ゲームについて考えることは喜びである
連載『ザ・ゲームパワー』
第一章=社会の中のゲーム<第12回>
今週は、私がここ最近プレイしたゲームの感想を。
『おでかけレスターれれれのれ(^^;』(アスミック)。フェイスマークは
私がつけ加えたのではなく、もともとタイトルに入っていた。94年発売のス
ーファミソフト。海外もの(SCEいうところの「洋ゲー」)。さすがに新
品はなかったので、中古で買った。
一時期、高橋里華さん(ゲームカタログII司会兼ソーラーカーレース最速
ラップドライバー)が、ホームページで絶賛しておられたので、どんなゲー
ムなのか、実際にプレイしてみようと思いたって購入した次第である。
横スクロールアクションゲーム。主人公のレスターは、ブ厚い眼鏡をかけ
た、はっきりいって弱そうな青年。なんきんさんのパッケージイラストが、
なさけなさに拍車をかけている。
居眠りしてる間に積み荷と一緒に貨物船に乗せられ、その船が海賊に襲わ
れ沈没。なんとか南海の孤島にたどり着いたレスターは、「一刻も早く自分
の家に帰るべく、精一杯ムリをして果敢に戦う」(説明書原文ママ)のだ。
高橋さんが絶賛されているのがレスターのなさけない動き略してナサウゴ。
強そうな敵に遭遇したらとりあえず逃げる。崖っぷちに立ったらふるえる。
キックをうつときもなんとなく逃げ腰。あらゆる動作が頼りない。
私がプレイしてみたところ、主人公の頼りなさに合わせてなのだろうか、
それとも洋ゲーアクションのサガなのだろうか、とにかく難しい。いや、難
易度自体は、日本のこのテのゲームとそう変わらないかもしれないが、「一
発死に」がちょっと多い。持ちレスターは3人(自機3機)で、1人あたり
体力が3あるのだが、その体力が一気に全部なくなってしまう状況が多いの
だ(画面外に落ちる、トゲの海に落ちる、火の海に引きずりこまれる、etc.)。
これでは、山下章師匠おっしゃるところの「ストレス値」がたまってしまう。
それと、謎解きの要素がかなり強い。
たとえば、序盤にある洞窟。あるアイテムがないとクリアできない。アイ
テムのある所には、洞窟の途中から進行方向と逆方向にジャンプしないと行
けない(しかもその場所にたどり着かない限り、そういうアイテムが存在す
ること自体がわからない)。
たとえば現地人の村。人のいる家に入るといきなり殺されてしまう。煙突
から煙の出ている家にのみ人がいるので、それで見分けるのである。
こういう展開のゲームは、謎が解けない限りまったく進行しない。アドベ
ンチャーゲームが廃れた原因もそこにある。レスターは途中で牢屋に入れら
れてしまうが、脱出方法がわからない限り、永遠に牢屋から出られない。も
ちろんヒントなど一切ない。
それでいて、コンティニューが中途半端。8回で終わり。回数制限があっ
て、セーブのないコンティニューって、いったい何の役に立つのだろう?
アドベンチャーゲーム的要素の強い作品なのだから、やっぱりセーブ(ある
いはパスワード)がほしかった。
まあじっくり遊ぶ暇があれば、面白いゲームになるかもしれない。ただ、
私はこのゲームをプレイして、思った。
「やっぱりマリオは偉大である」
それからもう1本。プレイステーションの『刻命館』(テクモ)。なんか
巷で随分評判がいいので、「最近のテクモはソフトを作る際に、『とりあえ
ず○○みたいなやつ』というふうに、企画を立てているとしか思えない」と
書いた身としては、やはりチェックしておかなければならないだろう。
館の主となって、侵入者を罠にかけるゲーム。まだ途中までしかプレイし
ていないが、現時点ではとりあえず良いゲームだと思う。オープニングデモ、
ゲーム本編とも、雰囲気が良い。ゲーム自体も、自由度が高く、いろいろな
作戦がたてられる。
これほどのゲームが作れるのだから、あとは下手なクソゲーさえ乱発しな
ければ、“テクモ完全復活”といえるのだが・・・。(続く)
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