NOGI ARCHITECT OFFICE
禾設計事務所
〒311-3431 茨城県小美玉市川中子305-2
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近頃、季節に関係なく風邪や熱を出す子どもが増えています。季節感の無い、冷暖房設備の完備された中で成長する子ども達は、夏の暑さ・冬の寒さといった四季の変化に適応できにくくなってしまうのかもしれません。体の体温調節器である皮膚感覚が自然界に適応できないのかもしれません。多くの子ども達が今では、床暖房や冷暖房の快適な室内で長い時間過ごし、戸外で遊ぶ機会も減ってきています。

暑さ寒さの盛りに冷暖房の温度を強くすると、戸外との寒暖の差が激しくなり結露が発生します。覗くことができない大壁(柱の見えない壁)内部に発生した結露とカビ・ダニは、対処不可能です。人工的な素材と設備で作られた便利さと快適性は、裏腹に家族の健康を脅かし、住まいの寿命を蝕んでいきます。

無添加の素材で作る住まいは割高に思えますが、医療費や修繕、そしてエネルギーに係る費用を考えると逆に、ローコストになります。

<杉板断熱構法>の住まい造り

この構法は、地域材の材種の特性を住まい造りに生かすために始まりました。
杉の中目材を断熱材(厚さ30ミリ)と平角(構造材)に使用しているのが特徴です。
住まいに使う木の量は、一坪当たり1立方メートル程度ですから、一般住宅の約2倍の使用量です。
熟練した大工技術でユーザーの皆様の注文にお応えします。
尚、この住まい造りは、民家型構法や板倉の家と基本理念が同じです。

石岡の家

石岡に建てられた杉板断熱構法の家
自然の素材を用いた、健康的な住まいを実現しています。

杉板断熱構法の特徴

快適な室内空間〜穏やかな暮らし
  • 夏さわやか、冬寒くない家
  • 杉板厚さ30ミリを床・壁・化粧野地に断熱材として使います
  • 季節を通して、壁内結露は発生しません
省エネルギー住宅〜自然素材の断熱効果
  • 二重野地
  • 冬の室内外の温度差約10度くらい
  • 夏の室内外の湿度差約5〜12%
健康な住まい〜五感を鍛える(自然素材)
  • 室内はフィトンチッド森林浴
  • アレルギーやシックハウス症の心配がありません
  • 桧板(厚さ15ミリ)や唐松、青森ヒバ(厚さ12ミリ)
  • ミカゲ石、タイル
  • 珪藻土、漆喰、京壁、手スキ和紙
  • 塗料は、亜麻仁油、柿渋
耐久性を考えた〜栗のパッキン
  • 基礎梁に欠損を与えず、床下換気を確保
  • 骨太の軸組構法(80年以上の耐久性)
  • 土台:桧4寸角、柱:桧4寸角以上
  • 大黒柱:杉6寸角〜8寸角
環境に配慮した住まい〜土に還る素材
  • 地域材の使用は、地域の環境を守る
短期構法〜ローコスト住宅
  • 杉板厚さ30ミリをパネルにして現場加工の省力化
  • 37坪の住まいを規格化
  • 37坪の家は、建方終了から完成まで約75日
    (外壁を湿式工事とすると約一ヶ月伸びます。)

杉の落し板パネルが出来るまで

 杉の丸太

 杉挽立材(板)

丸太から板に挽きます。板は表面がザラザラで、たくさんの水分を含んでいます。乾かすと反ったりねじれたりするので、後で加工して小さくなることを考えて大きな寸法で挽いておきます。


 桟積み・乾燥

杉板を何百枚も重ねて桟を入れ、空気の通りを良くし乾かす。(なんと4ヶ月〜6ヶ月)これをすることにより、あらかじめ反ったり、ねじれたり、曲がったりする板の性質を出し切らせる。
杉板のクセが出来るまで乾燥させたら、機械に入れて「落し板」に加工します。


 加工

 加工後の板

(加工した板は、こんな断面になります。)

 パネル

この板を大工さんの作業場に搬入し、柱と柱の間隔に合う寸法に切って、何枚も繋ぎ合わせてパネルにします。板は600枚前後あり、気の遠くなるような作業です。


 建て方

パネルを工事現場へもって行き、柱を建てた後、その柱と柱の間に入れていきます。

現場建て方写真

石岡の家

和室

障子から差し込む日差しは柔らかなものとなり、住む人の心を和ませます。

大黒柱

浴室

配線

手すき和紙