ゲームについて考えることは喜びである
連載『ザ・ゲームパワー』
第一章=社会の中のゲーム<第22回>
同人誌になると、久保田氏は過激な意見を書く。私も以前は相当過激だっ
たが、最近すっかり毒気が抜けてきた。
久保田氏の文章は相変わらず過激だった。私としては、それがうらやまし
かったが、同時に、氏のこうした面の発揮できる場が、同人誌以外にないこ
とを残念に思った。
氏がホームページを開いたら、面白いことになると思うのだが。ネームバ
リューはけっこうあるし、 日本ファルコムのページからリンクしてもらえば、
さらなるアクセス増も期待できる。
もう一人、「ホームページを開いたら面白いのになあ」と私が思っている
人がいる。冬川準二氏である。
かつてゲームブックファンだったかたにとっては、「ウォーロック」や
「アドベンチャラーズイン」の常連としておなじみだろう。氏は現在も同人
誌活動を続けているが、やはり発表する場に苦労しておられる様子。
そもそもゲームブックの話題を、発表できる場がなくなってしまった。あ
るとすれば唯一、インターネットである。今のところゲームブックのホーム
ページは見当たらない。冬川氏のような人が作ってくれれば面白いのだが。
ゲームブックといえば、今回のコミケで早坂律子さんのブースを見つけた
(西地区A51)。
エニックスのゲームブック第一弾『ドラゴンクエストIII 』の作者である
早坂さんは、現在作家兼ラジオドラマのシナリオライターとしてご活躍中。
残念ながらご本人にはお会いできなかったが、本はしっかり買ってきた。
ノリがブッ飛んでて面白かった。
このノリでまたゲームブック書いてくれないかなぁ。エニックスでなくて
も、アスキーゲーム文庫でもいいから。
もっとも、ゲームブックにするのなら、そのノリで小説を一本書いたほう
が、断然面白そうに思えてしまうのが困りもの。登場人物(とくに主人公の
仲間)がいきいき動く話は、ゲームブックにはどうも向かない。
しかし人物がいきいき動かない話は面白くない。ゲーム界全体が「ストー
リー至上主義」に動いたことは、「ストーリーものに強い」はずのゲームブ
ックに、不利に作用してしまったのだ。
それにしても、早坂さんの同人誌を買ったり、ドラえもんで「ゲームブッ
ク」の話を見たりと、最近ゲームブックづいている。
ドラえもんの「ゲームブック」では、本当にゲームブックの典型的なシナ
リオが展開されていて、懐かしかった。
『ソーサリー』や『ドルアーガの塔』を、わくわくしながらプレイしてい
た頃を思いだした。『ドラクエ』とはまた違った「わくわく」である。
「ダイス新聞」から「ウォーロック」まで、私は“ゲームブック評論家”
として、ゲーム界に関わってきた。だからゲームブックという分野そのもの
が消滅したとき、私はたいへん困った。ゲームブック以外のゲームには、あ
まり詳しくない。当時の私にはゲームブックしかなかったのだ。
もっとも、近頃知人とゲームブックの話をしていた際、『城砦都市カーレ』
の城門を開ける呪文を思い出せなかった。昭和は遠くなりにけり、である。
昨年、ファミ通ゲーム文庫から、ゲームブックが何冊か登場した。私の手
元にも二冊ある。だが、未だにクリアしていない。
作者が前川陽子さんと沙藤樹さん。ともにかつての双葉社系の作家である。
しかも内容も、かつての双葉社系ゲームブックのノリそのまんま。
「ウォーロック」時代のパイプラインで、沙藤さんの作品を絶賛したこと
はあるけれど、やはり私は基本的に、「創元(推理文庫)至上主義」なのだ。
まあ、“ゲームブック評論家”として、「私には合わない」で片づけるわ
けにもいかないだろうから、いずれクリアして、コメントしたいと思う。
最近、このホームページで取り上げるため、あるゲームブックをプレイし
ている。次回のパイプラインを楽しみにしていただきたい。(続く)
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