ゲームについて考えることは喜びである

連載『ザ・ゲームパワー』
第一章=社会の中のゲーム<第29回>


以前「今週のヒトコト」にも書いたが、セガの湯川専務CMには失望した。
第一弾は衝撃的だった。「プレステのほうがおもしろいよ」という子供たちの言葉には、
シャレにならないくらいのリアリティーがあった。
見ているゲームファンの心理を代弁していた。
第二弾もその流れを引き継ぐ。
だが私の頭には一抹の不安があった。
(この先、「ドリームキャストが出た途端、子供たちがセガに寝返る」なんて
 ありきたりなストーリーになりそうでコワいなぁ。
 まさかそんなことはないと思うけど、セガって伝統的にCM下手だからなぁ・・・)
案の定だった。
「ドリームキャストってすげえんだぜ」
いくらなんでも、発売前からそんなことを言う子供はそういないだろう。
これまで積み上げてきたリアリティーが、このひとことで崩れてしまった。
私はすっかり興ざめしてしまった。
ではどうすればよかったか?
やはり、子供たちに、見ているゲームファンの気持ちを代弁させればよかったのだ。
「いくらスゴイスゴイっていっても、本物見なけりゃわかんねぇよなぁ」
で、第四弾で子供たちに実際にドリームキャストのゲーム画面を見せるのだ。
ただし、まだ「ドリームキャストってすげえ」にはならない。
第四弾での子供たちのセリフは、
「見た目だけ良くても、つまんねぇゲームはつまんねぇからなぁ」
で、ドリームキャストが発売されて、子供たちが手に入れてからようやく、
「ドリームキャストってすげえ」になるのである。
何ならこの第五弾はなくても良い。やはりシラケる。
第四弾のCMのラストで、
“おもしろいかつまらないかは、あなたが確かめてください”
とか何とか文字を出して終わるのだ。
そのほうがよっぽど見る者に訴えかけるCMになるだろう。
さて、ドリームキャストの発売に伴って、せがた三四郎のCMは終了するらしい。
そこで、せがたフォーエバーという思いを込めて、
私の独断と偏見で選んだ、
「せがた三四郎CMベスト3&ワースト3」を挙げてみたい。
まずベスト3のほう。
3位:巨大なサターンを背負って山ごもり
2位:スケート選手と裸足で競走(『ウィンターヒート』)
1位:ゴールポストを持ち上げてシュートを阻止(『バーチャストライカー』)
やっぱり、せがた三四郎の魅力は、馬鹿馬鹿しいことを大真面目にやってしまう
実直さと、それを実現させてしまう超人ぶりに尽きる。
一方、ワースト3のほうは、
3位:横山智佐さんとじゃれあう(『サクラ大戦』)
う〜ん、三四郎ってもっと硬派なキャラだと思ったんだけど。
2位:クラブで死屍累々
絵的にね。テレビ見て思わず「戦争反対」って叫んじゃったよ。
1位:ゾンビに囲まれ身動き取れず(『ザハウスオブザデッド』)
だからヒーローがやられるなっての。
・・・ともあれ、せがた三四郎は、セガ始まって以来の大ヒットCMだった。
ドリームキャストでもこのようなCMが出てくることを期待したい。(続く)

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