクウォットによるリアサスの腰砕けが小さくなったので、スタート・ダッシュは速くなり、ブレ―キング時のノーズ・ダイブは殆どなくなりました。

[異音問題]

　異音については、ショックの方はアッパーマウントに純正のものを流用するので問題ありませんが、スプリングは冷間時にギシギシという音がします。しかし、暖まると消えるのでこれも問題ありません。

[車高設定]

　エナペタルの純正形状のショックは車高調整機構は付きませんが、ロアーシートを噛ませる溝が何本かあるので、どの溝に噛ませるかで、大まかにですが車高を設定できます。私の場合、正確には測定していませんが、前後それぞれ指２本分位のダウンでしょうか。

[結　論]

　乗り心地はノーマル以上に柔らかくなり（といってもフワフワするわけではありませんが）、これが「しなやか」な乗り味というものか、とポジティブに受け入れています。ただ、引き締まった乗り心地を求める方には物足りないかと思われます。ロール制御も、私には充分に感じられますが、ロールを抑えこんでやろうという程でもないので、サーキット走行や本格的にコーナーを攻める、という走りには役不足かもしれません。ただ、穏やかな乗り心地とコーナーでの挙動の安定感を求めたいという方にはお勧めできます。最後にショック、スプリングの金額を記しておきます。減衰力調整・車高調整機構もないショックにしては、高いと思われますが、オーダーメイドにしては手頃という感じもします。

エナペタル　ストリート　４本セット：１７０，０００円（定価、税抜き）
アイバッハPro-Kitスプリング４本セット：５４，０００円（　同　）

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