BMW vs アリスト

Interior 徹底比較
[アリスト]
 内装の質感、触感、雰囲気などどこを見てもアリストの圧勝といえる。グレーに統一された内装は、大柄なシート、ステアリング(チルト、テレスコ)とも電動により微調整が可能で、どんな体格のドライバーでもベストのポジションを得られる。パワーシートというといかにもオヤジ達を満足させるための装備のようだが、これがなかなか便利で、手動シートのように”あと少しだけ前がいいのに一つ前にずらすと窮屈になってしまう”ということがない。また走行中にちょっとポジションを変えるなんて事も可能になるのである。エアコン等のスイッチ類も大きい物でブラインドタッチが可能なため、走行中でも前方を見たままコントロールすることが出来るので安全である。オーディオに関してはADDZESTの2DINに変えているため、特にナイトクルージングでは非常に美しい演出を見ることが出来、静粛性も高いためオーディオの性能を満喫できる。このほかの装備としては空気清浄器があり、花粉症に悩まされているあなたでも安心である。
[BMW525i]
 高級な印象のアリストに対してBMWの内装は、黒に統一されて非常にスポーティな印象だが、期待とは裏腹に質感はプラスチッキー。はっきり言って高級感はまるで無い。ステアリングはチルト出来ないため、低い位置を望む向きにはちょっと高い位置となってしまう。素晴らしいのはフットレストの位置で、左足を伸ばすとそこがフットレストになっている。以外に些細なことのようだが、今まで30台位の車のハンドルを握らせてもらったが、フットレストの位置が良くないためコーナリングでしっかりと身体を支えられない車が多いのである。エアコンのスイッチは大きなダイヤル式で走行中も簡単にコントロールできるが、不便なのがフロントガラスが曇ったときで、アリストなどの日本車のように”スイッチひとつ”というわけにはいかず、3つくらいの操作が必要である。逆にBMWのエアコンは運転席、助手席で別々に温度設定を出来るのでなにかと重宝する。オーディオに関してはフェイスが非常に素気ないのが不満であるが、純正の6連奏CDチェンジャーが付いているので一枚ごとに入れ替える手間が省けて非常に便利である。しかし、別のCDを聞きたいときにはトランクを開けないと入れ替えられないので雨の日等は面倒である。
 音に関しては、”外車は音が悪い”といわれるが、予想してたほどでもなく満足できるものだろう。しかし、アンプ等が変わっているアリストにはかなわない。インパネのイルミネーションはオレンジ色で、グリーンに光るアリストなどの日本車とはまったく違う雰囲気を味わうことが出来る。
 アリストには無くて便利な機能としては、まず第一に”チェックコントロール”がある。これは不具合箇所を”ポーン”というアラームとともに”OIL LEVEL LOW”、”HAND BRAKE ON”等とインパネのモニターに表示して知らせてくれる機能である。2番目に、雨の日に信号で停車したときにワイパーのインターバルを長くしてくれる機能がある。信号で停まるたびにいつもワイパーレバーで調整している方を、そのわずらわしさから解放してくれるこの機能は非常にありがたい。その他には、ヘッドライトの光軸調整、バックフォグライト等がある。
[安全性]
 さて、近年日本でも安全性が話題になっているが、衝突安全性については試したわけではないので感覚的な話となってしまうが、アリストはBMWより20センチ長く、5センチ幅があり、デュアルエアバック装備、そして太いBピラーやブ厚いドアなどにより守られている感覚は非常に強い。それに対してBMWはエアバックが無いのは寂しいが、やはり太いBピラーやブ厚いドアによって安全性は非常に高いと思われる。いずれにしても”この2車だから助かった”なんてことはあり得る話であり、逆にこの2車で痛い目に遭うことがあれば、他の大抵の車ならさらにひどい目に遭うとも言えるのではないだろうか。
 そしてBMWは万が一の事故の瞬間自動的にドアロックが解除され、車内灯がつき、ハザードランプが点滅する機能も付いている。また、ベンツやBMWのバンパー、ボンネットは、はねられた人間のダメージを最小限にするための形状が与えられているのである。そろそろ日本のメーカーもRV車に殺人兵器のようなカンガルーバー(日本で必要なのは北海道くらいであろう)を付けたり、車本来の安全性を追求せずに小型車にエアバックだけ付けて”安全性もバッチリ”などといって売るのはやめるべき時期に来ているのではないだろうか。
 最後に”車のドアを閉めたときに、その車の安全性を感じる”と言われるが、アリスト、BMW両車とも車内のどこも共振すること無く”ドンッ!”という音とともに閉まる。あのベンツSクラスのように閉めた瞬間、鼓膜に圧力を感じ外界と遮断される感じに近いのは、どちらかというとアリストである。

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