ゲームについて考えることは喜びである
連載『ザ・ゲームパワー』
第一章=社会の中のゲーム<第16回>
『ナムコミュージアム』も回を重ねて、11月8日に発売されたものが『Vo
l.4』となる。
今回収録されているゲームは以下の5本。説明書に目を通してみると、操
作系の特殊なゲームが揃っていることに気がつく。
『パックランド』(1984)・・・左右移動がそれぞれボタン。連打すると加速
する。ジャンプボタンは方向キーで代用。
『源平討魔伝』(1986)・・・方向キーで移動としゃがみ、ボタンで剣を振る。
ただし横、平面、BIGの3つのモードがあり、操作がモードごとに若
干異なる。
『アサルト』(1988)・・・アーケード版はツインレバー。方向キーと4つの
ボタンで代用。
『オーダイン』(1988)・・・方向キーで移動、ボタンでショットとボム。今
回の5本の中では唯一まとも。
『イシターの復活』(1984)・・・方向キーでカイの移動。4つのボタンでギ
ルの移動。
特殊な操作スタイルのため、まともにプレイするためには慣れが必要とな
るゲームが多い。
今までの『ナムコミュージアム』は、『パックマン』や『ギャラガ』『ニ
ューラリーX』『ゼビウス』『マッピー』『ディグダグ』といったゲームに
代表される、「取っつきがいいゲーム」「ちょっとした時間に楽しめる小品」
が中心だった。『フォゾン』や『ドルアーガの塔』のようなマニアックめの
ゲームもあったが、それらは音楽CDでいうところの「c/w〜」的なもの。
マニアックめのゲームばかりが集まったのは、今回が初めてである。
80年代後半はナムコにとって、パックマン時代とリッジレーサー時代の谷
間の時期にあたる。『Vol.4』はこの頃のゲームを中心にしたから、マニア
ックになるのもやむをえないか。
もっともこの時期に、ナムコを代表するキャラクターが次々と誕生してい
たのも事実。『トイポップ』のピノとアチャ、『源平』の景清、『ワンダー
モモ』、『妖怪道中記』のたろすけ、『メルヘンメイズ』のアリス、『超絶
倫人ベラボーマン』。また、あの『ファイナルラップ』もこの時期(1987)
に出ているわけだから、決してヒット作がなかった時期というわけでもない。
ただ、パックマン時代のゲームの単純明快さを求めるファンにとっては、
物足りない時期だったのかもしれない。
『Vol.4』も、1〜3に収録されていた単純明快なゲームを求めると、面食
らってしまうことになるだろう。毎回“当時のファン向け”といわれている
このシリーズだが、今回は正真正銘、“当時のファン向け”といえる。
このたびコンビニでプレイステーションのソフトが売られるようになった
が、コンビニ発売第1弾ソフトの中に、この『Vol.4』がある。私は上記の
理由から、むしろ1〜3のほうが、コンビニ販売に適したソフトではないかと
思っている(まあもちろん、そのうち1〜3もコンビニで売られることになる
だろうが)。
ただし、ミュージアムの操作性は、回を追うごとに良くなっている。今回
は1つのゲームを終えたときに、ミュージアムやタイトル画面に戻らずに、
そのまま別のゲームを選ぶことができるようになった。
また、ミュージアムの内部がものすごく凝っている。とくに『イシター』
がすごい。それとシアターの「ロボットバンドPICPAC」の歌がいい。これだ
けで価格の4分の1くらいの価値があるのではなかろうか。
さて「単純明快なゲーム」といえば、キーホルダーテトリス。依然人気は
衰えないようで、電車の中などで遊んでいる人をよく見かける。だが最近は
それに加えて、電車の中でゲームボーイポケットをプレイする人も、よく見
かけるようになった。キーホルダーテトリスにつられて、ゲームボーイポケ
ットの人気も、ここにきて上がってきたのだろうか。(続く)
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